ノルウェイの森

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評判

ノルウェイの森の評価:

3.82/5点 レビュー 818件。 C ランク

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平均点3.82pt

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全1,951件 1,641〜1,660 83/98ページ
No.311
(3pt)

ある思い出

村上春樹の作品、その中で真面目に最後まで読みきった唯一の作品です。
それも最初は自分一人で、二回目は患者さんと一緒に。
淡々とした文体で、内容よりも主人公の感情の起伏の乏しさや、周囲への関心の希薄さ、対人関係への関わりの優しげで狡猾な拒絶、そんなところが一読目の印象でした。
そのあたりが生々しい感情の発露を前面に押し出す作品と異なり、長年の統合失調症で言語の解体化、ほとんど「はい」と「いいえ」しか話せない病状、を生じつつある重症の患者さんにも侵襲性が乏しいかもしれないと思い、一緒に少しづつ読むことにしました。
心配された性的表現、今日の目で見ればとても控え目なそれも、にやりと笑ってすらすらと読んでくれたのです。徐々に病状が改善し、少しづつですが語彙が増えていきました。
しかし、ある日突然治療は中止となりました。
身体疾患の悪化でその患者さん、急死されたのです。
彼のために良かったことだったのかどうか、いまだにわかりません。安易に標準的治療から外れることは、慎むべきだと思いますが。
この作品や、賢治の銀河鉄道、なぜかこの患者さんに好まれました。
静けさや悲しさも、文体というフィルターペーパーで侵襲性、破壊性をろ過されているからかもしれません。
しかしそれは、欠点でもあるでしょう、過酷で凄惨な今日を生きる人間にとっては。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.310
(5pt)

ボンボニエール 〜 思い出の玉手箱

 めくるめく長い月日を経て、自分の全身全霊をかけて愛し抜いた直子という女性の記憶の断片が、飛行機の中で流れていたビートルズの「ノルウェイの森」の曲と共にデ・ジャ・ヴとしてよみがえってくる・・・。
 時代は学生運動の全盛期。大学生活を送っている主人公の「僕」は、自殺していった姉や恋人の死に打ちのめされ、まるで三途の川をさまよう亡霊のように生きている直子へストイックな愛を捧げる。
 死という荒波に押し流されてしまいそうな彼女を苦しみの世界から連れ出して、二人で明るい生活を築いていきたいけれど、もがいてももがいても「僕」の心の中でずっと咲き続けている可憐ではかない直子という花の花びらが散っていくのを、どうすることもできずに遠くからじっと眺めているような焦燥感と絶望感。
 そこはまるでノルウェイの森のように深くて暗い闇の世界。
 そして最愛の人を失った哀しみを乗り越えて、新しいパートナーと愛を培って自分の居場所を見つけながら生き抜いていくというラストシーンは、ノルウェイの森という深い暗闇の中に差し込んだ一本の光の矢のように光り輝いていました。
 私はこの本を読んでいる時もこのレビューを書いている時も、ずっと涙がとまりませんでした。
 「人を愛するという事はどうしてこんなにも切なくて哀しいものなのでしょうね」
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4062035154
No.309
(3pt)

んん

村上さんの作品は初めて読みました。というか小説自体をほとんど読んだことがないのですが、小説というものの在り方について考えさせられませた。
小説というものが果たす役割と読者がそれを如何に解釈しているかによって大きく評価が分かれると思います。
私自身が今この小説について簡単に表現しろと言われれば、酒・タバコ・女と男子学生の物語とでも答えますが、性的描写が嫌に頭に残ります。
この物語と同時代を生きた人にとってはこの物語がどう映っているのでしょう。
これが当時のリアルなのかどうか、それが気になってしょうがないです。
ただ、なぜか次が次が気になってどんどん読み進められたので私自身は満足です。単純に非リアルなものに魅かれるのかもしれません。
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4062035154
No.308
(5pt)

年末読書三昧

ほぼ二十年ぶりの再読。高校を卒業し、横浜の大学に入学した時に買った本書。ずっと家の本棚の中にいました。今回二十年ぶりに上巻を読み返してみて、記憶に残っているのが、右翼の学生寮と自分のお小遣いで玉子焼き機を買う女の子の話の二箇所だけだったので、本当に新しい読み物として再読しております。村上節は健在で、地下水脈のように彼の文章独特の言い回しが流れており、静寂な世界観が繰り広げられています。まるで枯山水。所々にアクセントがあり、そこで読み手がグットくる仕掛けとなっています。いい読書体験が出来ています。
物語の話は下巻を読んだあとで、下巻のレビューで。
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4062035154
No.307
(5pt)

一番好きな小説です

2ヶ月に1回くらい読み返します。
読むたびに切なくなり、深く考えさせられます。
生涯絶対に手放せない本です。
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4062035154
No.306
(2pt)

大人になってから読み返しても、解りません。

10代の頃、初めて読みました。その時の私には
「直子は僕のことを愛してさえいなかったからだ」の意味するところが理解できませんでした。
30代後半になって読み返してみましたが、やっぱり解りませんでした。
「さえ…」というからには、それ以上の気持ちを持っていてくれていると思っていたという事になると思うのですが…。なぜ、「さえ」という言葉を使ったのか…。
ストーリー全体は一読する価値はあると思います。
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4062035154
No.305
(4pt)

恋は哀しい、恋愛でない恋はもっと哀しい

初めて読んだのは発売当初。奇しくも同年代。最初はさっぱり良さが判りませんでした。
暗く重苦しく、そして伝えようとし合わない、噛み合ない流れに、イライラとしたものを感じました。
でも、よく考えれば人はそんなに饒舌ではなく。
20歳前後の恋愛なんて、恋愛なんだか欲情なんだか自己の確認なんだか...そういえばちゃんと伝えることさえ出来てなかったと、時を経てやっと気づきました。
村上さんがこの物語を書いた年頃に、改めてじっくりしっかり読み直しました。
そうして改めて思ったのが「恋は哀しい」っていうこと。
でも「恋愛でない恋は、もっと哀しい」です。
恋って、重たくて苦しくて、すごく邪魔なこともあります。でも、恋したい。
だれかに自分を欲してほしい、この切なくて折れそうな思いを、理解してほしいと願うもの。
それゆえに、押しつぶされたり、思いを伝えることに回りくどくなったり、命も投げ出したくなったり...。
あぁ判る、この不器用な思い。
でも、底に流れているのはあの、なんとも言えない軽く明るい「ノルウェイの森」
魅力的な本です。
魅力的すぎて、時々思い切ってじっくり読まないと、浮上できないような気がします。
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4062035154
No.304
(5pt)

読むほどに深く理解できる作品です。

 小説の中に何度か登場するトーマス・マンの「魔の山」の中で主人公が向かったサナトリウムと、「ノルウェイの森」の主人公ワタナベ君が向かった「阿美寮」が重なる。対象が異性・同性の違いことあれ人里離れた山奥で暮らす、病的な人物たちを描く。
 ただ、ノルウェイの森に出てくるレイコさんや直子は正常と病との間にいる。どちらも過去を引きずりながら精一杯生きようとする。
 「ノルウェイの森」を読むのはこれで3度目。20代の頃は主人公な直子の気持ちが良く分かった。30になって読むと、レイコさんの気持ちが良く分かるし、2人を慮ったやさしさと気配りのうまさを特に感心して読んだ。読むほどに深く理解できる作品です。
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4062035154
No.303
(5pt)

美しい本

この本を初めて読んだのは18歳のとき、
本屋の100円コーナーで緑と赤の背表紙が目についてなんとなく購入しました。
村上春樹の本を読むのはこれで2冊目なんですけれども、早くも
「ああ、この作者は凄い人だなあ」と感じました。
どこが良いのか分からないけれど、何故かこの本には惹かれてしまいます。
私は論理ではなく感覚で本を読むほうなのでノルウェイの森はばっちり合いました。
ビートルズのノルウェイの森は聴いたことが無いけれど、
この本を読んでいるとどことなく音楽が聞こえてくるような気がします。
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4062035154
No.302
(5pt)

究極の恋愛小説だと思う

村上作品は独特の美しい比喩表現が特徴的だが、本書ではその比喩表現はほとんど姿を見せない。ただ淡々と物語が進んでいく。それを退屈と捉えるかどうかは人によるところだろう。
本書に出てくる登場人物たちは皆それぞれの孤独を抱えている。
一種の嫌世観をもった大学生ワタナベ、幼馴染のボーイフレンドに自殺されてしまった直子、有能すぎて人と対等に付き合うことができない永沢。
皆とても自分に正直に生きていてソツのない会話を交わしているけれども、根底にあるのは誰とも理解し合うことはできないだろう、できたとしてもその状態は永遠には続かないだろう、という登場人物たち同士の暗黙の了解だ。恋人や友人同士であったとしても、お互いの過去や秘密をすべて共有していたとしても、結局は人は一人で生きていくしかないんだと本書は訴えかけてくる。
村上春樹の作品は読者が納得するような整った形のオチがないものが多くて、正直私はあまり好きではなかった。読者を物語の深みに引き込んでおいて、ラストで宙に放り出すやり方にどうしても賛同できなかった。
けれども、それは「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」や「海辺のカフカ」などのファンタジー形式の小説に於いてのことだ。
本書のような単純な恋愛小説では割り切れない純文学に片足突っ込んでいるような作品では、春樹スタイルは最も生きてくると思う。
少なくとも私は「ノルウェイの森」で濃密な読書時間を過ごせたと思っている。
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4062035154
No.301
(5pt)

優れた古典的名作

 この作品は、永沢さんの言う「作家の死後30年を経て」ないとしても、優れた古典作品の一つであるのは間違いないでしょう。18歳で初めて読んだ時には数ページでダウンしました。20歳の頃には登場人物に嫌悪しました。25歳になってやっと素直に読めるようになって、今は30を過ぎていますが、何度でも手にとってしまう一冊です。
 結局のところ、優れた古典と言われるものは作家のものではなくて、読者のものなのでしょう。私たち読者は、村上春樹が「何をどう書いているのか」を読み取っているのではなくて、私たちが「どう受け止めたのか」、そして「どう変わっていくのか」を自分に当てはめて読んでいるのだと思います。だから、年をとりいろいろな経験を積む度に、それまで気付かなかったいろいろな読みが生まれてくるのだろうし、繰り返し繰り返し何度読んでも擦り減らないのだと思います。その意味で間違いなく古典的名作です。
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4062035154
No.300
(5pt)

いいですか、人が撃たれたら血は流れるものなんです

どうしてそんなに死の描写があるのか。
どうしてそんなに性描写が必要なのか。
出来ることなら性とか死とか、そうゆう煩わしいものは触れないでいたい、と思うのは自然なことだと思います。
そもそも、おそらくそんなことに答えはないんじゃないか、とも僕は考えます。
「いいですか、人が撃たれたら血は流れるものなんです」
僕は「スプートニクの恋」の後にこの作品を読んだ、と言うめずらしいタイプです。
その中で出てきたこの印象的な言葉がどうしても忘れられません。
この言葉は少なくとも「ノルウェイの森」にも当てはまるのではないでしょうか。
人は生きているから死ぬ。
人は生きているからセックスをする。
人は生きているから狂う。
村上春樹の作品はドライでリアリティーがないと言われるけど、僕にとってはとても心地がいいです。
この世界と村上春樹の世界、どちらが本当のリアルなのか分かりませんが、少なくとも僕は村上春樹が好きです。
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4062035154
No.299
(5pt)

素晴らしい

本当に熟慮された上に綴られた文章とは人間の心を揺さぶるのだなぁと思った。
作中に出てくる井戸とは、まさしく人生に突然訪れる落とし穴のような不幸を象徴
しているのだと思う。個人がどのような努力をしようとも不幸は突然やってきて
私たちを捉え、その哀しさの前では人間のできることなどないのだ。
そして切実で真剣だった思いもいつか薄れていき、哀しさや不幸に翻弄されながら
生きていくしかないのだと思った。
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4062035154
No.298
(1pt)

この作品のどこがよいのか

この作品を読んで一番奇異に感じたのは、恋愛小説を書くのにどうしてそう頻繁に「寝る」という言葉と、かくも細密な性描写が必要かということだった。
テレビBS2の衛星洋画劇場で米国映画「恋愛小説家」と「月の輝く夜に」を見たが、寝る場面など殆どない。それでも、すばらしい恋愛映画だった。小説では、桐野夏生さんの「ダーク」に壮絶なセックス場面が出てくるが、人間性に基づいたしっかりした愛の裏づけがあり、人間的に真性の行為であることがよくわかるので、感動はしても、すこしもいやな感じはしなかった。
この作品の性描写と性的話題は過度に作為的で好感を持てるものではない。
この作品に書かれたような恋愛は現実にはありえない、心的要素の抜けた全くの作り話だ。この作品の人物が何となく歪んだ異次元の世界にいるように感じられるのは、作者の作った世界が実世界の真実を全く反映していない虚偽の世界だからではないか。
真面目できれい好きで時々どもる同室の地理学科の学生通称「突撃隊」を事実上馬鹿にした笑い話を、直子や同級生の女友達緑が喜び、聞かされる度笑い転げるという話も、賢くて優しい女性なら、却ってワタナベの品性を疑い、そんな話を避ける。「寝る」常習犯のワタナベや池沢をその恋人たちが笑って許すというのも、女性の天性に反する。主人公のワタナベが寮で唯一敬愛する東大生池沢は自分とワタナベ以外の寮生は皆紙くず同然の人間だと言う。ワタナベはこれに反対しない。
このような歪んだ思考がこの作品全般を支配している。修辞的に非常に技巧的な作品であっても、精神性に欠けている。人間と生の真実に触れた真の文学作品とは到底思えない。
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4062035154
No.297
(5pt)

ほかの作品とは少しちがうものだと思う。

村上春樹は全ての作品を愛読しています。
この小説は、ほかの村上春樹の小説と少し違うところがあると思う。
過ぎ去られたものや失われたものをみつめている時や、
その中にまだ含まれている自分の描写の中に
村上春樹自身もいるのではないかなあ、と感じることが多くある。
とても正直だから。
文章が、正直すぎて、ほかの彼の文章とは違って、少しいたいのだ。
なんというか、彼がこの作品を書くときに、自分の心に沿って書いていったのではないかな、と思う。
もう何かを失ったあとに、それが何だったかを、時間をかけてゆっくりと理解していくようで、とても哀しい。
たまらなく哀しい。
「いろんなことを気にしないで下さい。
 たとえ何が起こっていたとしても、たとえ何が起こっていなかったとしても、結局はこうなっていたんだろうと思います。」
本当にそうなのだろうか?
少しでも自分が何かが損なわれていくのを見過ごしていたのなら、
そしてそれによって親愛なる誰かを少しでも傷つけていたのなら。
そういうことを気にしないということは、
自分と周りの様々な事物との間に少しの距離を置きながら生きるということの中に含まれるのではないか。
この小説を読むたびに、
損なわれたもの、損なったものを見つめながら生きていくことほど哀しいことはないんじゃないかと思う。
死者は死んだままということだけが私たちの頭の上につよく決定されていて、
私たちは、しばしばその決定事項は残された人間が生きていくことよりも大きいんじゃないか、と感じる。
でも違うのだ。大切なのは残された風景・言い換えれば残った風景なのだ。
たとえそれがひどく弱弱しくみすぼらしくともとにかくそれが私たちに残された風景なのだ。
瞳は失われた風景を見ているし私たちはそこにいるように思える。
でも私はこの小説を読んで、本当に存在している場所は残された風景で、今で、そこにいることこそがすごく哀しいことなのだと思った。
そしてそれがキーなのだと思った。
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4062035154
No.296
(3pt)

ノーベル賞候補

村上春樹はノーベル賞候補だったらしい。何か判るような気もする。
川端康成、大江健三郎、(候補だった)三島由紀夫、谷崎 潤一郎、みんな普通の感覚を持った日本人からすれば、特異な存在。村上春樹に対する評価はいつも賛否両論。私はこのノルウェーの森はいい読み物だと思う。しかし文学作品ではない。彼の作品ではいつも誰かが自ら命を絶ち、主人公がセックスの相手を見つけるのに何の苦労もない。これは文学とはいえない。ノーベル賞を取るには格が小さすぎる。
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4062035154
No.295
(5pt)

「精神を病む人」への造詣の深さ

著者は、「精神を病む人」にかなり造詣が深いみたいですね。おそらく、著者自身が多少なりともその世界に無縁ではないからかなぁ、なんて思いました。精神を病む人が、そうでない人々よりも却って「健全」であるケースが、作品の中にいくつも描かれています。私は、各登場人物が、「精神を病んでいるが実は純粋」⇔「世の中に適合しているが心は腐っている」の尺度の上の諸段階に位置づけられていることに興味を持ちました。左端は自殺をした3名の人たちであり、その隣は左と右とのインターフェースが務められる「僕」およびその解説者としての「レイコ」、その右隣が腐った世の中に疑問と嫌悪を感じて自分の左隣に居る「僕」に魅かれる「緑」、その右隣が世の中に適合しているし健全でもある、即ち最も「歪み」の少ない「ハツミ」、(彼女も結局自殺をするのですが、私はこの位置に彼女をおきたいと思います。)右から二番目が、自分の価値観が全てであり他人への配慮がない代わりに特に大きな迷惑もかけない「突撃隊」および「寮長」、右端が、世の中に埋没して腐っている「店長」および「学生運動の人たち」でしょう。外務省に入る「永沢」は、それら全ての段階を承知していながら、いや承知しているがゆえに、そのどこにも自分を位置づけないし、おそらく位置づけることが出来ない「根無し草」です。私および最も多くの読者が共感を覚えるのは、「緑」ではないでしょうか。素直でひたむきでありながら、かつ、やせ我慢や片意地を張って見せたりする。そして、その、入って三ヶ月でやめたフォークのサークルについてのそれに代表される胸のすくような科白。「僕」が「緑」といっしょに幸せになったかどうか、という読者が一番知りたい(それを知りたくて最後まで一気に読んだのに。)結果は、とうとう知らされないまま物語は終わってしまいました。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.294
(5pt)

村上さんの恋愛小説といえばこれ。

村上春樹の描く恋愛小説。
出世作といっていいと思います。
どこまでも深く深く沈んでいってしまいそうなお話です。
どのキャラクターも生き生きとしながらも淡々としている分、僕には異色とも言えるふつうな女の子「緑」の存在が大きかったです。
読む人を選ぶ小説だと思いますが、彼の小説の中では唯一と言っていい「真正面からぶつかろうとしている恋愛小説」なので、ぜひ手に取ってみてほしいです。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.293
(3pt)

とっつきやすい村上作品

若い青年ワタナベを主人公とした、ありえない大学生活のひとときを描いた作品。ワタナベくんはあまりにも男脳であり、男女の考え方のすれ違いと結末が最も極端な形で起こる。魅力的な人物描写も多々あり、楽しめる。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.292
(5pt)

俺は17だけど。

クソみたいに共感できる。まず、ファンタジーとか感動できるような話を求めている人には向かない。「楽しい」本では無い。
淡々と、この人の現実を語っている感じがする。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154