移行死体



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    移行死体 (徳間文庫)
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    初公開日(参考)1983年12月
    分類

    長編小説

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    移行死体 (徳間文庫)

    1983年12月01日 移行死体 (徳間文庫)

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    移行死体の総合評価:8.00/10点レビュー 1件。-ランク


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    No.1:
    (4pt)

    読むよろこびを与えてくれる犯人捜しよりもおもしろいキャラたちの饗宴

    題名通り“死体”が“移行”する。それも東京都心から海上300キロ彼方の八丈島まで一気に。それを説いていく本格推理が縦糸を構成するが、ここではむしろ横糸の登場人物たちの行状が楽しい。著者にしては珍しい巫山戯た筆致が思わぬ悦楽を与えてくれる。ひとつは、2人の学生のやりとり。先輩・甘利のあまりといえばあまりな独断的な世界観―いわば彼の場合は自分の言葉だけで世界は出来ているようだ―。対する後輩・宇部は独自のものは何も持ち合わせちゃいないが妙に観察眼のある男だ(しかし彼が事件を解決に導くというのでもない)。この2人が探偵(兼犯罪者?)となるのだが、彼らが棲んでいるビルが実にユニークで、家主は政党党首である。彼は弟夫婦を奴隷のようにして暮しているのだが、もう一人、貞操観念のない若い女が出入りしている。主要な登場人物は、この6人だ。うち1人が殺され、1人が殺人者ということになるのだが、それはこの際置いといても充分にこの物語は楽しめるようにできている。ふたつめは、貧乏ということが笑いを誘う。これは日本の古い喜劇には付き物でもあったが、ここでもそれは十二分に効果を発揮する。とにかく食べ物(とそれに付随する金銭)獲得の意地汚さ―いや、生存に欠かせないものをこれほど恥も外聞もなく得ようとすることは健気でさえあると言えよう。みっつめは、後半の「離島」へのリゾートを味わえることである。いや、もちろん八丈島へは“保養”ではなく“犯人”を確定するために行くのであるが―しかも、主要登場人物6人全員で!―それでも、ここにはまるで久生十蘭の南島従軍記のような呑気さが蔓延していて、すこぶる快適なのだ。「地上では寒さがぐずついていたが、上空には薔薇色の光がみちあふれている。(…)眼の下は下りて歩いて行けそうな雲の陸地。(…)雲は人間のおしゃべりや騒々しい音をきらうのだろう。宇部とは馬があいそうだ」なんて調子なのだ。島へ着いてからも観光らしい観光はどこにもないが、それでも現地の言葉や風俗に異国情緒をかきたてられる。物で溢れかえった現代には求められないものを追慕するノスタルジーだけではない、何か大切なものがここにキラキラしていると感じた。だから、事件は解決してもなお憂鬱は去らないのだった。
    移行死体 (徳間文庫)Amazon書評・レビュー:移行死体 (徳間文庫)より
    4195675650



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