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ボトルネック
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ボトルネックの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全116件 21~40 2/6ページ
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ダークSFミステリーで、初参加する来月12日の地元読書会の対象本でした。 亡き彼女の命日(作品だと正確には間際)に花を手向けた後で墜落し、彼女が生きているifの世界で目覚め、同じくifの存在の姉と共に彼女の死を防ぐべく奔走する……という内容は、 同じく亡き恋人の命日に毎年自殺現場の線路内に侵入して花を手向けていた経験がある僕としては、個人的に好む作品でした。 ラストの書き方が後味悪く感じがちであり、真相も曖昧なまま終わる点が、評判悪い作品のようですが、 僕としては『恥をかかせるだけじゃない=きちんと向き合って人間関係を構築する』未来を選ぶように感じましたし、 そもそも主人公が生きる道と死ぬ道のどちらを選ぼうとも、どちらも経験した僕としては、亡き大切な人と寄り添う形であればどちらも正しいとは思っているので、どちらでも良しという感想でした。 また、主人公が自分ではない人間=姉が側にいると彼女は死なずにすんだ。=自分が側にいたから、彼女が死んだ結果が生まれたと感じた箇所では、 僕もさんざん、同様の可能性をシミュレーションしてきた時期があったので、懐かしさを感じました。 亡くなった方からすれば、生者を呼ぶ気持ちも分かるし、それに応える気持ちも分かるし、応えずに現世に留まって大切な人の死と共に生きる気持ちも分かります。 死を如何に捉えるか?に明確な答えは存在せず、死が大切な人に与える影響の大きさが想像以上に成り得る事がある事を念頭に、突然の死が誰にも訪れる可能性がある事を忘れず、 日常の貴さと、大切な人との時間の貴さを改めて感じさせてくれたので、今作品を読めて良かったですし、 読書会までに再読して、更に考えを煮詰めたいと思えた作品でした(^-^*)/ | ||||
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可能世界と呼ばれるもう一つの世界で残酷にも自分がボトルネックなのだと自覚させられた主人公リョウですが、スーパーお助け女の姉サキだって両親のトラブルとノゾミを救った偉さと別にイチョウの木で事故った為に辰川食堂を存続させたのは偶然のもたらした幸運なのだしそんなに自分を責める必要はないです。人間の性格はそう簡単に変えられないし今のままでいいからせめてこの貴重な体験を生かし今後の人生の岐路で想像力を働かせて欲しい。 本書の登場人物、リョウ・サキ・ツユ・ハジメ・ノゾミ・フミカが全員カタカナ名前である事はそんなに深く考えなくてもいいでしょうね。他には既に今は存在しないジャスコの名称が懐かしいですね。私も物事に対し積極的とは言えないリョウの性格に近くて、スーパーお助け女サキは正直お節介焼きに思えたりしますが、でも他人の批判ばかりしていては駄目だという教訓は胸に強く響きましたね。ちょっと面倒クサいなと思える元気過ぎる女サキとも二度と会えないとなると急に寂しくなるものですね。リョウは今回の体験から何かを得て生きて行くでしょう。 | ||||
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金沢を舞台に自分がおらず夭逝したはずの姉が自分の代わりに生きる世界に迷い込んでしまった世界が舞台。 自分では姉が生きることで世界はどう変わっているのか目の当たりにして行く中で主人公が気付くものとは。 米澤作品初めてですが、斬新な世界観で面白かったです。 | ||||
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独特の切り口でした。当たり前ですが、事実を知ることは時に残酷ですね。 | ||||
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救いが一点もなかったというか もやもやするところが一切なかった | ||||
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ラノベ風のガキが喜ぶような小説だ と一蹴するのは簡単です。 しかしながら米澤穂信の小説の中でこの作品は一番の傑作だと思います。 読んでもわからない人は一生わからないでしょう | ||||
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いつのまにか物語に吸い込まれて、読んでました! 面白いですが後味が悪くも感じました | ||||
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読んでいるときは面白い。ただ読んだ後にじわじわと心を蝕んでいく本です。ホラーよりホラー 僕はこの本を「不作為による犯罪」がテーマだと思っています。正確に言うと犯罪ではないですけど。 誰しもが感じる家庭や、人間関係への不満。同時に存在する自分の能力不足や「自分は必要とされているのか?」という劣等感。 それらを昇華させるとここまで残酷な物語が描けるのかと思いました。終盤は本当に眩暈がするくらいショックだった。 自分の人生は、結局その人の主観だから、結局全て自己責任に収束してしまう。確かに主人公は悪くない。悪くないのだけれど 「本当に必要でなかった、取り除かれるべきボトルネックは誰か?」 本の中で問い続けられるその疑問は、毒にも薬にも読んだ後もずっと自分の中に残り続けます。2年前読みましたがずっと頭から離れません。 | ||||
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読み手の環境や年齢によって受け取り方が大きく変わりそうな作品。 リョウの親ほどの世代の自分には、おそらく若い世代とは違う『重さ』が感じられるのでは…と思う。 『自分より下の者を蔑む事で、自分の現状に安寧する醜さ』 『自分より上の者を妬み、相手の不幸に喜びを見出だす醜さ』 『自分の虚像を愛し、他者を愛せず自己愛に浸る醜さ』 歳を重ねるほどに増してくる、自分にも他者にも内在する『人間の醜い部分』を、押し付ける事なくしかし鮮烈に表現していると思う。 我々の世代ともなると、むしろリョウのような『あるがままを受け入れる』考え方を推奨される事が多くなり、ここに苛立ちを覚えるか否かにも、それぞれの受け取り方が表れると思う。 己と他者を比べず、まるがままを受け入れる事を生きる術としてきた主人公が、己の中にある『醜さ』に気づかされた時、果たしてこの思いを引きずったまま尚も生きていけるか…… 前半では、サキのあまりの物分かりの良さとストーリーの軽さに違和感を感じていたが、読み進むにつれ、それらを全て凌駕するほどの『重さ』『深さ』にとても考えさせてもらった。 今の年齢の自分にとっては、間違いなくとても良い作品だったと思う。 | ||||
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安定の実力で、なおかつ推敲が重ねられた作品だけあって堅実な出来上がり。 ただ、この作家の取り上げるテーマは簡素だけど古風で読み手によって好き嫌いが分かれるだろう。 今作は時代考証に凝ってないので比較的読み下し易いかと思われる。 全般に毒気が強いが結果からしてオチに貢献しているので我慢出来るし、良くも悪くも作家の個性が出ている作品。 | ||||
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嵯峨野リョウという主人公がいる世界と 嵯峨野リョウの本来生まれていないはずの姉 サキがいる世界の 違いを 探しながら、リョウの考えや行動が どんな影響があるのかを 浮き彫りにする。 いわゆる パラレルワールド である。 リョウの両親の 二人が 他のニンゲンと浮気をしている ことに対して リョウとサキの対応で、 両親のあり方が 大きく違っているということ。 ノゾミと言う同級生のおかれていた状況に対して リョウとサキの対応で、 ノゾミの性格の表し方が ちがっていること。 ノゾミの父親は ヒューマニスト ノゾミの母親は モラリスト。 ノゾミは ヒューマニストにもモラリストにもなりたくなかった。 サキは 『じゃ。オプティミストになれば』という。 リョウは 『なんでもなくなれば、いいんじゃないか』という。 そのことで、ノゾミは、影響を受ける。 自分の存在で おおきく影響を与え 世界が変化する という 編集方法は 巧みである。 そして ノゾミが 死んでしまったもうひとつの要因が フミカという 人の不幸を 喜ぶと言う 悪意的な存在が 影響をする。これは、また 違った人間関係をつくり出す。 ねたみの怪物の存在。 そして、自分の生きていることへの根拠。 『死んじゃえ』という言葉の重み。 まったく 違った世界があり、リョウは 自分の存在そのものを 問いかけることになる。 合わせ鏡を 自分で見つめているような パラレルワールド。 リョウは どう生きていったらいいのだろうか。 一歩 足を踏み出す。 | ||||
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この著者の本は、こちらが初でした。 裏のあらすじを読み、率直に気になり購入。 ドンドン読み進められました。読み終えて、ミステリーとか何だとか言う事ではなく、リョウの様に「何もしない?生き方」と姉のサキの様に「思いついた事をどんどん実行していく?生き方」との差に、魅力を感じました。と言うか、著者が伝えたい事の意味が感じられる様な。自分もあまり積極性のある方ではないので、サキの生き方?行動?は、読んでいてスッキリした気分にさせてくれました。フミカの事など、色々思う所はありましたが、ネタバレにもなりそうですし、略します。 著書は色んな面で、行動を起こす事と起こさない事、その差が色んな事の「可能性を?」「未来を?」そして「環境や人生を?」変えていけるだろう!と言った事を伝えたかったのかな?と言うのが、私個人の読後の感想でした。 読んで良かったと思う1冊でした。 | ||||
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文庫本で購入し、勢い余ってkindleでも購入した小説です。 他の方のレビューにもありますが明るい話ではありません。ストーリーだけ取ってみると暗い青春小説ですが、一人称というより独白に近い、どこか共感できる語り口や所々に散りばめられたユーモア、冒頭から見え隠れする不穏さを名探偵さながらな「姉」が〈間違い探し〉として「日常の謎」を解き明かしていく内に隠されていた事故死の〈犯人〉を暴くという、良い意味で軽めな文体とミステリー小説がもつカタルシスに惹きつけられ最後まで一気に読んでしまいました。もっとも謎が解かれてゆくたびに主人公の「ぼく」は傷つき追い込まれていくのですが……。 「ぼく」の最後は暗示されていますが答えは読者に委ねられています。採った選択によっては救いのない結末へとなってしまうのですが、読後感は不思議と悪くありません。 学校が嫌いでどこか息苦しい、それでも本やゲームを糧にしてきた人にとっては非常に魅力的な小説だと思います。 | ||||
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とても暗い青春小説。 内容はすごく陰惨としたものだが、最後にすべての謎が解かれていく感覚は実に爽快。 記憶を消してもう一回読みたい名作。 | ||||
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バッドエンドは基本あまり好きでないが、このどっちつかずの主人公の最後がきらいじゃなかった。 パラレルワールドの世界を知れば知るほど、主人公は絶望していくのがひしひし伝わってきた。 ちょっと後にひく後味の悪さがまた良い。 ハッピーエンドしか嫌だ!という人にはお勧めしません。 | ||||
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二年前に転落死した同級生・諏訪ノゾミを弔うべく東尋坊を訪れた嵯峨野リョウ。呼び寄せられるように 崖下へと転落するも、気が付くと地元である金沢市の浅野川沿いで倒れており、そこは母親が流産 したため本来なら存在するはずのない姉・嵯峨野サキがいる代わりに自分自身が存在しない 並行世界だった……が簡単なあらすじ。 世間体を気にしつつ現在進行形で続く両親のダブル不倫、諏訪ノゾミの転落死という「自分では どうしようもない現実」にさらされている嵯峨野リョウのいる世界と、並行世界において、機転の利く 嵯峨野サキの存在によるバタフライ・エフェクトにより関係が改善した両親と、今もなお健在で少し 垢抜けた諏訪ノゾミ、ネイティブアメリカンアクセサリの店は潰れず、サキ自らが事故に巻き込まれる ことによって交通の妨げになっていたイチョウの木が切られて道路の流れが良くなったおかげで 製麺所を兼ねた食堂の爺さんは救急車が間に合い、寝たきりにならず元気に働いている姿を 突きつけられ、本来いた世界において自分がどんな存在であったか、そして「自分ではどうしようも ない現実」と思っていたことを軽々と乗り越えるサキの姿を描くことによって、自身が全否定されて いく姿を、そして自分がいた世界において『意識高い系(笑)』だった兄を内心で馬鹿にし、 自らを棚に上げて自分をなじる母親の言葉を心の中で耳を塞いで聞き流すことによって精神的な バランスを維持してきたことが明確になるという、ある意味において貧乏くじを引かされた理不尽さと 残酷な現実をこれでもかと提示するさまは圧巻。 | ||||
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友人に勧められてイッキ読みしました。 タイトルの意味も納得がいく素晴らしい出来です。 話や読みやすさはライトノベルっぽいですが、内容は軽くはないです。 何故ここまで低評価が多いのか不思議。 | ||||
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たまたま、目について読んでみただけのレビューです。 一応、最後まで読み切りました。 説明しづらいですが、残酷ではなかったですし主人公が年齢が近かったので読みやすかったように思います。 | ||||
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話を読み進めるにつれ、臼黒い壁が主人公をじわじわと追い詰めて来る。そうして、終盤のクライマックスまで達した時、もはや逃げ場が無いほどに壁に追い詰められていた。主人公はその時に初めてその壁の恐ろしさを感じ、その壁を甘く見ていた事を後悔する。ボトルネックとは例えるならばそんな感じの作品である。 本作が後気味悪いと言われる理由には、「異次元へワープ出来る」というSF要素を与え、同時に「何度でもワープ出来る」というルールを排除した事にある。この制約によって、主人公は”変えられない残酷な現実”を受け入れなければならないのである。 始めから終わりまで抜け目の無いほどの陰惨な雰囲気は、米澤穂信の得意とする所だ。このような一貫した独特の雰囲気というのは所謂純文学の得意とする所であるが、米澤は驚くべき事に、これをライトな文体で表現してしまったのだ。 しかしながら読解力の乏しい人にとってはこの醍醐味が分からないだろう。ここに評価の分かれ目があるように思える。米澤は複雑な心情を簡潔に書くのが上手い。つまり、洗礼された分かりやすい文章の中に、暗号のようにして、キャラクターの心情が組み込まれているのだ。ここに米澤の青春論を垣間見る事ができるか否やで、評価が百八十度変わる作品だ。 | ||||
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主人公は女友達のノゾミが事故死した東尋坊を訪れた際、パラレルワールドと思われる世界に引き込まれてしまう。 そこは自分が生まれず、代わりに流産となったはずの姉が生まれていた世界だった。 この姉(サキ)が結構気の良い人物で有能でおせっかい?、古典部シリーズの折木奉太郎の姉を連想させる。 自分の居た世界と比べ、姉が居る世界ではノゾミは生存していて 全てが好転している事に気が付き自身に絶望した主人公は自分の世界に引き戻される。 さて、ここにおいて主人公の採るであろう選択は。。 パラレルワールドが魔の見せた虚構の世界(罠)だと考えるには、サキの存在がもったいなく感じてしまう。 ノゾミの親戚のフミカは単なるサイコな人物でいいのだろうか?駅で会った少年は? 主人公の採るべき選択は、彼女の真意に気づき、不仲な母のメール(これも罠かも)には従わない方向を選ぶ事だと思った。 | ||||
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