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夕潮
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夕潮の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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★★★☆☆ | ||||
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伊豆に旅行する事になった主人公が親友の溺死に不可解さを感じ・・・というお話。 全集版の説明で「伊豆が舞台のサイコ・スリラー」と書いてありましたが、実際にそういう様に読めますが、どちらかといえば伝奇小説風に思えました、ただ、伝奇小説でもおどろおどろしくならずに、スマートで洗練された感じなのが、この日影丈吉らしい才筆だと思いました。 また、日影丈吉は男性ですが、女性の一人称で小説を書いても女性的な情緒を書くのがとても巧いのに感心させられました。女性が書いた小説と言われても信じてしまいそうで、この辺にも著者の並々ならぬ筆力を感じました。 一章一章が長く読みにくいのが難点ですが、それ以外はとても面白かったです。 異色の日本ミステリの佳品。機会があったら是非。 | ||||
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特に前半、著者の傑作『女の家』や「かむなぎうた」に通じる、独特の味わいがある。 著者は、銀座の露地裏、千葉の寒村、江東区の埋立地、それに台湾といった、土地の描写に優れる。 それが、静かな、ときに直接的な官能性と結びつくあたりが、いかにも個性的で、文学的といえる。 この作品も、逗留先としての伊豆の描写が、登場人物の心理とうまく重なっている。 台湾を舞台にした遺稿「黄ふく楼」(ふく、はへんが服、つくりが鳥)は絶品。 他に短編「壁の男」、戸川安宣氏の追悼エッセイ、新保博久氏の解説(力作)が読める。 奥野健男氏が、著者について「必ず全集が出版され」ると予言していたとは、さすがというほかない。 ちくま文庫の傑作選、久生十蘭集ともども復刊してほしいものだ。 | ||||
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表題作の長編『夕潮』と、短編「壁の男」、絶筆「黄*(服+鳥)楼」が収録されている。 『夕潮』は『幻影城』1979年9月号に前半が掲載されたところで雑誌が廃刊となり、原稿も行方不明になっていたのだが、ひょんなことから原稿のコピーが出てきて1990年に単行本化されたもの。 しかし、駄作だと思う。いや、発表当時は斬新だったのかも知れないが、いま読むとちょっとねえ。異常心理ものなのだが、だらだらとストーリーが進まない点にフラストレーションがたまる。 「壁の男」は、『鮎川哲也と十三の謎'90』に出たもの。ユーモア小説だと思うが、あまり評価できるものではない。 「黄*楼」は、著者の絶筆となったもの。半ばあたりまで書き進められたところで、亡くなってしまったのである。事件もいよいよというところで途切れており、残念。一応、著者の遺した構想メモが収録されているが…。 著者のファンでなければ、手を出すのはやめた方がいい一冊だろう。 | ||||
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