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薔薇密室
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薔薇密室の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.55pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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舞台は豪華だが物語は貧弱。 大戦中のドイツ、薔薇と融合した青年、奇形の三つ子(?)、年を取らない美青年他にもおどろどろしい設定満載。 雰囲気は楽しめるが突っ込みどころが満載。 ツゴイネルの虐殺は何のため? 生き残った少年はどこへ? 薔薇と融合した美青年は何の役割も果たさない。 コンラートはいなかったことに。(思うに収拾つかなくなったからじゃないか?) 読者をはぐらかしまくり。 どうやって物語をまとめるかと思えば小説の中の創作(?)夢落ちに近いものがある。 皆川作品にありがちなのでファンは納得するかもしれないけど慣れてない人は「なんじゃこれ」でおわる。 ああ、それと密室犯罪は起こりませんあしからず。(ご丁寧に僧院の見取り図もあるのにw) | ||||
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皆川博子氏の『死の泉』は恐らく日本で唯一Lebensbornの話を扱った小説だと思うが,この『薔薇密室』も第1次世界大戦からナチスの時代までの怪しい部分を描いたもの。この人の小説のキーワードはNekrophilie,Nationalsozialisten, Juenglingsliebe,Menschenexperiment など媚薬のような毒っぽい趣味的なものがちりばめられている。そういうのがお好きな方は部分的な描写だけでも楽しめるのだろう。 人物のドラマツルギーよりも心理的な怪しい耽美観を優先する小説だと思う。本当に趣味の本だ。ただ,ナチスなどの史実に関しては沢山の事物が節操なく登場するのはいかがなものかと思います。『オリンピア』や『ヒトラー少年クヴェックス』,『メトロポリス』,『カリガリ博士』,『ゴーレム』などUFA映画の超有名どころが単なる名詞の羅列として出てくるが,あまりにも有名どころオンパレードな列挙の仕方なのでこういう何でもありの点は「おー」というディープなオタク趣味っぽくないのでつまらない。 逆に「灰色のバス」の描写が出てきても「ハダマー」は出てこない。ドイツ文学の著作名の羅列でも Goethe "Goetz von Berlichingen mit der eisernen Hand" を『鉄腕ゲッツ』というのは日本ではほとんど使わない題名である。通常の表記『ゲッツ』または『ゲッツ・フォン・ベルリッヒンゲン』ではまずいのか?どうしても「鉄の腕(義手)をもつ」という表現が入れたかったのであろうか?著者の知識がどの程度深く,(おそらくその手の知識をもっている)読者をうならせるものかが分かりかねる心許なさがある。 文章論としての文体は確立されているので文章そのものには申し分ないと思う。そういう意味では文芸作品として瑕疵はない。 私は皆川博子氏の小説になんら批判する気は全くないが,その手の題材を取り扱う場合に,多少は感情的なもの,人間性のあるドラマツルギーを構築していただければと思う。内容が内容だけに単なる趣味的なもので充ち溢れた小説では社会倫理的に問題があると思う。(日本の小説だから許される部分はかなり多いと思う。)なぜなら私は600ページを超えるこうした作品を書く著者の熱意には尊敬をしたいと思うので,この人の作品を「キワモノ」とは言いたくないからである。 | ||||
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複雑な構成、語り手さえも自分が誰なのか認識できなくなる危うさが読者にも感染してきそうな味わいは評価。ま、後半それはマンネリ化してきて展開まるわかり、すぐ慣れますが。 死、薔薇、男娼、狂気、ナチといった頽廃耽美趣味→それを上回るネガティブイメージの累積に完全に埋もれてしまって、結果的に単なる醜いもののてんこもりに堕してます。 辛酸の中でも「善」を捨てようとしなかった登場人物に用意された幸せ→そういう話ではないと知りつつ、どうでもいいような結末に納得はゆかず。 ぺダンティックなまでに書き込まれた背景→矛盾が生じると幻想(それも薬物・脳梅のどっちかにキマリ)でかわされてしまう展開。それが何度も来るので読みながらツッコミたくなるほど。 読後感としては非常に後味悪かったです。いろいろ盛り込もうとして未消化なまま放っぽりだした感も強く、どこを楽しめばいいかも不明。 | ||||
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