ノルウェイの森
評判
ノルウェイの森の評価:
3.82/5点 レビュー 818件。 C ランク
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1,951件 1,921〜1,940 97/98ページ
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
「但し、あくまでこれは『一見すると』と言うことであり、そこに含まれている内容を理解できるファンは少ない」と、古参のファンの方々や一部の専門家は仰います。しかしながら、僕がかねてから疑問に思っているのは、この小説に代表される村上春樹作品は本当にその文面以上に内容が豊かなのだろうか、と言うことです。
彼は、「あるいはそうかもしれない」「つまりはそういうことだ」「やれやれ」と言った思わせぶりな台詞を好んで使いますが、これらの言葉が表現するもの、それは「具体的に突き詰めて言葉で考える」と言うことの放棄ではないでしょうか。彼の小説で、何か謎に突き当たると、たいていはこれらに類する言葉が使われているように感じ、肩透かしを食らった気がします。物事すべてを言葉で表現しなければならない小説と言う表現手段において、村上春樹小説のこの性質には何か致命的なものを感じるのです。
この小説でも主人公が「それ以来僕は物事を深く考えることをやめた」と言うような描写がありましたが、このような思考を放棄した人物が主人公であると言う時点で、村上春樹自身が「この話には深みはないよ」と語っているようなものではないかと、僕は思ってしまうのです。
また、僕は皆さんと同じように村上春樹の性描写についていつも異質な印象を受けるのですが、安部公房の『他人の顔』とこちらを並行して読むことによって、その理由のひとつが分かったような気がします。
つまり、村上春樹はおよそ必要がないと思われるところで、唐突に『取ってつけたように』性描写を出すことが多いのです。ここで注を入れておきますが、僕は何も、性描写が嫌だなどと言っているのではありません。
実際、安部公房や大江健三郎にも、かなり露骨な性描写は認められます。しかしそれらが村上春樹のそれと決定的に違っているのは、それらがほぼ必ず、ストーリーの本筋から遊離したものではないと言うことです。つまり、必要に迫られて性描写を書いているということがよく分かるのであり、その描写はその他の描写と組み合わさって、小説全体としてひとつの有機体になっているのです。
然るに村上春樹はそうではありません。彼本人は「必要に迫られて」書くと言っているのですが、少なくとも僕にはどこが必要なのかさっぱり分からないのが現状です。この小説にしても、性描写をなくしてもほぼ同じ物語に仕上げることは可能でしょう。となるとこれは、現代流の読者サービスなのでしょうか。少なくとも僕は全く嬉しくないのですが…。必要以上の性描写を読みたいのであれば、僕は官能小説を読みます。
僕は彼のこういったところが主に好きではありません。しかし衰退の一途を辿っていた現代文学を復活させたと言う意味において偉大だと思うので、星は二つにします。