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寝ぼけ署長
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【この小説が収録されている参考書籍】
寝ぼけ署長の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.26pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全35件 21~35 2/2ページ
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少し現代風にアレンジすれば、映像化しても人気がでると思います。寝てばかりいて、暇さえあれば文学書を読んでいる。だけどひとたび事件が起きれば、バツグンの推理力であざやかに解決! それでいて人情にもあつい。そんな警察署長が主人公です。 時代小説の大家・山本周五郎が戦前に書いた作品ですが、古さをほとんど感じません。現代に通じにくい言葉には豊富に注釈がついているのも、嬉しいところ。 私は30代ですが、若い人にもオススメの作品です。 | ||||
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山本周五郎が昔の有名な作家だということを全く知らず、書店での表紙と帯(上司にしたい男No.1デス!!)が気になって買ったものだから読んでみて舞台背景の古さにびっくり。そこから山本周五郎について調べてようやく1967年没である事を知った。今になって販売されてるのは単に没後50年で著作権が切れてるからなのね・・・。 冒頭から時代の古すぎる話にびっくりはしたが、主人公である “寝ぼけ署長” のとぼけっぷりや、毎話ハッピーエンドで終わるほのぼのとした感じは今の人間でも楽しく読めると思う。 “寝ぼけ署長” のイメージとしては小林亜星が浮かんでいたのだが、読んでるとどうも違う。恰幅良く、とぼけた感じだが実は情に熱くデキる男。帯のとおり上司にしたい男No.1だ。 | ||||
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めずらしや山本周五郎の探偵小説です。主人公は、とある地方都市の警察署長ですが、5年間の在任中は署でも官舎でも寝てばかりいるので「寝ぼけ署長」という綽名がついた。しかし在任中は犯罪件数が大幅に減り、転任するときは留任騒動が持ち上がったほど市民から敬愛された。検閲制度のあった時代ですから、戦前の話です。主人公がかかわった10件ほどの事件が署長秘書官によって語られます。 署長の特色は罪を憎んで人を憎まないところにあります。銀行から大金が消えた事件では、お金は無事に見つけますが、犯人はあえて検挙しない。犯罪件数が減るはずです。この署長は、愚鈍な風貌にも関わらず、鋭い人間観察力と人情味あふれる人柄の持ち主でした。推理という面では物足りないかもしれないが、署長の捜査手法はなかなか味わい深い。さわやかな読後感の残る傑作です。 | ||||
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状態良く、支障有りませんでした。また機会があれば宜しくお願いします。 | ||||
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ちゅうもんのけっか、こくちどおりの本でした。じょうたい良し。 | ||||
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かつての昭和の良き時代を思いながら読ませて頂きました。 現在の世相では、考えられない小説で山本周五郎の思い、理想が良く表われ、将に著者の人間観察の真骨頂が随所に感じられます。 犯罪に対する姿勢(罪を憎んで人を憎まず)、そして、解決策、いままでこんな刑事ものの小説は、読んだことがありませんでした。 驚きです。 新たな目が開かれた思いがあります。 又、最終話で寝ぼけ署長の転任が決まった後の署長留任の運動の下り、 大衆の直感は、鋭いが、又、愚かという姿をみごとにさりげなく描いているところ、頭が下がる思いで読ませて頂きました。 一読の価値有り | ||||
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山本周五郎の中から現代風探偵物で選んでみました。 いつも寝てばかりのようでいながら 事件の核心をとらえていく署長の姿様子がよく出ています。 探偵物はほとんど読んでいませんが 追っていくのに難しさはなく 人間的でほっとできる解決に周五郎らしい 温かみを感じました。 | ||||
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文豪、山本周五郎が生涯に唯一遺した「探偵小説」。 それが、本作品です。 作品そのものはかねてより知ってはいましたが、数々ある「ミステリ・ベストテン」に挙げられていることも窺えず、これまで読まずに来ましたが、著者の名を冠した文学賞受賞作を読んだりしているうちに、思わず手の出てしまった作品集。 どこかの県庁所在都市にある警察署で、「寝ぼけ署長」とあだ名されていた五道三省。 彼は、重たい体を持てあまし、いつも寝てばかり。 在任中は、事件発生が少なく、大過なく過ごしていたと思いきや、じつはとてつもなく有能であったため、事件を未然に防いでいたのだった。 そのことを、側近であった「私」が10の短編に託して綴っていく…そんな趣向の短編集となっています。 率直に言って、ミステリ色は薄め。 「密室トリック」をテーマにした作品もありますが、とてもあさっりしたもの。 特別意外な犯人がいるわけでもなく、本格ミステリやパズラーなら一番力量が試されると思われる、「巧妙な伏線」がある訳でもないです。 −−と言っても、けなしているわけではありません。 著者の作品に期待するのは、やはり、「人の情」であり、「貧しくても清い心」でしょう。 「寝ぼけ署長」は、そんな著者の作風を体現するために創造された理想の人物。 罪を憎んでも人を憎まず、深い情感を持って、事件に接していきます。 事件を通して明らかにされる人の情念と言ったものに、深く感銘できる作品ではないでしょうか。 ところで、巻末には、昭和期に多くのミステリ書評を書いていた人物の解説が載っているのですが、決して、最初に読んだりしないでください。 各短編の結末をかなり明らかにしているからです。 ミステリ色が薄いとは言え、やはりミステリは結末が命。 昔はあるいは、「あとがき」と同様に読後に読むものというルールがあったのかもしれませんが、是非ともご注意ください。 | ||||
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自分の本棚で10年以上眠っていた文庫本を読んだ。山本周五郎にはまった時期があり、多数の文庫本を買ってむさぼるように読んだものだった。山本といえば絶品の時代小説、昭和の中期頃に活躍した小説家なれど、日本人の心を唄った傑作は、今読んでも全く色あせない。本書は、山本唯一の警察、探偵小説ということで購入したんだけれど、何で今まで読まなかったのか本当に不思議。まさに山本文学の宝庫、彼しか描けない警察小説がここにあります。タイトルの「寝ぼけ署長」ですが、文武両道に長けた警察署長、能ある鷹は爪をかくす、そんな主人公。10篇の短編物であり、その辺の警察小説とは、わけが違う、光が今でも燦然と輝いています。 | ||||
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10の短編からなる事件解決簿だが、最初を読み終わって、なんともすっきりしない。 なんだこの小説は、と思ってしまう。ところが、いつしか「ねぼけ署長」の事件解決の虜になってしまっている。しっくり感が残る事件解決集。 時代は敗戦間もないころだが、現代に置き換えても違和感がないのは人間が犯す罪の源は変わっていないということだからか。 読者それぞれが読後感を抱ける内容と思う。探偵もののような、ないような。それでいて、人情ものである。 こんな警察署長がいたらと納得するのだが、反面、刑事ものが流行っている昨今、世の中に不正が多いということか。庶民が正義に飢えていることには間違いがない。なんでも成果を出さなければ認められない社会になってしまったが、均衡ある社会を維持することがどれだけ大変なことかを考えさせてくれる物語だった。 余談ながら、戦後間もなく、その筋の人間が町の治安を担っていた。政治の世界に君臨していることが描かれているが、ここから時代の風俗を知ることもできる。 | ||||
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自分が幼少の頃に比べ、ここ数十年の事件を振り返ってみると、どうも体温が感じられないモノが多い。人間としての温かみを知らず、しかし、一人でも真剣に深くその人と接せる人がいたなら防げたのではないかと思われる様なモノもある様に感じられる。最近では他人に対する愛情や人情などを、どうやって教えて行くのかという疑問まで教育の場などでは出ている様だ。そんな中でこの「寝ぼけ署長」は現在では考えられない厚い人情で繋がれた人々が生き生きと描かれている。山本周五郎作品の中でも珍しい現代風な「警察」という環境でもその「人情」という人間のみの持つ力は発揮されている。今、再確認したい日本人の人情。一面、濃すぎて面倒臭いくさい様な「人情」が実は昔もこれからも私達を生かす大きな力なのかもしれない。 | ||||
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現代物でも探偵物でも気にすることはありません。周五郎節はそのまま健在です。 ある作家が「生きるに必要なことは全て、山本周五郎の著作から教わった」というような言葉を残していますが、大賛成です。へんちくりんな道徳書を読むより、周五郎を読むべきです。そこには人間の本質が書き込まれています。 本作も例外ではありません。本質はやはり人間の生き方なのです。今回もまた教わりました。 | ||||
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山本周五郎唯一の探偵物。時代も昭和初期っぽい。しかし、周五郎らしい人情味あふれる話で、十分に山本周五郎を楽しむことが出来ます。ほかにもミステリー要素の強い話もありましたが、この作品は何かが違います。 主人公(?)である寝ぼけ署長は一癖も二癖もある人物ですが、人並みはずれた深い人情にあふれていて、周五郎の理想とする人物をうまく投影できているのではないでしょうか?「赤ひげ診療譚」の赤ひげにどことなく通ずるところもあります。 新鮮だったのが語り手。寝ぼけ署長の付き人のような人物が一つずつ事件を語っていくという形を取っています。ほかにもありそうで少し雰囲気が違う感じがして新鮮でした。周五郎の筆力のなせる業なのでしょう。 違和感がありながら、妙に納得してしまう寝ぼけ署長の人柄が堪らなく良い作品です。「赤ひげ診療譚」と一緒に読むことをお勧めします。 | ||||
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個人的にこよなく敬愛する周五郎ですが、現代小説はあまり嗜好にあいわないと考えていました。しかし、同じような先入観を持っている人も気にせずに読んでみてください。 寝ぼけ署長とあだ名される主人公が着任から離任まで、10の事件を解決し、それぞれが読みきりの短編の形をとっている。 頓知をきかせコミカルに、そして周五郎独特の人情味あふれる物語は、読む者をあきさせませんし、少し目頭を篤くもなります。 この署長はけっして犯罪者を生み出そうとしない。無論、犯罪者が存在しない社会などあり得ないし、社会が奇麗事ではすまされない事実を作者はよく理解している。 文中にある署長の言葉だ「犯罪は懶惰な環境から生まれる、安逸から、狡猾から、無為徒食から、贅沢、虚栄から生まれるんだ、決して貧乏から生まれるもんじゃないんだ、決して。」 罪が生まれる姿は、社会を映す鏡なのだと、考えさせられる作品です。 | ||||
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新しく着任してきた警察署長は、暇なときには椅子の上で居眠り、暇でないときにもやっぱり居眠り。新聞記者のつけたあだ名が「寝ぼけ署長」。しかしこの人、頼りにならないのかと思えばそうではなく、気になる事件がおきると自ら乗り出して、周りの人があっと驚くような方法で解決してみせる。なんとも愛敬のある寝ぼけ署長の事件簿、 10編が収められた短編集です。盗難、殺人などの事件、ちょっとしたトリックも使われていたりはするのですが、そんなものよりも、いつでもどこでも寝られる特技(?)、貧しい人たちに向ける優しい視線、「罪を憎んで人を憎まず」の精神など、寝ぼけ署長その人のキャラクターがよく書けていて、いい味を出しています。反面、どの話しも人情話めいていて、ミステリとしては物足りなさも感じますが、そんなことはあんまり気にしないで、寝ぼけ署長の繰り広げる人情ミステリをシミジミと楽しみましょう。 | ||||
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