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聖灰の暗号
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聖灰の暗号の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全37件 1~20 1/2ページ
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友人に薦められ帚木蓬生『聖灰の暗号』(上・下)を購入しました。 古書しかなかったので(普段は新品があれば新品にしてますが)、Amazonマーケットプレイスで古書を発注。「ネットオフ」で、なんと、上が1円、下が19円。配送料各320円。 てっきり、むか~しの古本屋の店頭平棚に山積みされてたような文庫本が届くんだろうなと予想し、なんの期待も抱かずにおりました。 発注して3日後にはメールポストに届き、中身を見てビックリ !!。 文庫本じゃなくハードカバー2冊が入っていたのでした。しかも、新刊書同様の新品で、どちらも2007年初版。 これには驚いてしまいました。たった20円でこんな上等なものを頂戴してしまったようで、申し訳ないやら有難いやら。いくらわたしがもう老眼で視界も霞み、発注時に品物説明に十分眼も通さず発注してしまったんだとしても、まさか新刊書同然のハードカバー2冊を20円で譲っていただけるなんて想像もしませんでした。 というわけで、まずは一筆、感謝の気持ちをお伝えしたく、こうして「商品レビュー」を書いております。久しぶりに贅沢な気持ちで読書ができそうです。いつもは新刊のハードカバーなんてとても買えません。感謝しております。 【追記】 巻措く能わず4日で読了してしまいましたので、作品についての感想も一つ。 これは帯にあるような「異端審問の真相に挑む歴史大作」ではなく、歴史研究者アキラを主人公とする研究者小説ですね。つまり、エーコ『薔薇の名前』や遠藤周作『沈黙』や、さらには堀田善衛『ゴヤ』『コシェル 城館の人』や井上靖『敦煌』・酒見賢一『墨攻』のような歴史小説ではないということ。むしろ、いまはうろ覚えになっていますが、ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』や松本清張『火の路』・高木彬光『邪馬台国の秘密』・中津文彦『黄金流砂』のような歴史ミステリーだということ。 アキラたちが捜し出した1316年羊皮紙はまさに「ぼくら歴史家が注釈をつける必要がないくらいの一級史料」(下115頁)。とても当時の羊皮紙に記される類の文章とは思えないフィクションたることは明白です。それは歴史屋の夢。著者の歴史小説はこの「史料」邦訳に籠められています。 いいですね~。本書に描かれているのは歴史研究者の夢です。そして読者であるわたしはその夢に揺蕩い憧れ、フィクションが照らし出すfactum(事実、真実)を後世に伝えたいものだと思わされます。 最後に「カトリック学院教授」が公衆の面前でつい馬脚を顕わしてしまうのも、これまた研究者の業ゆえでしょう。その小児ぶりは微笑ましくさえあります。 ちなみにわたしは研究者小説としては、例えば松本清張「断碑」のようなものも好みです。 | ||||
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以前からカタリ派のことに興味があったのですが、たまたまこの本がアマゾンで検索にひっかかってきました。帚木蓬生氏の作品を読むのはこれが初めてです。東大仏文科と九大医学部卒という経歴や著書の雰囲気から、高い教養の持ち主ということが伺われますが、この本も格調高く、いい意味でいかにも”インテリが書いたインテリのための作品”という感じです。 自分はおもしろいと思うといつでも一気読みしてしまうのですが、この作品はテーマが重く悲惨なだけに、読んでいるうちに息苦しくなってしまい、めずらしくそれができませんでした。特にドミニコ会修道士レイモン・マルティによって書かれた古文書とその詩はなんともいえない哀切感に満ちていて、集団火刑にされたカタリ派の人々が焼かれる匂いまでがまわりに漂ってきそうな気持ちになりました。特に、後ろ手に縛られたまま焼かれつつある信者たちが、縄が燃えてほどけやっと手が自由になると、その手を前に回して祈りの形に組み、一様にほっとした表情を浮かべるというシーンが頭について離れませんでした。南仏にあるカタリ派の故地モンセギュールなどは一度訪ねてみたいと思っていたのですが、この詩に書かれているような火刑の雰囲気がよみがえってきそうで、ちょっとためらいが出てきてしまいました。古文書の内容は帚木氏の創作だと思いますが、それほど真に迫っていたということかもしれません。 できればあとがきを作者ご本人に書いてほしかったと思いました。というのは、どうして作者がこういうテーマを書きたいと思ったのか、そしてどこまでが史実で、どこからが創作なのか、どんな参考文献に当たったのかを知りたいと思ったからです。それによって、氏が一番描きたかったのはカタリ派に関する歴史なのか、それともカタリ派にまつわる秘密を追うミステリなのか、どちらに重点が置かれているのかがはっきりします。そのあたりがやや中途半端な印象を受けました。正直、ミステリとしては迫力不足です。偶然出会うクリスティーヌとエリックという協力者が本当に善玉なのか、ミステリを読みすぎて人が悪くなっている自分としては、最後まで「実はこいつが悪玉の手先ではないのか」と疑っていましたが、本当に味方だったのがわかり拍子抜けしました。いろいろ事件が起きましたが、古文書を学会で発表するまでの妨害がなんだかおっとりしていたと感じたので、やはり描きたかったのはミステリよりも歴史だったか、と思ってみたり。 あと、会話がとても硬いです。最初に主人公とクリスティーヌが出会う時の会話がいきなり学問の問答のようで浮世離れしていて、なんだか苦笑してしまいました。特に女性の話し方が硬いです。帚木氏は女性が日常にどんなふうに話すのか、あまりご存知ないのではと感じました。それに比べて風景描写がとても美しいです。たぶん実際、このあたりへ旅されたのだと思いますが、野花の広がる風景、風の感触などは読んでいるだけで目に見え肌に感じられるようでした。また、料理の話がたくさん出てきますが、南仏の地方料理がどんなものかよくわかりますし、出てくるレシピもおいしそうで作ってみたくなります。このあたりもきっと作者自身が現地で食されたものなのでしょう。 宗教自体、デリケートなテーマですが、現在のヴァチカンも性虐待問題やその執拗な隠蔽、内部の権力争いなど生臭い問題がいっぱいで、個人的には宗教組織自体にあまり信頼が置けません。ヴァチカンがカタリ派を弾圧した1200年代当時もそれは同様だったのではないでしょうか。この小説がヴァチカンに対する冒涜だという指摘は当たっていないと思います。ましてや一応、娯楽もののフィクションとして書かれているのですから。 たとえばイスラムでも、スンニとシーアはお互いに相手をイスラムではないと非難しあっていますが、自分たちと異なるものをすべて排斥して撲滅しようとするのは、それだけでもおかしいと感じます。これはたぶん日本的、仏教的な多神教の感覚だと思いますが、一神教は他を認めない不寛容さがどうも好感が持てません。 いろいろ書きましたが、大変な力作だと思います。まだこれからカタリ派のことを勉強していきたいですし、帚木氏の作品もどんどん読んでいきたいです。 | ||||
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作品中にリアルに語られる残酷な処刑も審問も、カタリ派の人々の篤い信仰もつまるところはほとんどが作者の創造であり、どこまでが史実に基づくのか疑問です。 ショッキングな内容に引き込まれ、思わずこれが7百年前に起きた事実と思いこんでしまいがちですが、発掘された書簡はあくまでも作者の創作。カタリ派への弾圧自体は事実ですが、作者が詳細に肉付けしたフィクションを史実と混同せず、エンターテイメントとして楽しむ作品だと思います。 解説者がフランスで出版されていないのが残念と言っていますが、ただでさえ宗教というデリケートなテーマを扱い、門外漢の日本人が想像を膨らませ、そのつもりはなくても結果的に教会を貶めるような作品を書いたのでは受け入れられるとは思えません。 遠く離れた日本だけの日本語小説に留めておくのが無難でしょう。 あと、主人公がアプローチしなくても棚ぼた式にヒロインと結ばれますが、いかにも優等生が夢想する受け身のロマンスっぽいですね。 | ||||
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長き眠りから覚めた古文書は、須貝たちの胸を揺さぶった。神を仰ぎ慎ましく暮らしてきた人びとがなぜ、聖職者により、残酷な火刑に処されなければならなかったのか。そして、恋人たちの目前で連続する奇怪な殺人事件。次々と暗号を解いてきた須貝とクリスチーヌの行く手には、闇が顎を開けていた。遥かな過去、遠きヨーロッパの地から、いま日本人に問いかける、人間という名の難問。 | ||||
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これほどの商品を手にすると、とても気分が良くなります。帯まで着いていましたし。発行年が平成22年の初版ですのに本当にきれいでした。これからも、売る以上は気持ちの良い商品を流通していただきたいと思います。 上巻を他店で購入して商品があまりに悪かったので、特に思いました。 | ||||
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沢山の本を読みますが、恋愛小説は好みませんが、作品の中での男女の交わりには魅かれるものがあります。人間の生き方の中での、男女の在り方に言葉にできない感銘を覚えます。 | ||||
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一人の作者作品を連続で読破するには、古本購入が最良です。作品に共通している作風を読み採れるために私はを繰り返して読めます | ||||
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今年読んだ本の中で、ナンバーワンにさせていただきました。 Google earthで、現地まで見に行きながら読みました!いつか本当に訪れてみたいです。 | ||||
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久しぶりにこの作家の本を読みましたが、やはり読者を裏切らない筆力はさすがです。 カタリ派のあまりに禁欲的で現実離れした教義は、この時代に消滅しなくてもいずれは消える運命だったような気もしますし、"良き人"達が審問官を論破する際の聖書からの引用も、新約聖書自体がキリストが実際に言ったことから多分に改ざんされてしまっていることを考えると、彼らの正しさの根拠になるのかは疑問ですが、信じていることや解釈が違う者は殺してしまう、というのは絶対にあってはならないことで、カソリック教会は取り返しのつかない汚点を歴史に刻んでしまいました。 火刑にされた罪のない人々の描写には胸がつぶれてなかなか読み進めることができませんでした。 悲惨な物語ですが、主人公の真摯で慎ましい人柄や、旅での出会いや郷土料理に救われます。 各国語に翻訳して、特にカソリックの信者達にぜひ読んでもらいたいと思います。 | ||||
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アマゾンで買った本のみレビューしています。物語・作り話が好きなので小説しか読みません。リアリテイー等は関係ありません。事実と違うなどと言ってる人がいますが、なぜ事実じゃないと知っているのでしょうか?学者が書いているから?不思議で仕方がありません。物語では信長は本能寺で死ななくてもいいのです。面白いか面白くないかのみが判断基準です。それではよろしくお願いします。 | ||||
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佐藤賢一『オクシタニア』は13世紀に舞台を設定しているが、弾圧されたカタリ派に対しては一定の距離を取っている。もちろん史家として客観的な態度をとっているからだろうが、さらには作家が、肉体と欲望という人間性を重視しているからだと思われる。こうした人間観に立てば、物質を悪として禁欲を重んじるカタリ派の教義は、いわば無理難題の要求に映るはずだからだ。 2008年に刊行された帚木蓬生『聖灰の暗号』は、その前年刊行『オクシタニア』と同じカタリ派を取り上げながら、多くの点で異なっている。舞台は現代、主人公は歴史学者の日本人。古文書の発見、相次ぐ不審死、歴史に隠された謎、そしてカトリック教会の闇…と、道具立ては本書が『ダヴィンチ・コード』のような歴史ミステリであることを示している。しかしなにより『オクシタニア』と異なるのは、カタリ派の弾圧と殉教という史実に対して、作家がかぎりない哀惜の念を示している点ではないだろうか。事実、文庫の下巻冒頭は、発見された古文書の長々とした引用ではじまる。そして謎の多くは結局解明されず(『聖灰の暗号』…?)、ミステリとしてみれば不満が残る。しかしそれゆえに、作家の目論見が、カタリ派のひとびとの苦しみをフィクションの古文書を通してよみがえらせようとした点にあることは一目瞭然だ。宗教に名を借りた弾圧や迫害は普遍的な課題であり、作家の真摯な態度には心を打つものがある。 リア充の颯爽とした主人公の活躍、妙に協力的(ないし敵対的)なフランス人たちなど、ご都合主義的なところもなしとはしない。しかし、ピレネーの自然や文化、緊迫した学会の様子など、リアリティあふれる細部描写のおかげで、そうした点もさほど気にならないで読むことができた。 | ||||
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ミシェル・ロクベール氏の「異端カタリ派の歴史」という本の書評を読み、初めて「カタリ派」というものを知りました。興味を持ったものの、本の値段、ページ数、本格的な内容にひるんでしまい、もう少しカタリ派についてわかりやすく説明したものはないか、と捜して辿り着いたのが本書です。もちろんミステリ仕立ての小説ですので、主人公が発見した物語の中心となる古文書も創作の産物ですが、カタリ派についての説明はとても詳しく、よく理解することができました。 12~14世紀の南仏。キリスト教徒ではあるものの、神の子で磔刑に遭いその後復活した、というキリストは幻の存在と考え、それよりも聖書を信仰の拠りどころとし、権力を持つ聖職者も立派な教会も必要とせず、皆が労働に勤しみ、日々を正直に生きる。そんな慎ましい生活を送るカタリ派の人々を、ローマ教会は許せず、十字軍を送り込み、村中を皆殺しにしたり、拷問の末に集団で火刑にしたり、と暴虐の限りをつくし、カタリ派を消滅させました。 静かな信仰生活を営んでいただけのカタリ派の人々が、ローマ教会に反旗を翻したり、反抗したわけではありません。ローマ教会が、神と地上界を媒介するのは自分達だけだ、その自分達を尊敬すべきだという理由で、カタリ派を異端とし、弾圧したのです。 私はキリスト教徒ではありませんし、宗教学も学んでいませんから、専門的なコメントはできませんが、正直キリスト教に胡散臭さ、いかがわしさを感じてしまいました。(まあ、どの宗教にもこういう暗い側面はあるのでしょうが) 他のレビュワーさんも書いておられましたが、ミステリとしてはいまひとつです。しかし、作者の帚木蓬生さんとしても、読者に一番伝えたかったのは、おそらく日本ではあまり知られていないカタリ派というものの存在とその悲劇、哀しみだったと思います。そう捉えると、非常に有意義な作品だと思いました。 | ||||
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友達に薦められて上巻を大型店舗(本屋)で購入したところ、大変面白くて、あっという間に完読。ところが、下巻がないので取り寄せしようとしたところ、すでに完売で購入できないとのこと。そんなことがあるのかと思いましたが、早く続きが読みたくて、Amazonで見つけてすぐ注文しました。上巻同様、過去のカタリ派の弾圧の状況や現代でそれを追ってくる人たちの妨害など、ミステリー的な要素が多分にありますが、それより、やはり、人が人を宗教の名のもとに殺害する不条理さと無意味さを感じ、昨今の世界のテロ騒ぎとリンクして、一層感じるものがありました。もう少ししたら、もう一度読み直してみようと思います。舞台が、フランスの中でもスペイン寄りの田舎の地域で、ネットでその城の写真を見たり、村の映像を見て、旅行をしたような気分にもなりました。 | ||||
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歴史おたくの知人におすすめされて読み始めた小説。 中世ヨーロッパでキリスト教会で異端とされたカタリ派の秘密を記述した文書を歴史学者が追う、という筋書き。 ローマ教会やカタリ派に絡んだ歴史が随所で解説されており、歴史オタクは楽しめると思う。 個人的には、それと並んで、冒頭部分の学者としての日常を綴った部分に惹かれた。 ヨーロッパに留学したり、1日中図書館にこもってひたすら文献を調査したり、後半のスピード感ある冒険部分に比べて地味で埋もれがちにも見えるが、その中にも学者としての情熱が浮き出てくるような記述に感情移入できた。 後編も読みます。 | ||||
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カタリ派の残した暗号を歴史学者須貝が解明していく物語り。 上巻の学者のリアルな仕事の描写と地道な調査に比べると、下巻は暗号の解読も予定調和的にあれよあれよという間に展開してしまった感があり、最終的な黒幕の大捕物もあまりにもあっさり解決しすぎで残念。 ローマ教会側の修道士がカタリ派の思想に共鳴していく経緯が描かれる物語り部分が救い。 | ||||
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上・下貫巻でお勧めです。 宗教とは、何かを考えさせられました。 | ||||
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歴史学者が歴史の闇に葬られていた暗部に触れる、と同時にそれを防ごうとする組織が立ちふさがると、まあこんな類のお話でした。 キリスト教カトリックの異端審問期に存在したカタリ派がメインになっており、その分野にまったく無知なので、単純に興味深かった。 おそらく、カタリ派や中世のこの時期を研究した堅い書物はたくさんあれど、なかなか物語として読ませてくれるようなものは少ないだろう。 小説の面白さと素晴らしいところは、物語にそった知識と興味をこんなド素人にでも湧きあがらせてくれることかもしれない。 | ||||
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上巻から徐々に謎に迫り、そしていよいよすべての手稿が発見される。 ここに出てくることっぽいことは、おそらく本当にあったのだろう。 たくさんの人々がキリスト教の王道から違う(解釈が違う)というだけで、 残虐に葬り去られてきた。普段は考えないが、信仰とはなんだろうかと考える。 どう考えても、自分はこの小説に出てきた異端の考えの方が共感できる。 そうなると、火あぶりかー、いやでも王道派のふりをするかな、しにたくないし。 そう考えるとやっぱり、信仰を貫いて火刑に処される気持ちもわからず、 どっちもやだなーと思ってしまう。小説的にはまーまー、ちょっと中だるみはあった。 | ||||
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歴史は正統派による異端とみなされた側への弾圧の記録だが、それを史実を下敷きにしてフィクション化した点では、読み応えのある傑作だと思った。この小説を読みながら眼蓋に浮かんだのは、ナチスによるユダヤ人の弾圧と抹殺、スターリンによる批判勢力の粛清、日本の特高警察による自由主義者や社会主義者の徹底的な弾圧などだが、それだけではない。安倍政権による批判勢力の徹底排除と情報支配に続く全体主義政治が、われわれの目の前で進行しているのに対して、それに無関心な日本人が圧倒的である現実。そういったことは異端と名づけて排除する路線であり、単なる宗教の問題に限ったことではない。精神科医の帚木博士の筆法はそういった社会の暗い面に照明を当てて、我々の眼前でも同じことが起きていることを思い出させてくれる。彼のイマジネーションと教養の深さに対して敬意を表したい。 | ||||
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梱包が素晴らしく、併せて購入した下巻とも一気に読了しました。大変、考えさせられる内容で、深い満足感を覚えました。 | ||||
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