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(短編小説)
カザリとヨーコ
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カザリとヨーコの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全112件 101~112 6/6ページ
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不思議な小説集である。ミステリーともホラーとも純文学ともいえないさまざまなストーリー。強いていえばSFか(science fictionでなくspeculative fiction)。テッド・チャンの「あなたの人生の物語」が似た雰囲気を持つ。ある特殊な状況が設定され、その設定の中で登場人物たちが動く。その特殊な状況の実在性とか現実性とかに疑いをはさむ間もなく、話は展開し、いつのまにか読者は登場人物と同じ視点に立つ。さまざまな特殊状況を考えつくこと自体も大したものだが、それ以上に、読者をそこまで引っ張れるだけの筆力がこの若い作者にあるということに驚愕した。すでに他作もあるので、この作者の才能は本物なのだろうと思った。 | ||||
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ホラーテイストな小説には少し抵抗があって、今回初めて読んだのですが、この先どーなるのっ?と気になってアッという間に読み終わってしまいました。全体的に退廃的なムードが漂っていますが、何気に人間の愛憎がテーマになっていたりして、ホラーなだけでなく、思わず考えさせられてしまうような深みがありました。文章もまわりくどくなく、静かに進行していくので、ジワジワと効いてきます。追いつめられた時に見える人間の本音が、時に残酷に、時に切なくさらなる恐怖心をあおります…。 | ||||
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乙一の本は初めて読んだ。GOTHはけっこう前から買ってあって本棚にあるのだが、気分が落ちる様な気がしてついつい保留されたままになっていて、結局ZOOを先に読むことになった。乙一評判を散々聞いていたのに失望なし。帯に書かれいるような「何なんだ」という評価に納得がいった。様々なジャンルを独特の表現でぶつかり合うことなく混ぜ合わせてある。個人的にはホラーやミステリーより現代小説等の方が好きなのだが、面白い作家が出てきたなとワクワクさせられた。他の人が書いているように「ネタ」としてはどこかで見た事があるようなものが確かに多かった。でも僕はトリックや謎解きより、それに向ける視点の独特さの方を重視するので全然問題はなかった。個人的に良かったのは「陽だまりの詩」で単純なのに感動した。あまり感動できないタイプの僕としては、こんな純粋な感動は久しぶりだった。創り出せない痛みと窓の飾りの音の美しさが絶妙に染みてきて良かった。他には「SO-far」「神の言葉」「SEVEN ROOMS」が面白かったと思う。派手で特異な設定の中で、単純で純粋な人間の痛みや優しさが見えてくるギャップが、きっといいんだろうと思う。全然カラーが統一されてない短篇集なので、それぞれに別の当たりがあると思います。好きなジャンルじゃないなと思っている人も買ってみて損はないと思います。 | ||||
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オビの文言で思わず手に取ってしまった。色も音も臭いも何もないような世界観の作品もあれば、にぎやかな曲がバックに流れてそうな作品もある。一人称を使ってはいるが、そこになんとなく違和感を感じた。なんと言うか、登場人物を通して、もうひとりの誰かがそこから物語を傍観してるというか。人間らしい感情がそこには存在していないというか。この本では何事もなかったかのように人が死んでいき(結構エグイ)、僕は途中気分が悪くなった。でも最後の2話は、妙に人間らしい話であるように感じ、読み終えたとき、その気分の悪さも少しは緩和されたような気がした。 | ||||
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マジで、「何なんだこれは」です。読んでない方、今すぐ買いましょう!!絶対に高くはありません。書評家が「感想書きづらい作品」と言っていましたが、まさにその通りです。「何なんだこれは」が一番この作品を表していると思います。だから、自分で読むしかないのです。いろんな気持ちになれます、が、一番はやはり「驚き」でしょうか。乙一に対しての。 | ||||
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SF、ホラー、ミステリといったジャンルを横断し、プロットひとつで鮮やかに一つの世界を構築するイマジネーションには驚嘆した。若々しさを通り越して、無邪気で未熟ともいえる視点はユニークで、毒を孕んだ瑞々しい感性は麻薬的だ。文章のリズムも独特で、媚びや青臭さがないのがいい。 | ||||
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文庫本化を待とうなどとは考えずに今すぐ買ってください。ZOOは短編集ですが、この中の1編も読んだことがないのでしたらそれは大変幸せなことです。会社・学校の休み時間、電車の中で読んではいけません。11:00PM~02:00AMが読み始める最適の時間です。テレビはつけずに音楽もなしで、(コーヒー・チューハイ・煙草は可)1人きりの部屋で1冊を読み切ってください。配偶者や子供には、深夜カラオケで朝まで過ごすようにと命令して、多少のお小遣いをあげて追っ払い、雑音なしの完璧な環境をつくってから、読み始めてください。ZOOを初読する機会は一生に一度しかありません。次の朝寝坊して遅刻したら、"ZOO遅刻記念だ"とつぶやいてください。ZOOと過ごす!夜を大事にして浸ってください。 | ||||
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前作「GOTH」で一世を風靡した乙一の新作短編集。ほとんどが既に雑誌等に掲載されたものを集めた短編集だが、どの作品でも「乙一ワールド」が楽しめる。本の帯に「何なんだこれは」という北上次郎氏のコメントがでかでかと書かれているがまさしくその通り! ミステリなのかホラーなのか、なんともジャンル分けのしずらい作品が集まっているものの、そこに共通しているのは読者をひきつけてやまないエンターテインメントの世界があることである。 個人的には、表題作「ZOO」「SEVEN ROOMS」「カザリとヨーコ」は怖さを感じる傑作だと感じた。次回作も楽しみな作家だ! | ||||
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相変わらず変な話ばかり10編。この作者の頭の中を見てみたい気がします。どうしてこんな変な話ばかり書けるのでしょうか。 この短編で10個のプロット惜しげもなく使っていますが、もう少し膨らませれば中篇に出来るような物もあり、「アア~もったいない」と思ってしまいました。あまり多作の作家ではないので。 ミステリーでもホラーでもなく、既成のジャンルで括れない変な話です。お勧め。 | ||||
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乙一の新作。今回も最高でした。かって1日で読みきり、読後はおいしいものをたくさん食べたときのような満足感がありました。背筋が寒くなる話しも書けば、涙が出るほど切ない話も書けるのが乙一の魅力。今までは、本によって「怖い」しか味わえなかったり「切ない」しか味わえませんでしたが、今回はどちらも含んだ短編集。淡々とした文章で、贅肉がなく読みやすいのもいいです。どちらかというと、若い人向きかもしれませんが、絶対はずれないので1500円は安いです。 | ||||
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表題作の「ZOO」を含む10作の短編が収められた乙一さんの最新刊。 作品によってその完成度に違いはあるものの、どの作品にも「絶妙のバランスで描かれた奇妙な世界」という、あいかわらずの乙一ワールドぶりは健在です。かなり不思議な世界なのに、読んでいてぜんぜん違和感を感じないのは、著者の類まれなる才能の所以なのでしょうか。まさに、チューニングの狂った楽器で演奏された心地よいBGMといった感じ。読んでみると「何なんだこれは。」という感想を述べた北上次郎さんの気持ちもわかる気がします。 一つの作品はどれも30ページほどで読みやすく、昼休みなどの空き時間でも充分読めます。仕事や勉強の息抜きにピッタリです。間違いなく、この夏オススメの一冊でしょう。 | ||||
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乙一氏のホラーとミステリにまたがる短編集新刊。前作『さみしさの周波数』がヤングアダルト向け(ないしジュヴナイル)だったことを割り引いても私にとってはかなり期待はずれだっただけに、ある意味待望の新刊です。ただし、本作は10篇中書き下ろしは1篇「落ちる飛行機の中で」のみで、『小説すばる』掲載6篇を含む既出9篇となっており、厳密な意味では新作ではありません。いつもの乙一氏の作品と同様、どの作品をとってもホラーともミステリともユーモア小説とも取れる一言では評し難いビミョーな作品が並びます。特に、死体写真が送りつけられるという設定の「カザリとヨーコ」はある意味で『GOTH』的な物語で、新しいタイプのミステリないしクライム・ノベルの誕生といっていいのかもしれません。 | ||||
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