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蜜の森の凍える女神



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【この小説が収録されている参考書籍】
蜜の森の凍える女神 (講談社ノベルス)

蜜の森の凍える女神の評価: 2.86/5点 レビュー 7件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.86pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(3pt)

今まで読んだメフィスト受賞作の中では、ある被害者の凄惨な過去以外は、これが一番フェアと思った反面、細かい粗や偏見もちらほら

直接的ネタバレはないですが、
未読の方にはいらぬヒントとなってしまうかもな文も書きましたが、
かなりぼかしてるからセエフとも思いたいです。
危なそうな人は本書を読んでからこの文読む方がいいかもしれません。

個人的に好きな箇所
・かまいたちの夜をかなり昔にして以来、
吹雪の山荘シチュエーションは魅力的
・一応、ミスリードにアンフェアさは感じなかった
隠されてる情報もあるにはあるんですが、
そこが不満点にはなりませんでした
・ヒロインが語り手の男性主人公の文章力(つまり作者の文章力へのメタファ?)に辛辣
これは作者なりの遠回しな謙虚さなのかも
・物語の舞台となる屋敷や風景描写に、
気取りがなくシンプルに臨場感
たまに、珍しい例え方するななくだりも
・男性主人公と女性主人公のクライマックスの行動に納得感
推理物でたまに探偵ポジの主人公が、
例えば逆説的被害者性明白な犯人(便宜上犯人と定義したとて、その存在の被害者性を私は認識してない訳でなく、ゆえにこのくだり書いてます)、
にさえ、
説教してたりするともやるんで、
私は例えばあるファミコンの推理物の主人公はあんま好きくないんですが、
その辺本作のダブル主人公(男主人公と彼の姉)の行動はよかった
ちなみに私は昔、自分が推理物書くとしたら、
常々主人公にさせたいある行為があって、
それを本作男性主人公が本作でしていたので、
結構推理作家は主人公にああいう事させたいんかな、と。

個人的もやり点
・語り手が、その相手との会話時以外の物語進行部分にて、年上の登場人物も呼び捨て

仮に透君がみどりさんや俊夫さんを、例えナレーション的台詞でも呼び捨てにしたら、なんか嫌でないですか
・前後の文脈から同性愛者に対し偏見が感じられなくもないくだりが

ある人物が、別のある人物が同性愛者である事を否定した際、
同性愛者でない事がまるで美徳であるかのような発言
作者の意図が不明な為、
あまりこちらも滅多な事は言えませんし、
じゃあ俺に偏見はないのかと言うと、
多少自分にもあると思うし、
でも気になるし

・作品内最大の被害者を凄惨な目に合わせすぎ
悲しみの復讐鬼に正当性を与えたかったのだと思いますが、
あそこまでの必要性があったのかは、
多少疑問
作品全体を通しての、
因果応報バランスに関しては、
個人的に、フィクション性重視(ダアクな部分において)のメフィスト賞系作品としては、
私は概ね肯定的ですし、
悲しみの復讐鬼としての犯人の行動自体には納得できますが

○総合的に

力作かと思います。
個人的には作者さんの、
過不足ない天候や風景、屋敷の内装関連の基本的な描写力に、
作家としての基礎体力の高さを感じ、
この作品で自分が一番下から目線で尊敬してるのはそこら辺です。

あと今まで読んだメフィスト賞本のなかでは、
一番ハッタリに頼った部分薄い印象なのも、好印象です。

長くてまとまりのない文章読んでくださり、
有難う御座いました。
蜜の森の凍える女神 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:蜜の森の凍える女神 (講談社ノベルス)より
4061823086
No.4:
(3pt)

う〜ん……

 ミステリーとしてかなり高いレベルで完成されていることは確かです。
 ストーリーの流れとしては、美しいとすら言っていいほど綺麗に伏線がまとまっている。
 しかし、シーンのひとつひとつの描写は素晴らしいのだが、その「つなぎ」があまりに機械的だと思う。
 なんというか、流れが先にあって、機械的に文章を書いている感じ。そして作者にとってあまりにも都合のいい行動しかしないキャラたち。
 ストーリーの流れが強引なところでも、抵抗することなく役割を演じ続ける人形……それは「キャラクター」ではなく、一人の人間が仮面を付け替えて演じているだけだというのが露骨に表れている。
 まあ、小説なのだからそれは仕方ないですが。
 そして気になったのが、物語の語り手「僕」です。一人称で書いている小説なのに、かなり年配の女性を呼びつけにしていたり、アパート名を聞いて「スペイン語で……だ」と独白したり(彼が語学に堪能だという描写はなく、ただその異様な言葉だけがぽつんと出てくる)、明らかにそれは第三者的描写と混ざってしまっている。なにかの複線かと思ったが、そうではなかったし。
 そして女性描写がくどいというか、「……というしぐさも彼女がすると凛々しい」などと地の文で繰り返されてもこちらはちょっと冷めるというか。
 推理の道筋などは本当に美しく、密室の理由もミステリーとしては面白いので、読み物としては悪くないと思います。
 ひょっとしたら「化ける」力を持った作家だとは感じたので、その将来性に期待して辛めに星三つにしておきます。
蜜の森の凍える女神 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:蜜の森の凍える女神 (講談社ノベルス)より
4061823086
No.3:
(3pt)

堅実

ゴールデンウィークを目前にした週末、中学生の誠は、姉の「ヴィッキー」、その友人・吉乃と3人で知り合いの別荘へと遊びに来た。ところが、外は季節外れの猛吹雪。助けを求めてきた大学生グループを受け入れ、余興として推理ゲームを行うことに。しかし、そんな中、本当に事件が起きてしまい…。
第28回メフィスト賞受賞作。
うん、正統派の本格モノ…という感じかな。密室、アリバイ工作、そしてちょっとのアンフェア。これぞ「本格推理小説」と言った要素が存分に詰まっているように思う。舞台設定も、「お約束」の雪で閉ざされた山荘(というか、別荘)だし。トリックだとかも、無難にまとめられている感じ。
と、手堅いわけだけど、言いかえるとちょっと特徴に欠けるかな? という感じもする。本作の探偵役であるヴィッキーのキャラクターは魅力的ではあるんだけど、作中で散々言われるほどに「破天荒」とも思えないし。
安心して読める本格ミステリ、というところだと思う。良くも悪くも。
蜜の森の凍える女神 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:蜜の森の凍える女神 (講談社ノベルス)より
4061823086
No.2:
(3pt)

おお、びっくり

 挑戦状までの部分は、ぶっちゃけ文章も微妙で、登場人物との会話も微妙で、姉にベタベタなのも何だかなぁ、と思っていたんだけど、騙された。トリック的にはそんな大したこともないと思うけど、まぁ、色々騙された部分があったわけで、最後のほうで価値観が逆転した小説でございました。 ただ、ぶっちゃけ五十年前の話はあんまりいらないでしょ。あと、タイトルの意味がわかんない。蜜の森って何?
蜜の森の凍える女神 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:蜜の森の凍える女神 (講談社ノベルス)より
4061823086
No.1:
(3pt)

ちょっと微妙。

「挑戦状」までの前半部分が、ちょっと読むのがしんどかったかな。作家志望の少年が自分の視点で書いているという設定があるせいかもしれないけれど。回りくどいのが苦手な人は前半部分だけで作品を評価してしまうかもしれない。女流作家の謎解きの部分も正直納得いかない部分に、登場人物たちが納得しているのもどうかなぁと感じました。それだけ、探偵役のヴィッキーを目の当たりにして説明を受けると違うんだということなのかもしれないけれど。けれど、そこを何とか乗り切って後半の謎解き部分(「挑戦状」以降)からは、それまでが信じられないほどスピード感があり、登場人物にもぐっと魅力が感じられるようになります。のほほんとただ謎をぶちまけているのではなくて、悩んで悩んで悩みぬいて、それで真実の開示に乗り出したヴィッキーは、美少女でなかったとしても最後まで読んだ後では、かっこいいなぁと思わずにはいられませんでした。
蜜の森の凍える女神 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:蜜の森の凍える女神 (講談社ノベルス)より
4061823086

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