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さよなら妖精



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さよなら妖精の評価: 3.95/5点 レビュー 88件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.95pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全88件 81~88 5/5ページ
No.8:
(4pt)

高校生の男子

男女差なのでしょうか。高校生の男子の鈍感さ・独りよがりさが共感できないけれど、逆にそれがとてもリアルでした。
 ミステリとして、本当に謎が解けているのか納得できない点が多っかたけれど、ユーゴスラビアはソビエト圏だと思い込んでいたくらい無知だったのでとても勉強になりました。
さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)より
4488017037
No.7:
(4pt)

強烈な余韻を残す作品

「哲学的意味がありますか?」。1991年4月、ユーゴスラヴィアからやってきたと言う少女・マーヤとおれたちは出会った。彼女と過ごす謎に満ちた日常。そして、最大の謎を残したまま彼女は帰国していった…。
うーん…「忘れ難い余韻を残す」との言葉通り、読了後の余韻は強烈。
本作は、形から言えばミステリー小説である。ただ、どちらかと言えば、ミステリーの形を借りた青春小説と言った方が適当だと思う。
作品の形としては、私がこれまで読んだ米澤氏の作品『氷菓』『春期限定いちごタルト事件』などと同様、序盤は日常の謎を解き明かす、という感じの連作短編という感じで進み、中盤からそれらの中に散りばめられた伏線がはまって一気に盛り上がって行く…という構造をしている。
日常のやりとりを通じて、マーヤに惹かれていく主人公・守屋。しかし、もともと約束されていた別れ。そこへ発生するユーゴスラヴィア紛争。それでも帰ることを決意するマーヤと、自らの無力さ、傍観者でしかないことを知らしめられる守屋。そして、最後に明かされる真実…。マーヤの帰国の1年後、当時の日記を紐解きながら…という形式になっているのだが、序盤の日常の中にあるさりげない言葉が生きてくる辺りの構成は見事。
欲を言うなら、序盤の日常場面をもう少し。そこに描かれるちょっとした言葉やら仕種が持つ意味は、上述した通り。ただ、一つ一つのエピソードを全てミステリ仕立てにする必要はあったのか? いくつかは合った方が良いのだろうが、それら1つ1つには、それほどのサプライズがあるわけでなく、先に挙げた2作同様、もう少し派手さというか、動きが欲しかった。どうしても序盤が地味に感じてしまう。
読了後の余韻が強いからこそ、より期待してしまう。
さよなら妖精 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:さよなら妖精 (創元推理文庫)より
4488451039
No.6:
(3pt)

実際の出来事と結びつけた作品

舞台は1991年。
ユーゴスラビアから来た少女と日本の高校生達の交流を描きます。
1991年といえばユーゴスラビア紛争の始まったころ。
少女はこの時期にユーゴへ帰国しますが、
残された高校生達にはユーゴの6つの共和国のうち、
彼女がどこへ帰ったのがわかりません。
そこで、彼女の発言をひとつずつ思い出し
謎解きをはじめるという物語です・・・。
謎解きの部分はどうもピンと来なく、
ミステリーフロンティアのシリーズにしてはミステリー色が弱い。
彼女が高校生達に投げかけてくる些細な謎も
あまり興味深いものではない。
だからそれが解けたときの爽快感も薄んですよねー。
わからないことも多すぎて、
話にまとまりがないような気がしました。
どちらかというと青春小説としての評価が高いようですが、
その視点でも私にはしっくり来なかった。
実際に起きた事件が背景になっているわけですが、
あの事件とうまく結びつかない。
最後には胸を打たれましたが、
私がもっとあの頃のユーゴを知っていれば、
より楽しめたのかもしれません・・・。
さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)より
4488017037
No.5:
(5pt)

青春小説の傑作である(;'Д`)ハァハァ

(;'Д`)ハァハァ  マジで読み終えた時 感慨にふけてしまった・・・。かなりの傑作小説だ。読後感が良い。そして読みやすい。異国の少女との出会い・・・そして高校の同級生・・・。キャラというか登場人物が立っていて とても面白かった。なんとも言えない青春小説ですた・・・。人間の描写が卓越しておる。これほどまでに素晴らしい小説が 何故 埋没されているのか・・・不思議に思う・・・。ぜひともお読みください?!
さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)より
4488017037
No.4:
(5pt)

「久々に学園小説読みたいなあ」という方にお奨め!

 他のレビューでも絶賛されているように、私もこの作品はとても優れた学園小説だと思いました。 読みながら、「そうそう、あの頃ってこういう感覚だった」と自分の経験(多分に思い込みや美化、誇張が含まれているけど)がじわーっと蘇ってきて、くすぐったい気分にさせられます。 少年マンガで高校生の主人公といったら「勉強はできないけどスポーツに熱中していて、熱血漢」というパターンばかりですが、本作品の主人公は「お前が何かに熱くなるところは想像できないな」と弓道部仲間に真顔で指摘(笑)されるくらい、「ほどほど、そこそこ」な感じで、かえって親近感が持てます。 ただ、主人公も含めた人物たちの知的水準の設定がチグハグな印象を受けました。 大人も知らないような風俗的知識を持っていたり、高尚・難解な表現を好んで使うことから、旧帝大・早慶狙いの地方有名進学校クラスだろうと思われるのに、そうかと思えばユーゴの(当時でも最低限の)地理的・社会的知識が弱かったり、知り合って間もない女の子を「お前」呼ばわりしたり…。  気になったのはその点だけ。それでも星5つつけちゃいます。
さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)より
4488017037
No.3:
(5pt)

「哲学的な意味がありますか?」

あらすじは省かせてもらいます。ミステリ・フロンティアから、ということですが、確かにミステリー要素が入っています。異国の少女マーヤ、文化の違う彼女の視点から見た日本の日常に隠れている些細な謎、それを解いていく主人公。さらに、それらの謎が最後の展開へのヒントとなっていく構成。ミステリーにあまり詳しくない僕でもわかりました。ミステリーとして完成している、と。しかし、この作品の主は、ミステリーではないと思いました。ひとつのボーイミーツガールストーリー。そんな出会いが、些細な謎と大きなドラマを生み出しました。情景描写がとてもキレイで、頭の中に映像が出来上がりました。それも断片的な映像ではなく、ひとつの流れを持っていて。読んでいて非常に気持ちがいいです。主人公への感情移入はキッチリできました。それゆえ、痛い場面もありました。ちょっとしたミステリーと感動のドラマを、ぜひ。何かを感じてください。
さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)より
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No.2:
(5pt)

思い出として刻まれる物語

 なにか、とんでもない失敗を、誰か大切な人にしてしまったことはないですか? そんなとき、あなたは何を思い、何を感じますか? 私は、思い出のひとつひとつが頭を巡り、そして、そのひとつひとつが突然意味づけられ、そして、その理解がもはや役に立たないこと、自分がしてしまったことは、取り返しがつかないという事実に圧倒されます。 ラストシーン、私は主人公とともに自分が何も理解していなかったことを知りました。そして、そのことをまるで自分のことのように感じました。物語の中のシーンとしてでなく、思い出として登場人物たちの言動が心をよぎりました。まさしく、何もわかっていなかったことの痛みを感じたのです。主人公とともに。 物語に、その登場人物に、ここまで感情移入できるのだと、「さよなら妖精」は教えてくれました。魅力的なキャラクターと彼らを活かす見事な文章の妙技です。
さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)より
4488017037
No.1:
(5pt)

まろうどの物語に胸が切なくなる

突然現れた異国の少女。二ヶ月の間、彼女と共に過ごした時間を回想し残された謎と心に残った思いを探るミステリー。殺人も、密室も、世界も、日常の不可思議な謎も出てこない、それでも立派なミステリーだ。パズラーや推理物や、謎解きが好きなミステリー好きにはお奨めできないかもしれないが、小説、物語が好きな人に読んで欲しい、愛おしい本だ。東欧と言う未知の土地から現れた少女の好奇心に触れ、日常に一瞬ふいた新しい風のせいで、不安定で未成熟な自分に言葉にならない焦燥感を抱く主人公の少年の心情には、深く共感できる。彼が傷つきながら、同時に周囲の仲間逹を傷つけながら少しだけ成長の一歩を踏み出すさまには、胸が切なくなる。主人公の何者でもない自分の現状への焦りに風穴を開ける少女の、なんと禀とした事よ。十代の後半にこうした存在と出会いたかった。この物語にも、あの時出会いたかった。ミステリーであると同時にこの物語は、三つの恋のようなものの物語だと思う。主人公と行動を共にするクールな長い黒髪の少女のキャラクターの魅力は、それだけでのこの本の価値だと言える。そして最後になって伝わってくる彼女の心情は、主人公の気持ちとは別にゆっくりと鋭く心に染み込んでくる。彼女の想いを知り、改めて胸が苦しいほどに切なくなる。クールな彼女の想いが行動が、愛おしく感じる。上質な物語だ。静かに切ない気持ちにさせてくれる。そして切ないだけではなくて、一歩踏み出さなければならなかった少年の、幽かな希望に明日があるんだと、つらいけれど明日も生きていこうという想いを与えてくれる。ミステリーとしてではなく、物語としてお奨めする。
さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)より
4488017037

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