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逃亡
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逃亡の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.42pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全50件 1~20 1/3ページ
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読んでいるうちに自分が逃亡者になったような錯覚さえ起きる。 史実に基づきよく書かれている。 小説というが、ほぼ実話ではないかと感じる。 戦争をテーマにした作品は多々あるが、これは敗戦後の憲兵の行動と心理が書かれています。 国家の行う戦争とは人々の人生そのものを狂わせてしまうことが良く分かった。 戦争にはこんな一面もあるということ、 戦争が終わったから「はい、おしまい」ではないということ。 戦争中のことは死ぬまで消えないということ。 戦争体験者の方たちの胸の内に思いを馳せています。 だからこそ、「二度と同じ過ちは繰り返しません」という非戦の誓いを 戦後生まれの私たちは肝に銘じなくてはいけない。 愚かな政府の利権や思惑に振り回されてはいけない。 戦争はゲームではないのだから。 若い人にもぜひ読んで頂きたい。 | ||||
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香港で軍諜報活動に従事していた憲兵守田は、敗戦による武装解除に先立ち逃亡。偽名を使い帰国するが、しだいに戦犯捜索の追手が迫る。『笹まくら』(丸谷才一)にも似た戦前と戦後社会を繋ぐ恐怖。 | ||||
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何人もの人間を殺した憲兵守田。だが敗戦を境に、長い逃亡を経てスガモに収容されるうちに、天皇は戦争責任を問うに値しない人間として見定める一方で、自分は戦犯としての責任を受容する心境に。 | ||||
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体裁もよく、一気に読み進めました。 | ||||
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※削除申請(1件)
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良い読書体験だった。戦争関連本100冊以上読んで、ある程度の基礎知識はあるつもりだが、 憲兵側からの視点は初めてだった。 兵士からも民間人からも恐れられる陸軍憲兵隊の特高課であった守田軍曹の逃亡劇。 香港で、抗日分子の摘発や、軍の機密情報を敵国に流す間諜を逮捕し虐待行為を行なっていた。 (機密情報が漏れると、輸送船等が敵の水雷により、多くの被害が出た) 特高憲兵の中には、上手に立ち回り、権力を振りかざした小狡い人間も多くいただろうが、 本書に出てくる憲兵達は、愚直に職務を全うし、戦後も結びつきが強い。 作者の父がモデルではないかと言われてるだけに、熱い思いが読み手にも伝わってくる。 「一人一人が、死んでいった諸々の同胞を忘れないというのが本筋ではありませんか」p485 「国が見放そうが、天皇が見放そうが、諦めてはいかん」p495 「天皇にとっても、臣民など初めから存在しなかった。だからこそ、幾百万の国民の犠牲にも 耐えられたし、敗戦後戦犯が陸族と生まれても、それに言及さえしなかった」p501 独房の孤独の中、過去を振り返り、守田は任務とはいえ自分の殺人行為を深く悔恨し、 自分のやったことは死刑に値するとの心境に至る。 今の平和は、私たちの力ではなく、先人たちが遺してくれたもの。 戦争で犠牲となった多くの命に思いを馳せたい。 | ||||
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守田征二・大日本帝国憲兵。 終戦を迎え香港から日本へ逃げ帰る。 日本でも戦犯としてGHQ,警察から追われる。逃亡が続く。 お国のためにと戦って敗戦国となったとたんに追われる身になってしまう。 なんと理不尽な。 この作家特有の細かなストーリーに引き込まれる。 守田の気持ちになって読むのがつらい哀しい。 この長い長い逃亡劇の結末どうなるのだろう。 柴田練三郎賞受賞作品。 | ||||
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香港で特高憲兵の任務を敗戦という形で迎え、 戦犯として追われる守田征二。 妻や子供たちとの生活を夢みて逃亡を続けるが、 捕まり刑務所送りとなる。 誰のため何のために戦ってきたのか、自問自答の日々を送る。 上下2冊で約1200ページ。 戦争がもたらした人々への悲劇、 理不尽を問いかけるにはまだまだページが足らないかもしれない。 とにかくこの作家の丁寧な語りに飽きずに読了。 次に何かを読みたい。好きな作家になってしまった。。 | ||||
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旧日本軍の憲兵というのは単なるmilitary policeというわけでなく、何やら特殊な任務を持ち、 軍人よりは民間人にとって畏怖の対象として見られていたというくらいの認識しかなかった。 しかしこの本には、日本軍占領下の香港での憲兵の仕事ぶりが活写されており、これが憲兵の仕事かと合点がいった。 読みごたえ十分、戦後の人間が創作できるような内容ではなく、当時の良質の記録を参考に書かれたのだろう。 敗戦直後の食うや食わずの国民生活もリアルに書かれていて、なかなか読ませる。 先を知りたくて、なかなか途中で本を置けなかった。 しかし、全体を通じて冗長な印象は否めない。 いろんな場面が時間と空間を超えて出てくるのと、登場人物が多いのでストーリーを追いにくい。 読み進めれば進めるほどに、さっきの場面、さっきの人は無くても話の筋は変わらないというのが判ってくる。 著者はディテールにこだわりたかったのだろうが、もう少しコンパクトにまとめる方が読みやすくて印象も鮮やかになるだろう。 佳作であり読んで面白いが、同じく戦犯の逃亡を扱った吉村昭氏の作品「遠い日の戦争」には遠く及ばないと思う。 | ||||
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図書館で文庫上下を借りて読む。面白かったが、主人公の香港や郷里の「思い出」部分がかなり長く、全体を2/3くらいにしたほうが印象は深まった、と思う。それはともかく、筆者の「蠅の帝国: 軍医たちの黙示録」「蛍の航跡: 軍医たちの黙示録」をかつて読んでいたが、現役医師だけあって、かなり真実に迫ることが書かれているのだろうな、と素朴に信じている。中国大陸、香港で行った旧日本軍の蛮行も、確かにそういうものはあったんだろう、と思った。「南京大虐殺」はじめ、中国人は大げさにあれこれ言うが、 程度の差はあっても、日本人が侵略と同時に残虐行為の数々をやったのは事実である。先の「軍医たちの黙示録」ともども、もっと世間に知られてほしい小説だ。こんなスリリングで面白い話、映像化しようと思う人間はいないのだろうか。篠田正浩さんが30歳若かったら、挑戦してほしいところだが。 | ||||
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戦争の残酷さをおもいしらされました。多くの日本人に読んでいただきたい小説です。 | ||||
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学生時代、Rハーディが書いた「チャイナゲーム」という小説を読んだことがあります。白人宣教師一家が建国間もない中華人民共和国から台湾に逃亡する話でしたが、逃亡するという点でよく似た作品のように思えました。回想シーンがところどころ多く、普段、本を読みなれていない人には「えっ、何の話?」と辛くなる部分がありますが、逃亡した主人公の緊張感が伝わってきます。 一言に「終戦」と言っても、終戦を迎えた場所、その人の性格、その人の身分によって受け取り方は様々です。この本の主人公のように終戦からが大変だった人たちも多くいたことでしょう。フィクションではありますが、そんな人たちの息遣いを想起したい方にお勧めの1冊です。 | ||||
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無事に日本に帰国を果たし、家族と新しい生活を始めた矢先、今度は戦勝国の意を受けた日本政府によって再び追われることに…。この理不尽さはいったいどこへぶつけたらいいのか?主人公の思いがビシビシ伝わってきました。 この巻では主人公の逃亡シーンの他に、残された家族が夫の帰りを信じて、混乱の戦後を必死に生きてゆく姿が描かれていて読みごたえがありました。そしてその思わぬ結末は…。昭和天皇に対する元憲兵たちの思いを描いた部分は、読む人によっては意見が分かれるかもしれませんが、逃亡する先々で出会う人々との交流や、逃亡先で作物栽培や塩づくり、販売営業に精を出すシーンがリアリティーを持たせ、物語を味わい深くしています。最後までどんなどんでん返しが待ち受けているか、目が離せない作品です。 | ||||
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夜長の慰めに欲しいとリクエスト。中古ながら美品。内容も良かったとのこと。 | ||||
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本書は一読で二度美味しい。 1つは、山本周五郎ふうな大衆小説としての心優しい人間関係です。 主人公守田は、行く先々でいろんな方にお世話になります。それらの関わりは節度あるもので、エキセントリックだったり孤独に立てこもるといった暗さがありません。 大衆小説とは人生に寄り添う文学です。 人づきあいの原点に返る感じがして、職場の人間関係によるモヤモヤをリセットするのに役立ってくれるかもしれません。 2つ目は、憲兵だった主人公守田が敗戦という炎を経て日本人として自立する、死と再生、あるいは精錬の物語だということです。 その場合、「逃亡」という題名は二重の意味になります。まず、各地を転々としていろいろな人のお世話になり、畑を作ったり塩づくりをしたりする、サバイバルとしての逃避行の意味。そして、日常何かを先延ばしにすることを「ニゲる」と言いますが、その意味があります。つまり、守田は戦争の本質を見据えることから逃避していました。 ネタバレにならないように書きますが、ニゲていた守田はチャップリンの映画「殺人狂時代」の名ゼリフ「大勢殺せば英雄になる」のが戦争の本質であることに気がつきます。 戦争は、友情とルールに則った紳士のスポーツみたいなものではないし、作法に則った決闘でもなければ、殴り合った後に握手をする子どものケンカでもなく、本質的に野蛮で理不尽なもの、というイメージに落ち着くわけです。 というわけで、人間関係のモヤモヤをリセットしてくれるかもしれない一種認知療法的な効果と、戦争について考えるきっかけになるかもしえれないという、2つの美味しさがある作品です。 | ||||
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本もきれいで満足してます。 帚木 蓬生先生の本が好きで毎日読んでいます。 戦後の日本を描いた内容でとても興味深く、戦争の悲しみ残酷さを思い知らされます。 | ||||
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この作者の作品にハマっているとリクエストあったので。面白かったそうです。 | ||||
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読み始めは難しい本を買ったかなと思ってもみたが逃亡生活に入った辺りからすっかりのめり込み時間の経つのも忘れ一気に上下読み終え再読もする程でした。最後がhappyendで終わってくれたのも作者・精神科医箒木蓬生の人柄が出ていて好かったと思います。再々度読み返したくなる一冊です。 | ||||
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ここまでの情報と(歓迎されていない奴が実は美人キャラ)と言う設定の存在と AGEHA最終話の(アゲハ扱いされているジャノメ)が(ミイラ姿)で登場する場面があることから (顔つき性器にとっての物凄い美人の精液と膣ない分泌液は猛毒)だと言うことが理由だと言うことが判明するのである そして(百足先生扱いされているモトキ)が平気だったことが書かれていることから (汚物にとっての消毒剤)と(顔つき性器にとっての物凄い美人の精液と膣ない分泌液)は(同じもの)だと言うことが判明するのである だからこそ美人を見たら逃げろと言うことになる話なのである | ||||
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最初は何気なく読み始めたのが逃亡生活が始まる行からのめり込みそれからは一気に読み切ってしまいました。その後何回も読み返しているのですが最後の方はいつも泪なくしては読めないでいます。感動の力作です。今では箒木蓬生の大ファンです。 | ||||
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現代ならば優秀な外交官、商社マンの様な働きぶり。 戦争中なので残酷なことも手段を選べません。 すべて国のため家族のためと思って一心にやってきたことが敗戦後は極刑確実な戦犯として逃亡者に。 日本軍として兵役をした人々、外地からの引き上げ日本人、香港の中国人、イギリス人、敗戦後の焼け跡、農村で生きる人々の過酷な状況、行動、心情が疑似体験したようによくわかりました。 読売新聞に筆者と作品が紹介されていたので読みました。 お父様の事を題材に相当に取材され精魂込めて書かれていると感じました。 | ||||
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