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ノルウェイの森
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【この小説が収録されている参考書籍】
ノルウェイの森の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全172件 41~60 3/9ページ
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若干のネタばれがあります。 浅野いにおさんの漫画『おやすみプンプン』をアプリで読んでいたら、『ノルウェイの森』を思い出すという感想がちらほら見られたので、本作を読んでみました。 たくさん人が死にます。でもなぜ死んだのかほとんどわかりません。理由があいまいな自殺だからです。 他作品の感想で申し訳ありませんが、『おやすみプンプン』のほうが圧倒的に重いです。あちらもたくさん人が死にますが、非常に悲痛で切ない死に方です。 『ノルウェイの森』の死にはほとんど重さを感じません。主人公のガールフレンドの1人緑の父の死には少し重みがありました。あれは自殺でなく病死だったからかもしれません。 また、セックス描写があまりに多いです。同性同士のものも出てきます。主人公の周りに出てくる女性はほぼセックスの相手です。 レイコさんとはやらないのだとほっとしていたのにもかかわらず、最後の最後でやっぱりセックスするのです。しかも、主人公の自殺した恋人、直子のための2人だけの葬式をした夜です。レイコさんは直子の服を着ているのです。呆れて逆に笑えるくらいの展開です。 『ノルウェイの森』の中に漂う10代独特ともいえるアンニュイで、定まらず、自己を喪失している感覚。明日にでも自殺できそうな曖昧さ。本作が同世代をひきつける要素に満ちていることに納得はします。また、ストーリーの展開の仕方もとてもうまいと感じました。先が知りたくなるのです。挿話ひとつとってもそうです。私が一番心引かれたのは本筋よりもレイコさんの話す過去の少女の話でした。レイコさんが過去にピアノを教えていた美しい少女が実はとてもうそつきでそれによってレイコさんは深く傷つけられた、それはどのような事件か、というところで上巻が終わります。私はこの話の結末がとても気になりました。それですぐに下巻に移ったのですが、感想は「またセックスオチ?」でした。 『ノルウェイの森』に展開されるすべての話は結局そうなのです。導入と展開には心惹かれます。でも着地点はセックスか、死か、あるいは曖昧なのです。 それはもはや10代ではない私にはやはり退屈で安易なものに映るのです。 | ||||
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※削除申請(1件)
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仲間内のよもやま話。 小説にするほどのネタもない。 この薄っぺらい日本語の文章。 こういう本が売れるから日本人が馬鹿になる。 いやもう馬鹿になってしまったからこういう本が売れる。 | ||||
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初村上作品。 友達に借りた。 一言で言えば気持ち悪い。 薄っぺらい。 自殺とエロをかっこよく書いてみたけど特に心に響く物はない。 で、読み終えてこの著者の顔は見たこと無かったからネットで画像検索してみた。 あ、なるほど、こんな本書きそうな方だなと。 ナルシストっぽいよね。 | ||||
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内容と関係ありませんが、ノルウエーの森は、東芝EMIさんが原題Norwegian Wood を正しいノルウエー木材(の家具)を誤訳したもので、これを小説の表題にするのは作家の言葉のセンスとして違和感があります。 | ||||
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高校のとき、担任の先生(女)が「人生で一番好きな一冊」としてあげた本作。「ちょっと表現が過激でみんなはびっくりしてしまうかもしれないけどいつか読んで欲しい」と大学生になったとき、機会があって読んだ。 結果、全く良さがわからなかった!イケメンではないけど、ウィットに富んだ知的な会話ができて女性にモテるボク他の作品にもよく出てくるこの「孤独だ」とかほざいる主人公って村上春樹自身だよね?メンヘラと奔放な女性との間で揺れ動くボクwww こんな気色悪い自己投影耐えられない(笑)!最後のオバハンと致すシーンとか吐き気w 「僕も同じこと考えてました」とかw ギャグか?ギャグなのか!? 尊敬してた先生だけど、その先生と同じ年代になった今、一番好きな一冊としてこの本をあげる先生の感性は到底理解できない。私とは全く違う感性の元で生きている別の人種ってことがよくわかった(笑) でも、先生のことは今でも大好きです。 | ||||
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私にとって初めて読んだ村上春樹の作品。最初は何だこれ、日記みてえだな、と思ったが、上巻の3分の2を過ぎる頃から徐々に面白くなってきた(凄く、というわけではなく、まぁそれなりに) 何て言うか、ファンタジーっぽい。主人公が最初に直子が入っている施設に行ったときの描写とか特に。主人公と緑との会話とかも何か現実的な気がしなかったし。そう、全体を通して言えるのは透明と言うか空気のような、実体のなさ感。寓話っぽさ。直子をメンヘラにするのも都合良過ぎる。それなら何でもありになる。実際そういう扱いだし。これが村上春樹の実体験を元に書かれていないのなら、結局何が言いたいんじゃおまえは?で終わりである。読み終わって何も得るものがない。 この内容で上下巻合わせて1000万部売れたなんて信じられない。集団ヒステリーのようなものか?何で村上春樹がノーベル文学賞候補になるのか?さっぱりわからない。 あと皆さんが多々言及されている性描写ですが、私的には別にどうってことなかったですよ、エロくも何ともないという意味で(むしろエグい。エグくて興醒めする) でも中高生に読ませるのはどうかと思いますが。 | ||||
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今更、手を出さなければよかった。 まだこれからだ、と我慢して読んでいたけどつまらない。 こんなに有名な小説なのにおかしいなぁ、私の読解力ではわからないのかな? おかしいな待てよと、初めてレビューをみたら意外や意外、そう感じるのは私だけじゃない、そういう小説なのだとわかった。 なんでも最後まで読んでみるほうだけど、これはかなわない、ただつまらないとかのレベルではなく何の為に時間を使ってるのかわからなくなりました、もう読みません。 | ||||
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私にとって初めて読んだ村上春樹の作品。最初は何だこれ、日記みてえだな、と思ったが、上巻の3分の2を過ぎる頃から徐々に面白くなってきた(凄く、というわけではなく、まぁそれなりに) 何て言うか、ファンタジーっぽい。主人公が最初に直子が入っている施設に行ったときの描写とか特に。主人公と緑との会話とかも何か現実的な気がしなかったし。そう、全体を通して言えるのは透明と言うか空気のような、実体のなさ感。寓話っぽさ。直子をメンヘラにするのも都合良過ぎる。それなら何でもありになる。実際そういう扱いだし。これが村上春樹の実体験を元に書かれていないのなら、結局何が言いたいんじゃおまえは?で終わりである。読み終わって何も得るものがない。 この内容で上下巻合わせて1000万部売れたなんて信じられない。集団ヒステリーのようなものか?何で村上春樹がノーベル文学賞候補になるのか?さっぱりわからない。 あと皆さんが多々言及されている性描写ですが、私的には別にどうってことなかったですよ、エロくも何ともないという意味で(むしろエグい。エグくて興醒めする) でも中高生に読ませるのはどうかと思いますが。 | ||||
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この作品を端的に説明するとスクイズと四月は君の嘘を足して2で割ったような作品 読んだ直感的な感想としては、これが世界的ベストセラーで毎年芥川賞候補に選ばれたりする作品とか世の中、訳が分からない。 このレビュー見ても星1のレビューが参考になった上位を占めてる異色の作品といえるだろう。 レビュー星5つけてる人は、普通に良かったみたいな短い感想もあれば、私は読んでないけど母にプレゼントしたら好評でしたー☆5とか、後は自分に酔ってるコメントが多々見受けられて爆笑した。それだけでも読む価値あったかも、、、 何が酷いって、登場人物殆ど自殺したり、エロゲーも青ざめるレベルの性的な描写とかセリフの多さ。登場人物自殺させるのは構わないんだけど、そこに至る理由が殆ど描かれていない。描かれていないって言うと語弊があるか、物語としてドラマ性が一切無いと言うか、ある程度の推察は出来ても自殺するだけの決定打に欠ける。そして死ぬ前も死んだ後もこれと言った別段変わった事が起こる訳でもない。 唯一良かったのは文章が上手いって事かな、普段使わない難しい言葉を使って緻密に文章表現をする事が多いなか、あれだけ平易な言葉だけで独特の雰囲気を作り出してしまうのは天才だと思う。それだけにあれだけの天武を持っていてどうしてあんなに山なし、落ちなし、意味なし、な話にしたのか腑に落ちる。 ただ、もしかしたらそれこそがこの作品のメッセージなのかもしれない。つまり、作中にも(死は生の対極にあるのではなく我々の生のうちに住んでいるのだ )って描写があったけど何か独特な理由があるから自殺する訳でもないのかもしれない、「死」、それは生活の一部であるようにそれこそコンビニでも行く気軽さで死ぬ。レイコが直子の自殺で病院から出る切っ掛けになったように、自殺は負の面もあれば正の面もあると言うこと、人は性行為や自殺に何か特別な意味や価値観を見いだそうとするがそういう杓子定規な物の見方に対するアンチテーゼを作者は表現したかったのではないだろうか。 | ||||
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昭和の独特な雰囲気の出た作品。 登場人物は個性的で独特だが、特にドラマがあったり、得られるものがある作品ではない。 私は低評価を付けさせてもらっているが、高評価の人と意見は同じで、これは雰囲気を楽しむ作品だと思う。 ただ、それも特に読者が積極的に楽しむ作風ではなく、何か平坦で受動的な印象を受ける。 「こうだったからこうでした。」「こうだったからこうでした。」と淡々とやっていくような。 それでも雰囲気が楽しめるなら読むと良いと思います。 私は最後まで面白いと思えませんでした。 | ||||
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ベストセラーだからと表紙がX'masっぽく可愛いので、つい買ってしまいましたが…ラストに救いが無く読後感が好きになれませんでした。 何故みなさんが騒ぐのか謎です。 | ||||
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『ライ麦畑』のオマージュのような感じだし、 自殺をした女の子の描き方が酷い。 ようするに 僕の好みであるフェラチオを何度もして 最後 口の中で射精した という話。 | ||||
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このような作品を書いた人間、 売ってきた出版社、 資本主義社会に 憎悪の気持ちと、 同じ人間として 恥ずかしい。 | ||||
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中学のころに1度読み理解できず 20歳でまた読んだはずなのに おばさんになった今、全く記憶がなかったので3度目の正直と読んでみた。 年をとっても主人公のナルシズムにも性にも全く共感できず、性描写は読み心地悪く この本を読んでいる自分が通勤電車でエロ雑誌を読んでいるおじさん化してしまったみたいで恥ずかしかった。 どこがいいのでしょう?男だったらわかるのかしら? | ||||
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ノーベル賞の季節が来るたびに村上春樹を読んでみるかと思いつつ数年が過ぎたが、やっと一昨日に買って読んでみた。 大学時代にこんな彼女がいたら良かったなという程度のバカっぽい感想しか持てなかった。アニメのタッチの大人版という 感じだ。 裏表紙は「限りない喪失と再生を描」いているというが、筆者が好みの女性キャラを作って行ったマスターベーションを 活字にしたような印象だ。 「二人でのお葬式」の後、きっとするんだろうなと思っていたら、しっかりやったので笑ってしまった。 私の様に鈍感な人間には理解できない小説だ。なんでベストセラーなのかわからない。もう読まないかな、村上春樹は。 | ||||
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話の内容としては面白かった。 ラストの衝撃もよかった。 が、登場人物で好きになれたのは一人もいない。 彼らはどんな話をしていても 最終的には下半身の話ばかりに帰結し、おっぱじめる。 愛する女性を思い出すにしても、その裸や性器をいじってもらったことばかりを思い出す。 これが現実味の追求なのか? 生憎自分には現実味が感じられなかった。 蛇足だがノルウェイはまったく関係なかった。 | ||||
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※注意! 若干のネタばれあり ノルウェイの森は村上春樹自身の短編小説「蛍」をベースにして書かれた小説だ。 はっきり言おう。ノルウェイの森は「蛍」とは比べようもない駄作である。 たとえば、「蛍」でも主人公はノルウェイの森と同じように同居人(突撃隊)のことをバカにしているが、 全編を通しての視点が俯瞰的に表現されているため、それほど嫌味な印象を読者に与えない。 それどころか同居人が短編「蛍」において主人公に渡した蛍は、喪失に満ちた物語をともす一筋の光として機能している。 一方ノルウェイの森では突撃隊はただの哀れな道化にすぎず、 ワタナベの直子への話のネタ以上の存在ではない。 上に一例をあげたが、簡潔にノルウェイの森の欠点を述べれば、登場人物が物語の構成にまったく機能していないことにある。 それもそのはずだ。このノルウェイの森という小説は、単に「蛍」という完成された短編を引き延ばしたにすぎないのだから。 さらに言うなら、永沢の彼女であるハツミさんは死ななければならなかったのか、なぜワタナベはレイコさんを抱いたのか 物語内でまったく言及されてない。もちろん動機はあったのかもしれない。だが、圧倒的に必然性が足りない。 だから読者は物語の中途で混乱することになる。 もちろん、その原因を作者ではなく読者に求めるべきだという意見もあるかもしれない。読解力が足りないあるいは想像力が 足りないからだと。だが、この作品において村上春樹はそのヒントさえ与えてはくれていない。明らかにノルウェイの森という 小説を組み上げるためのパーツが不足している。 村上春樹は長編小説を至上のものとして考えているようだ。だからこそ優れた短編を引き延ばしてまで長編を書こうとするのだろう。 (ちなみに短編を長編に仕立て上げるという方式はチャンドラーに拠っている。) だが、お世辞にも私は村上春樹の長編小説を上手いとは思えない。長編になるにしたがって性描写や死人が多くなるのもそう思う 理由の一つだ。 鼠の小説には優れた点が二つある。まずセックス・シーンのないことと一人も人が死なないことだ。放っていても人は死ぬし、 女と寝る。そういうものだ。 これは村上春樹の処女作「風の歌を聴け」の中の一節である。当時大学生だった私はこの箇所を見て、心を震わされた。 そして二十代でこの文章を書いた若き村上春樹の意地と気概を感じた。 もちろん性や死の描写を書いてはいけないという極論を述べるつもりはない。だが、そこには読者を納得しうるだけの 必然性が伴わなければならない。そして残念ながら、このノルウェイの森という小説にはそれがすっぽりと抜け落ちている。 もしかすると、これから先作者自身から納得のいく説明が聞けるかもしれない。だがそれでも、説明しなければ納得できないという 時点で、ノルウェイの森という小説は物語として敗北しているのだ。 | ||||
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表現がいちいちまわりくどくて何が言いたいのかわからなくなります。イライラします。 眠れない夜にこれを読むと必ず眠れます。がんばっても最後まで読めず断念。 どこがおもしろいのか教えてほしいです。 | ||||
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昔読んだ「ノルウェイの森」を読み返してみた。 上巻が無かったから下巻だけ。 ここでは男子一般に人気のある(?)緑についてのみ書いてみる。 緑は可愛い女の子である。顔も可愛いし、スタイルもいい。ワタナベくんが住んでいる男子寮に超ミニ・スカートで現れて寮生たちの視線を釘づけにするくらい素敵な脚をしている。そしてワタナベが好きだと言う。 ショートカットの髪。ボーイッシュな可愛さなのである。木登りが好きだという。(木の上からセミみたいにおしっこしたいなどと言う) そしてエッチが大好きでしょっちゅうエッチなことを言う。ワタナベ君とポルノ映画を観に行ったりする。 マスターベーションする時自分を想像してくれと言う。何なら電話で手伝ってあげるという。 理想の女の子なのである。 そしてその有り様は、漫画なのである。あだち充の漫画の女の子なのである。「タッチ」のもう少し成人版みたいなものである。 そりゃ男の子には好かれるはずだ。 しかしこんな小説にこんな漫画のような女の子を登場させていいものか? ハツミやレイコさんという他の女性と落差があり過ぎるではないか。 直子についてはまた別の話である。(直子の現実感の無さはまるで幽霊のよう) 「ノルウェイの森」という小説を好きな理由が緑の存在だと言う人が結構いるようだ。 辛気臭い話の中で緑が出てくると救われるような気がする訳だ。 しかしそれは漫画を読んで「この子可愛いー、こんな子が彼女だったらいいなぁ」と萌えるのと同じ心情なのである。 そして、ワタナベは最後はその緑に救いを求めるのだ。(結局は緑がいいんだ)してみると緑こそ一番重要な登場人物なのでは。 小説としてそれでいいのか? 緑抜きでこの小説を成立させることは出来なかったのか? 緑抜きの「ノルウェイの森」を読んでみたかった。 | ||||
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悪評が高かったので、一度読んでみた。悪評どおりだった。全体のトーンは、ザ・テンプターズの「エメラルドの伝説」とそっくりだ。甘い感傷に作者は陶酔している。ハンブルグ空港に着陸した飛行機の中で、「僕」は、BGMの「ノルウェイの森」を聞いて気分が悪くなる。スチュワーデスが心配してとなりに座る。「僕」は ”I feel lonely" と答える。トホホな場面。着陸前に、BMWの広告板などを見て「僕」は「やれやれ、またドイツか」と思う。読者のほうがやれやれと思う。「しかし、ハンブルク空港のルフトハンザ機の中で彼らはいつもより強く僕の頭を蹴り続けていた。起きろ、理解しろ、と」とあるが、「彼ら」って誰? 読み戻ると、実は「十月の草原の風景」だった。まさしく英文和訳的な「彼ら」であり、pathetic fallacy ではありませんか? 十月だというのに、「道の上には夏の終わりに死んだ蝉の死骸がからからに乾いてちらばっていて、それが靴の下でぱりぱりという音を立てた。」ありえない。いくら回想とはいえ。季節感のいいかげんさでは、10月に店で水仙の花を10本買うことにもびっくりさせられる。さんざん笑い者にされた「突撃隊」君は、突然帰ってこなくなる。用がなくなればお払い箱だ。それはキズキ、直子、ハツミさん、他の自殺者にも言える。「人生のある段階が来ると、ふと思いついたみたいに自らの生命を絶った」ですませている。死んでもらった方が、作者としては話しの展開が好都合なんだ。死人に口無しだから。あいかわらず、いわゆる村上春樹ワールドだ。酒、タバコ、セックス、音楽、食べ物。ほとんどすべてが作者の嗜好の世界。性描写は例によって露骨だが、緑が、亡くなったばかりの父親の仏壇の前で裸になり、「ヨガみたいにやって。はい、お父さん、これはオッパイよ、これはオマ*コよって」股を広げている箇所は、読者もあきれてしまう。「僕」は、高校生時代に「何ひとつ訴えかけてこない女の子」と寝て、19才になってからは、70人の女と寝た永沢さんのおこぼれをちょうだいしたり、「誰とでもいいから」「つまらない女」とも寝る。キズキの彼女であった直子とも性交し、彼氏と別れた緑とも射精し、直子の世話をするために同室者であった37才のレイコさんとも直子が死んでまもなく性交する(一夜に4回も)。トホホ。許せないのは、「レイコさんがいろんな精神病患者の物真似をした。これも大変におかしかった」というくだり。あまりに無神経。(レイコさん、精神病患者病棟内では、タバコを吸わないでください。)「僕」は、「けっこう面白い顔して」「本質的には自分のことにしか興味が持てない人間」で、「鉄板みたいに無神経」な「無理に友達を作らない」男だ。(たぶん、作者が奥さんにいつもそういわれているんだろう。)しかし、つねに(他の作品でも)美人で感じのいい女の子にもてる。「ねぇ、あなたってなんだかハンフリー・ボガートみたいなしゃべり方するのね。クールでタフで」ーーここは笑える。作者は音楽は好きだけど、楽器は弾けないので、たとえば、レイコさんがギターを弾くところはまったくリアリティがない。この小説で、作者は100パーセントのリアリズム小説をめざしたそうだが、たぶん勘違いをしている。100パーセントの恋愛小説でもない。果汁3パーセントの疑似ジュース並だといってもいいだろう。ちなみに、 "Norwegian Wood"は、「ノルウェイの森」で通っているけれど、森だとwoods であり、「ノルウェイの木」が正しいと思う。 | ||||
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