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心では重すぎる
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【この小説が収録されている参考書籍】
心では重すぎるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全38件 21~38 2/2ページ
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私立探偵「佐久間公」をとりまく人間模様が興味深い作品でした. この本の主人公,佐久間が,シリーズモノだということを感じさせないほど,この本はこの本で,独立して楽しめる内容です. そう,私もシリーズモノと知らずに読んだ読者の一人だったのです. 渋谷に群がる高校生を中心とする若者と,40を幾つか過ぎた男,佐久間.その中間の年代(ちょっと佐久間寄り?)に位置する私には,どちらの言い分もしっくり心にきた.それでも,対子供達との会話より,立場の違う大人同士の会話に心惹かれる.燃え尽きた大人気漫画家・ヤクザ・裏の権力を持つ友人・警察・佐久間の見え隠れする過去,そういったものが絡み合い,深みを増している.「立場」による物の考え方・価値観の違い.自分の属する社会しか知らない私には,それらのやりとりに心が躍った.エンターテイメントとして申し分ない作品だと思う. 結末は,奇をてらうことなく,落ち着くところに落ち着いた,という感じ.だから,「推理小説はまず結末を読んでから,読み始める」という読み方をしている人たちにも,この作品に関しては,結末を読むようなことをせず,最初からじっくり読んでもらいたい.結末は,平凡(?)なものです. 結末にたどりつくその過程を堪能してもらいたいと思う. | ||||
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「探偵とは生き方だ」と言う失踪人探索専門の私立探偵佐久間公。作品中、さまざまな人物に尋ねられるたびに、自分のスタンス、生き方について何度も主張する。信念と正義感を持ち、脅しや暴力に屈せずに真実に突き進む姿は、東西のハードボイルドな私立探偵のキャラクターに合い通じる。人気絶頂を極めた後に世間的に消えた漫画家を探すという依頼を好事家より受ける。一方で、薬物依存者向けの民間施設に身を置き、ある少年とかかわりをもつ。その少年を精神的に支配しているという謎の女性。ヤミで売買される漫画の原画と人気絶頂の果て消えていった漫画家の行方。冒頭から引き込まれる展開。漫画製作の現場、出版界における漫画の扱い、漫画作家と編集者という“濃い”テーマを扱いながら、それだけに留まらず、渋谷を舞台に中高生の麻薬汚染、クラブ、チームという仲間意識、携帯電話普及後の若者気質といったものにも深く切り込んでいく。やがて著者得意の暴力団という暴力集団も登場。宗教、ポルノ、様様な現代世相の一断面をなで斬っていく。最初はまったく関係のないと思われていた2つの出来事が最後には同じ事件にいきつくところは出来すぎという嫌いはあるが、何重にも施された仕掛けがだんだんと明らかになっていく過程のすごさと、全編を流れる気迫に圧倒される。単なるミステリーやハードボイルド探偵小説という枠に留まっていない力作。 | ||||
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「探偵とは生き方だ」と言う失踪人探索専門の私立探偵佐久間公。作品中、さまざまな人物に尋ねられるたびに、自分のスタンス、生き方について何度も主張する。信念と正義感を持ち、脅しや暴力に屈せずに真実に突き進む姿は、東西のハードボイルドな私立探偵のキャラクターに合い通じる。 人気絶頂を極めた後に世間的に消えた漫画家を探すという依頼を好事家より受ける。一方で、薬物依存者向けの民間施設に身を置き、ある少年とかかわりをもつ。その少年を精神的に支配しているという謎の女性。ヤミで売買される漫画の原画と人気絶頂の果て消えていった漫画家の行方。冒頭から引き込まれる展開。 漫画製作の現場、出版界における漫画の扱い、漫画作家と編集者という“濃い”テーマを扱いながら、それだけに留まらず、渋谷を舞台に中高生の麻薬汚染、クラブ、チームという仲間意識、携帯電話普及後の若者気質といったものにも深く切り込んでいく。やがて著者得意の暴力団という暴力集団も登場。宗教、ポルノ、様様な現代世相の一断面をなで斬っていく。 最初はまったく関係のないと思われていた2つの出来事が最後には同じ事件にいきつくところは出来すぎという嫌いはあるが、何重にも施された仕掛けがだんだんと明らかになっていく過程のすごさと、全編を流れる気迫に圧倒される。 単なるミステリーやハードボイルド探偵小説という枠に留まっていない力作。 | ||||
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探偵・佐久間公シリーズの長編。読み終わった後しばらく興奮状態で体がこわばってしまった。こんな経験はかつてなかったがそれだけ主人公佐久間の気持ちに入りこんでしまったといえる。謎の女子高生と人気漫画化との接点、更正施設にいる少年がおびえる理由とは。。とうてい理解できないような人間関係や心のゆがみが現代の若者や大人たちにあるのだと知らされた。 | ||||
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私は、大沢在昌も、ハードボルドというジャンルも初体験だったが、非常に楽しんで読めた。 話は私立探偵佐久間が、失踪した人気漫画家の捜索と、「犬」と呼ばれる奴隷を何人ももつ謎の女子高生の調査、の二つを調べていく過程を描いている。 作中でおきるのは非常に地味な事件ばかりだ。しかし不思議と飽きることなく最後まで読み進めることができる。作者の筆力のせいだろうか。 話の中で佐久間はいろいろな人々ふれあっていくのだが、その中で思索をめぐらす佐久間の考えのひとつひとつが非常に説教くさく、ためになるような話になっている。人によってはただ疲れるだけかもしれないが、私にはプラス要素としてとらえられた。 大沢在昌という人の文章は、堅すぎず柔らかすぎず、しかし重いように感じた。だが、佐久間の思索の描写などは、非常に想起から結論に至るまでの流れがわかりやすく、すんなり理解することができた。 正直文句の付け所がない。 彼の本ならまた読んでみたい。そう思わせる逸品だ。 | ||||
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私は、大沢在昌も、ハードボルドというジャンルも初体験だったが、非常に楽しんで読めた。話は私立探偵佐久間が、失踪した人気漫画家の捜索と、「犬」と呼ばれる奴隷を何人ももつ謎の女子高生の調査、の二つを調べていく過程を描いている。作中でおきるのは非常に地味な事件ばかりだ。しかし不思議と飽きることなく最後まで読み進めることができる。作者の筆力のせいだろうか。話の中で佐久間はいろいろな人々ふれあっていくのだが、その中で思索をめぐらす佐久間の考えのひとつひとつが非常に説教くさく、ためになるような話になっている。人によってはただ疲れるだけかもしれないが、私にはプラス要素としてとらえられた。大沢在昌という人の文章は、堅すぎず柔らかすぎず、しかし重いように感じた。だが、佐久間の思索の描写などは、非常に想起から結論に至るまでの流れがわかりやすく、すんなり理解することができた。正直文句の付け所がない。彼の本ならまた読んでみたい。そう思わせる逸品だ。 | ||||
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クスリ、渋谷、マンガ家の失踪、自己啓発セミナー、暴力団、高校生、上巻ではばらばらだったこれらの項目が一つの形になっていく下巻である。最終も最終になって見事に収まっていく構成はさすがである。 「はじめてやさしいことをいったね」最終盤に至り錦織が佐久間公にこう呟く。この言葉はいったいなにを意味しているのだろうか。それは読んでからのお楽しみ。 | ||||
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大沢在昌が探偵を主人公にした作品を描くのだから、チャンドラーを向こうに張ってどのような文章を書くのか期待していた。そう、私は佐久間公シリーズは初めて読んだわけだ。彼にもいろいろ紆余曲折があったらしいが、今は立派な中年である。しかしこれほど議論する探偵も珍しい。マーロウ探偵みたいに粋なセリフを吐くわけでもない。ひたすら中年が今の若者の気持ちを知ろうとする。私などはまさしく佐久間公と同年代の中年ではあるが、「迷惑掛けるのは友達じゃない」という若者の友達観に怒ったりはしない。佐久間は命を掛けて怒ろうとしている。下巻が見ものである。 | ||||
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大沢在昌が探偵を主人公にした作品を描くのだから、チャンドラーを向こうに張ってどのような文章を書くのか期待していた。そう、私は佐久間公シリーズは初めて読んだわけだ。彼にもいろいろ紆余曲折があったらしいが、今は立派な中年である。しかしこれほど議論する探偵も珍しい。マーロウ探偵みたいに粋なセリフを吐くわけでもない。ひたすら中年が今の若者の気持ちを知ろうとする。私などはまさしく佐久間公と同年代の中年ではあるが、「迷惑掛けるのは友達じゃない」という若者の友達観に怒ったりはしない。佐久間は命を掛けて怒ろうとしている。下巻が見ものである。 | ||||
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なぞの女子高生と失踪した漫画家の関係はどうなっているのか最後までわからないところがおもしろい。また、テーマも新興宗教やドラッグ、少年少女と現代に沿っているので現代社会の病巣などに興味がある人は特に楽しめる。作品内でドラッグに毒されてしまった人間がどうなってしまうかを描いている場面があるが、非常に現実的であり見物である。実際にこうなってしまうんだろうなぁと深く考えさせられるシーンだ。「新宿鮫」シリーズからずっと大沢在昌は好きだったがこの作品でもっと好きになった。 | ||||
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なぞの女子高生と失踪した漫画家の関係はどうなっているのか最後までわからないところがおもしろい。 また、テーマも新興宗教やドラッグ、少年少女と現代に沿っているので現代社会の病巣などに興味がある人は特に楽しめる。 作品内でドラッグに毒されてしまった人間がどうなってしまうかを描いている場面があるが、非常に現実的であり見物である。 実際にこうなってしまうんだろうなぁと深く考えさせられるシーンだ。 「新宿鮫」シリーズからずっと大沢在昌は好きだったがこの作品でもっと好きになった。 | ||||
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佐久間公シリーズの長編第4作目。 本作品は 第十九回日本冒険小説協会大賞 日本長編部門 を受賞した。 麻薬中毒患者の更正施設で働く佐久間の元に失踪した漫画家「まのままる」の捜索の依頼が届く。また、施設の少年が東京の「飼い主様」にあうために施設を脱走する。この二人の捜索が、麻薬ビジネスも巡ってリンクして物語が展開する。 怒濤の1300枚は一級のハードボイルドに仕上がっており、正に読み応え十分で、買って損のない一冊である。ただし、私がまだ佐久間の年齢に達していないせいか、施設の少年や「飼い主様」の女子高生のやりとりが、説教臭く鼻につくところがある。おそらく作者と同年代の探偵として書き続けてきたことで、作者自身の思い入れが相当強いせいだと思うが、この点に関しては好みが分かれるところだと思う。この分私は星4つにした。 余談であるが、昭和55年に執筆された後幻となっていた佐久間公シリーズ最初の長編「標的走路」が再発行された。他の佐久間公シリーズは短編が「感傷の街角」「漂泊の街角」、長編が「標的走路」「追跡者の血統」「雪蛍」。 | ||||
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本作品は第十九回日本冒険小説協会大賞 日本長編部門を受賞した。麻薬中毒患者の更正施設で働く佐久間の元に失踪した漫画家「まのままる」の捜索の依頼が届く。また、施設の少年が東京の「飼い主様」にあうために施設を脱走する。この二人の捜索が、麻薬ビジネスも巡ってリンクして物語が展開する。怒濤の1300枚は一級のハードボイルドに仕上がっており、正に読み応え十分で、買って損のない一冊である。ただし、私がまだ佐久間の年齢に達していないせいか、施設の少年や「飼い主様」の女子高生のやりとりが、説教臭く鼻につくところがある。おそらく作者と同年代の探偵として書き続けてきたことで、作者自身の思い入れが相当強いせいだと思うが、この点に関してては好みが分かれるところだと思う。この分私は星4つにした。 作者のHPで作品の一部を立ち読みできます。 | ||||
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薬物中毒患者の更生施設で働く佐久間の本業は私立探偵。その佐久間のもとに、失踪した漫画家からサインを貰ってきてほしいという依頼が舞い込んだ。調査を開始した佐久間は謎の女子高生と出会うのだが、それが渋谷を舞台とした命懸けの調査に繋がることに……。 本書は750ページ強というボリュームで、そのボリュームと中身の質が伴っている良質のハードボイルド。主人公・佐久間公はシリーズ化されており、その最新作が本書ですが、過去のシリーズでの出来事を巧くフラッシュバックさせながら、渋谷を舞台とした物語を描いています。失踪した漫画家を探す依頼を受けた主人公が出会う謎の女子高生、そして主人公が働く更生施設にいる薬物中毒患者、更に失踪した漫画家とその弟のヤクザ、渋谷の裏で!動くヤクザの抗争が全て線で繋がれており、更には新興宗教が絡んでいるというスケールの大きな作品。内容の密度の濃さは勿論のこと、主人公の佐久間公の存在感をたっぷりと表現しているハードボイルドで読み応えとしては満点で、シリーズを読んできているだけに、シリーズ最新作としては大満足のいく作品でした。 | ||||
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他人のことは理解できない。それがたとえ家族であっても、恋人であっても、親友であっても。しかし誰かにすがらずに生きることは難しい。心の奥底にあるものを知らずに他人を理解しようとすれば、そこに軋轢が生まれ、理解は難しくなる。だから他人のことは理解できない。本書は大人から見た若者の世界を通してそのことを伝えようとしている。フィクションとはいえ、ここにある世界はかなり現実に近い。それは心をテーマにしているからだ。在りもしない世界、憶測でしか語ることのできない世界では、心の中にあるなにかを読者と共有することはできない。舞台こそ渋谷、チーマー、コギャルといったチープなものになっているが、それを凌駕する何かを伝えてくれる。大沢ファンならずとも満足のできる一冊である。 | ||||
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「鮫」もすきなんですが、私は佐久間公シリーズが好きです。「雪蛍」は国内ハードボイルドの一頂点と思います。(ほめすぎでしょうか?) その佐久間公が現代の渋谷に現れたら、何をみて何を感じるだろう、そう考えたらとるものもとりあえず購入してしまいました。1000枚を超えるだけに細部がよく書き込まれています。特に沢木や遠藤組二代目といったキャラが立ってますねー。「鮫」でもそうなんですが、脇がしまるとしびれる作品になります。 反面、あまりに書き込みすぎ、あるいは枝葉が広がりすぎた点もちらほら。星1つ減点はそこです。特にSM談義の部分、冗長になっているように読めるのは私の読み下手?とはいえ、やはり佐久間公シリーズです。期待は裏切りません。ファンなら必読。 | ||||
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初めて大沢在昌、という作家さんを読む人に浮かぶ言葉は『重い』、愛読者からは『進化したなあ』ではないでしょうか。これまで大沢さんのシリーズといえば『新宿鮫』『アルバイト探偵』『家出人専門探偵・佐久間公』でしょう。前2シリーズでは一度ハマるとやめられない在昌節、疾走感と興奮が最後のページまで続きますが、佐久間公シリーズでは前作『雪蛍』から作者の心境の変化がうかがえるのでは?シリーズものだけに佐久間公シリーズ最新刊の本作をより深く理解するには今までの作品を読むことをお薦めしますが、各所に今までに起こった出来事がおり込まれている為、初めて読む方にもよく理解できる内容となっています。若者であった20数年前の探偵・公にとって、次々と解決出来たたのは失踪する若者の!心境はよく理解できたが為。熟年の粋に達した公にとって、現在の渋谷は既に未知の世界であり、現在の若者の心境についていけない、その心の変化が随所に描かれ、同時に作者の作品に対する苦しみと、それを乗り越えたと思われる新たな新境地が伺える、そんな素晴らしい作品です。若い公シリーズから続いている作品と思わず、新しい作品と割り切って読むことをお薦めします。内情の描写に、きっと読まれた方はくどい、書きすぎ、と思うかもしれません。しかし、よくここまで心の変化を捕らえた、と驚愕することは共通するのでは? | ||||
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