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球体の蛇
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球体の蛇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.58pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全64件 21~40 2/4ページ
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人生は偶然の連続で成り立っている。この物語を読んで私がテーマを挙げるとすれば,こんなところだろう。 少なくとも私には不自然と感じざるをえないほどの偶然の連鎖がここには描かれていた。 だがいったい人生において偶然でないことなど一つでもあるのだろうか?そもそも私たちが生まれてきたことからして,偶然の産物に違いない。 だから,「人生をやり直せるとしたら生まれる前に戻りたい」と主人公が願うのは当然で,それはつまり,自分の人生の最初の偶然であるその前に戻り,すべてを違う偶然からやり直したいということに他ならない。なぜなら偶然とは必然の同義語であり,彼が望むのはビリヤードの最初の一突きがされる前に戻ることなのだ。 もちろんそれは決して叶わない。だから彼にできることは偶然に満ちた決定された人生を歩むことしかないが,それはまるでスノードームの球体に閉じ込められたかのような息苦しさと甘美さを与えてくれる。球体の外にいるか内にいるかを決めるのは自分自身の意識一つであるが,僕らの多くは,他者や自分の命を秤にかけつつその球体から抜け出ようとしたサチとは異なり,主人公同様,内にいることに気がつかないフリをし,もしくはその意識に抵抗して,穏便な人生を歩むのだろう。 主人公がドームの外に生きる可能性があるとすれば,それは最後の場面の妄想を現実化するために行動すること=智子の自殺が嘘であったことを新聞などで調べることであるが,彼がそれをしないことは,最後の一行で暗示されている。 読んだ直後に,主人公が智子の自殺を新聞で確認しないのがあまりにも不自然だと感じたが,そう考えればつじつまは合うのかとも思わないでもない。 | ||||
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大量のカマドウマに屈せずに、夜な夜な一人の女性の家の床下に忍び込む物語。 読んでいる間は没頭してしまうくらい面白いが、すぐに内容を忘れてしまいそうな作品。 読後に深い余韻は残りません。でも、上質な暇つぶしになりました。 | ||||
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思い込みから好きな人のために思い込みが重なっていく。 ほんとのことはわからないのに。 | ||||
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最後まで良い意味で裏切られ続けるストーリーに興奮しました。人間が持つズルさや弱さが垣間見えて、良かったです。間違いなく筆者のベスト作品だと思います。 | ||||
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悪意のある嘘。 相手の為を思い、良かれと思ってついた嘘。 結果として嘘になってしまった事。 いろんな嘘がありますが、この作品で描かれる嘘もその一つの形。 うまいなと思いました。 道尾さんらしさ健在です。 | ||||
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両親、特に父親から全く関心を受けない少年。その両親が離婚する事になった時、近所の幼馴染の父親が彼を引き取るという、とても奇妙な人間関係から物語は始まります。 橋塚家主人の乙太郎とナオと三人で生活をする友彦。橋塚家には妻逸子と長女サチがいたが数年前に亡くなっていた。その死因がとても残酷で、後々も残された者達を深く深く抉り続る…。 これ以上ないと思われるような因果関係と誤解と運命のいたずらにより翻弄されていく人々。友彦が想いを寄せる、死んだサチにどこか似た智子もその残酷な運命の歯車から逃れられない。 登場人物の全てに「人間の業」的なものがあり、それが最悪な形で結びつき、それぞれがとても悲劇的な運命に行きつきます。 衝撃の真実、そしてまたそれを覆す事実、さらにそれを… という具合で物語は二転三転四転…していきます。最後の最後まで飽きさせませんが、しかし最後の章は読み手にとっては余分かもしれません。そこは丸々無くても、ちょっとサービス精神旺盛に描きすぎ?と思ってしまいました。 結局「彼女」は生きていたのか?結局「彼女」は嘘をついたのか?? | ||||
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この作品には小さな嘘から大きなな嘘まで色んな嘘が真実を取り囲んでいる。 気が付かないであやふやなまま通り過ぎるのが一番幸せなんだろう。 どんな世界にしろ自分が信じたものを生きていくから今があるんだろうなぁ…。 個人的な感想は、作者のデビュー作を越える作品ではなかった。 | ||||
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こんなつまらない本は久しぶりです。題名に、こだわる前に、内容にこだわりを | ||||
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嘘や誤解により人の人生は左右される。主観的にその人にとっての真実は、現実とは異なる場合があり、それが悲劇や苦悩を生む。何が本当で何が誤解なのか最後まで分からない人生もありうる。この小説に登場人物もその様な運命に。外から客観的に見ていると思っていた世界が実は他から閉じ込められた世界だったりする、そんな人生をこの小説ではあるもので象徴している。その捉え方が非常にうまい作品に仕上がっている。 | ||||
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もっと嘘の重さを表現しているのかと思ったけど、意外にあっさりしていた。特に苦しく悩んだという感じは出ていない。主人公が夜中に他人の家の床下にもぐりこんで住人の声を聞きながら射精をするというド変態なのが気になった。読後感はそこそこだったのでまあいいか。普通の作品。読んでも読まなくても。 | ||||
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この本のテーマはタイトルに書いた通りだと思います。 もはや道尾節といっていいような、後味の悪さと美しさが混在する独特の世界観が 本作でも堪能できます。読みやすくい文体でサクサク読み終えされる点も良い。 読後になんともいえない爽快感と悲しみを覚えた。 | ||||
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主人公の青年が、住み込みである家庭で生活するようになり、そこで様々な事件が起こる という内容です。 大事だった人が信じられないエピソードを抱えていたり、その人の醜い部分があったりと、 引き込まれていく要素がところどころに詰め込まれており、終始、飽きが来なかったと思います。 スノードームの部分は、人はきれいな部分だけを集めて生きていたいものなんだということの 表れなんでしょうね。 作者が直木賞を受賞した「月と蟹」よりもこちらの方がお勧めです。☆3.5 | ||||
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やっぱりうまいですね。 一つの事件を通して、家族だけじゃなく それに関わったいろんな人に火傷の傷のように、 消えない痕が心に残ってしまう話。 みんなが忘れたいけど忘れては だめだと必死に生きていく姿が痛々しかった。 悲しみを丸ごと飲み込んでしまい 息をするのも辛くなる球体の蛇のように…。 そして最後まで真相が明らかにならないところがにくいです。 | ||||
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いつもならぼちぼち本を読む私ですが、この本はスラスラ読みやすく先が気になって一気に読めました。何となく暗い話だなぁ〜とあまり期待しないで読みはじめたのが良かったのか、読み終わりは温かい気持ちと人と人との難しさのようなものが心に残りました。ウワバミ…ネットで画像見ました。すげぇ〜と思ったが主人公や登場人物が抱え込んでいるものの大きさやイメージはわいた | ||||
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いつもならぼちぼち本を読む私ですが、この本はスラスラ読みやすく先が気になって一気に読めました。何となく暗い話だなぁ〜とあまり期待しないで読みはじめたのが良かったのか、読み終わりは温かい気持ちと人と人との難しさのようなものが心に残りました。ウワバミ…ネットで画像見ました。すげぇ〜と思ったが主人公や登場人物が抱え込んでいるものの大きさやイメージはわいた | ||||
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主人公の高校生という不安定な時期の恋愛や変質者的な行動、屈折感などを描きたかったのだろうが、それがキャンプでの惨事や智子の境遇などに結びつくのかまったく理解不能。精密なプロットでどんでん返しを得意とする作者らしからぬ、昼メロや韓流ドラマ好きのためにかかれた三文小説。最後にトモがついた嘘でした、だまされちゃった、エへ。みたいなのりに脱力した.多作なのはよいが、書きっぱなし感が強い。さすがにもう新作を読む気になれない。 | ||||
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主人公の高校生という不安定な時期の恋愛や変質者的な行動、屈折感などを描きたかったのだろうが、それがキャンプでの惨事や智子の境遇などに結びつくのかまったく理解不能。精密なプロットでどんでん返しを得意とする作者らしからぬ、昼メロや韓流ドラマ好きのためにかかれた三文小説。最後にトモがついた嘘でした、だまされちゃった、エへ。みたいなのりに脱力した.この作家はもうダメだろう。 | ||||
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道尾氏の作風は当初、「独自の世界観を構築して、読む者に驚愕と戦慄を与える」ものだったが、次第に「一見、単純なストーリーだが、実は大きな仕掛けが施されていて、読む者に心地良い驚きを与える」騙し技へと変わって来た。それが最近では、興味の焦点が「人間の心理やその裏にある社会的背景」に移って来た様であり、本作もその最新の作風に属する。作家的成長の証かもしれないが、作者が創造する異界を愛好する向きにとって如何なものか。 冒頭の「星の王子さま」の引用が示す通り、本作のテーマは一言で言えば、「人は自分が見たいものだけを見る」であり、「その背後には幾つもの裏の真実があり、それらの真実は錯綜して絡まっている」、である。これだけの事を言うために、本作の様な"見せ掛けの悲劇"を作り出す必要があったのだろうか ? 主人公の関係者達に悲劇的運命を与え、更にそれらの人物間に異様に高い偶然性を持った人間関係を与える。それを、まだ高校生で洞察力が乏しい主人公トモの視点で描いて、眼力不足が不自然でないように見せかけ、隠された真実を次第に明かして読者に意外感を与えると言う手法。更に、思春期の青年特有の性的妄想の膨らみを加え、奇異なトモの行動の不自然さを二重の意味で隠匿する。トモが大学生になった最終章でも同様の手法の繰り返し。これをミステリ的手法に長けたと呼ぶのだろうか ? このテーマでは、「星の王子さま」そのものや塩野七生氏のローマ史に関する一連の著作には勝てないのだから、作者にはもっと独創的なアイデアを披瀝して欲しかった。作者が創造する新しい異界を期待する向きがまだまだ多いのだから。 | ||||
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道尾氏の作風は当初、「独自の世界観を構築して、読む者に驚愕と戦慄を与える」ものだったが、次第に「一見、単純なストーリーだが、実は大きな仕掛けが施されていて、読む者に心地良い驚きを与える」騙し技へと変わって来た。それが最近では、興味の焦点が「人間の心理やその裏にある社会的背景」に移って来た様であり、本作もその最新の作風に属する。作家的成長の証かもしれないが、作者が創造する異界を愛好する向きにとって如何なものか。 冒頭の「星の王子さま」の引用が示す通り、本作のテーマは一言で言えば、「人は自分が見たいものだけを見る」であり、「その背後には幾つもの裏の真実があり、それらの真実は錯綜して絡まっている」、である。これだけの事を言うために、本作の様な"見せ掛けの悲劇"を作り出す必要があったのだろうか ? 主人公の関係者達に悲劇的運命を与え、更にそれらの人物間に異様に高い偶然性を持った人間関係を与える。それを、まだ高校生で洞察力が乏しい主人公トモの視点で描いて、眼力不足が不自然でないように見せかけ、隠された真実を次第に明かして読者に意外感を与えると言う手法。更に、思春期の青年特有の性的妄想の膨らみを加え、奇異なトモの行動の不自然さを二重の意味で隠匿する。トモが大学生になった最終章でも同様の手法の繰り返し。これをミステリ的手法に長けたと呼ぶのだろうか ? このテーマでは、「星の王子さま」そのものや塩野七生氏のローマ史に関する一連の著作には勝てないのだから、作者にはもっと独創的なアイデアを披瀝して欲しかった。作者が創造する新しい異界を期待する向きがまだまだ多いのだから。 | ||||
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今や押しも押されぬミステリー界のトリックスターとなった道尾秀介氏の長編です。 ミステリーと呼ぶには少し違う趣きがあります。純文学のような、青春小説のような、それでいて儚く切ない物語でした。伊坂幸太郎氏からニヒリズムを抜いたような感じです。 死が、残された者にどういう影を落とすのか、その呪縛から解き放たれようともがく苦悩。哀しみと切なさが永遠に続く中に、一筋の救いがあります。 海辺の街並みに生きる哀しみを背負った3人の「家族」。そこには哀しみがあるがゆえに生まれる愛が育まれています。スノードームに投影された、囲まれ、守られ、遮断された世界は、壊されることを望んで佇んでいます。 全てを書き連ねず、読み人に預けた形のエンディング。切なさがリフレインしていきます。 | ||||
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