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ラットマン
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ラットマンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.87pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全84件 81~84 5/5ページ
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初めての道尾作品でした。 文章も読みやすく、素直にストーリーに入ることが出来て一気に最後まで読み通しました。 主人公は姫川亮30歳。 高校時代から亮がギター、竹内耕太がボーカル、谷尾瑛士がベース、小野木ひかりがドラムという 構成のバンドSundownerを組んで楽しんでいます。 現在は、ドラムがひかりの妹である桂にかわり、年に2回のライブを続けています。 ライブに備えスタジオで練習中、スタッフとして働いていたひかりが、 倉庫の中でアンプの下敷きになって死んでいるのが発見されます。 ラットマンとは、人間が何かを知覚する過程で、前後の刺激が知覚の結果を変化させてしまう現象を絵に表したもの。 物語はこの現象が全てのキーワードになっています。 主人公の痛ましい過去、複雑な家族関係、姉妹の愛憎等々、静かな前半から事件後の畳み掛けるような展開、 そして、そんな哀しいことって・・・という結末。 ミステリーとしての面白さはもちろん、人間の悲しさ、愚かさ、そして優しさを読ませてくれます。 ミステリー好きにはもちろん、あまり得意ではない方でも楽しめる一冊です。 | ||||
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いきなり言ってしまいますが、この作品、私は作者のこれまでのところの 最高傑作だと思います。 作者のストーリーテリングのうまさにはいつも舌を巻きます。この作品も 例外ではありません。それだけで一個のミニミステリを構成するような、 遊び心満載の導入部分。それでまずがっちりとハートをわしづかみにされ、 あとは現在と過去を行きつ戻りつするミステリアスでサスペンスフルな 展開にページを繰るのが止まらなくなります。事件が起きるまでの前半部、 ゆっくりじわじわと腹の下の方から不安と恐怖を掻き立てていく作者の 手腕も見事です。 やがて事件が起き、そこから物語のスピードが増し、心地よいリズムで 結末へとなだれ込んでいきます。そして、すべての真相が明らかになった時、 私は愕然・驚嘆・呆然となりました。こういう騙し方があったのかと。 だからラットマンなんだと。 スゴイのは、そのラットマンが二層にも三層にも仕掛けられていること。 事件の真相、物語の構図、過去と現在、登場人物と読者・・・。 他の作品にはまま見られた無理や破綻もこの作品には全くない上に 物語の面白さ、ミステリとしての仕掛けも申し分なく、 冒頭にも書いたように、これまでのところの作者の最高傑作といっていい 仕上がりになっています。 唯一の不満は冒頭のミニミステリのその後の扱いくらいでしょうか。 | ||||
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“ラットマン”、人間が何かを知覚する過程で、前後の刺激が知覚の結果を変化させてしまう現象に命名効果が加わることから起こるモノの見方のことを言う。そして、今作は、登場人物たちの各々の先入意識、思惑が錯綜し、“ミステリー”が構築されていく展開となっている。 まるでホラー小説の如きケレン味溢れるプロローグから一転、それが実は高校時代以降アマチュアバンドを組み続けている者たちのライヴの余興のネタであった事が分かり、拍子抜けしてしまう出だしから、主要人物のバンド仲間との関係や日常が語られる中、彼の遠い過去の苛酷で忌まわしい“記憶”がインサートされていく序盤、ある事件が起こり、彼の関与を匂わせる中盤、そして、、、。 中盤までの展開は沈々淡々としているし、劇中起こる殺人事件も一件のみ、それも準備万全に計画されたものではない。さほど盛り上がりもなく、正直半信半疑で読み続けていたが、ここからが俄然面白くなってくる。 ミステリー小説ゆえこれ以上は触れないが、ラストの60ページを読み切った後、文中に仕掛けられた作者の巧妙なトリックに唸らされながら、正にその不思議なタイトル名の絶妙さに手を叩いてしまう。 ミステリーの奥に潜む主要人物たちの魂の救済とも呼べるサイド・ストーリーも、作品に“心”を持たせているし、読了感も悪くない。 新年始まって最初の面白ミステリー本とお薦めできるが、本の帯の惹句は些か過剰。文章のルビの多さとまわりくどさが気になるのと、今作者はまだまだこれからもっと面白い小説を書ける才人だと思うので、ここは★4つの評価。 | ||||
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道尾さんの最新作です。 頭の書き出しから「今から何が始まるんだろう?」とちょっとワクワクしちゃいました。それだけ奇想天外な意表を付くような書き出しだったから…ね。 『ラットマン』は、味方によっては「ネズミ」にもそして「人間」にも見えてしまう。どう感じるかは個人次第。そして、この作品の中で起こる殺人事件の犯人像も個々人の思い込みや勘違い等が複雑に交差してしまう。さて、犯人は誰なのか?道尾 さんらしく複数の伏線が張られていて最後まで読み応えがありました。 | ||||
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