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(短編集)
顔
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顔の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全85件 61~80 4/5ページ
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初めて横山秀夫さんの本を読みましたが、主人公の真っすぐな気持ちに切なくなりました。[強くて弱い]そんな人間くさい主人公に出会う事ができて嬉しかった。 | ||||
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たしか、仲間ユキエさんが主演でフジTVで連ドラやってましたよねー。 うん、でも、TV版はみてないですが、、原作はいいですよ〜♪ この本を読むまでは、私は横山さんがかかれる作品は基本的には 「男達のアツイ警察ドラマ、人間ドラマ」だと思っていました。 ですが、この本の表題「顔」の主人公は女性警察官。 女性から見た警察機構内の矛盾、偏見、軋轢が見事にかかれています。 仲間由紀恵さんがすきなあなたや、警察小説がすきなあなたにオススメ♪ | ||||
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横山秀夫氏の警察小説のうちで、本書をナンバーワンに挙げる読者はおそらく少ないだろう。しかし、息詰まる男たちの心理劇を中心とした横山作品の中にあって、女性を主人公に据え、重苦しい部屋の窓を開けて風を通したときのようなさわやかさを感じさせる本書に、好感をもつ読者も多いのではないか。 本書の主人公は平野瑞穂巡査。『陰の季節』の中の一篇、「黒い線」では事件を起こす側として登場する。「黒い線」ではひたすら痛ましさが際立ったが、本書では休職から復帰し、惑いながらも成長していく姿が連作短編の形で描かれる。 瑞穂はごくごく普通の、むしろ繊細な感性の持ち主だ。だから、ハードな環境の中で迷い、躓き、遠回りもするが、その分きっちり前に進む。天性とも言える真実を求める志向性、仕事への静かで確かな情熱が伝わり、その姿は実にすがすがしく、ずっと見守って応援していたくなる。本書はそんな瑞穂のキャラクターで読ませる一冊と言っていいと思う。だがもちろん横山作品、「事件」の方の書き込みも抜かりない。 ラストは、瑞穂の再出発とある刑事の退職という好対照なシーンでしめくくられる。退職する刑事から励ましの言葉を贈られる前に瑞穂が立ち去るあたり、べたついた感動とは無縁の横山作品らしい描き方とも言えるし、瑞穂の自らを奮い立たせるような決意が伺えるようでもあり、胸を打たれるラストになっている。 ひたむきさ、まわり道が格好の悪いことではないと教えてくれる小説でもあると思う。 | ||||
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何年か前にTVでドラマ化された原作です。ドラマとは雰囲気が少し違うかも。ドラマも本も両方好きです。 短編でいくつかの話に分かれていますが、主人公が一人前の似顔絵婦警になるまでの過程も一緒に楽しめます。 警察内部が丁寧に描かれていて、他のミステリーとは違った視点でおもしろかったです。 基本は1話完結で、電車の中で読むにはちょうどいい長さです。 | ||||
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似顔絵を描いて犯人逮捕に貢献する「似顔絵婦警」の平野巡査の活躍が、活き活きと描かれた作品である。 厳然たる男社会の警察組織で、男尊女卑を公言する上司との間に軋轢を生じさせながらも、職務に忠実であろうとする凛々しい姿は、作中の言葉を借りるなら「若鮎のよう」で読者に好感を抱かせずにおかない。 収録された5篇のうち最終篇を除いて、平野巡査は花形の捜査官でなく、内勤者であるが、それぞれの篇の構成は良く練られていて、はっきりとした起承転結の下、しっかりと事件性も帯びている。 中でも、婦警が襲われ拳銃を強奪される事件を追う「心の銃口」の出来が抜きん出ている。 この作品は、同著者の「陰の季節」の一篇から派生し、独立された作品である。 その話の大筋は本書でも説明されているのだが、この作品の前段と言えるものだけに、できれば本書の前にそちらを読んでおきたい。 | ||||
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捜査の際につかう似顔絵。 似顔絵を作成する仕事についていた婦警瑞穂は、ある事情から似顔絵を画くことができなくなっていた。 鑑識から異動になり、広報、被害者支援対策室、強行犯捜査係の職場で色々な事件にめぐり合う。 それぞれ独立した短編として楽しめる本です。 主人公の生真面目さが、全編にわたって緊張感をもたらしています。 事件の謎解きというより、登場人物達の心理を読ませる筋立てで、ぐいぐい物語りに引き込まれていきます。 | ||||
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完全な男社会の中で、偏見と戦いながら、成長して行く似顔絵描き専門の婦警平野 瑞穂。「女だから」と言う偏見は、無くならないんでしょうね。だから、この手の小説に出てくる主人公に肩入れしてしまうんでしょうね。どの社会にもあることだと思いますが、最後には、相手に自分を認めさせる同様の話は、乃南 アサの音道貴子や松岡 圭祐の岬美由紀等、魅力ある主人公は、シリーズになってますが、これはならないんでしょうかね? | ||||
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主人公は『陰の季節』「黒い線」で登場したD県警の似顔絵婦警・平野瑞穂。なぜ横山氏はこんなに女性の気持ちが分かるのでしょう。記者時代の観察眼の賜物のなのでしょうか?「魔女狩り」 一年前の事件で現場から外され、広報係に飛ばされた瑞穂。癒えない傷を抱えながら特ダネを連発するJ新聞を嗅ぎまわります。慣れない仕事に苦悩する瑞穂は、女心を微妙に揺らしながら真実を突き止めます。女性だからこそ気づいた真実。そして少しばかり苦い結末。 過去から立ち直るきっかけとなる「決別の春」 過去を過去とすることに成功した「疑惑のデッサン」 過去から一歩前進した「共犯者」そして似顔絵婦警に復帰した「心の銃口」では、微笑ましかったはずの「プロローグ」に悪寒を感じることになります。ちょっとした分れ道。分かれた時の違いはほんの少しだったのに…行き着いた場所の大きさに愕然とさせられます。これらの短編集には幾人かの女性が登場します。どの女性も男性社会の中で、もがき苦しみいつも答えを探しています。正義感が強い故に傷つくことになる瑞穂。少しずつ乗り越えていく真っ直ぐな瑞穂に救われ、「初心を忘れずこうありたい」と女性にも思わせる秀逸な作品です。「あなたらしくない」ちょっと言われて見たい気もします(笑) | ||||
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読み始めたとき激しい既視感が。・・・D県警シリーズだから当然なんだけどね。若い婦警さんが悩みながらなぞを解いていく姿は何とももどかしいと思いつつそのリアルな表現はさすがだと思います。 | ||||
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ある事件がきっかけとなり、鑑識課機動鑑識班から秘書課広報公聴係に配属された平野瑞穂。得意技は似顔絵描きだったのだが・・・。彼女の周りで起こるさまざまな事件に、その能力を発揮することが出来るのか?自分の精神がズタズタになるような事件の後、瑞穂は似顔絵描きの腕を振るう機会を奪われた。「女は使えない!」そんな言葉も浴びせられる。「婦警」という立場に耐え切れず辞めていく友人もいた。今もあるのだろうか?女性蔑視の風潮が。だが、女性にしか出来ないこと、女性だからこそ気づくということもあるはずだ。彼女は必死に自分に出来ることを見つけようとする。まさに孤軍奮闘。そんな彼女の努力が報われるときがあった。読んでいて思わずほっとする。作者得意の警察物だが、女性を主人公にしたものはあまりないのではないだろうか?異色ともいえる作品だった。 | ||||
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横山秀夫氏の「直木賞騒動」とはいったいなんだったのだろう。調べたら分かることなのかもしれないが、わたしはひとつ確信した。結局あれは氏の『誇り』の問題だったのだ。「男が、自分の中の男をより際立たせようと競い合う警察社会。そうした男たちの誇りを傷つけないように常に神経をピリピリさせながら、婦警は心の片隅で、自分たちもれっきとした組織の一員なのだと声無き声で叫びつづけている。必死で戦っている。」テレビ番組にもなったこのシリーズだし、このシリーズの前の短編も読んでいたので、全編似顔絵婦警平野が活躍するのかと思えば、シリーズ当初から平野は似顔絵担当から外されている。そんな平野が自分の『誇り』を取り戻す。これはそんな物語だ。横山秀夫氏は常に『誇り』を描いていた。自らは記者として警察署内の『新聞社へのサービス』『新聞記事のコントロールのため』設けられた『記者クラブ』に常駐しながら、きっとも自らの『誇り』を磨きつづけていたに違いないと思う。 | ||||
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本書は傑作である。にもかかわらず評価があまり高くないというのは、他の横山警察小説のレベルが高すぎるからだろう。イチローが「ヒットを打たなかった」らニュースになるようなものだ。作家にとっては損だが、読者にとってはこれにまさる幸せはない。さて、本書でも警察組織と個人の相克が丁寧に描かれる。高度に発達した組織社会である現代日本において、「組織」と「個人」の葛藤は誰にとっても他人事ではない。そして警察という公権力を扱う「硬い」組織において、組織-個人の葛藤はもっとも顕著な形で現出する。その暗色の葛藤の中で、個人の「想い」が色鮮やかに輝くのだ。婦人警官・平野瑞穂の成長物語は、その果実である。あたかも泥土から咲く蓮の花のように。 | ||||
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氏の作品は初読であったが中々面白かった。己の職務に忠実に立ち向かう似顔絵婦警の平野瑞穂が、男社会である警察組織で苦闘する中で成長するといった内容の短編集が集録されている。読後、氏の他作品も読みたくなった。 | ||||
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横山秀夫は安心して読める作家です。本書もその安心を裏切りません。一気読みさせます。それにしてもすごい力量です。短編集でありチョット都合の良すぎるところは在りましたが、力技でねじ伏せてしまっております。彼の作品は私が読んだ中ではハズレはありませんので、未体験の方は手ごろな文庫本(本書含む)を手にとってみてはいかがでしょうか。 | ||||
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本書であるが、一言で言えば、警察社会の中で、元鑑識官である平野瑞穂の成長物語というところか。男社会である警察組織で奮闘する、という点では乃南アサの「音道貴子シリーズ」にも相通じる部分があるものの、音道刑事が男を見返そうと事件に猛進するのに対し、こちらはそういう組織の世界への迷い、葛藤が描かれる。私自身の問題として、横山作品は初読なので、他の作品と比較してどうこうと言う事は出来ない。が、ライトに思える作風の中でも重厚さの片鱗が垣間見られるし、十分に面白いと思う。 | ||||
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横山秀夫のD県警シリーズに属するらしい、鑑識で似顔絵を描く婦人警官を主人公にした連作短編集。 この著者の作品にしては、登場人物の魅力がやや薄く、凡庸な印象を受けました。 ただし、作者への期待が大きすぎるからで、他の作家の標準は充分クリアしていますから、横山ファンのみならずどなたでも読みやすいライトな作品に仕上げっていました。安心してご一読を・・・ | ||||
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D県警の鑑識課婦警、平野瑞穂巡査を主人公とした連作短編シリーズ。警察内部、特に男社会のなかでの主人公の心の葛藤がよく表現されている。細部の情景描写、主人公の心理描写の羅列で読ませるストーリー展開、あまりに゛小説的すぎる゛ストーリーと、あいかわらずの横山節で、好き嫌いがわかれるところだが、個人的には好きである。あまり細かいことは気にせず、ストーリーをそのまま愉しめばよい。 | ||||
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婦人警官、平野瑞穂巡査一人を主人公に据えた連作短編集。最初はやや甘ちゃんなものの、葛藤しながらも成長する様子や、不安定な女性の気持ちなど、男の私にもうまく伝わってきます。そして、最終話「心の銃口」で平野巡査のヒューマンドラマは見事な結晶を産み落とします。この「心の銃口」は横山作品の中でも珠玉の出来。これを読むだけでも本作を手に取る価値があります。序盤は、いつものパターンに少々食傷気味な感がありますが、ぜひ最期まで読んで下さい。 | ||||
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婦警という男性警察官に比べ軽んじられる立場でありながら、正義を守るため悪に立ち向かう平野瑞穂の頑張り、苦悩、成長の様子がよく分かる。一人の人物にのみ着目するという点では、横山氏の作品の中では異色であるが、その分一人の人物像が他の作品に比べよく現れており、またその人物の成長の様子が見て取れるという意味では他の横山氏の作品よりも感情移入しやすいといえるであろう。 | ||||
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『陰の季節』の「黒い線」で失踪騒ぎを起こした平野瑞穂を主役とした作品である。失踪騒ぎによって鑑識を追われ、「だから女は使えない」という厳然たる男社会の警察で、失敗や口惜しい想いを重ねながら、再び鑑識に戻るまでの再生と成長の物語。決して飛び抜けた人間ではない普通の感覚を持つ女性が強固な男社会の中で、それでも普通に生きていこうとする姿が女性として応援したくなる。 | ||||
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