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【この小説が収録されている参考書籍】
OUTの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全223件 81~100 5/12ページ
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登場人物がとても多いのですが、それぞれ性格が違うのと、描写がしっかりしているので、ごちゃごちゃになることはありません。 上巻と下巻で、ストーリーがきれいに分かれています。レコードのA面、B面のようです。ぐいぐいと引き込まれ、下巻は一気に読んでしまいました。 ただ、相当細かく取材されたと思いますが、ブラジルの描写に、少し違和感がありました。サンパウロの日本人街近辺にサントスのスタジアムは無いし、ブラジルに行くにはビザが必要だと言うことが無視されているようでした。 | ||||
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最初から最後まで暗くて、湿った雰囲気で物語は進んでいく. あまりのダークさに読み進むのをくじけてしてしまいそうな前半だったが、 後半主人公の雅子ら主婦たちを追う存在が登場してからは 展開が早く、どんどんと読めた. 雅子のハードボイルドな生き方には引き込まれてしまう. 桐野夏生らしいダークな小説だが、私的には「グロテスク」の方が好きかなあ. | ||||
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桐野夏生はすごい。 「グロテスク」のときも思ったが、どうしてここまで冷徹に人間の嫌な面を見つめられるのか。しかもそれをエンターテイメントに仕上げてしまう。 最近「冒険の国」というデビュー前の小説を読んだが、このときから桐野夏生は「閉塞的な状況にある人間の悪意」をそれがあるのが当然のことであるかのように冷静に描写している。 桐野夏生はまるで心を解剖するように、絶望や殺意や無責任や怠惰や無関心や欲望や疲労や欺瞞や嫉妬や正当化や渇望やわずかばかりの希望や重くのしかかる諦めを、鋭利なメスで切り出して、物語として人々の目の前に正しく並べ直してみせる。 「冒険の国」と「OUT」が大きく違うのは、「冒険の国」が灰色の霧に覆われたような現実の描写のまま終わったのに対し、「OUT」には強い光があることだ。それは希望の光なのか破滅の光なのか分からないが。その光は、殺人的な出口へ、血塗られたカタルシスへ、主人公と読者を導く。クールだ。 小説の登場人物の悪意を見つめることは、作家が自分の中の悪意を見つめることだ。それはキツい作業のはずだが、桐野夏生はそれを途中で投げ出さず、自己憐憫にも流されず、怒りに叫びだすこともなく、隙のない長編小説にしてしまう。「OUT」の主人公、香取雅子のような、すごい女だと思う。 あとね。これはラブストーリーなのだ。ああ、そこに持って来るかって、うれしくなった。 | ||||
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桐野夏生はすごい。 「グロテスク」のときも思ったが、どうしてここまで冷徹に人間の嫌な面を見つめられるのか。しかもそれをエンターテイメントに仕上げてしまう。 最近「冒険の国」というデビュー前の小説を読んだが、このときから桐野夏生は「閉塞的な状況にある人間の悪意」をそれがあるのが当然のことであるかのように冷静に描写している。 桐野夏生はまるで心を解剖するように、絶望や殺意や無責任や怠惰や無関心や欲望や疲労や欺瞞や嫉妬や正当化や渇望やわずかばかりの希望や重くのしかかる諦めを、鋭利なメスで切り出して、物語として人々の目の前に正しく並べ直してみせる。 「冒険の国」と「OUT」が大きく違うのは、「冒険の国」が灰色の霧に覆われたような現実の描写のまま終わったのに対し、「OUT」には強い光があることだ。それは希望の光なのか破滅の光なのか分からないが。その光は、殺人的な出口へ、血塗られたカタルシスへ、主人公と読者を導く。クールだ。 小説の登場人物の悪意を見つめることは、作家が自分の中の悪意を見つめることだ。それはキツい作業のはずだが、桐野夏生はそれを途中で投げ出さず、自己憐憫にも流されず、怒りに叫びだすこともなく、隙のない長編小説にしてしまう。「OUT」の主人公、香取雅子のような、すごい女だと思う。 あとね。これはラブストーリーなのだ。ああ、そこに持って来るかって、うれしくなった。 | ||||
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(別に他意はありませんが)登場人物がことごとく「底辺」の方ばかり。そこでの思考や生活などがものすごくリアル。全編に漂うこの雰囲気が実にいい。殺人や死体隠匿が全くもって自然な風景として受け入れられる雰囲気(笑)。 出てくる人の誰もが善人でなく、幸せにならない。みんな「その場しのぎ」の「刹那的」な人生。登場人物の誰にも感情移入ができないという稀有の作品。このどす黒さ、う〜ん、実にいい。 | ||||
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(別に他意はありませんが)登場人物がことごとく「底辺」の方ばかり。そこでの思考や生活などがものすごくリアル。全編に漂うこの雰囲気が実にいい。殺人や死体隠匿が全くもって自然な風景として受け入れられる雰囲気(笑)。 出てくる人の誰もが善人でなく、幸せにならない。みんな「その場しのぎ」の「刹那的」な人生。登場人物の誰にも感情移入ができないという稀有の作品。このどす黒さ、う〜ん、実にいい。 | ||||
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最近になって読み返し、やっぱり凄い作品だと思いました。弁当工場の雰囲気や働いている女性たち、海外から来てホステスとなった女性や工場で働く男性、息苦しいほどにリアルで血が通った登場人物たちによって、迫力のあるストーリーが展開され、引き込まれます。異常な行動なのかもしれませんが、主人公の置かれた立場に深く共感もできました。描写も丁寧で、著者の気合いのようなものが伝わってきます。桐野さんのその後の作品も読んでいますが、やっぱりこれがダントツでナンバーワンです。 | ||||
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最近になって読み返し、やっぱり凄い作品だと思いました。弁当工場の雰囲気や働いている女性たち、海外から来てホステスとなった女性や工場で働く男性、息苦しいほどにリアルで血が通った登場人物たちによって、迫力のあるストーリーが展開され、引き込まれます。異常な行動なのかもしれませんが、主人公の置かれた立場に深く共感もできました。描写も丁寧で、著者の気合いのようなものが伝わってきます。桐野さんのその後の作品も読んでいますが、やっぱりこれがダントツでナンバーワンです。 | ||||
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大抵の男性作家が尻尾巻いて逃げ出す大人の為のブラックメルヘンですね。実際に読んだのは十年くらい前ですがこれ以降何を読んでも生温く感じてしまいました。そういう意味では非常に罪深い作品でもあります。 | ||||
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大抵の男性作家が尻尾巻いて逃げ出す大人の為のブラックメルヘンですね。 実際に読んだのは十年くらい前ですがこれ以降何を読んでも生温く感じてしまいました。そういう意味では非常に罪深い作品でもあります。 | ||||
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多くの方がレビューされていますので、今更書いてもどうかと思いますが・・・ 「フィクション」として読めば最高です。細かいところを「なんで?」って考えてしまうと 楽しさ半減ですね。 作り話なんで「そういう世界」って思えばいい とは、村上春樹氏の言葉です。 少なくとも、我々には体験するはずもない事象を、著者なりの解釈で書き上げた筆致は 「興奮した」というほかないと思っています。 この作品に憑りつかれて、桐野氏の最近の作品が「納得いかない」「物足りない」という方が 多くいるのを考えれば、この作品の面白さが伝わるのかもしれませんね。 「心の醜い部分を書ききる」という、桐野氏のテーゼの元になった作品だと自分は思っています。 それが故に、ミステリーを離れても、同じテーゼの桐野氏なので「魂萌え!」「東京島」「IN」なども大好きです。 ミステリーを読む方で、この「OUT」を読んだことのない方は、一度読んでみる事をお薦めします。 | ||||
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多くの方がレビューされていますので、今更書いてもどうかと思いますが・・・ 「フィクション」として読めば最高です。細かいところを「なんで?」って考えてしまうと 楽しさ半減ですね。 作り話なんで「そういう世界」って思えばいい とは、村上春樹氏の言葉です。 少なくとも、我々には体験するはずもない事象を、著者なりの解釈で書き上げた筆致は 「興奮した」というほかないと思っています。 この作品に憑りつかれて、桐野氏の最近の作品が「納得いかない」「物足りない」という方が 多くいるのを考えれば、この作品の面白さが伝わるのかもしれませんね。 「心の醜い部分を書ききる」という、桐野氏のテーゼの元になった作品だと自分は思っています。 それが故に、ミステリーを離れても、同じテーゼの桐野氏なので「魂萌え!」「東京島」「IN」なども大好きです。 ミステリーを読む方で、この「OUT」を読んだことのない方は、一度読んでみる事をお薦めします。 | ||||
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「本格ミステリの枠は窮屈で」と中間小説に転向した作家の作品には見るべきものがない、と言う私見を覆した秀作。冒頭に、夜勤の弁当作りのパートに嫌々携わる主婦達の姿を持ってきた事で、「これは倦んだ主婦達の物語」と宣言する堂々とした構成。事件に係る主婦4人の性格設定も良く考えてある。全員、家族や自分の見得のため、生活に困窮しているのはご都合主義かとも思ったが、そうではなく、社会の<OUT>で生きる人達を対象とした物語なのだ。 殺人を犯したお嬢様キャラ弥生より、死体の始末を"仕事"と捉えて引き受け、淡々とこなす主人公役の雅子は底抜けに不気味でクール。殺人後、その弥生の精神が鈍磨して行く様も、また不気味。私はまだ下巻を読んでいないが、お邪魔キャラ邦子はいずれ殺されるのであろう。"師匠"ヨシエは寝たきりの老姑を看ているが、作者は介護問題を語ろうとはしない。あくまで、人間の心の奥に潜む悪意・不可解さを描こうとしているのだ。私は新聞の記事で、作者が家に篭りっきりで執筆していると聞いたが、弁当工場の描写や死体解体の場面、特に人体を解体するとポリ袋幾つになるとかの描写などは取材や調査が行き届いていると感心した。全体として、あり得ない設定なのだが、場面毎の状況設定や心理描写が巧みで、読者を物語に惹き付ける筆力にも感心した。女性の男・人生に対する鬱陶しい感も良く出ているが、返す刀で女性心理の闇も氷の刃で刻んでいる点にも好感が持てる。主婦4人が"連帯感"ではなく"壁"を持っている点にも着目すべきであろう。 犯罪捜査の過程のサスペンスで読者を惹き付けるタイプの小説ではないので、結末がどう転んでも良いようなものだが、やはり展開は気になる。下巻を楽しみにしたい。下巻のキーは佐竹の復讐譚と宮森の純愛、そして猫か。 | ||||
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「本格ミステリの枠は窮屈で」と中間小説に転向した作家の作品には見るべきものがない、と言う私見を覆した秀作。冒頭に、夜勤の弁当作りのパートに嫌々携わる主婦達の姿を持ってきた事で、「これは倦んだ主婦達の物語」と宣言する堂々とした構成。事件に係る主婦4人の性格設定も良く考えてある。全員、家族や自分の見得のため、生活に困窮しているのはご都合主義かとも思ったが、そうではなく、社会の<OUT>で生きる人達を対象とした物語なのだ。 殺人を犯したお嬢様キャラ弥生より、死体の始末を"仕事"と捉えて引き受け、淡々とこなす主人公役の雅子は底抜けに不気味でクール。殺人後、その弥生の精神が鈍磨して行く様も、また不気味。私はまだ下巻を読んでいないが、お邪魔キャラ邦子はいずれ殺されるのであろう。"師匠"ヨシエは寝たきりの老姑を看ているが、作者は介護問題を語ろうとはしない。あくまで、人間の心の奥に潜む悪意・不可解さを描こうとしているのだ。私は新聞の記事で、作者が家に篭りっきりで執筆していると聞いたが、弁当工場の描写や死体解体の場面、特に人体を解体するとポリ袋幾つになるとかの描写などは取材や調査が行き届いていると感心した。全体として、あり得ない設定なのだが、場面毎の状況設定や心理描写が巧みで、読者を物語に惹き付ける筆力にも感心した。女性の男・人生に対する鬱陶しい感も良く出ているが、返す刀で女性心理の闇も氷の刃で刻んでいる点にも好感が持てる。主婦4人が"連帯感"ではなく"壁"を持っている点にも着目すべきであろう。 犯罪捜査の過程のサスペンスで読者を惹き付けるタイプの小説ではないので、結末がどう転んでも良いようなものだが、やはり展開は気になる。下巻を楽しみにしたい。下巻のキーは佐竹の復讐譚と宮森の純愛、そして猫か。 | ||||
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普通の主婦が抱える深い闇が、これでもかこれでもかと読者を襲ってくる。 介護、借金、夫のギャンブル、不倫、どこにでも転がっている現実が、不幸にも4人の主婦にぴったり重なったために、彼女らはありえない残虐な行為に手を染めていく。 犯行が警察に知れるとかいったサスペンスとは違うところで、恐ろしい敵が彼女たちを苦しめ、破滅へと導いていく。 何が起こるかわからない展開に、あっという間に読めてしまう。 桐野氏の一番桐野氏らしい作品であろう。 | ||||
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自分の不幸を隠している人には、この本は毒だ。家庭の崩壊や、ストレス、閉塞感で、飲酒や買い物や、セックスで自分を傷つけ、何とか均衡を保っている人には、この本はキツイ。読後、自分が隠蔽していたことが全てさらけ出されたような敗北感にとらわれ、悪影響があると思う。幸せな人には、この本の持つ毒は及ばないだろうから、不幸と幸せを試すリトマス試験紙のような本かも。 | ||||
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年収200万以下のパートのおばちゃんが、 金ピカのロレックスをひけらかし、 ベンツ乗り回すヤクザを退治してしまう痛快なノワール。 魅力的なおばちゃんや婆さん描かしたら、 桐野夏生 は世界一ですな。 沈着冷静冷酷非情のヒロインの雅子様(43歳)に燃え萌えですぅ! 雅子様って、ネーミングやばくないか?w さりげなく南京大虐殺批判もしているので、 将来発禁になると思うので、すぐ読めww | ||||
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年収200万以下のパートのおばちゃんが、 金ピカのロレックスをひけらかし、 ベンツ乗り回すヤクザを退治してしまう痛快なノワール。 魅力的なおばちゃんや婆さん描かしたら、 桐野夏生 は世界一ですな。 沈着冷静冷酷非情のヒロインの雅子様(43歳)に燃え萌えですぅ! 雅子様って、ネーミングやばくないか?w さりげなく南京大虐殺批判もしているので、 将来発禁になると思うので、すぐ読めww | ||||
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刺激が強すぎて、途中から読むのが怖くなるほどだった。雅子からの仕事を引き受けたヨシエ(師匠)と同じ気分で、やるべきか、やっぱり止めようか、(怖いけど読みたいし)読者の気持ちも揺れ動き、やがて、次の仕事もやらせてくれとヨシエが言う頃には、読者も耐性がついて何でも来いと思うのだが、それを上回る恐怖が途中で用意されている。この恐怖感には嘔吐感が伴う。 弁当工場に勤務する外国人労働者の過酷な生活をテレビで見たことがあったが、この「OUT」を読めばかなり詳細なことまで分かる。読者は主人公の雅子や、チームを組んでいるヨシエ、邦子、弥生たちの生活苦と、それぞれに崩壊している家庭を垣間見る。どうしようもない閉塞感の中で、雅子は弥生の窮状を助ける。助けた理由は、この生活からの脱出につながると直感が働いたからかもしれない。目次では最終章の第7章が「出口」である。OUTの意味はそれである。 素晴らしいエンターテイメントだ。人の心、工場や浴室などの描写は映像が頭に浮かんでくる。心から一読をお勧めする。 | ||||
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刺激が強すぎて、途中から読むのが怖くなるほどだった。雅子からの仕事を引き受けたヨシエ(師匠)と同じ気分で、やるべきか、やっぱり止めようか、(怖いけど読みたいし)読者の気持ちも揺れ動き、やがて、次の仕事もやらせてくれとヨシエが言う頃には、読者も耐性がついて何でも来いと思うのだが、それを上回る恐怖が途中で用意されている。この恐怖感には嘔吐感が伴う。 弁当工場に勤務する外国人労働者の過酷な生活をテレビで見たことがあったが、この「OUT」を読めばかなり詳細なことまで分かる。読者は主人公の雅子や、チームを組んでいるヨシエ、邦子、弥生たちの生活苦と、それぞれに崩壊している家庭を垣間見る。どうしようもない閉塞感の中で、雅子は弥生の窮状を助ける。助けた理由は、この生活からの脱出につながると直感が働いたからかもしれない。目次では最終章の第7章が「出口」である。OUTの意味はそれである。 素晴らしいエンターテイメントだ。人の心、工場や浴室などの描写は映像が頭に浮かんでくる。心から一読をお勧めする。 | ||||
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