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心では重すぎる
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【この小説が収録されている参考書籍】
心では重すぎるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 1~20 1/2ページ
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佐久間公シリーズの最終作と言われているが、続きは恐らくいつか書くだろうと思う。この連載開始が今から20年前のため、98年ごろに書かれた作品である。一応それでも佐久間公の最新作だ。 佐久間も親友の沢辺もすっかり歳を重ね、いい感じのオヤジになっており、若かりし頃の考えた方等とは大分変わっており、それはつまり、大沢在昌の考え方の変化でもあると思う。佐久間公は常に大沢在昌と同年代の時系列でストーリーが進んできたので、ある意味では今の大沢在昌の若者や若者の街に対する考えを佐久間公を通して反映させているとも言える。 後半で真相が紐解かれてくる時に、色々な組織や人が絡みすぎていて、紙に書いて組み立てないとよく分からない点がでてきたが、それに関しては「とにかく騙されてたって事ね」と思って結論だけを納得して読み進めれば問題ない。 また、途中で3回くらいかなり長い不要な説明が入る箇所がある。ここは正直言って物語には必要が無い。ただ説明臭い感じであって、読者には必要の無い説明が長長と書かれている。それは読者には必要はないが、著者としては必要な自己満足の箇所なのだろう。単行本として750ページは厚いが、その箇所を除けば100ページ弱は削れるような気がする。 現在、大沢在昌も60歳を超えているので、恐らく次書くときは佐久間公も60歳を超えていると思う。その時の佐久間公のジジイとして考え方を見るのもまた楽しみだ。 | ||||
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なし............................ | ||||
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子供が読むと説教臭く感じるであろう大人の作品, 2008/8/8 By 堀江 "ホリエ" (東京都) - レビューをすべて見る レビュアにもそうした人物が散見されるが実年齢というよりも精神年齢が幼い人間には作者の文章が説教臭く感じるらしい。大人になれない20代あたりが読むと一番ハマるかもしれない。もちろん大人になった40台が読んでも面白いから買って損はない | ||||
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すべての伏線が収まるべきところに収まって、さすがという出来である。 非常に楽しい時間がすごせたと思う。 私は、大沢在昌の名前はデビュー時から知っていたが、 当時の文体が好みじゃなかったので、 つい最近まで読まずに来た。 しかし、読んでみて思うのは、 20年も第一線で残っている作家は、やっぱりすごいということである。 | ||||
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大沢在昌って、こんなにメッセージ色の濃い作品を書く作家だったんだと認識を新たにした。 上巻を読み終えたが、まだ話はつながり始めたばかりで、この先どうなっていくのか 非常に楽しみである。 佐久間と私はほぼ同年齢であるため、佐久間の考えに共鳴するところが多い。 オヤジくさいといわれればそれまでだが。 ここまでは、大沢在昌の懐の深さがよく出ているなぁと感じさせられた上巻であった。 | ||||
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大沢在昌って、こんなにメッセージ色の濃い作品を書く作家だったんだと認識を新たにした。 上巻を読み終えたが、まだ話はつながり始めたばかりで、この先どうなっていくのか 非常に楽しみである。 佐久間と私はほぼ同年齢であるため、佐久間の考えに共鳴するところが多い。 オヤジくさいといわれればそれまでだが。 ここまでは、大沢在昌の懐の深さがよく出ているなぁと感じさせられた上巻であった。 | ||||
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結局はやくざがらみの事件なんだけど、宗教やドラッグ、現代の若者の価値観など、理解できずにとまどう他人の〈心〉との関わり方を描いた傑作である。著者は本作で登場人物の口を借りておおいに考えを述べ、議論させた。もちろんその答えを提示するためではなく、物語を通じて著者がそれらと向き合った姿を力強く描いている。物語としてもいい。心を操ることのできる渋谷の〈魔女〉、失踪した漫画家を探す依頼、徐々にからみあう二つの謎(っていうか必ず1つに結びつく。これは陳腐なまでに定番)、そそられる。推理に関しても読者が気づきそうなところで主人公にもわかる、ややこしいところは主人公に整理させる。このへんのバランスも良く、読みやすい。あとなんといってもすべてのキャラがしっかりと良い個性を出している。弱さも欠点も等身大でいながら前進する力強さをもつ主人公である「人捜し専門」の探偵・佐久間公は某S島よりずっと好き。ちなみに本書でいちばん気に入ったキャラは編集者・岡田である。 | ||||
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結局はやくざがらみの事件なんだけど、宗教やドラッグ、現代の若者の価値観など、理解できずにとまどう他人の〈心〉との関わり方を描いた傑作である。著者は本作で登場人物の口を借りておおいに考えを述べ、議論させた。もちろんその答えを提示するためではなく、物語を通じて著者がそれらと向き合った姿を力強く描いている。物語としてもいい。心を操ることのできる渋谷の〈魔女〉、失踪した漫画家を探す依頼、徐々にからみあう二つの謎(っていうか必ず1つに結びつく。これは陳腐なまでに定番)、そそられる。推理に関しても読者が気づきそうなところで主人公にもわかる、ややこしいところは主人公に整理させる。このへんのバランスも良く、読みやすい。あとなんといってもすべてのキャラがしっかりと良い個性を出している。弱さも欠点も等身大でいながら前進する力強さをもつ主人公である「人捜し専門」の探偵・佐久間公は某S島よりずっと好き。ちなみに本書でいちばん気に入ったキャラは編集者・岡田である。 | ||||
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単行本のとき(高校1年)に読み、久々に文庫で読みました。 初読後、連想したのが三好徹「聖少女」。 高校生のときの私には両者とも「つまり、何がどう問題なのだ」と さっぱりわからなかったのです。 あれから6年。22歳でオヤジとは呼ばれたくないですが、 佐久間公を通した大沢在昌が少し理解できるようになりました(悲)。 大人の視点では理解できなくなった現代の子どもの心のなかを、 SMやらマンガ出版などの大人の論理を駆使して理解しようとする。 佐久間公は確かに《優秀な》調査員ではなくなりましたが、 その姿勢から、心の重さを深く掘り下げているように思えます。 太田忠司「Jの少女たち」のようにマンガ=子どもの文化と、 短絡的に結び付けていない点も、大沢在昌の視野の広さを伺えます。 大沢作品にアクションを求めなくなってきたのも、歳のせいかな…。 | ||||
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単行本のとき(高校1年)に読み、久々に文庫で読みました。 初読後、連想したのが三好徹「聖少女」。 高校生のときの私には両者とも「つまり、何がどう問題なのだ」と さっぱりわからなかったのです。 あれから6年。22歳でオヤジとは呼ばれたくないですが、 佐久間公を通した大沢在昌が少し理解できるようになりました(悲)。 大人の視点では理解できなくなった現代の子どもの心のなかを、 SMやらマンガ出版などの大人の論理を駆使して理解しようとする。 佐久間公は確かに《優秀な》調査員ではなくなりましたが、 その姿勢から、心の重さを深く掘り下げているように思えます。 太田忠司「Jの少女たち」のようにマンガ=子どもの文化と、 短絡的に結び付けていない点も、大沢在昌の視野の広さを伺えます。 大沢作品にアクションを求めなくなってきたのも、歳のせいかな…。 | ||||
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話のテンポが良く、枚数の多さはあまり気にならない。1つ1つの場面をじっくり読ませる深みがある。一見無関係と思われていた様々な事柄が、次第に結びついていく展開は見事。詳しく描かれた漫画業界の話は、漫画を夢中になって読んだ時期がある者なら興味深く感じるだろう。主要人物に魅力的なキャラクターが多く(主人公はややお人好しの印象を受けるが)、読み応え十分な作品。 | ||||
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私立探偵「佐久間公」をとりまく人間模様が興味深い作品でした.この本の主人公,佐久間が,シリーズモノだということを感じさせないほど,この本はこの本で,独立して楽しめる内容です.そう,私もシリーズモノと知らずに読んだ読者の一人だったのです.渋谷に群がる高校生を中心とする若者と,40を幾つか過ぎた男,佐久間.その中間の年代(ちょっと佐久間寄り?)に位置する私には,どちらの言い分もしっくり心にきた.それでも,対子供達との会話より,立場の違う大人同士の会話に心惹かれる.燃え尽きた大人気漫画家・ヤクザ・裏の権力を持つ友人・警察・佐久間の見え隠れする過去,そういったものが絡み合い,深みを増している.「立場」による物の考え方・価値観の違い.自分の属する社会しか知らない私には,それらのやりとりに心が躍った.エンターテイメントとして申し分ない作品だと思う.結末は,奇をてらうことなく,落ち着くところに落ち着いた,という感じ.だから,「推理小説はまず結末を読んでから,読み始める」という読み方をしている人たちにも,この作品に関しては,結末を読むようなことをせず,最初からじっくり読んでもらいたい.結末は,平凡(?)なものです.結末にたどりつくその過程を堪能してもらいたいと思う. | ||||
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私立探偵「佐久間公」をとりまく人間模様が興味深い作品でした. この本の主人公,佐久間が,シリーズモノだということを感じさせないほど,この本はこの本で,独立して楽しめる内容です. そう,私もシリーズモノと知らずに読んだ読者の一人だったのです. 渋谷に群がる高校生を中心とする若者と,40を幾つか過ぎた男,佐久間.その中間の年代(ちょっと佐久間寄り?)に位置する私には,どちらの言い分もしっくり心にきた.それでも,対子供達との会話より,立場の違う大人同士の会話に心惹かれる.燃え尽きた大人気漫画家・ヤクザ・裏の権力を持つ友人・警察・佐久間の見え隠れする過去,そういったものが絡み合い,深みを増している.「立場」による物の考え方・価値観の違い.自分の属する社会しか知らない私には,それらのやりとりに心が躍った.エンターテイメントとして申し分ない作品だと思う. 結末は,奇をてらうことなく,落ち着くところに落ち着いた,という感じ.だから,「推理小説はまず結末を読んでから,読み始める」という読み方をしている人たちにも,この作品に関しては,結末を読むようなことをせず,最初からじっくり読んでもらいたい.結末は,平凡(?)なものです. 結末にたどりつくその過程を堪能してもらいたいと思う. | ||||
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「探偵とは生き方だ」と言う失踪人探索専門の私立探偵佐久間公。作品中、さまざまな人物に尋ねられるたびに、自分のスタンス、生き方について何度も主張する。信念と正義感を持ち、脅しや暴力に屈せずに真実に突き進む姿は、東西のハードボイルドな私立探偵のキャラクターに合い通じる。人気絶頂を極めた後に世間的に消えた漫画家を探すという依頼を好事家より受ける。一方で、薬物依存者向けの民間施設に身を置き、ある少年とかかわりをもつ。その少年を精神的に支配しているという謎の女性。ヤミで売買される漫画の原画と人気絶頂の果て消えていった漫画家の行方。冒頭から引き込まれる展開。漫画製作の現場、出版界における漫画の扱い、漫画作家と編集者という“濃い”テーマを扱いながら、それだけに留まらず、渋谷を舞台に中高生の麻薬汚染、クラブ、チームという仲間意識、携帯電話普及後の若者気質といったものにも深く切り込んでいく。やがて著者得意の暴力団という暴力集団も登場。宗教、ポルノ、様様な現代世相の一断面をなで斬っていく。最初はまったく関係のないと思われていた2つの出来事が最後には同じ事件にいきつくところは出来すぎという嫌いはあるが、何重にも施された仕掛けがだんだんと明らかになっていく過程のすごさと、全編を流れる気迫に圧倒される。単なるミステリーやハードボイルド探偵小説という枠に留まっていない力作。 | ||||
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「探偵とは生き方だ」と言う失踪人探索専門の私立探偵佐久間公。作品中、さまざまな人物に尋ねられるたびに、自分のスタンス、生き方について何度も主張する。信念と正義感を持ち、脅しや暴力に屈せずに真実に突き進む姿は、東西のハードボイルドな私立探偵のキャラクターに合い通じる。 人気絶頂を極めた後に世間的に消えた漫画家を探すという依頼を好事家より受ける。一方で、薬物依存者向けの民間施設に身を置き、ある少年とかかわりをもつ。その少年を精神的に支配しているという謎の女性。ヤミで売買される漫画の原画と人気絶頂の果て消えていった漫画家の行方。冒頭から引き込まれる展開。 漫画製作の現場、出版界における漫画の扱い、漫画作家と編集者という“濃い”テーマを扱いながら、それだけに留まらず、渋谷を舞台に中高生の麻薬汚染、クラブ、チームという仲間意識、携帯電話普及後の若者気質といったものにも深く切り込んでいく。やがて著者得意の暴力団という暴力集団も登場。宗教、ポルノ、様様な現代世相の一断面をなで斬っていく。 最初はまったく関係のないと思われていた2つの出来事が最後には同じ事件にいきつくところは出来すぎという嫌いはあるが、何重にも施された仕掛けがだんだんと明らかになっていく過程のすごさと、全編を流れる気迫に圧倒される。 単なるミステリーやハードボイルド探偵小説という枠に留まっていない力作。 | ||||
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私は、大沢在昌も、ハードボルドというジャンルも初体験だったが、非常に楽しんで読めた。 話は私立探偵佐久間が、失踪した人気漫画家の捜索と、「犬」と呼ばれる奴隷を何人ももつ謎の女子高生の調査、の二つを調べていく過程を描いている。 作中でおきるのは非常に地味な事件ばかりだ。しかし不思議と飽きることなく最後まで読み進めることができる。作者の筆力のせいだろうか。 話の中で佐久間はいろいろな人々ふれあっていくのだが、その中で思索をめぐらす佐久間の考えのひとつひとつが非常に説教くさく、ためになるような話になっている。人によってはただ疲れるだけかもしれないが、私にはプラス要素としてとらえられた。 大沢在昌という人の文章は、堅すぎず柔らかすぎず、しかし重いように感じた。だが、佐久間の思索の描写などは、非常に想起から結論に至るまでの流れがわかりやすく、すんなり理解することができた。 正直文句の付け所がない。 彼の本ならまた読んでみたい。そう思わせる逸品だ。 | ||||
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私は、大沢在昌も、ハードボルドというジャンルも初体験だったが、非常に楽しんで読めた。話は私立探偵佐久間が、失踪した人気漫画家の捜索と、「犬」と呼ばれる奴隷を何人ももつ謎の女子高生の調査、の二つを調べていく過程を描いている。作中でおきるのは非常に地味な事件ばかりだ。しかし不思議と飽きることなく最後まで読み進めることができる。作者の筆力のせいだろうか。話の中で佐久間はいろいろな人々ふれあっていくのだが、その中で思索をめぐらす佐久間の考えのひとつひとつが非常に説教くさく、ためになるような話になっている。人によってはただ疲れるだけかもしれないが、私にはプラス要素としてとらえられた。大沢在昌という人の文章は、堅すぎず柔らかすぎず、しかし重いように感じた。だが、佐久間の思索の描写などは、非常に想起から結論に至るまでの流れがわかりやすく、すんなり理解することができた。正直文句の付け所がない。彼の本ならまた読んでみたい。そう思わせる逸品だ。 | ||||
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クスリ、渋谷、マンガ家の失踪、自己啓発セミナー、暴力団、高校生、上巻ではばらばらだったこれらの項目が一つの形になっていく下巻である。最終も最終になって見事に収まっていく構成はさすがである。 「はじめてやさしいことをいったね」最終盤に至り錦織が佐久間公にこう呟く。この言葉はいったいなにを意味しているのだろうか。それは読んでからのお楽しみ。 | ||||
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大沢在昌が探偵を主人公にした作品を描くのだから、チャンドラーを向こうに張ってどのような文章を書くのか期待していた。そう、私は佐久間公シリーズは初めて読んだわけだ。彼にもいろいろ紆余曲折があったらしいが、今は立派な中年である。しかしこれほど議論する探偵も珍しい。マーロウ探偵みたいに粋なセリフを吐くわけでもない。ひたすら中年が今の若者の気持ちを知ろうとする。私などはまさしく佐久間公と同年代の中年ではあるが、「迷惑掛けるのは友達じゃない」という若者の友達観に怒ったりはしない。佐久間は命を掛けて怒ろうとしている。下巻が見ものである。 | ||||
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