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(短編集)

陰の季節



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【この小説が収録されている参考書籍】
陰の季節 (文春文庫)

陰の季節の評価: 4.31/5点 レビュー 109件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.31pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全97件 81~97 5/5ページ
No.17:
(5pt)

どうしてそこまでわかるの?深層心理

名刑事が登場しない警察小説。もしかして記者時代に取材したことのある警察内部のドキュメンタリーでは?と思うくらい、一人一人の警察官の息づかい聞こえそう。市民の安全のため、家庭をかえりみない地味な警察官達の、ため息がきこえそう。さりげなく添えられている数行の、家族に対する「詫びの心境」が、読者の心にジーンとしみる。単なる謎解き物語ではない横山ワールド。この社会を支えている、どこにでもいそうな人間を、いとおしく切なく悲しく描いてみせる技に酔いしれて、一気読みさせられた。
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No.16:
(4pt)

サラリーマンの悲哀

私はこの本を出張の時間つぶしに、と思ってなんとなく買って電車の中で読んでいたのだが、続きが気になって思わずホテルでも読んでしまった。舞台は「警察署」がメインだが、警察もサラリーマンなんだ・・という当然の事に気づかされた。短編を読んでいくごとに、各主人公に悲壮感が漂ってくる。板ばさみにあっている主人公に思わず同情してしまう。同情というより共感というべきか。個人的に一番好きなのは「鞄」。ここまでじゃないにしても、濡れ衣を着させられた経験が全くない、という人は少ないはず。
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No.15:
(5pt)

短編小説の醍醐味ここにあり

横山秀夫のページターナーとしての筆が冴えわたる短編集。予定調和の人事異動を無視する男の真実 「陰の季節」監察官のもとに舞い込んだ密告に始まる驚愕のドラマ 「地の声」お手柄婦警はなぜ突如失踪したのか 「黒い線」「「爆弾質問」が出る」その謎を必死に追う男の悲劇 「鞄」憎悪、不信、陰謀、嫉妬、悲哀、こういった言葉がふさわしい人間のナマの感情がうずまくプロットと物語の最後におとずれる衝撃のカタルシス(浄化)一つ選ぶとしたら、やはり「地の声」、この結末は予想できなかった。
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No.14:
(4pt)

骨太の警察小説

 警察小説というとやはりまず事件ありきでそれを追う刑事が主人公となる場合がほとんであろう。しかしこの小説は大事件もなければそれを追う超人的な刑事も登場しない。登場するのは人事担当の警察官であり、監察官である。地味な役回りの警察官が自身の保身に汲々とする姿はしかし悲哀を感じさせ、親近感がわく。案外これが本当の警察官の姿なのかもしれないと思わせる。とにかく心理描写が卓越しておりどっぷり浸れる。短編集であるが、是非長編も読んでみたいと思った。
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No.13:
(4pt)

人間の陰

警察本部の管理部の人間を描いていて通常の警察小説とは印象が異なる。それでも人の心理の裏読みをしつつ、そこにあるのは自分自身の心象そのものである。言葉では語られない人間の内面を推理しながら、人間の陰に踏み行っていく。弱さも強さも時には陰であることを知らされる。
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No.12:
(4pt)

踊るより面白いかも

この小説では人は死なないで事件もおこらない。でも面白い。特に組織・人事に敏感なサラリーマンにはたまらないでしょう。いまや死語となりつつある官僚組織におけるエリートの悲哀が存分に織り込まれつつストーリ展開も読めない。人間の心理の奥深さを感じさせてくれます。
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No.11:
(4pt)

硬い感情

警察という組織の中で生きていく人間の物語。ミステリの形をとり、その中に登場人物の感情がにじんでいる。その感情は愛とかやさしさとかのやわらかいものではなく、ある意味での使命感や打算によって裏付けられた硬いもの。そしてその感情は誰の胸にも秘められている。そうした感情の描写に惹かれます。
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No.10:
(4pt)

警察という村社会でおこる事件

人事に対する反抗、内部告発など、警察内部での事件を題材とした物語4つです。D県県警の管理部門の人々(人事の担当、監察官など)が主人公になります。どの話も、警察という村社会でおこる出世争い、権力闘争っぽい話で、勧善懲悪的な楽しさはないです。が、題材の珍しさ、本当にあってもおかしくないようなリアルさでに、引き込まれ、一気に、4つとも読みました。人間の醜い部分を読んで、読んだ後は、よかったような、悪かったような、妙な気分に襲われる、珍しい本でした。怖いものみたさ(?)と同じような感覚で、同じ筆者の別の本が読みたくなりました。
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No.9:
(5pt)

おもしろい・・・すごく。

D県警を舞台にした短編集。警察のどちらかといえば、デスクワーカに光を当てた話。他の短編で主役だった登場人物が、他の短編で脇役として登場する、といった仕掛けがあり、短編集でありながら、1冊の小説としても楽しめる。また、この仕掛けによって、脇役登場の部分でも登場人物の県警での位置などを知ることができ、また始めから、読み返したくなる。設定のせいか、地味なのだけれど、ものすごく面白い!登場人物たちを入れている箱が、警察という特殊な世界であることが売りではない。丁寧に、人間の心理を描いてある。ここが、本書の『うまみ』そのものであり、「全く新しい警察小説」を成功させた部分だと思う。ちなみに本書は、ドラマ化された『顔 FACE』のシリーズ第一弾。『顔』の主人公・平野瑞穂が主人公の『黒い線』収録。
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No.8:
(5pt)

野心家たちの物語

横山秀夫は、もと記者らしい。その記者というのは、きっと事件記者に違いない、その経験をもとに書いているのだろう、と推測させるほどにリアリティにあふれている。たとえば県議会対策に追われる秘書課勤務の警察官。こんな人がいるなんて、考えてもみなかった。今までの警察モノは、いつだって事件を追う刑事が主人公だった。警察という特殊な組織で、野心に燃える警察官の姿を描ききっている、実に読み応えのある警察小説だと思う。
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No.7:
(5pt)

読み出したらとまらない

この「陰の季節」はとにかくスゴイ。この本を読むまでは、どちらかというと「警察もの」は好きではなかったが、この小説では警察の人事や、監察という警察の内部が描かれていて面白い。特に、後半の展開には驚かされる。とにかく、多くの人にこれを読んでもらいたい。
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No.6:
(5pt)

読み出したらとまらない

この「動機」はとにかくスゴイ。この本を読むまでは、どちらかというと「警察もの」は好きではなかったが、この小説では警察の人事や、監察という警察の内部が描かれていて面白い。特に、後半の展開には驚かされる。とにかく、多くの人にこれを読んでもらいたい。
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No.5:
(5pt)

うならされるどんでん返し

刑事部長を勇退し、3年間という約束で天下りポストに就いた尾坂部、3年後後任の人事を決める段になり彼は居座ると言い出した、その理由とは『陰の季節』、生活安全課長曾根に関する密告文、調査に当たった監察官の新堂は元部下の柳を使い内部密告の可能性を探る、新堂のたどり着いた真実は『地の声』、手柄を上げた次の日に行方不明になった鑑識課の婦警平野、彼女を追う警務課の婦警担当係長七尾、平野の失踪理由とは『黒い線』、県議会で爆弾発言を予告した鵜飼県議、彼の真意は『鞄』刑事でない警察官を主人公にした作品、うならされるどんでん返し、どれも練るに練られた珠玉の作品達、これぞエンターテイメント
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No.4:
(5pt)

短編小説と感じさせない内容に感嘆するのみ

 あまり短編小説を読まない筆者が感嘆するほどの内容だ。本書は四編からなる短編小説だが、ある一人の登場人物が全編に登場する。また前編の主人公がちょい役で出たり、各編の主人公の名前が珍しく違う編で出てきてもすぐに思い出せたりと、このようなところに短編を短編と思わせないテクニックが感じられる。 警務課調査官、二渡真治。全編に登場する本書のキーマン。かなりの切れ者で、主に人事異動を決める。故にエースと呼ばれる。人事という切り札を握っているからだ。監察課監察官、新堂隆義。いわゆる身内の不祥事を調べる。警務課婦警担当係長、七尾友子。匂いに人一倍敏感で警察犬風にトモ号と名付けられる。警務部秘書課の課長補佐、柘植正樹。県議会対策が職務。いままでにこのような登場人物たちにスポットライトをあてた小説があっただろうか。ある意味彼らのような人達がいるからこそ警察機構が成り立つわけで、警察=刑事という図式は警察機構の一角でしかない。そのすべてにスポットライトをあて、しかも推理小説の枠を出ないで長篇物にも負けず劣らずの展開にしてしまう著者には脱帽するしかないだろう。  随所に出てくる警察官が使う隠語がリアリティー感を補い、短編嫌いの方にも一読をお勧めできる一冊だ。
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No.3:
(4pt)

『陰の季節』と『プレッジ』

昨年『プレッジ』という映画があった。「プレッジ」とは「約束」という意味である。定年直前の老刑事(ジャックニコルソン)が殺人の被害者の親から「犯人を必ず捕まえる」と約束をさせられる。そうしてニコルソンはその約束に囚われ、やがて狂っていく。老いて退官してなお刑事。短編「影の季節」はそういう刑事の物語である。米国と日本の事情は違うのか、日本の元老刑事への眼差しは冷たくは無い。現役刑事もいまだにこの元刑事を「部長」と呼ぶのである。警察社会の物語ではあるが、日本の『仕事』に対するひとつの考え方を描いているようにも思える。こういう「仕事人間」、彼を刑事という仕事に誇りを持った人間と見るのか、退官しても刑事という仕事に囚われてしまった罪ある人間と見るのかは、読者に委ねられているようだ。
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No.2:
(5pt)

「動機」「半落ち」「深追い」につながる警察小説の原点

第5回松本清張賞受賞作の本作品は、D県警を舞台にした「陰の季節」「地の声」「黒い線」「鞄」の4作品から構成されています。2002年版このミスで2位になった「動機」03版このミス・文春2002年で1位を獲得した「半落ち」に勝るとも劣らないできばえで、この2作を気に入った方々には是非お勧めできます。作者の自己分析による「ミステリ度」は「陰の季節」4・「動機」3.5・「半落ち」3・「深追い」4ということです。ご参考まで。
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No.1:
(5pt)

やっぱり平成の松本清張

うーーん、面白かったです。久々に松本清張張りの推理小説を堪能させて頂きました。ある地方県警を舞台にした4つの短編集です。最初に提起されるひとつの謎を巡って、主人公が解明に乗り出す。いつもその解明は時間との戦い。少しづつ事実が提供され、その都度あーかな、こーかな、と勝手に推論を組立てながら読むんですが、必ず最後に実に見事にこちらの期待を裏切ってくれます。でもその最後のどんでん返しが人情の機微に触れたものなので、後味がすごくさわやかです。すこしほろりとするような。4編とも主人公はそれぞれ違うけど、各編とも人物が微妙に絡み合って全体として話に重みが出ています。この手法もなかなか卓抜。松本清張好きにはお薦めです。
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