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球体の蛇
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球体の蛇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.58pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全64件 41~60 3/4ページ
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今や押しも押されぬミステリー界のトリックスターとなった道尾秀介氏の長編です。 ミステリーと呼ぶには少し違う趣きがあります。純文学のような、青春小説のような、それでいて儚く切ない物語でした。伊坂幸太郎氏からニヒリズムを抜いたような感じです。 死が、残された者にどういう影を落とすのか、その呪縛から解き放たれようともがく苦悩。哀しみと切なさが永遠に続く中に、一筋の救いがあります。 海辺の街並みに生きる哀しみを背負った3人の「家族」。そこには哀しみがあるがゆえに生まれる愛が育まれています。スノードームに投影された、囲まれ、守られ、遮断された世界は、壊されることを望んで佇んでいます。 全てを書き連ねず、読み人に預けた形のエンディング。切なさがリフレインしていきます。 | ||||
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過去に起きたキャンプ場での火事 とある民家で起きた火事 ふたつの事故(事件)の関係者が交錯する 新たな関係者の証言がもたらされるたびに、事故(事件)の真相が反転する 事故だったのか、事件だったのか 事故の原因は、事件の犯人は 証言は真実なのか それとも、自分もしくは誰かを守る為の偽証なのか 「スノードーム」 「星の王子さま」に出てくるゾウをこなしたウワバミ 自分達の家庭を守る為についた嘘は、一生自分の胸の内で疼き続ける 罪と罰 「スノードーム」が象徴する、この世界(生活)は息苦しい | ||||
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過去に起きたキャンプ場での火事 とある民家で起きた火事 ふたつの事故(事件)の関係者が交錯する 新たな関係者の証言がもたらされるたびに、事故(事件)の真相が反転する 事故だったのか、事件だったのか 事故の原因は、事件の犯人は 証言は真実なのか それとも、自分もしくは誰かを守る為の偽証なのか 「スノードーム」 「星の王子さま」に出てくるゾウをこなしたウワバミ 自分達の家庭を守る為についた嘘は、一生自分の胸の内で疼き続ける 罪と罰 「スノードーム」が象徴する、この世界(生活)は息苦しい | ||||
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書評等で取り上げられていたので読んでみたが、期待はずれ。 他者を思いやる嘘によって生じる皮肉な結果等物語自体は面白いが、読後の空虚感は否めない。東野圭吾の「白夜行」を絶賛するような方なら面白いと思うのだろうが・・・ シノプシスを思いついて、無理やりにキャラクターを作ったような印象を受けた。 | ||||
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書評等で取り上げられていたので読んでみたが、期待はずれ。 他者を思いやる嘘によって生じる皮肉な結果等物語自体は面白いが、読後の空虚感は否めない。東野圭吾の「白夜行」を絶賛するような方なら面白いと思うのだろうが・・・ シノプシスを思いついて、無理やりにキャラクターを作ったような印象を受けた。 | ||||
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「道尾秀介の恋愛物」とどこかで見たので、興味を持って手に取りました。 異次元を行き来するような世界を書いている作家と思っていたので、こんなにストレートに男と女を描いた作品には驚きました。 しかし、単なる恋愛物ではないのです。人間の「嘘」や「罪」について考えさせ、これでもかと読者を裏切る展開。いったい真実はどこにあるのか、全てを知っている人間はいたのか?読後、しばらく呆然としました。かなりおもしろいです。 ちなみに、タイトルの「球体の蛇」とは「星の王子さま」に出てくる象を呑み込む蛇の姿から来ています。 どんなに苦しくても、大きな象を呑もうとする様子と、本書の登場人物の苦しみをなぞらえたタイトル。さすがです。 | ||||
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「道尾秀介の恋愛物」とどこかで見たので、興味を持って手に取りました。 異次元を行き来するような世界を書いている作家と思っていたので、こんなにストレートに男と女を描いた作品には驚きました。 しかし、単なる恋愛物ではないのです。人間の「嘘」や「罪」について考えさせ、これでもかと読者を裏切る展開。いったい真実はどこにあるのか、全てを知っている人間はいたのか?読後、しばらく呆然としました。かなりおもしろいです。 ちなみに、タイトルの「球体の蛇」とは「星の王子さま」に出てくる象を呑み込む蛇の姿から来ています。 どんなに苦しくても、大きな象を呑もうとする様子と、本書の登場人物の苦しみをなぞらえたタイトル。さすがです。 | ||||
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本書でも<家族>という大きなテーマが主題になっているが、読後感はかなりいい。読み終えて素直によかったと思える作品であった。作家・道尾秀介は「人間の深層心理に迫る筆力をもつ」という謳い文句があるようだが、本書を読むと「たしかにそうだ」と思ってしまう。時代小説を手がける作家が情景描写を得意とするように、彼は人間の心理描写を独特の表現で綴っている。 こうした小説の具体的内容を語るのは野暮であろう。本当の意味での真実=真相は読者に委ねられている。それが本書をいわば神秘的なものにしているゆえんではないのか。「うまくまとまった作品」というよりは「読者の逞しいイマジネーションでうまくまとめてほしい作品」という印象を私は抱いた。自由度という名の「ゆとり」が読者に与える余韻は繊細である。他の読者はどんな感慨をもつのだろうか。一見変わったタイトルに込められた深い意味を私はまだ分かっていない気がするが、そこに集約される著者の願いを感じないわけにはゆかない。 | ||||
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本書でも<家族>という大きなテーマが主題になっているが、読後感はかなりいい。読み終えて素直によかったと思える作品であった。作家・道尾秀介は「人間の深層心理に迫る筆力をもつ」という謳い文句があるようだが、本書を読むと「たしかにそうだ」と思ってしまう。時代小説を手がける作家が情景描写を得意とするように、彼は人間の心理描写を独特の表現で綴っている。 こうした小説の具体的内容を語るのは野暮であろう。本当の意味での真実=真相は読者に委ねられている。それが本書をいわば神秘的なものにしているゆえんではないのか。「うまくまとまった作品」というよりは「読者の逞しいイマジネーションでうまくまとめてほしい作品」という印象を私は抱いた。自由度という名の「ゆとり」が読者に与える余韻は繊細である。他の読者はどんな感慨をもつのだろうか。一見変わったタイトルに込められた深い意味を私はまだ分かっていない気がするが、そこに集約される著者の願いを感じないわけにはゆかない。 | ||||
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狡猾な嘘と悲しい嘘が入り混じっていて読み応えがあった。 個人的には智子の優しさとナオの怖さが印象的だった。物語の序盤では、怖くて何を考えているか分からないイメージの智子、優しく友彦を見守るイメージのナオという印象だったが、中盤から終盤でそのイメージが逆転した。 また、ある出来事をきっかけに変化した友彦と乙太郎の関係について、乙太郎がお酒に逃げるようになり、友彦は葛藤しながらも乙太郎が許せず、最後まで乙太郎と気まずいまま終わってしまったのが残念だった。友彦のことを自分の子供のように可愛がっていた乙太郎が、友彦のことをどのように想っていたのかも描いてほしかった。 | ||||
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狡猾な嘘と悲しい嘘が入り混じっていて読み応えがあった。 個人的には智子の優しさとナオの怖さが印象的だった。物語の序盤では、怖くて何を考えているか分からないイメージの智子、優しく友彦を見守るイメージのナオという印象だったが、中盤から終盤でそのイメージが逆転した。 また、ある出来事をきっかけに変化した友彦と乙太郎の関係について、乙太郎がお酒に逃げるようになり、友彦は葛藤しながらも乙太郎が許せず、最後まで乙太郎と気まずいまま終わってしまったのが残念だった。友彦のことを自分の子供のように可愛がっていた乙太郎が、友彦のことをどのように想っていたのかも描いてほしかった。 | ||||
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一人称が「私」なのに違和感を覚えた。「ぼく」でよかったのでは……。 | ||||
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一人称が「私」なのに違和感を覚えた。「ぼく」でよかったのでは……。 | ||||
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読んでいる間、連城三紀彦や天童荒太などの作風に通じるものを感じた。けれど最終的に一番強く感じたのは昨年、話題となった川上未映子の「ヘヴン」だった。どちらも共通しているのは現代に活字だけでどこまで人間の感情を表現できるかということを真摯に追求していることだ。デビュー作の「背の眼」から比べると別人のような作家に成長した。 ささいなすれ違いや錯覚によって招かれる大きな軋轢。これまでの作品群で繰り返し書かれたモチーフの総決算と言えるかもしれない。予想通り、例の賞にノミネートされたが、作品の終盤で明かされる事実を選考委員がどう判断するか。それがひとつの分かれ目になるだろう。 | ||||
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読んでいる間、連城三紀彦や天童荒太などの作風に通じるものを感じた。けれど最終的に一番強く感じたのは昨年、話題となった川上未映子の「ヘヴン」だった。どちらも共通しているのは現代に活字だけでどこまで人間の感情を表現できるかということを真摯に追求していることだ。デビュー作の「背の眼」から比べると別人のような作家に成長した。 ささいなすれ違いや錯覚によって招かれる大きな軋轢。これまでの作品群で繰り返し書かれたモチーフの総決算と言えるかもしれない。予想通り、例の賞にノミネートされたが、作品の終盤で明かされる事実を選考委員がどう判断するか。それがひとつの分かれ目になるだろう。 | ||||
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本作は今までの道尾作品を忘れ、 先入観を持たずに読んだ方がいいと聞いていたにもかかわらず、 大きな事件や展開を期待してしまった自分がいました。 そういう意味ではどうしても物足りなさは否めませんでした。 ただ、まっさらな状態で読めば、 ”青春恋愛小説”という位置づけができ、 切ないお話という印象です。 主人公・友彦がもし、 親の愛情をたっぷり受けて育った子どもだったら、 まったく違った人生になっていたことでしょう。 親に無条件に愛されることが、 どれほど大切か、ということに気づかされました。 もしかすると作者がこの小説で一番言いたかったことは、 そこなのかも知れません。 | ||||
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主人公を始め、登場人物それぞれが抱える秘密の数々。 好きな相手を大切に思う気持ちと、性への衝動に走ったり、独占しようとして傷つけてしまう現実。 文芸作品的な雰囲気を漂わせる文体には惹かれるけれど、登場人物の誰にも共感できない。 読み進めるほどに、嫌悪感が増していく・・・ちょうど、『向日葵の咲かない夏』のような。 ひょっとして、それが作者の意図なの? と深読みしてみたりも。 効果的に登場する『星の王子様』とスノードーム。 そして今回も、読み終えると「なるほど!」と納得するタイトルでした。 現在の私的評価は あまり高いとは言えないけれど、読み返すうちに 急上昇するかもしれない予感も。 「騙された!」という衝撃は、後半終わり頃に味わえます。 それも 爽快さはなく、本当のところは謎のまま。 まるで、それが人生なんだ、と読み手に思わせるかのような。 う〜ん、やっぱり道尾さん 凄いのかも! | ||||
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主人公を始め、登場人物それぞれが抱える秘密の数々。 好きな相手を大切に思う気持ちと、性への衝動に走ったり、独占しようとして傷つけてしまう現実。 文芸作品的な雰囲気を漂わせる文体には惹かれるけれど、登場人物の誰にも共感できない。 読み進めるほどに、嫌悪感が増していく・・・ちょうど、『向日葵の咲かない夏』のような。 ひょっとして、それが作者の意図なの? と深読みしてみたりも。 効果的に登場する『星の王子様』とスノードーム。 そして今回も、読み終えると「なるほど!」と納得するタイトルでした。 現在の私的評価は あまり高いとは言えないけれど、読み返すうちに 急上昇するかもしれない予感も。 「騙された!」という衝撃は、後半終わり頃に味わえます。 それも 爽快さはなく、本当のところは謎のまま。 まるで、それが人生なんだ、と読み手に思わせるかのような。 う〜ん、やっぱり道尾さん 凄いのかも! | ||||
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かなり面白かったです! 登場人物の友彦・乙太郎・その娘のサヨとナオ、智子の人物描写が巧みで 読み始めたら止まらなくなりました。 又それぞれの他人を想う故の優しい嘘・狡い嘘、幼い偽善等が入り乱れ、 感情の揺れが手に取る様に伝わって来ました。 若さ故の過ちと言えど決して取り返すことのできない過ちを犯したと後悔する友彦、 そして痛みを抱えたまま人生を過ごす人達 人であるが故の悲しさの様な物がひしひしと伝わって来て乙太郎の死には泣かされました。 最後ハッピーエンドになるのかと思いきや、ラストに想像していなかった事が起こり 最後まで飽きる事もなく読み終えました。 サヨ、智子も怖さを潜んでいたけれどもしかして本当に怖いのは 始終、優しさを携えていたナオだったのかもしれない… それがたとえ他人を想う為の嘘だったとしても ー女って、1つじゃないのねー 智子がつぶやいていた言葉が伏線を表わしていたのかもしれない。 | ||||
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かなり面白かったです! 登場人物の友彦・乙太郎・その娘のサヨとナオ、智子の人物描写が巧みで 読み始めたら止まらなくなりました。 又それぞれの他人を想う故の優しい嘘・狡い嘘、幼い偽善等が入り乱れ、 感情の揺れが手に取る様に伝わって来ました。 若さ故の過ちと言えど決して取り返すことのできない過ちを犯したと後悔する友彦、 そして痛みを抱えたまま人生を過ごす人達 人であるが故の悲しさの様な物がひしひしと伝わって来て乙太郎の死には泣かされました。 最後ハッピーエンドになるのかと思いきや、ラストに想像していなかった事が起こり 最後まで飽きる事もなく読み終えました。 サヨ、智子も怖さを潜んでいたけれどもしかして本当に怖いのは 始終、優しさを携えていたナオだったのかもしれない… それがたとえ他人を想う為の嘘だったとしても ー女って、1つじゃないのねー 智子がつぶやいていた言葉が伏線を表わしていたのかもしれない。 | ||||
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