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さよなら妖精
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さよなら妖精の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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この本をミステリー、謎解きとして捉えない方がいい。その視点で評価したら☆です。 守屋とマーヤの関係性、そこに絡む太刀洗の気持ちを楽しむ青春小説(少し地理歴史的部分もあり)でしょう。 その肝心なところが弱いのです。守屋がどうしてもユーゴスラビアに行きたいという焦燥感を強く出さなければ、終章のカタルシスが感じられない。その感情は、多分、太刀洗が押し殺した感情と裏はらなはず。 ユーゴスラビア内戦という出来事に興味を持つ人の方が少ないと思うので、主題自体が賞味期限切れなことはしょうがないのですが、主役3人の心の内をもっと掘り下げれば、時代を超えた作品になったはずなのに。 | ||||
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情報の羅列も人物の造形含めて著者の力量不足。 | ||||
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小鳩君シリーズのブラックなヒロインが気に入り、同じ著者のこれを読んでみた。全く違う路線。いや、日常ミステリーは共通。高校生の心理も共通。でも全く違う物を書こうという著者の実験的作品ではないか?それはいいのだが、どこにも分類できず、なんとも中途半端。書くべきが、守屋君の焦燥なら、枝葉はもっと少なくてもよいのではないか。無愛想過ぎるセンドー女史の風貌も最後までイメージできなかった。でも、ラストは衝撃。ネタバレ厳禁。 | ||||
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作者の初期?の代表作となる青春小説という評から、はじめて米澤穂信を読んだ。核心の事実が明らかになっていくミステリーの緊張感あふれる終盤への展開部分もよかったが、ユーゴスラビアから来たマーヤという謎の少女とそれに絡む岐阜県飛騨高山市かと思わせる藤柴市の高校生とが、藤柴市とユーゴスラビアとをともに探究しながら互いの関係を深めていくところと当時のユーゴスラビアの内戦の渦中に帰国するマーヤとそれを見守り彼女に何とかできないかと奮闘するところは、やはり間違いなく青春小説かと思った。 | ||||
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村上春樹の隣に置いてあれば、満点でもいいんですが 創元推理文庫だよね、ミステリが読みたいんですよ、私は ユーゴスラビアの事よく調べてるし、人物描写も良 残念なのは裏表紙の【最大の謎解き】が、ヒロインがどこの国から来たか? え?それだけ? 日常ミステリの小ネタが2つか3つありましたが、単なる箸休め 本編をもう少し短くして、短編サイズの事件があれば☆☆☆☆なんですが | ||||
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王とサーカスを読んだ後に本書を読み始めた。 著者の初期の作品なのだろうか。 王とサーカスに比べて、鼻につくような言い回しが多い気がする。 例えば『グラスが汗をかく』というような、手垢のつきすぎた比喩なども多用されていて、読み進めるのが辛い。 それなりに頭の良い高校生が書いた文章のように感じてしまう。 ストーリーを知りたいので読み進めようと思うが、先にこの作品を読んでから、王とサーカスを読むべきだったのかもしれない。 | ||||
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事実を元に、作った小説。こういうテーマは好きです! 米澤氏の著作は、「満願」に続き、2作目。 「満願」は非常に面白かった! この本を読むきっかけは、「王とサーカス」を読みたいと思い、 太刀洗という同一人物が登場する、前の作品を読んでみたいと思ったから。 この本を読むのは、以下と思われる。 ・米澤氏のファン ・「このミステリーがすごい」で知った人 ・ユーゴスラビアや歴史に興味がある人 テーマは良いと思う。 が、内容は面白くなかった。 特に前半は、普段の日常が描かれているだけで、 大した盛り上がりもなく、つまらない。 後半で少し盛り上がりを見せるが、 踏み込みが足りないため、満足に至らない。 「このミステリーがすごい」で知った人、 ユーゴスラビアや歴史に興味がある人 が"期待して"読むと、つまらなく感じると思う。 当著が刊行された2004年当時、 日本とモンテネグロが戦争状態にあったことが書かれている。 実際に戦争はしていないが、宣戦布告後、終結していなかった。 | ||||
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現代史随一の複雑な民族的事情を抱えた地域から来た妖精のような少女、彼女に対して微妙な思いを抱く高校生たちの群像、そして後日潭。非常に深いテーマを扱った作品。いや、テーマじゃないのかな。単なる味付けだろうか? この著者の腕は非常に高い。それでも、バルカン半島に生きることの意味は伝わるべくもないわけで、味付けなのかテーマなのかわからないくらい、ちょっともやもやしたものが残る。深刻な気持ちで読み進めると、とってつけたような推理要素が邪魔くさい。妙に推理能力だけ突出した性格というのも、エンターテインメントと割り切って読めた他のシリーズ中なら効果的だったが、沈鬱なこの作品では極力普通の十代らしく描いているせいで奇妙に感じる。 ヒロインについて行きたいと申し出る主人公の気持ちも、あまりに幼稚で空回りしている。もちろん、それは高校生の感傷であるから、幼稚でいいのだ。ただし、きれいに突き放して描くのか、幼稚さに感情移入を求めるのか、どちらか決めかねているために説得力がない状態になっただけのように私には読めた。 変な話だが、作者の技量の高さをこれほど感じた作品は少ない。簡単な言葉で映像が鮮やかに浮かぶし、事件がなくても興味が持続する理知的な文章だ。人物像も見事。しかしこの材料、舞台装置だと、どうしてもより高度な基準で測りたくなり、それだけでは足りないと思ってしまう。 これを果敢な試みと言っていいのか。それで高評価を与えることは、文学としてみることを意味する。だが私の意見では、文学としてみることはテクストを超えて著者の人間そのものを巻き込んだ形で評価することだ。私はこの著者を好きであることは人後に落ちないつもりだが、さすがにそこまではどうかな(笑)。 | ||||
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まるで作者自身の過去の体験を書いているような物語です。なんと言うか、ノンフィクション風の小説って感じでしょうか。 そのせいか、純粋にフィクションとして読むとどことなく中途半端な感じが否めません。物語として、より面白くするための脚色をわざと拒否している、そんな「匂い」がします。 リアルで悲惨な世界情勢を下敷きにした作品らしく、結末に至るまで好ましいどんでん返しは起こりません。読者のカタルシスを拒絶することで、主人公たちの切なさや痛みを描き出しているように読めますが、今一つ作者の狙いが絞りきれない感じがします。 あと、作中の伏線が回収されていないような気がするのですが、これは私の読み込み不足でしょうか?ユーゴから来た少女マーヤが、掌中に隠したナイフで投げられたリンゴを切り裂いて見せ、他の登場人物たちから違和感を持たれる場面がありましたが、これは完全にスルーされたまま終わってしまいました。そのほかにも、彼女が護身術に長けていることをうかがわせる描写もありましたが、こうした伏線は全く生かされることはありませんでした。実は、こうした伏線から、「マーヤの訪日には、異文化を研究するという表向きの目的のほかに、隠された真の目的があった」というような物語の展開を予想していたのですが、掠りもせずに裏切られました(苦笑)。 そうしたこともあって、私には、ストーリー全体が消化不良で中途半端に感じられて仕方がありません。 | ||||
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著者の出世作らしいボーイ・ミーツ・ガール・ミステリー(と中に書いてありました)。 ある雨の日に偶然、主人公は一人の外国人少女と出会う。彼女は行くあてもなく途方に暮れているところで、結局は主人公の口利きもあり同級生の家に住むことになる。それがきっかけで、マーヤというその少女と主人公たちとの不思議な交流が始まり……。 お話どうこうではなく、まず文体がとても気になりました。 この小説は、おそらくは「本格ミステリー」と呼ばれるタイプの小説です。で、文体もほぼそれに準じているように思えます。(僕も詳しくないので曖昧ですが) この文体がものすごく癖のある文体なのです。 なんと言うか、ある意味でとてもキザな文体、あるいは「賢い」風の文体とでも言えばいいのでしょうか。 正直、慣れていないとかなり違和感を覚えます。 この点、ミステリー好きでないととっつきにくいかもしれません。 ただ、お話自体は小ネタも含めてほどほどに面白く、青春物語としても読めるので、慣れれば楽しめるかもしれません。 マーヤという少女の人物造形が秀逸なので、マーヤを想像するだけでも楽しめる要素はありです。 でも、僕はこの文体が嫌い。 こういうのが好きな人には、西澤保彦さんなんかをお薦めします。 | ||||
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私は、著者の短編「玉野五十鈴の誉れ」(Story Seller (新潮文庫)収録)を読み、その独特な世界と完成度に感心し、「この著者のほかの本を読みたい」と思いました。そして、多くのレビュアーさんが絶賛する(あるいは好意的にレビューする)この作品を手に取りました。 私にとって本書は少し冗長に感じる部分もあり、期待が大きかった分やや期待はずれの要素もありましたが、全体としては、異文化を素直に受け止めようとするマーヤ(ユーゴスラヴィアという独特の状況にある外国から来た少女)も、真摯に考え生きようとする主人公(地方都市に住む男子高校生)も、そのほかの人物も好感がもてる作品です。 また、冒頭の出会いのシーンから全編を通じての雨や湿気を含んだ重い空気感は、なかなか印象的です。 謎解きの要素は少なく、ミステリーとして読む本というよりは、普通の小説として読む本と思います。 | ||||
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守屋、大刀洗、白河、文原、そしてマーヤ。最初読み始めたときは、 彼らの他愛もない会話が退屈に思えてしょうがなかった。だが、読み 進めていくうちに、会話の中に隠されているマーヤの思いにしだいに 気づかされていった。どこに帰るかだけは決して言おうとせずに帰国 したマーヤ。そこから守屋たちの謎解きが始まるが、ユーゴスラヴィアは ひとつの国でないことを思い知らされる。退屈だと思えた会話の中に ちりばめられたマーヤにつながる手がかり・・・。それを知ったとき、物語の 面白さが見えてきた。マーヤはどこに帰ったのか?そしてマーヤのその後は? ラストは胸が痛くなった。戦争がいかに悲惨なものか!そして何気ない日常 生活がどんなに貴重なものか!この作品に込められているものは、あまりにも 重い。 | ||||
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舞台は1991年。 ユーゴスラビアから来た少女と日本の高校生達の交流を描きます。 1991年といえばユーゴスラビア紛争の始まったころ。 少女はこの時期にユーゴへ帰国しますが、 残された高校生達にはユーゴの6つの共和国のうち、 彼女がどこへ帰ったのがわかりません。 そこで、彼女の発言をひとつずつ思い出し 謎解きをはじめるという物語です・・・。 謎解きの部分はどうもピンと来なく、 ミステリーフロンティアのシリーズにしてはミステリー色が弱い。 彼女が高校生達に投げかけてくる些細な謎も あまり興味深いものではない。 だからそれが解けたときの爽快感も薄んですよねー。 わからないことも多すぎて、 話にまとまりがないような気がしました。 どちらかというと青春小説としての評価が高いようですが、 その視点でも私にはしっくり来なかった。 実際に起きた事件が背景になっているわけですが、 あの事件とうまく結びつかない。 最後には胸を打たれましたが、 私がもっとあの頃のユーゴを知っていれば、 より楽しめたのかもしれません・・・。 | ||||
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