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海泡
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海泡の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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作品,もしくは著者の作風上,どうしても終盤が窮屈で説明的になりがちなのですが, それでもポロリと漏らされた一言から,急加速をしていく終盤には強く引き込まれます. また,舞台となる島の多くは顔見知り,片や帰客や観光客などで出入りも多くと, 閉鎖的であり,開放的でもあるというアンバランスさが独特の雰囲気を漂わせます. そして,夏の終わりとともに忘れられるという,投げやりにも映る結論が苦さを残し, 作中では違う意味で使われていましたが,こちらも生まれては儚く消える海の泡のよう. 一方,離れていたのは数年なのに,再会した同級生たちにはそれ以上の変化があり, 昔みたいにやり合いながらも,昔みたいにはなれないことを誰もが知っているようで, でも誰もがそれを口には出さず,日々の暮らし,そして将来を模索する姿が印象的です. なお,本巻は復刊となり,01年の単行本,04年の文庫から大幅な改稿が行われており, 初の取材旅行や初版時の話といった,『創元推理文庫版あとがき』が収められています. | ||||
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樋口 有介氏の近作は未読だけど 今まで読んだ中では一二を争うな……と思ってます 舞台の空気や湿度まで伝わってくる文章で、おすすめです 樋口 有介氏の この語り口が合わない人はいると思います きっと、初読でイラッとくるんじゃないかなあ そういう方は、もう合わないんですから エキセントリックなアンチレビューなど書かずに 他の作家さんを読めば良いだけですかね……? | ||||
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離島と聞くと、海と空の青さに囲まれ、都会の喧騒や俗世の煩わしさから解放された楽園のようなものを想像してしまうが、所詮それは本州に住んでいる者の観光客的幻想でしかないのだろう。 フェリーで片道二十六時間もかかる小笠原諸島で生まれ育った人達の閉塞感たるや、とても想像がつかない。 この作品には、都会に暮らす人とは人生観のまったく違う離島の住人が、確かに息衝いている(それも想像に過ぎないのだが)。 作者自身は一週間しか住んでいなかったというのだから驚きである。 青春ミステリーと銘打っているが、読後私の心に残ったのは事件の真相ではなく、登場人物それぞれの活き活きした会話や、その裏に見え隠れする人生に対するある種の諦観、そしてそれでも尚人生に向き合おうとする姿勢である。 書き起こしはしないが、いくつも印象的な台詞があり、はっとさせられた。 離島に暮らす人々の風俗をのぞき見するような、観光小説的な楽しみもある一方、登場人物各々の人生には確かに私たちにも通底するものがある。月並みな表現だが、色々考えさせられた。 良い小説だと思う。 | ||||
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とても綺麗な本でした。殆ど使用感もなく、手にしたときうれしかったです。 | ||||
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2001年に出た単行本の文庫化。 小笠原を舞台とした青春ミステリである。登場人物、筋立て、雰囲気はいつもの樋口作品のとおり。 それにしても、わずか一週間の滞在でこれだけ小笠原の生活を描けてしまうのは凄い。なかでも、その閉塞感はひしひしと伝わってくる。空港建設を巡る住民の対立と汚職の構図、島の名家の息苦しさ。島民と観光客のすれちがい。 そして、そのなかで起こる殺人と、意外な犯人。 タイトルの意味は途中で明かされるのだが、実に悲しい。読み応えのある一冊だった。 | ||||
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大学生の木村洋介は、2年ぶりに小笠原諸島の父島へ帰省した。到着早々から地元に残る旧友達と再会するのだが、かつての恋人が謎の死を遂げたことから、事件の真相を洋介が探っていく。かつての旧友も、変わらぬ者とすっかり変わってしまった者。そして病からの旧友の死と、短い間に様々なことが洋介に降りかかってくる…… 物語では、軽薄さを感じる主人公の洋介ではあるが、再会する旧友達、画家である父親など登場人物それぞれに存在感があり、知られざる恋の歴史が意外な真相となっており、父島を舞台に見所たっぷりの青春ミステリーです。ミステリーというよりも、青春小説の延長がミステリーとなっていて、読後も余韻が残る作品でした。 | ||||
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