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邪魔
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邪魔の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全125件 81~100 5/7ページ
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身内や親しい人が罪を犯すのは、本当に哀しくて、本当に迷惑…。 3人の男女がキーパーソンになっているけれど、疑いたくないのに夫を疑ってしまう主婦に一番感情移入しながら読みました。 彼女がどんどん壊れていく様は必見です。 読み終わっても胸が痛い、自分だったら…と考えてしまう、そんな本でした。 | ||||
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放火を主とした地味でありながら、人間味あふれる 良作!!上下あわせたら約800ページですがスラスラ と読めてしまい良作!!物語は刑事のおじさんと パート暦1年のおばさんの2人称で結成されています。 こっれて物語と関係あるの?こいつタマにでてくるけど 誰だよ?みたいなのあるけど、じっくりページめくれば 次々と笑顔。奥田氏の作品はヤクザが出てくることが 多くて良作!! | ||||
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この本では放火になっていますが、実はモデルになった事件が存在します。それは1998年の「ザイエンス新潟支店毒物混入事件」。 動機もまるっきりこの本と同じですので、作者はこの事件にインスパイアされてこの作品をものにしたと思われます。 しかし、犯人の妻の疑心暗鬼と直感から追い詰めていく刑事の心の動きを柱に据えたため物語に一気に厚みと深みが生まれました。 現実の事件では半年後に逮捕されましたが、実際逮捕されるまで家庭内でこんな暗闘があったんじゃないかな、などと思わずゲスな想像をしてしまいました。 | ||||
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平凡な日常が小さな事件により壊れていく。 その壊れ方は、男と女では全然違うのねという点がおもしろい。 女はとまどいながらも、どんどん強くなっていく。主人公の主婦は、痛々しいほどむごく、落ちて、壊れていくのだが、それでも生きる力に満ち溢れている。 反対に男は無意識にどこかに逃げようとする。遊びに、女に、妄想に、留置場でも。 平凡な生活から、社会の邪魔者へ。滑稽で一生懸命な人間に、どきどきしながら、一気に読める。 | ||||
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犯罪小説というよりも、「放火犯は・・・夫?」と疑惑を抱いた主婦の、苦悩と変容を描いた物語。 市井の人間の「普通の幸せ」が、あまりにもあっさりと壊れていく様子は、つい「もしうちの夫が・・・」と妄想してしまう。「誰にでも起きうる」「人ごとではない」と思われて恐ろしい。彼女の心の動きは本当にリアルだと思う。読むのがしんどくなるくらい。 もう一人の主人公の話も同時進行するのだけれど、こっちは不必要とまでは言わないけど、まあ、添え物。こちらにも比重をおいて読めれば「犯罪小説」「大藪晴彦賞受賞」というのもわかる。 長い物語だけど、飽きることなく読みやすく、時間つぶしには最適。ただし、読後感は爽快!とは言いがたし。筆力のある作家の、リアルな話だからこそ、疲れる。・・・おもしろくはあるんだけど。 | ||||
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旦那のしでかした放火事件を知ることをきっかけに、 主婦が平穏な家庭生活の道から外れていくという話。 というか、主婦自ら立て直そうと繕うが逆にどんどん 転がり落ちていくような話だった。 平穏な家庭の主婦がどんどん変わっていく様が良く描かれていた。 普通、男性の作家が女性の心理や行動を描く時、女はそうじゃない、 そういう行動はしない、そんなに格好良くないとか、的が外れた描写が 多いことがあるのですが、この奥田ストーリーでは主婦の心理や生活を よく知ってるなと感心したぐらいです。最後の主婦の変わり様や、 しでかした事には「え、そこまで・・・」と思いましたが、 家庭を守る為ならこんなにも変わっていくのだろうと妙に納得してしまった。 そしてストーリーに欠かせないのが九野刑事でしょう。 最愛の妻を亡くしたのをきっかけにこの人の精神も何かが崩れていた。 放火事件を担当するという役割の中で、九野自身のストーリーもうまく 織り込まれている。人間というものは何かのきっかけでこうも普通の 精神の世界から外れてしまうんだなと、特に後半は興味深く読み終わりました。 九野刑事の義母の存在は何だったのだろう?と、 最後まで興味を引かれて一気読みです。 主役の主婦のストーリーも良かったが、九野刑事のストーリーはこの本には 欠かせない要素となっています。読後感は星4〜5ぐらいはいってます。 | ||||
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旦那のしでかした放火事件を知ることをきっかけに、 主婦が平穏な家庭生活の道から外れていくという話。 というか、主婦自ら立て直そうと繕うが逆にどんどん 転がり落ちていくような話だった。 平穏な家庭の主婦がどんどん変わっていく様が良く描かれていた。 普通、男性の作家が女性の心理や行動を描く時、女はそうじゃない、 そういう行動はしない、そんなに格好良くないとか、的が外れた描写が 多いことがあるのですが、この奥田ストーリーでは主婦の心理や生活を よく知ってるなと感心したぐらいです。最後の主婦の変わり様や、 しでかした事には「え、そこまで・・・」と思いましたが、 家庭を守る為ならこんなにも変わっていくのだろうと妙に納得してしまった。 そしてストーリーに欠かせないのが九野刑事でしょう。 最愛の妻を亡くしたのをきっかけにこの人の精神も何かが崩れていた。 放火事件を担当するという役割の中で、九野自身のストーリーもうまく 織り込まれている。人間というものは何かのきっかけでこうも普通の 精神の世界から外れてしまうんだなと、特に後半は興味深く読み終わりました。 九野刑事の義母の存在は何だったのだろう?と、 最後まで興味を引かれて一気読みです。 主役の主婦のストーリーも良かったが、九野刑事のストーリーはこの本には 欠かせない要素となっています。読後感は星4〜5ぐらいはいってます。 | ||||
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とある放火事件をきっかけに、どんどん悪い方へ人生が転ってゆく主婦と刑事の話。 主婦はなんとか「放火事件」をなかったようにしようとガンガン道を踏み外していくし、 刑事はその事件に関わることで振り回されるように人生を壊していく。 中盤からの二人はもう「見てらんない!(正確には読んでられない)」状態。 どんどん悪いほうへ悪いほうへ壊れていく。わたしは目を覆う指の隙間から読んでる状態。 この二人、特に過去悪いことをしたわけでもなし、なんでこんな目に合わなければならないのか。 でも、だからこそひとごとではなく、簡単にわたしたちにも起こりそうな出来事なのが怖い。 事件を起こした犯人、ことを起こした原因「以外」の「巻き込まれる人々」の話なわけで、 いつわたしたちが巻き込まれてもおかしくない。そういう意味でこの2人の顛末、とても後味が悪い・・・。 でも、読み物としてはとてもおもしろかったです。 | ||||
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とにかく話の展開が早くて面白いですよ。奥田英朗さんのよさは同時進行で起こる事件の展開の早さにあると思います。飽きずに最後まで読めます。現代作家として最高です。 | ||||
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本書は『最悪』同様疾走感に溢れる犯罪小説で、著者の作品の中で二作は同系列のものとして並べられるが、発表順にどおり『最悪』そして『邪魔』と読まれることをお勧めしたい。むろん反対のご意見もあるのは承知の上だが、個人的にはその方が著者のこのジャンルでの進化・深化が味わえると思う。 大雑把に違いを述べるならば、『最悪』が主人公たちの境遇と事件の行く末が気がかりで読むのをやめられない小説なのに対し、『邪魔』は主人公たち(夫の放火疑惑で追い詰められる主婦恭子、過去に深い痛手を負った刑事九野)の心の行く末を見届けたい小説である。 夫への疑念と恐怖、執着心や意地など、さまざまな感情を養分としたかのような恭子の変貌、壊れっぷりはなかなかの迫力だ。 | ||||
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ある会社の事務所が放火される。犯人は誰なのか…。この作品は放火事件の捜査を軸にして、家庭の崩壊、警察内部のゴタゴタ、企業の不正と暴力団etcと盛りだくさんの内容が書かれているのだが、犯人探しが目的ではなく、事件を巡って起こる人間の悲喜劇である。 解説でこの作品を「ある種爽快に道を間違えていく主婦(恭子)と、やむを得ず壊れていく刑事(九野)の切ない物語」とうまいこと表現している。確かに「恭子」の描かれっぷりは素晴らしい。テンポのいい文章なので上下巻一気に読めた。しかし、読後は満足よりも不満の方が多かった。 「恭子」のキャラクターと行動を除いてこの作品を考えてみれば、普通のサスペンスである。2時間ドラマといってもいい。警察内部を描いた部分でいえば横山秀夫の小説の方がリアルで面白い。「九野」について設定されたドラマも必然性がなく、ただ湿っぽいだけのように感じられた。個人的には、「恭子」にだけ的を絞ったほうが良かったのではないかと思う。 私は「イン・ザ・プール」で初めて著者の作品に触れたのだが、この「邪魔」では、「恭子」を除いてその弾けっぷりをみることは出来なかった。ただ、様々な題材を扱う作家のようなので、はずれがあっても仕方ないといえば仕方がない。マンネリよりは余程いいと思う。 | ||||
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最後はほっとする。収まるべきところに収まるから。 でも中盤から後半にかけて。読んでいるこちらが暗くなってくるほど、やる気がなくなるほど、登場人物はみんなうまくいかなくなる。みんな一生懸命自分の信じる道を進もうともがいているのに。決してそれは間違ってはいないのに。最初のパーツとなる部分でほんの少し位置がずれてしまったがために、人生がぐらんぐらんと揺れる。その様に凹む。。。 人生こんなものなのか?そうすると自分もいつ踏み違えるかわからない。気をつけよう。。。 | ||||
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シンプルだけれど深い題名だ。いろんな場面で「邪魔」が出てくる。もしかすると、もとい確実に、世界は邪魔だらけなのだ。唸りながらそのことを突きつけられた。地味な物語だけれど、そのリアリティの蓄積が沸点を越える間際になると、恐ろしいほどのスピード感が出てきて目が離せなくなる。主要登場人物の丹念に書き込まれる心情に呑み込まれ、まるで先の読めない展開に眩暈を覚えてしまう。身近なところに潜んでいる「青天の霹靂」に翻弄される人間の悲しさ、切なさが痛切に伝わってくる。開き直りなのかどうかわからないけれど、そこから狂気への転落は紙一重なのだ。誰がそれを非難できよう。何度となく出てくる手の平を返したような人間の変貌に戦慄を覚えながら呆然とす。 | ||||
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普通の主婦のたくましさに拍手。夫の起こした放火事件がきっかけで、なりふりかまわず、こんなにも強く変われるのかと驚いた。新居や子ども、平凡な暮らしを必死で守る母親の行動力には、すごいものがあると思った。上巻は、警察組織の内情を興味深く読んでいたけど、下巻になったら急展開。ええ〜っという、驚きの連続。書いている作家も、面白くて筆を止められなかったんじゃないだろうか。 | ||||
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平凡な主婦が落ちる底沼の恐怖を感じました。いつ我が身に落ちてもおかしくない恐怖が描かれていて、恐いと正直思いました。登場人物は平凡な主婦、暴力団から逃れられない少年、心に傷を持っている警察官。事件の進行よりも登場人物の変化、人間の変貌が、読んでいてグイグイ引きこまれます。死と戦う恐怖や暴力の恐怖というより、犯罪に巻き込まれたり、今までの日常生活を失われる恐怖、世間に好奇の目で見られる恐怖、自分が自分でなくなる恐怖など、読んでいて主婦の変貌が人事ではないように思えました。 | ||||
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「空中ブランコ」なんてほっといてこっちだけ読んでいればいい。 何が起こるか、よりも、登場人物たちがどう感じ、どう動くのかが気になる精緻な作品。表現がきれいにまとまり過ぎていて物足りない部分や「ベタだなぁ」と思うところもないではないが、よかった。 | ||||
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同作者の「最悪」が圧倒的に面白かっただけに(こちらは星5つ!)、同系統の「邪魔」はどうしても2匹目の何とかを狙った感がぬぐえない。とはいえ、一見無関係な人物たちが、徐々に一つの物語に収斂していく際のドライブ感(特に下巻の後半における吸引力)は凄まじいものがある。駅のホームで読んでいたら、きっと乗り過ごすだろうし、ナイトキャップのつもりで手に取ったら運のつき、貫徹は避けられまい。読まねば損。読んだらぜひ「最悪」も読破すべし。 | ||||
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メインの放火やその他の事件を契機に、サラリーマン家庭、刑事、不良少年などがそれぞれ破綻、もしくはパニックに陥っていく。ストーリーは次々と意外な方向に展開していき、飽きさせない。結末は明るいとは言い難いのだが、読後感は妙にからっとしている。こういうエンディングは、私はわりと好きです。「最悪」との比較は好みの問題でしょうが、派手目の「最悪」に対してシブ目の「邪魔」といったところでしょうか。 | ||||
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「インザプール」「空中ブランコ」で、すっかり奥田ワールドにはまった私ですが、本書や、「最悪」には手を出せないでいました。圧倒的な重量感、タイトルから来る威圧感。意を決して読み始めたところ、上巻を2日で読み終わりました。設定が身近であるということ、一人一人の人物描写が細やかで、容貌までがまぶたの裏に浮かぶほどでした。読みやすかったです。読み終わって、謎解きはどれも全く解決していないので、早速下巻を読まなくては、と思いました。特に、及川夫はシロか、クロかが気になって仕方ありません。「インザ、」や「空中、」のような笑える話ではなく、別の作家の小説を読んでいるような感じですが、ぐいぐいと読者を引きずりこんで読ませてしまう筆力は奥田氏ならではです。 | ||||
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嗜好として,もともとミステリーはあまり読んできませんでした.奥田英朗は好きで,氏の作品をもっと読みたいと思い,ダメもとで購入.私のミステリー嫌いを克服させてくれたのは本書です.『最悪』と比較してのレビューが多く,ほとんどの方が『最悪』に軍配を揚げているようですが,私は本書のほうが好きです.といっても,理由は,本当に個人的な好みの問題で,小説としての出来でいえば,確かに『最悪』のほうが良質なのかもしれません.どこにでもある風景の中に湧き出てくる“邪魔”.ほんの些細なことから,人から恨みをかってしまったり,今までは自分とは無縁と信じていた犯罪に巻き込まれたり….「ありえるなぁ」と思わせるのが,『奥田ミステリー』の凄さでしょう.ハラハラドキドキ感とともに,切なさも感じられる本書.おもしろかったです. | ||||
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