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孤島の鬼
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【この小説が収録されている参考書籍】
孤島の鬼の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.47pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全154件 121~140 7/8ページ
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江戸川乱歩といえば少年探偵団、その程度の認識しかなかった私が図書室で見つけた江戸川乱歩集。その最初に載っていたのが孤島の鬼でした、以後私の中の乱歩観は大きく変わりました。「主人公はまだ若いというのにその髪の毛は白髪に染まっていた、そしてその妻の腰には大きな傷跡があった」それは一体何故なのかという流れで話が始まる。まずこの時点で作品に強く惹き付けられ借りてしまった。 私が一番衝撃を受けたのは中盤に登場するある少女の日記(手紙?)である。私はこの少女の言うもう一人の事とは彼女のもう一つの人格だと思っていました、がまさかあんな結末とは…。電車の中で読んでいて寒気がしました。後で知ったことですがこの作品は乱歩の長編最高傑作と呼ばれているようです。全体的に不気味な雰囲気が漂っていますが探偵・冒険・同姓愛・怪奇と様々な要素が入っています、読了後何かやりきれない気持になりました。 ちなみに私は最後まで主人公とその友人の名字が何と読むのか分かりませんでした、それと秀ちゃん・吉ちゃんを繋げると秀吉になるのは何か理由があるのでしょうか?秀吉は実は指が6本ある多指症(奇形)だったといわれていますがそれと関係は…無いでしょうね。 | ||||
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別の出版社の本であったが、中学2年の夏休みに 「孤島の鬼」を読んでしまった。 少年向けの乱歩シリーズは小学生の時にほぼ読破し、 大人向け(?)の乱歩を読んでいる時期であった。 中学2年の夏休み一番の思い出が 「孤島の鬼」になってしまった。 他の方々のレビューを見て嬉しくてしょうがない。 「本当にそうですよね」って。 それなのに意地悪な気持ちに なってしまうのはなぜだろう。 こんな面白い本を人に教えたくないと… 東野圭吾でも読んで喜んでればいいさって (残念ながら推理小説、ミステリー小説で 「孤島の鬼」以上の衝撃を 30年過ぎた今も味わっていない。) 乱歩に興味を持った長男に 「面白い本貸して」と言われて 「大暗室」を渡した自分は父親失格だ。 | ||||
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奇形、同性愛、孤島・・・ぱっと思いつくだけでもこの小説からはこれらの「異なる」キーワードを上げることができる。 人は異なる物に惹かれるものである。 特にこの小説の「同性愛」の描写にはとてつもなく惹かれる。 同性愛というのは子孫を残す為の本能的な愛ではなく、ただ純粋にどこまでも野生的な愛であってその執拗なまでの性、歪んでしまった心、全てがツタのように絡まりあってこの小説の閉塞された不気味さを演出している。その「同性愛」の美青年と主人公があるところに迷いこみ、生死の境目になった時の描写も素晴らしく怖い。 人間追い詰められたらああなるのかと思わず鳥肌が立ってしまうほどだった。あれが普通の異性同士の恋愛なら滑稽に見えて笑ってしまうようなシーンでも、それが究極の野生的な愛である同性愛に置き換えるとどうだ、何倍にも怖く、また何倍にも悲しく見えるのだ。 「奇形」というのも一つのテーマだ。 あるべきものが無い、あるいはありすぎるというのはそれだけで非常に不気味だ。それに加えて普通の人間より人間らしい感情を持っているとなるといよいよ恐怖でしかない。 さらに、これらのイメージをより印象的にするために、この小説にはしばしば美しい風景の描写がでてくる。その風景とそれらの「異物」を同時に並べるとより不気味さが増す。 この小説はそれらの不気味さが上手くマッチしてとても面白いものになっている。 しかし、これほどにページをめくるたびに感情を変わらせられる小説も珍しいのではないかと思う。 不気味だと思ったら虚しく、虚しくと思ったらまた不気味に・・といった調子でグルグルグルグル回せられる内に読み終わってしまう。 これを読み終えたら色々な事に対して不気味さを感じるようになるだろう、しかしそれぐらいの代償を払ってでも読みたい一冊だ。 | ||||
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大体のあらすじを以前知人から聞いて知っていたけれど、題材となっているテーマに少し拒否反応を示していて手をつけずにいた作品。 なぜ今まで読まなかったのか、と後悔するくらい面白かった。 江戸川乱歩ワールドがこれでもか!というくらい展開されていて(詰め込みすぎ感も少しあったが・・)、次々明らかになる衝撃の事実を知りたくて、 どっぷりのめり込んでしまった。 乱歩らしく少々グロい場面もあるが、その描写も美しく嫌な後味は残らなかった。 まさに人外境での話、という感じで身近に感じられなかったせいもあるかもしれないが、それでもリアリティは十分にあった。 後半部分は特に、極限状態に陥った人間の体温、匂い、息づかいまでが伝わってくるようだった。 しかし、なんといってもこの作品の一番の魅力は、皆さん書いているように、諸戸の情熱的でありながらも純粋な恋心かもしれない。 うす気味の悪さも正直感じたが、彼の地獄のような生い立ちと、主人公に向ける献身的な同性愛感情に、胸がしめつけられる思いがした。 乱歩の作品を一度でも面白いと思った事がある人は、確実に好きな作品なのではないだろうか。 | ||||
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この本を初めて読んだのが28年前。 余りの面白さに4時間位で寝るのも惜しんで読み切りました。 その後読み返すこと数度。 その度にこの本の面白さに痺れます。 | ||||
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皆さんおっしゃる通り、大傑作。乱歩の小説はほとんどすべて読みましたが、これが白眉。わたしにとって、小学生のとき、青銅の魔人から始めた乱歩の世界はここに極まりました。(でも、ほかのもみんな好き) | ||||
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乱歩の作品は今回が初めてでした。 イメージと違ってとても読みやすく、引きこまれる魅力がありました。 予想できる展開もあり、予想を裏切られる展開もあり、とてもおもしろかった。 読んで良かったと思えた作品。 他の作品にも興味をもちました。 | ||||
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数多くの珠玉の短篇に比べて長編はちょっとー、という江戸川乱歩ですが、こと“孤島の鬼”に至っては俄然弁護したくなります。 奇形児、ホモセクシャル、グロテスクな不可能犯罪、ねじ曲がった人間の復讐心―と、とにかく“ゲテモノ”と見なされかねない要素のオンパレードなのですが、ラストの諸戸道夫の手紙を読んだとき、人間の業というもの深さに“もののあわれ”さえ感じてしまいます。 人間というのはかくも自分というものを他人に受け入れてもらいたいものなのかー。 それまで人間界の常識からおよそかけ離れた地獄絵図ばかりの展開だった物語がここに来て、何か一筋の希望(?)すら与えるような閉じ方をしています。 一応怪奇探偵小説という範疇に含まれている作品ですが、本当はジャンル分けできない唯一無二の幻想譚です。 また(ちょっと書くのが恥ずかしいのですが)洞窟の中で、死を覚悟した諸戸が主人公に肉体を迫る場面の描写は、ホモセクシャルでもなんでもない私でさえ強烈なエロティシズムを感じてクラクラしてしまいました。 ホントにスゴイものって、好き嫌いを超越してしまうのですね。 この作品は一応映画化されています。 石井輝男監督の“江戸川乱歩全集・恐怖奇形人間”がそれで、他の乱歩作品の要素が絡み合って少しゴチャゴチャいる作品なのですが、ベースになっているのは間違いなく“孤島の鬼”です。 なにしろ“奇形人間を作ってしまう”というトンデモ内容が現代では受け入れられず、本国日本ではDVDはおろかビデオ化すらされていない幻の名作。 しかし、アメリカでは昨年DVDが発売され(画質・音質良好)、アマゾンを通して買うことが出来ます。 そちらも違った意味で怪(快)作です。 興味のある方はご覧になってください | ||||
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乱歩の傑作のひとつ。 「孤島の鬼」の異常さはすごい。いまではとうてい許されないようなテーマだが、この時代ならではというか。鬱々とした迫力があり、結末にいたっても救われたような気がしない。 それにしても、登場人物を殺してしまうことに関して、乱歩の容赦なさは凄まじい。ヒロインや探偵でも、用済みとなればあっさりと死なせてしまう。このあたり、ちょっと乱歩を読んでいて耐えられないことがある。 まあ、それが乱歩的世界というものなのかも知れないが。 | ||||
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若者の髪が一瞬にして白髪になった・・・。 なぜ? これだけでも 読む気満々にさせてくれます。 孤島で起きる想像を絶する 恐ろしい出来事の数々。 読者を飽きさせない乱歩の文章で一気に進みました。 竹中英太郎画伯の挿絵が またマッチしていて おどろおどろする雰囲気と、妙な昔の懐かしさを醸し出しています。 | ||||
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どこかの団体からクレームが付けられて、いつ絶版になってしまうか、ハラハラドキドキものの作品です。 なにせ内容が内容ですので・・・・・ けれども作品自体は素晴らしい! 乱歩の個性が一番上手く出た変格物の推理小説というより怪奇小説です。 かなりおどろおどろしい描写が出て来ますが、グロテスクこそ最高の美であることを納得させてしまうような迫力を持っています。 当時の雰囲気そのままの挿絵も素晴らしいです。 そしてラストの一文に涙してしまいます。 至高の恋愛小説になっています。 | ||||
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光文社文庫の江戸川乱歩全集発行を機に乱歩を読み始めたわけですが、最初の方で初期の傑作短編の数々に触れてしまったので、 乱歩の長編はやや物足りなく感じる事が往々にしてあります。もちろん魅力的な長編も多いのですが、 乱歩自身が飽き性なのか、それとも見切り発車なのか、物語序盤の方向性が最後まで一貫して描かれずに、 えらく破綻した小説になる事も珍しくありません。もっとも、それが乱歩長編の魅力の一つでもあり、 実際、気合いを入れてプロットをしっかり作った作品よりも、そう言った破綻小説の方が面白かったりすることもあって、 乱歩にとってはジレンマだったでしょうね。 さて、表題作「孤島の鬼」は、そんな乱歩的な魅力に溢れた乱歩長編の最高傑作と呼べるのではないでしょうか。 乱歩がどこまで計算して構成したのかは知りませんが、 序盤の本格探偵小説に始まり、怪奇、冒険というそれぞれまったく別々の輝きを持った宝石が、 しかるべき人間がその宝石を身につけたかの如く、至極の煌めきを放っているではありませんか。 混沌と秩序との幸福な関係が、この作品では奇跡的に果たせたと言えるのでは? 同じプロットをもとに作品を書いたとしても、本作に迫る作品を書くことは叶わないでしょう。 おそらく乱歩自身にも。それが、乱歩が乱歩たる所以だと思いますが。 「猟奇の果て」に関しては、特にこれといってないんですが、登場人物の「品川四郎」の風体をイメージする時に、 「品川庄司」の品川さんが浮かんでしまったのは僕だけでしょうか? | ||||
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両作品とも乱歩が得意とする「別人格による人間形成」を扱っている。 「孤島の鬼」は傑作。語り手である「私」が巻き込まれた体験により全くの別人と変貌してしまった後のおぞましい物語を濃密にサスペンスフルにそしてミステリーとして書き上げている。 「猟奇の果」はまあ最終的に明智小五郎を出して収拾をつけなければならないような状態の作品ですが。 | ||||
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江戸川乱歩特有のおどろおどろしい魔の世界が堪能できる。子供のころ読んだ怪奇漫画などを思い出して、懐かしくなってしまった。外国の怪奇ものなどとは一味違う怖さがある。何度読んでも面白い。江戸川乱歩の代表作といえるのではないか。 | ||||
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彼の長編作品の中で、最高におもしろかったのが本書「孤島の鬼」だ。 本書では乱歩の怪奇趣味がこれでもかというくらいに詰めこまれ、後半のサスペンスなどはいま読んでも色あせぬおもしろさである。 とにかく本書はおもしろい。そしておどろおどろしい。後半の畸形双生児の告白分のくだりなど戦慄をおぼえたくらいだ。本書の恐怖感はなかなかのものである。すべての作品を読んだわけではないが、ぼくの中では本書が乱歩長編のベスト1。世評では「陰獣」のほうが評価が高いようだが、ぼくは本書のほうを推す。このロマンと恐怖と官能のミックスされた長編のおもしろさは格別だ。未読の方は是非読んでいただきたい。必ず満足されることを保証いたします。 | ||||
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掛け値なしに面白いです。 何度でも読み直せます。私の「面白い娯楽小説ランキング」ではこの本を読んでから不動の一位の座にあります。 最近のホラー小説とは比べ物になりません。 恋愛、サスペンス、ホラー、推理、同性愛、と色々な要素が入っているのにうるさくなく、時間を忘れて読むことができます。 質が高いです。 | ||||
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乱歩小説の、鬼畜っぷりと男色趣味がつまった名作です。とにかく濃厚な一作。長編ですが、すいすい読んでしまいました。ここらへんの時代じゃないと、出版差し止めになりそうです。乱歩好きもそうでない方も、是非読んでください~。 | ||||
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乱歩の推理長編にはあまり魅力を感じてはいなかったが、この作品は別格です。この作品の良さ・凄さは、推理小説然とした前半と中盤以降の怪奇・サスペンス小説とが融合してる所だと思います。全編を覆う謎・恐怖感は乱歩作品中 白眉。密室、衆人観視の中での殺人は、本当に奇抜なアイディアだと思います。しかも、このアイディアを最後まで引張なかった所が本作のクオリティーを高めた点ではないでしょうか。ラスト1ページには泣かされてしまった。 | ||||
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「盲獣」「蜘蛛男」「虫」などの作品で乱歩嫌いになられた方々がいるかもしれないがそのような方々におすすめなのがこの作品だと思う。乱歩の作品の後期のほとんどは本格推理よりも変格推理、俗にいうグロテスクなものが多いがこの作品は後期には珍しい本格物の傑作である。断筆の後に書かれただけあって新しい試みが感じられる。それにグロテスクさはあまりこの作品には描かれておらず人間の異常思考を強く出した作品だと思う。したがって推理小説好きの方にはおすすめの作品だ。 | ||||
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まず物語全般のひきずりこまれるようなスリル、ミステリとしての仕掛けの面白さ、そして乱歩ならではの猟奇的世界の美しさ、すべてを備えた乱歩の最高傑作だと思います。話自体は本当に不気味で怖いんですが、恋人を殺された悲劇の青年・・・と思いきや、あっさり他の女の子に惚れてしまったり、同性愛者でもないのに、美青年に言い寄られていい気になってみたり、意外と軽い主人公の性格がちょっと好きです。私はこういう種類の小説で、一番にこれを読んでしまいました。そのため、他の怪奇小説等でなかなか感動できません。これはちょっと不運だったと思っています・・・。読むなら最後にとっとくのもいいかもしれません。 | ||||
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