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日曜哲学クラブ
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日曜哲学クラブの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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すごく面白い,という訳ではない。理想主義的で,自分の情動に素直になれない女性が主人公だ。一見尊大に見えるが,内実は別れた男への思いを引きずる弱い面がある。事件そのものよりも,その周囲で展開する人間関係のアヤがこの本の面白さだから,「謎解き」を期待する人には向かない。エジンバラの雰囲気を楽しみつつ,人間観察するつもりで読むのが良い。星3でも,と思ったが,ラストが気に入ったので4つにした。 | ||||
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No.1レディーズ探偵社シリーズでお馴染みのスコットランドのミステリー作家マコール・スミス期待の新シリーズ「女性哲学者探偵イザベル」第1作です。本書が初登場となる素人探偵イザベル・ダルハウジーは四十代前半の独身女性でスコットランドの首都エディンバラに在住し〈応用倫理学レビュー〉誌の編集長を務める知的な女性です。脇役に通いの家政婦で6歳年上のグレースは不満を並べるボヤキ屋のオールド・ミス、イザベルが幸せを願う男との仲が長続きしない姪のキャット、ハンサムな好青年だが少々野暮なキャットの元恋人ジェイミーといった人々です。 ある日劇場にオーケストラの演奏を聴きに行ったイザベルは偶然にも天井桟敷から若い男が転落死するのを目撃してしまう。落下直前の若者の驚きに見開かれた目を忘れられない彼女は、死の原因は自殺ではないと確信し哲学者を自認する観察眼を駆使して独自に謎を追い始める。 本書を読むと主人公のイザベルを名探偵と呼んで良いものか首を傾げざるを得ませんが、正義感が強く人情味に溢れた好感の持てる女性である事は間違いないでしょう。彼女は今回死んだ若者の生前の人間関係を探り十分にあり得たかも知れない犯行を推定して見せますし、幸せを願う姪キャットがつきあっている男性が相応しいかに結論を出します。姪キャットの恋愛事件は100%満足の行く解決を出しますが、肝心の不審死の件では説得力ある仮説を出す物の結局は自己満足のレベルで終わり、最後にひょんな偶然から意外な真実に気づきます。最後に迷探偵振りが露呈しますがそれでも全く非難する気になれず逆に微笑ましく思えるのが彼女の人間性の美徳でしょう。本書は推理小説としては物足りない面もありますが、彼女が最後に下した判断には深く共感出来ますし、イザベルの自由奔放な思索を楽しむと共に彼女の願う姪キャットと元恋人ジェイミーとの復縁が実現するのか今後に注目したいと思います。 | ||||
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軽めの推理小説が好きで読み漁っているのですが、これは初めて途中で投げ出してしまいました。他の方も書かれていますが、この主人公に耐えられるかどうか、がポイントだと思います。くせのある主人公/ヒロインはたくさんいますが、このヒロインの偉そうで、ブランド見せびらかしの態度は、他の小説のブランド大好きヒロインとは異なります。私の場合は、ストーリー展開への興味より、ヒロインへの不快な思いが大きくなってしまいました。でも、きちんと書かれている作品ですし、学べることも多いので、好まれる方も多いと思います。 | ||||
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もし転落死した人がこの世で最後に見たのが自分だったら…わたしだったらどうするだろう? 最初の問いがこれで始まり、作者は次々と読者に問いかけてきます。 さすがに最初の問いを経験することはゼロに等しいとしても、その他の問いはどれかは一度は経験がありそうなものなので、 この主人公はその都度どういう答えを出すのかと…事件の行方とともに大いに気になるところでした。 主人公の目を通してみていると、いつのまにか自分も「日曜哲学クラブ」の一員になったような気にさせるほどグイグイ引っ張り込まれます。 それは主人公以上に、彼女の周りの登場人物がみな個性的で人間味があり、どこかで会ったような人として描かれているからだと思います。 読み終わったときには一度も行った事はないエジンバラという町をグルグルと探検したような、はるかスコットランドまで旅してきて見てきたかのような気持ちにさせる一冊です。 エジンバラの音楽や絵画や歴史に詳しいひとだったらもっともっと楽しめるハズ♪ 次回作も絶対読みたい!!今から楽しみっ!! | ||||
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心のアンテナが「日曜哲学クラブ」というタイトルにピピッと反応するかどうかで評価が逆転するでしょう。 推理小説としてはかなり薄口で、実のところ事件らしい事件は起きません。じゃあ何が書いてあるかというと、半分くらいはヒロインの内省というか独り言です。たまたま出逢った出来事をいろいろ反芻し、その中で倫理と論理を詰めて行く、言ってみれば「心の中の探偵」みたいな感じです。あるいは「意識の流れ」派の内心描写を明示的にやっているというか。その気になればなかなか魅力的らしい(お約束ですね)バツイチの中年女性哲学者の呟きにつきあっていくのも結構楽しいものですよ。 | ||||
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ストーリーなどは解説や他のレビューにおまかせするとして.. この本にはスコットランドの文化、芸術、気質などのスコットランド的なものの話題が随所に出てきます。スコットランド好きな方はぜひお読みになることをおすすめします。 私としては、主人公イザベラのキャラにイラっとしどおしでした。 -40代前半とは思えないほど口調が年寄りくさい。アンジェラおばさんみたい。翻訳がよくないのかも。 -かなり暇(朝食後のクロスワードパズルを日課にしている!)。編集の仕事もパートタイム。そのせいか妄想好き(倫理学的な考察?)。ただし、時間がないと本人は言っている。 -イケメン好きのようだ(被害者が若くて美しいので気になっただけ?)。 -過去の失敗した結婚をいつまでもひきずっている。 ただ、謎解きを含め、こういう風変わりな点がこの本の魅力でもあります。 今回は永遠のお嬢さんイザベラが中心でしたが、辛辣な家政婦あたりが相棒になってバランスが取れると面白くなりそうです。 | ||||
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イザベル・ダルハウジーは、“日曜哲学クラブ”を主宰する女性哲学者。だが、その会合は今まで一度も開かれたことがない。「近いうちに会合を開くつもりよ」とイザベルは言うのだけれど。 タイトルにもなっているこの開かれない日曜哲学クラブこそがまさにこの小説の性格をよく表していて、読者はいつ殺人事件の捜査が始まるんだ〜と思いながら読み進むことになる。何しろイザベルは劇場で最上階から自分の目の前を若い男が落下するのを目撃するのだが、彼女の脳裏に最初に浮かんだのは、イカロスの落下をうたったオーデンの詩で「このような異様なことは、日常の営みの中でいきなり起きるのだとオーデンは言う・・・わたしは友人と話し、若者は落下した」などと考える。そりゃあ、イザベルが何を思ってもいいわけなのだが、そういう横道にそれる思考が多すぎる!音楽を聴いたり、絵を見たり、クロスワードを解いたりしながらも、彼女の思いはどんどん寄り道をしていってしまう。思わず「ちょっとちょっと〜、本題はそっちじゃないでしょ〜」と声をかけたくなってしまう。まあ、そこがこの小説の一番の魅力なんだけど。 それに<応用倫理学レビュー>なんて雑誌の編集長をしているのだが、あくせく働いているようには見えないのに(第一、こんな雑誌がそんなに売れるものだろうか)、毎日家政婦が来るという優雅な暮らしぶり(この家政婦の方がよっぽど現実的で一家言あるしっかり者)。普通の小説だったら、最初はこんなに浮世離れした主人公が殺人事件に出会って新たな才能というか性格を発揮して、ぐんぐん推理していくんだろうが、イザベルの場合は全く違う。本当に最後まで読まないと殺人事件については分からないのだ。とにかく不思議な魅力のある本。本を読むことが好き、音楽や美術が好き、そして寄り道が大好きな人にお勧めの本。これがシリーズ第一弾とあるから、煙に巻かれた気分のわたしは、このイザベル・ダルハウジーとはいったいどういう人なのかが知りたくて、きっと次の本も読んでしまうだろう。 | ||||
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