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サウスバウンド
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サウスバウンドの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全74件 41~60 3/4ページ
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上下巻すでに既読だが、あまりにも面白かったので、あえて上下分けてレビュー。 物語は小学6年生の主人公・上原二郎の一人称で語られる。 このように子供の一人称を使う場合「そんな子供いねーよ」というリアリティのないものか、 大人には面白くない子供向けの文体になるかのどちらかかと思う。 しかしこの筆者はリアルに小学6年生の心情を表現しながらも独特のリズムで大人にも面白く読ましてくれる。 3年先が想像できないほど未来だったり、女子と対立しながらも異性として意識し始めていたり、 1歳年上の中学生が物凄く恐ろしかったり、先生が急に一人の大人に見えたり・・・・ といった自分の小学生時代を思い出させてくれる生き生きとした表現に溢れている。 読んでいてとてもこころが和み、同時に甘酸っぱいノスタルジーを感じた。 ストーリーそのものは大きな展開を見せない前半ではあるが、 主人公・上原二郎の眼を通しての世界は自分を子供時代にタイムスリップさせてくれ、それだけで十分楽しめた。 上巻はこの主人公家族の中野で暮らしを描き、突如西表島に引っ越すまで。 ここまでは主人公の父もただの「ヘンな人」である。 この中野を舞台とした部分だけで外伝を書いてもきっとすごく面白いものになるだろう。 | ||||
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主人公のお父さんの天衣無縫ぶり(愛すべきキャラです)。西表島の抜けるような青空。物語全体に「突き抜け感」があり、読んでいて「まあ細いことはどうでもいいじゃん・・・」的な気分になれるリラックス・リゾート小説。爽やかな読後感です。 | ||||
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小学校6年生の二郎の目から描かれる家族と社会の交わりの物語。 この上巻は、下巻に比べ、やや暗いのだが、まぁそれだけリアルである。 私は、奥田=筒井康隆の後継者と捉えているので、 こういうまっすぐな小説が変化球に見えてしまう。 おすすめは小学校6年生以上。 夏休みの読書感想文には最適だと思う。 | ||||
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映画化されることを知って、読んでみた。なんだかエンディングはちょっと納得行かなかったけど、反体制の父親と母親に共感。 ちょうど、アナーキストの大杉栄の本を読んでたので、その偶然には驚いたけど、自分の中にもアナーキーなものへのシンパシーがあることを再認識した。なんて、自分には過激派は無理だけど... | ||||
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普段はミステリーばかりを読んでいるが、この本だけは別。他の方々が言っている通り、父が最高にかっこいい!右だから左だからというわけでなく、一貫した主義主張。まさしく男の中の男である。さまざまな事件を通して小学生の兄弟たちが大人になってゆくその姿は、本当に読んでいて微笑ましい。読み終わったらスカッとすること間違いなし!おすすめです。 | ||||
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奥田さんらしくおもしろおかしく笑える作品を想像して読み始めたのだが、 これはまたなかなか新しく、いい意味で期待を裏切られた。 つまり、ユーモア小説でもなければ単なる青春小説とも言いがたく、 更に上巻・下巻で展開が180度ガラリと変わるのもまた面白い。 上巻は長男のスクールライフを中心に東京での一家の生活を生き生きと、 そして下巻は沖縄・西表島での人情味溢れる超スローライフな物語をのびのびと、 それぞれ異なる趣の文化を背景に楽しく読ませてくれる。 また、出会いと別れ、そして新しい土地での発見を糧に、長男の価値観や父親への見方が少しづつ変化してゆくのも見所。 この辺がやっぱり奥田さんは上手い。 元左翼の父親の物語・・・と言うと何やら政治的なメッセージが背景にあるかと敬遠しそうだが、 主題はあくまでアナーキストな父親を通しての長男(一家)の成長、 そして豊潤な現代社会に忘れかけていたものを思い出させてくれる点にあり、決して読みにくい作品ではない。 そう、父の人とは外れた言動は平凡な日常にちょっとだけ「夢」を見させてくれる、 つまり、つかの間の別世界へのトリップを楽しませてくれる作品なのだ。 | ||||
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前半はやや単調だが、 中盤にかけてどんどん物語がおもしろくなってくる。 とても読みやすいタッチで、 すごく軽く読めるんだけど、 ここに書かれた内容って、 結構奥深い問題とかもあって、 さらっとおもしろく読めるわりに、 余韻が残るというか考えさせられる、 実によくできた小説です。 特に下巻がおもしろいです。 | ||||
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革命?過激派?(ATOKでは、過激は、にしか変換されない) 正直、この作者の作品だから、つまり、インザプールとか、空中ブランコを読んで好きになったので、その延長線上で購入したのですすが。 全然違うし。 そう言えば、このところ、文庫化されている作品も、随分と違う。 敢えて言うと、インザプールと空中ブランコが異色なのかも知れない。 とにかく、おもしろいし、考えさせられる。 子供と父親、母親、そういう関係について、再考を強いられた作品でした。 | ||||
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主人公は小学6年生。行動、発言は子供だが、観察力やつっこみはシニカルで大人のレベル。ちびまるこちゃんを読んでいるような気になる。その一方で、女風呂の覗きや中学生との決闘もあり、スタンドバイミーが聴こえてきそうな雰囲気にもなる。さらには、家族揃って西表に移住するシーンはアドベンチャーファミリーを思い出す。 これだけだと以前にも観たり、読んだりしたことがある展開の域を出ないのだけど、両親が元過激派という設定が斬新で面白い。斬新であるのだが、最後までリアリティーがあり、違和感なくストーリーを展開させるのは流石。 現代社会において左翼が翳りゆく中で、元過激派の両親は周りと摩擦を起こし、教育については一般常識からいってかなり無責任なのであるが、最後には息子に向かって明確なメッセージを送る。過激派家族を取扱っているのに悲壮感を感じさせない点も流石。 サウスバウンド 下 (角川文庫 お 56-2) | ||||
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暇つぶしに読んだつもりがとまらずぐいぐいと最後まで読ませる圧倒的な面白さ。 テーマ的には、学生紛争とかができてきて時代遅れ・・という印象をうけましたが、 気づいたら最後まで読んでいるという感じでした。 でも、内容的には割とハード感があって読後感は重い感じでした。 | ||||
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こんな話とは思ってもみなかった! 主人公は、東京のど真ん中に住む小学校6年生。 楽しいことも辛いこともあるけど、所詮は平凡な箱庭の冒険? と思ったらとんでもない。元過激派のお父さんがやってくれます! ぶち壊す! なにもかも! そしてお母さんが素敵すぎ(特に沖縄編)。 登場人物たちが素晴らしく魅力的。 ある意味ステレオタイプなのかもしれないけど、それぞれがきちんと役どころを押さえつつ、 その先のさらに突っ込んだところで、人間としてのリアリティや魅力を感じさせる。 その描きこみ加減がとても巧い。 そして思春期突入期の甘酸っぱさもw。 現代の日本において、なさそうでありそうな、こんな冒険してみたい(いや無理)。 夏にピッタリの小説です。 | ||||
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世間一般的に見れば、度が外れた人である上原一郎の、何があっても自分の道を進む強さに感 銘する。「体制に巻かれ、集団に属し、弱い羊の群れとして一生を生きるなら、獅子として一 瞬を生き抜く方がマシだ。」 あるアーチストの言葉を思い出した。 南の島の助け合いの生活は、ある種の理想である。皆が賢人であり、私腹を肥やそうとする人 が一人もいなければ、理想的な社会が築けるかもしれない。 しかし、そこは、それぞれの人の中に、様々なそれまでの人生があるはずであり、すべてから 開放された楽園ではない。つまりは、自分がどうありたいか?どういう風に生きていくかを自己の責任で選択していくことが大事である。 父一郎が息子次郎へ、「お父さんの生き方は極端だ。お前は真似しなくていい。」と語るシー ンが印象的に思えた。 | ||||
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型破りというのか、こんなやついねーよっていう親父さんに振り回される二郎少年の成長物語。二郎くんだけじゃなくて、洋子さん、桃子ちゃんの成長物語でもありますね。 長い物語だけどテンポよく読めます。 | ||||
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早く仕事を終わらせて先が読みたい!!!と思える久しぶりの作品でした。 主人公の小学生二郎、ちょっと(かなり?)変わった父、やさしさの中にも芯の強さを持った母、そしてどこにでもいそうな小学生の妹などなど、出てくる登場人物が皆、キャラクターが立っていて、ぐいぐいと物語に引き込まれていきます。 文章も読みやすく、それでいて簡単すぎずといった絶妙なバランスで小学生から大人までエンターテイメントとして楽しめる作品だと思います。 ちょっと予定の空いた週末にでもぜひ読んでみてください! 読み終わった後には、前を向きたくなるとびきりの心地よさが待っているでしょう。 | ||||
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元過激派の人が、自分の父親だとしたらどうします? 税金は払わない、会社には行かず働かない。 あげくの果てには「国民やめる!」とまで言い出す父親。 そんな父と家族とのやりとりを描いたのが、この小説です。 個人的にはスラスラと読めた小説でした。 読んでいてストレスも感じさせず、テンポがいい感じだなと思いました。 思春期の悩みや、家族に対する想いなどが読んでいて共感出来る部分があったりと。 父親が本当に面白くて、現代社会に相応しい小説だと思います。 国に対するメッセージなどは、私たち国民が世の政治家に伝えたいことばかりで 納得する部分もたくさんありました。 この小説に出会えて本当に良かった。と、思える一冊です。 今の社会に不満、国民を辞めたいなーと思っている人にはピッタリの一冊だと思います。 | ||||
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久々のおとり置き決定♪ なんていうか、生きていくのって、そんなにがむしゃらにならなくてもいいのだな。 自分の中の、自分で大切と思うものを守るのはとても大変だけど、 それ以外は、どうってことないさと。 実際のところ、父親がこういう人間だと、子供としてはいろいろ大変だけど、 でも、学校よりも大切なことを学べると言うのはとても贅沢なことと思う。 学校が大嫌いだった私には、学校なんて行きたい人だけ行けばよいという家庭は、 サンクチュアリです、はい。 長編ですが、とても読みやすいです。 機会があったらぜひどうぞ。 ま、夢物語・・・では、あるんですけどね(笑 | ||||
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元左翼学生運動家の過激派の父、それに同じく学生運動に身を投じていた母。特に父の変わり者ぶりは並大抵ではない。その父に翻弄される子供たち。東京での生活に結局慣れず、沖縄の南、西表島に移住するも、そこでいわゆる権力者の手先と一戦を交える父、いやその家族。全体に作者らしいスピード感とコミカルな味付けでどんどん先を読ませてくれる。最後は「夢の島」に夫婦で出かける二人。父の生き方に反抗的であった子供たちも、父の権力への抵抗に本当の正義とその爽やかさを感じることになる。読後感がそう深く残る作品ではないが、何となく爽快さを残してくれる作品であった。 | ||||
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舞台が東京から西表島にがらりと変わり、登場人物の個性が120%発揮される下巻が、特に好きです。最近、沖縄をテーマにしたすばらしいドラマや映画がありますが、その中でもダントツに面白い作品だと思います。自然の中でたくましく生きる父親像、その父を信じて付いて行く母、そして、いつの間にか父と心通わすようになっていく子供たちの姿が、西表島の美しい自然の中で、生き生きと描かれています。残念ながら上映期間は終了しましたが、映画も観て、もう一度、画像で作品のイメージを楽しみたくなるそんな作品です。 | ||||
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すごく面白かったです。 まず主人公の二郎(小六)が大食いで漫画の立ち読みを日課としている普通の男の子なんだけど、友達も多くて、やさしくて、男らしくて、家族思いで、まっすぐで、いい子です。 その子の視点で描かれているので、全体を通してあくまでさわやかです。 上巻は、東京でのお話です。元活動家の親父に振り回され、母の過去や姉のことを心配し、不良な中学生に悩まされ、成長していきます。 そして色々とあって、家も追い出されるような状況で八重山に引っ越すことになります。 下巻は八重山での生活が始まります。上巻:東京編、下巻:八重山編でがらりと変わります。登場する主要人物は同じなんだけど、背景の色や空気が全然違うような感じです。 テレビも冷蔵庫もない家に島の人たちの計らいで住めることになりますが−−といっても人の法律上は他人の土地でこれがきっかけで大騒動になりますが−−、親父が本領を発揮して大活躍の大暴れです(東京でも大暴れはしてたけど)。 個人的に沖縄が好きなので、沖縄についても少しだけど活字で知識を入れたりしていたので「ユイマール」「ウタキ」など、言葉の意味としては知っていましたが、この本を読んで初めて本当の意味がわかったような気がします。そういう意味でもいい本です。しかし、いいなー沖縄、、じゃなくてここは八重山と言っておくか。 難をいえば下巻で親父・一郎が英雄になりすぎのような…。きっと作者も一郎のファンなのでしょう。 | ||||
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一言で言えば、面白い作品であった。上下巻という大作であるが、長さを感じることなく、スラスラと読むことができた。 第一部は主人公二郎の家族が元過激派の父親に翻弄され中野から転居せざるを得なくなるまで、第二部は沖縄の西表島に転居後の生活が描かれている。 小学生から見た大人の世界、そして子供同士の世界がうまく書けている。なんと言っても主人公の一郎の人物像が強烈で、自分の身の回りにいたら確実に関わりを持ちたくないタイプの人物であるが、彼の発言・行動は、一見めちゃくちゃでありながら、現代日本の問題点を的確に捉えて筋が通っており、読んでいて面白かった。作者の全ての作品に共通するところであるが、泣かせどころ、笑わせどころを作るのが本当にうまく、楽しめる作品であった。 「最悪」「空中ブランコ」「泳いで帰れ」そして本作と、どの様なジャンルでも面白い作品にしあげてしまう作者は本当にすごい! | ||||
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