■スポンサードリンク
リロ・グラ・シスタ
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
リロ・グラ・シスタの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.55pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ストーリーはそれなりに面白かったが、主人公その他登場人物の受け答え、その他の文章が格好つけすぎていて、いわゆる中二病という言葉を想起させられる。こんなめんどくさいやつらいないだろ・・・と思う。独特の文章が読みづらいと感じた。デビュー作のようなので特色を出そうと気合が入りすぎた結果なのかもしれない。それ以降の作品も読んだが、他はもう少し読みやすかったので。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
大きなトリックではなく、小さなミスディレクションの精密な組み合わせで 構成されているのでパズルを解いているような感覚になります。 肝心の「最初の騙し」が分かりやすいので、連鎖的ネタバレ状態になるのが惜しいですが。 また、文章構成が「ハードボイルド気取りの探偵役が抑えめに語る」となっているので せっかくの仕掛けに気づけない(作者からの説明がないので、ある程度想像しなくてはいけない) 可能性があり、そこが難点だと思います。 *書評・感想サイトなどでは「○○に関して伏線が回収されていないのでは?」という 感想が多い(おそらく見落としている部分がある)ように見えました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『六番目の小夜子』『ヴィーナスの命題』『密閉教室』『天帝のはしたなき果実』などなどの青春ミステリの異端児側の系譜に連なる作品のひとつです。 物理トリックは拍子抜けであるし、もうひとつのトリックもミステリをよく読む方であれば想像できるものと思われます。 しかし、その「もうひとつのトリック」を成立させるために奇妙な登場人物(高校生なのにやたらハードボイルドな探偵役、英語?混じりで話しながら春を売る少女など)を意図的に配置する手法はなかなか素晴らしい。小説のジャンルに対する思い込みも利用するのか! という新鮮な驚きです。 真っ当な青春ミステリから一歩踏み出したい方にはぜひ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
序盤は特に、初期の法月綸太郎をさらにこじらせたような文体が続き、 ハードボイルド調なのだろうが、疲れる。 内容は物理トリックの捜査が続き、この作家には飛び道具を期待していたのでがっかりしたが、 終盤に入ると、フーダニット等に絡めた真相がいくつか用意してあり良かった。 偶然が必然性を呼び、それがまた別の必然性を呼び、そして…と、強い納得が連鎖で展開されているのが良かった。 しかもそれが一応リアル側の世界観で。 評価される部分があるのも納得。 物理トリックはほめられたものではないと思うが。 あと好みとしては青春パートの分量が多過ぎか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
学園ハードボイルド・ミステリーといったところだろうか。ハードボイルドの文体でありながら、奇妙な高校生たちが繰り広げる学園ドラマという感じで、何とも不思議なテイストのミステリーだった。 私立吏塚高校の屋上で発見された男子高校生の墜落死屍体。学内で探偵を生業とする高校生の『私』は同級生からの依頼で男子高校生の死の真相を探るのだが… これでもかと言うくらいに張り巡らされた謎と仕掛けに驚きながらも、最後まで気の抜けないミステリー。これが、詠坂雄二のデビュー作とのことだが、驚くほどの完成度である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
綾辻行人氏の推薦が付いている、著者のカッパONE受賞のデビュー作である。 高校を舞台にした屋上での殺人が主な事件で、探偵役の生徒がその物理トリックを解明し、犯人を捜し出すという一見オーソドックス過ぎる設定だが、文体を主人公の一人称ハードボイルド調になっており、それが独特の現実性から乖離した幻想的な雰囲気を醸し出している。 事件の死体移動の物理トリックやヒロインの事件との関連などは正直ミステリーを読みなれた人には途中で見当が付いてしまうだろう。が、最後の最後でこの独特のハードボイルド的世界観が展開されていたどんでん返しのたくらみが炸裂しており、一つ一つのネタ自体には新味はないものの、うまく活用しており、デビュー作としてはなかなかの意欲的な作品に仕上がっている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
学校を舞台にしたミステリーです。 最初から探偵としか呼ばれない人が怪しすぎる。 素直に読むと男子生徒のようなのですが、 実は生徒じゃない、実は女性、実は年配、実は日本人じゃない、 実は死んでる、実は人間じゃない、実は誰かと同一人物とか いろいろ考えられます。 他にも男子生徒のはずが女の子だったり、 ファンタジーものかと疑いました。 どちらかと言えば楽しめたのですが、死体を屋上に移動させたトリックがひどい。 机上の空論といったもので、九分九厘失敗します。 上手く巻き上げられるわけがないんですよ。 直接は関係がありませんが、同じ遠海を舞台にした作品 遠海事件、電氣人閒の虞もあります。 先にそれらを読んだ方は本作と読み比べてみると 縦横無尽に作風を変えるという評価が良くわかります。 私は遠海事件が一番好みです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「遠海事件」で、実録犯罪小説風ミステリという、個性的な作品世界を見せてくれた著者のデビュー作が、本作品です。 この作品も個性的。 「学園ミステリ」であると同時に、「ハードボイルド」でもあるのです。 遠海市にある私立吏塚高等学校。 この校舎の屋上で、生徒の一人が「墜落死」しているのが発見される。 この事件の依頼を受けた「私」は、捜査に乗り出すが…。 読み始めて、すぐに気づくのは、「ハードボイルド」な文体。 そもそも、この一人称の小説の「私」は、様々な事件の依頼を受けて活動を行っており、友人や後輩から、「探偵」と呼ばれている存在なのです。 この「学園」を舞台としながら、「ハードボイルド」な作風を実現しているところは、これまでになかった設定と思われ、愉しむことが出来ました。 また、題名の「リロ・グラ・シスタ」は、The Little Glass Sister を発音に近い形でカタカナ表記したものですが、そのような感じで、なぜか英語混じりで話してしまう女生徒が現れたりするなど、個性的でどこか変わった人物が次々と登場し、ある種「異質」な世界といったものを醸し出しています。 謎解きの点では、死亡した生徒は、校舎から転落した後、その屋上に死体を移動させられていた、ということで、「なぜ犯人は、死体を移動したのか?」というハウ・ダニットが投げかけられており、また、犯人は、どうやってセキュリティの張られた「学園」を脱出したのか、という興味も物語を面白くさせています。 最後に、全編を読み終えた感想ですが、一瞬、「使い古されているトリックではないか?」と思ってしまったのも事実。 しかし、冷静に物語の構成を振り返ってみると、真相を見破られないために、巧妙に「前例のあるトリック」を組み合わせているのに気づきます。 その使い方が、「独特な物語世界」と調和しているところに思い至り、才気ある作者と感じました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
裏表紙に掲載されている綾辻行人による推薦文。それがこの本の最大の傷だと思う。 未読者への真摯なアドヴァイスとして書くが、これには目を通さず、うっかり読んでしまわぬようにカヴァーを外しておくか別のブックカヴァーをかけておくかしたほうがよい。ある種の読者に、ある種の先入観を抱かせる文章である。しかしそれは持たないほうが本書をより楽しめるはずである。 小説そのものは、いわゆる新本格の文脈で、優れた作品だと評価できる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
吏塚高校の屋上で、写真部の男子生徒が「墜落死体」として発見される。 周囲に屋上よりも高い建物はなく、その上、夜間のセキュリティのため、 外部から校内に死体を運び込むこともできないという不可能状況だった。 「吏塚の名探偵」と呼ばれる「私」は、事件発生時まで学校に残って いた同級生の観鞍茜から、無実を証明して欲しいとの依頼を受ける。 事件の調査に乗り出す「私」。どうやら、「墜落死体」となった男子生徒は、 自分が撮影した盗撮写真で、複数の女子生徒を強請っていたらしく……。 一人称ハードボイルドの文体に託された企みについては、大方の読者がすぐに 気づくでしょうし、その他のトリックも、単体で見れば、全く新味はないのですが、 それらを組み合わせ、合せ技とする際の手つきには、確かな技術力を感じます。 特に、前述の語りのトリックが、単にある事実を読者に誤認させるだけのものではなく、 事件の真相を巧妙に隠蔽する仕掛けでもあるところなどはなかなか巧いと思いました。 人工的でナルシスティックな作風の本作は、間違いなく読者を選ぶ でしょうが、新人のデビュー作としては水準以上であることもたしか。 本作以降、毎年、意欲作・問題作を発表している作者に、今後とも期待したいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『独特の文体』と帯にあるものの,独特というより不自然. そのキザな情景描写や,皮肉混じりのハードボイルド口調は, とってつけたような雰囲気がして,寒々しく感じてしまいます. なにより,ミステリ慣れした人はすぐに『ピン』とくるでしょう. また,いくつかあるトリックも,どれも目新しいものではなく, 中にはすぐにわかってしまうものもあり,まったく物足りません. 最後の最後で明かされる,この作品最大の『トリック』についても, あまりにひねりのないセリフのため,なんとも興ざめしてしまいます. 章ごとに印字の色を変えた装丁は,カラフルで見栄えがいいものの, 作品と関連があるわけではないようで,その意図がよくわかりません. 変わった装丁が目立つだけの,ちょっと期待はずれの作品でした. デビュー作とのことですが,この次はもう少し普通のミステリを…. | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!