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(短編集)
もつれっぱなし
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もつれっぱなしの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.80pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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この作品は登場人物の会話のみで構成されている短篇集です。 岡嶋二人時代から会話シーンのテンポの良さ、掛け合いの旨さはさすがだと思っていましたが、 本作は著者のその技術の高さを遺憾無く発揮していると言えます。 なにせ会話だけで現在の状況や人物の関係などの情報がごく自然に読者にわかるようになっています。 しかもいつもの通り軽く読みやすく、そして面白いのであっという間に読了できます。 6篇もありますが、どれも短くサクッと楽しめるので普段読書をしない人にも勧めてみたい作品ですね。 | ||||
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もつれっぱなしと内容がよく分からないタイトルであるが、もつれ話ということで、男女二人の会話のみで進行し、発端のあり得ない告白が双方の会話のもつれっぷりによりとんでもない方向に流れていく様を描いた一種のコメディ風味の世にも奇妙な物語的趣向の実験作。 実際に収録されている44年後の証明は世にも奇妙な物語の原作として採用されており、実写化も好評だったらしいので、一番の注目作と言える。 完全なSFだったり、ミステリー風味だったり、日常の謎系などネタはバラエティに富んでいる。 とにかく台詞だけで進行していくので、あっという間に読み進める。が、会話だけしかないので小説には当然の地の文による描写が一切ない訳で、簡単なようでいてかなり作家の腕が問われる試みであるが、そこは井上氏のこと、いずれの作品も標準以上の質に仕上げている。 正直、他の井上作品と比べると内容上薄い作品にならざるを得ないので、井上作品としてはまあ普通の出来だなという印象だが、一読の価値はあるだろう。 | ||||
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全編会話で成立しているため、脚本以上に簡略化されています。 なのに登場人物の性格や背景がしっかり把握できるところに、 作者の巧みさを感じました。 展開もオチも6篇すべてに面白さがあって、すきま時間の娯楽には うってつけでした。 | ||||
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全編会話のみという構成。 ちょっと変わった男女。ちょっと変わったできごとが、くどい説明もなく違和感もない会話で展開される。 会話のみという少ない言葉で的確に想像させる技術はすごいんじゃないですかね。 それって簡単そうに見えて難しいことだと思います。 | ||||
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6作品を収録した短篇集。いや~…この作品、本当に「凄い」作品だと思う。この作品の特徴は2つある。1つは、全てが2人の人間の会話のみで構成されている、という点。会話が中心になっている小説、ではない、会話のみしか存在しない小説、である。そして、もう1つが、基本的な形は同じ、という点。全ての会話が男女の会話であり、全ての作品が「○○の証明」というタイトルであるように、一方が奇抜な事を言い始め、それをタイトルの通りに証明しよう…という会話となるのである。これだけ形式が限定されると、ワンパターンな展開になりそうなものだが、全くそんなことはない。それぞれが、全く別のテイストを持っている。例えば、「宇宙人の証明」なんかは、完全にボケとツッコミの漫才のようなテイストだし、「四十四年後の証明」は、しんみりとした後読感がある。また「嘘の証明」なんかは、会話だけでありながら、嘘かどうかを巡るミステリ小説の持つような緊張感がある。会話だけで物語を作るには、会話の進め方、テンポの良さ、など1つ作るだけでも大変だと思うのに、それぞれに全く別にテイストを持たせる著者の文章力に素直に脱帽。気軽に読める作品なんだけれども、それがこの作品の「凄さ」の証明なんじゃないかと思う。 | ||||
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例えば突然自分の恋人が、「まじめに聞いてね、いい、真面目によ?…私、実は宇宙人をかくまっているの」(まあこの場合は、自分を男だと思っていただきたい。)とか言ってナメクジを持ってきたら、一体どんな反応をしますか?まずは自分をからかっているのだと思う。なのに彼女は怒って「やっぱり信じてない」とか言い出す。目の前にあるのは、まごうとこなきナメクジなのに、彼女の表情はマジ。信じろと言われても、これはちょっと。…だってナメクジでしょ、そりゃないぜベイベー! しかし、そのナメクジ型宇宙人が本物だったりするから、始末におえない。彼女の方にしてみれば、彼ならば分かってくれると思って話したのに、ハナから信じようともしないのだから、「やっぱりあなたもそういう人だったのね。いいよもう、一人で解決するから帰ってよ!」…ってなことになる。 自分に理解できない事を、いきなり目の前にポンと置かれて一体どこまで信じるか。つまり、どこまで妥協するか。常識と感情のせめぎあい。そこがなんどもいえず、面白い。 この本の中で起こっていることは、突拍子もないことだけどあくまで人間は現実的だ。この場合の現実的、というのは冷静とかノリが悪いという意味ではなく隣に住んでいても、なんら不思議ではない、という意味である。題材は、現実ばなれしたものなのに「こんなヤツいないって!」「できすぎだってば」などと思わせない、それがこの本の醍醐味だ! と勝手に決め付けている。 | ||||
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突然、若い滝田に未来から電話がかかってくる。 相手は中学生くらいの女の子、コハクちゃん。滝田の孫だと言う。 最初は信じられなかった滝田だが、コハクのおばあちゃんの話を聞いて、話したこともない意中の女性にデートを申し込む決心をする・・・ 残された「44年」の意味とは?・・・ | ||||
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