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小説の評価:

4.00/5点 レビュー 34件。 B ランク

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平均点4.00pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全11件 1〜11 1/1ページ
No.11
(3pt)

次作に期待

中盤までは間違いなく面白かった。
 自分も物語を読むことを人生の中心に置いているので、主人公に共感できる部分もあった。
 読書を人生の目的にするのはもちろん構わないのだが、結局趣味というのは程度問題で、人生の骨格になるのは生活することであり、それには働いて賃金を稼ぐことや老後のために貯金することも含まれる。それを阻害するほどに、趣味の本を買うお金にも困るほどに、労働が難しいくらいに、本にのめり込んでしまえば、それは問題になる。人生のバランスを欠く。
 昔問題になったオンラインゲーム依存症もオンラインゲームを趣味にすること自体ではなく、生活ができないほどにオンラインゲームにのめり込んでしまうことが問題だ。
 後半の唐突なファンタジー展開にはかなり置いてけぼりにされたが、主人公と友人の物語としては感動はあった。
 しかし、主題となる小説の意義や読むだけではいけないのかという問いに対しての答えは、あまり関心を抱けなかった。
 勿論、この本を読んで『答えを得た』という風に感じた人を否定するものではないが、自らの人生の主題となる趣味への意義くらい自分で考えてもいいのでは? と思う。
 自分は物語が好きで、結局どのジャンルでも物語は文字で構成されるものだから、媒体がアニメだろうが映画だろうがゲームだろうが小説だろうが関係ないのだけれど、特に今回の主題に限って言うなら小説を読む理由なんて『自分にとって面白いから』で十分ではないのか?
 面白く感じないなら、別に小説を読む必要なんてない。
 昨今若者はどんどん長文が苦手になっていると聞く。それが楽しいのなら、運動するのでも、旅行に行くのでも、恋愛するのでも、別に趣味はなんでもいいと思う。
 大事なのは自分にとって楽しいことで人生を満たしていくことだし、その趣味に依存し過ぎて生活を破壊するくらいに信奉することは避けることだ。
 この本を読んでも別に万人にとっての正解が小説を読むこととも思えない。好きにすればいい。

 自分は野崎まどの作品だとバビロンのⅡが一番好きで、作者の特徴は積み重ねて積み重ねて、終盤で一気にひっくり返したり、伏線を回収したりする物語の気持ちよさだと思うんだけど、最後のぶっ飛び方があまりにも荒唐無稽だったり、観念的だったりすると気持ちよくノれなくなってしまう。それがイヤなカタチで発露したのが正解するカドだったと思うんだけど、今作もファンタジー要素にそのケを感じた。
 積み重ねからのぶっ飛びに納得感がありながらも、新天地に至ったみたいな感覚になる、例えば『know』みたいな作品がもう一度読みたい。
 野崎まどでしか味わえないものがあると思っているので、次作に期待。
小説 Amazon書評・レビュー: 小説より
4065373263
No.10
(3pt)

本作は終盤での急展開による戸惑いはあったものの、全体として非常に楽しめる小説であった

この小説を読んでいて、何度も失笑する場面があった。(失笑とは笑いを我慢できずに吹き出してしまうことであり、決してネガティブな意味ではない。)小学生ながら既に達観した大人のような内海集司と、奇天烈な外崎がモジャ屋敷で髭先生や学校の先生とやり取りする場面は特にコミカルである。行間や改行を最小限に抑えた文調が軽妙なテンポを生み出し、機知に富んだ文章が随所に光っている。この軽快でフレッシュな文体から若い作家を想像したが、野崎まどは45、6歳だという。たしかに全体的に重厚で堅実な文章も見られ、ベテラン作家の熟練した技量も感じられる。

中学生、高校生になると外崎の文才が認められ、髭先生も二人への扱いを区別するようになる。このあたりでは内海のプライドの高さを思うと切なさを感じる場面である。
社会人になってからは二人とも世捨て人のように社会から孤立した生活を送る。内海は外崎の類稀なる文才を認め、小説家として成功するよう外崎を世話しながら発破をかけ続ける一方、自身は、最低限の生活水準をバイト収入でなんとか保ち、ほとんどの時間を小説を読むことに費やす。その小説との向き合い方には常人離れしたストイックさを感じるが、内海はこの頃から徐々に小説を読むことが現実逃避のように思えて罪悪感を抱くようになる。この辺りの描写は学生時代と比べると救いの光がなく、少々息苦しさを感じる。それでも外崎が文芸賞を受賞できたことは一縷の光であった。

内海と外崎が決裂する場面も非常に印象的であった。外崎の無邪気な「小説を書かないの?」という問いかけに内海が鬱積した思いを吐露する。ただただ小説を読むことは、そんなに駄目な事なのかと。正直、なぜにここまでに内海が拗れてしまったのかが気になった所でもある。

物語終盤にあたり内海が外崎を探し始めるところから、一気に哲学的かつファンタジー的な展開へと進む。宇宙やギリシャ神話、ケルト神話、古代寓話などが矢継ぎ早に展開され、それまでの内海、外崎の関係性にフォーカスしたヒューマンドラマから一転して著者の思想や主張が爆発したようなエッセイ的な色合いが強くなったように感じられた。「小説とは何か」「読むこととはどういうことなのか」の問いに対する著者の持論が凝縮されている。その内容は2度読みしてもなお意図を完全には汲み取れないほど深遠である。

終盤での別の著者が書いているのか?と思うほどガラッと世界観が転換することに対する戸惑いはあったものの、全体として非常に楽しめる小説であった。学生時代の二人がモジャ屋敷の書庫で小説に没頭している描写については、本当に微笑ましく、読書好きには羨ましくも感じられたことであろう。
小説 Amazon書評・レビュー: 小説より
4065373263
No.9
(2pt)

最初と最後だけやたらと文がうまくて、中間はまるで別の人間が書いたのかというほど下手。

試し読みで良い文章書くなと思って買ったが、途中から疲れたのかそれともただの勢いで書いたのか急に下手になって、それから最後の方になるとやたらに力が入っていたように感じられた。
一つ気になったのは、主人公や登場人物の名前をフルネームで書いたり下の名前で書いたりあやふやになっていて、これが一人称でやるならともかく三人称なのだからする全くそうする必要がないことを理解していない所。
あと風景描写がやや希薄に感じた。一人称ならばともかく三人称なのに「あまり」という言葉を使うのは三人称でやる意味がない。事細かに書けというのではなくて、主観的な文章を使うのがナンセンス。この「あまり」は人によって違うのだから、どの程度なのかを明記しておくべきだった。その上で「登場人物からしてあまり~」とやるべきだったろう。
ストーリーは知らん。文章が下手になったところで読むに堪えなくなったので読むのを辞めた。帯に「最後の一行に全て濃縮される」みたいなことを書いてあったので最後の一行を読んだが、最後の行は「小説という」だけだったので、恐らく最後の段落と言いたかったのだろうと思う。段落も行も分からないようでは現代小説はもう読む価値はない。
小説 Amazon書評・レビュー: 小説より
4065373263
No.8
(2pt)

最後の方がキツかった

序盤は楽しく読めましたが、終盤は非現実的な雰囲気が強くあまりハマりませんでした。
小説 Amazon書評・レビュー: 小説より
4065373263
No.7
(3pt)

若者向け

小説現代を図書館で借りて、半日で読破しました。ななめ読みですが、4分の3は、よかった。最後のストーリーの流れにはついていけなかった。読みやすい本ですが、初老の私にはよくわからないところもあります。若い方には、受けているのでしょう。
小説 Amazon書評・レビュー: 小説より
4065373263
No.6
(3pt)

面白いけど

この先がどうなるか気になりドンドン読み進めたくなったけど、ちょっと不思議な感じの話だった
自分が感じ物が正しいかも分からない
だけど、こんな世界もあるんだと思えた
小説 Amazon書評・レビュー: 小説より
4065373263
No.5
(2pt)

野崎まどさんの作品としては少し物足りなかったです

野崎まどのファンで、最新作ということで迷わず購入しました。ですが、これまでの作品にあったようなドキドキする展開や意外性があまり感じられず、読後感もやや淡白でした。
これまで読んだ野崎さんの作品の中では、正直一番刺さらなかったかもしれません。期待値が高かっただけに、少し残念でした。
小説 Amazon書評・レビュー: 小説より
4065373263
No.4
(2pt)

小説とは何なのかを考えさせられた

自分にとっての小説とは何なのかを考えさせられましたし、小説家の物語を書くことに対する想いと大変さを感じることも出来ました。小説家の方々が産み出した物語をただ楽しめている自分は幸せ者なのだと思いました。
でも正直この作品は読んでて面倒くさかったしそんなに面白く感じることもなかったです。自分は別に哲学的でもないし、もっと分かりやすい物語が好きだし、本を読んでて特に思い詰めることもないので読んでてイライラしました。
この本を読んで救われたと感じてる人もいるみたいだけど、ちょっとヤバいっすよ。本読んでる場合とちゃうで(笑)
小説 Amazon書評・レビュー: 小説より
4065373263
No.3
(3pt)

序盤ワクワクした。

なるほど、当たり前の話。小説とは虚構ってことでしょ。でももう少しロジカルに作って欲しかった。外崎と内海のタイムスリップも虚構ならではで小説ならではだが、ファンタジーになってしまってちょっと落胆。でも面白い小説ではあったと思う。私には刺さらなかったが。
小説 Amazon書評・レビュー: 小説より
4065373263
No.2
(3pt)

うーん、終わりがな

前半から中盤は引き込まれる。
謎めいた小説家と、主人公2人の学生時代は興味深いのだけど、加速度的に大人になって内容が薄くなっていく。

せっかくキャラ的に立っている現実社会が、ファンタジー混ぜたことによって色あせてしまった。
小説 Amazon書評・レビュー: 小説より
4065373263
No.1
(2pt)

「小説を読む意味は何か?」というテーマは悪く無いのだけどいささか観念論に走り過ぎている感が

講談社タイガで発表していた「バビロン」が停まってから妙に寡作となった野崎まどの新作。

物語の方は墨田区で病院を経営する医師の息子として生まれた内海集司が小学校の図書館で別のクラスの児童である外崎から「竜馬がゆく」の感想を尋ねられた場面から始まる。

単純に「面白かった」と伝えるだけでは「竜馬がゆく」という作品の面白さを伝えきれないがクラスが異なる事で大した付き合いもない外崎に細々と語る義理も無いと思った集司は黙って「竜馬がゆく」の1巻を貸すがその一冊が外崎の思いもよらない読書欲を刺激する事に。

そんな形で付き合う事になった二人はある日教師から学校の近所に有名な小説家が住んでいるという話を聞きつけて大胆にもその家に忍び込む事に。敷地内に侵入したは良いがその先を考えていなかった二人は結局呼び鈴を鳴らすが出てきたのはモジャモジャ髭の得体のしれない男だった。

言葉に詰まった集司の横で髭の男に対して外崎が投げ掛けた「小説って書けるんですか?」という問い掛けを切っ掛けとして集司と外崎、そして名前もよく分からないモジャモジャ髭の小説家の先生との付き合いが始まるが……

うーん?野崎まどを追って10年以上は経つと思うのだけど、随分と作風が変わったなあという印象。作風が変化しているという印象は前作の「タイタン」でも感じ取れたけどもメディアワークス文庫や電撃文庫で発表していた頃とも「バビロン」とも明確に路線を切り替えて来た……といえば聞こえは良いかもしれんが率直に言うと観念論くさい。

物語の方は医師の息子として一方的な期待を寄せてくる父親を喜ばせる為に本を読み始めた内海集司とひょんな切っ掛けで知り合う事になった異常な集中力で本を読む以外は何かにつけて集司に頼りっきりの外崎という二人が本名すらよく分からないモジャモジャ髭の先生と関りあいになりながら長い付き合いを続けていく様を追っている。

218ページの本文のうち135ページ目まではおよそ「助走」と言って構わないかもしれない。文才の片鱗は見せながらもパッとしなかった外崎が高校の頃に髭先生に見せて貰った原稿にあてられて「小説を書きたい」と志す様になるまで傍で支え続けた集司が30歳近くになって外崎が初めて受賞するまでは完全に二人の関係を読者に印象付ける為にあったのだと言って良いかと。

外崎が社会に認められた事で集司が初めて自分が抱えていた想いに気付き、そのありったけを外崎にぶつけてしまった瞬間からこの物語は加速を始める。

「小説を読んで何かしたいと言ったか」
「小説から得た物で現実を変えたいと言ったか」
「俺は読みたいだけだ」
「駄目なのか」
「それじゃ駄目なのか」
「読むだけじゃ駄目なのか」

……集司が外崎に投げ掛けた問いは長い付き合いを続けた友人にぶっすりと突き刺さるのだけど、より深く突き刺さるのは読者の方じゃ無いかと。少なくとも自分は、読んで偉そうに感想もどきを吐き出すだけで自分では書こうとしない俺にはぶっすりと刺さったぞ?

上で後半まで延々と助走が続くと申し上げたが、逆に言うとこの集司が想いを吐露する場面の効果を最大化するという意味で二人の長い付き合いは語られる必要があったと思ったしこの場面を味わえただけでも本作を読む意味はあると思う。

そこから先は集司に思い切り感情移入して「酷い事を言ってしまった、どうしよう」と蒼ざめながら読む羽目になったのだが……ここから物語は思わぬ方向へ。

姿を消した外崎を追って集司ははるかアイルランドまで飛ぶのだけども、話がここからティル・ナ・ノーグに代表されるケルト神話の世界にぶっ飛んでいくので正直面食らった。サスペンスからユーモアものまで幅広い作品を書いてきた野崎まどだけどリアリティラインは割と安定した作家だと思っていただけにシームレスにファンタジーの世界へと飛んで行っちゃうとは予想外。

いや、面食らうという意味ではこの作品最初から文体が異様にシームレスなのである。冒頭の芥川龍之介の世界から小学生の集司の視点に飛び、そこから時間が巻き戻って集司の父親の話が始まったりと意図的に読者を振り回す様なスタイルなので慣れていないときつい……いや、むしろ野崎まどの文章とはこうであると固定観念に囚われている分、既存の読者の方が文体についていくのにキツい部分があるかも。

この四方八方に振り回されるような物語の果てに集司とその視点を借りている読者は「小説とは何か?」「小説を読む意味は何か?」という問答へと誘われる訳だが……まあ、観念論の世界が一方的に展開されるので「これ『小説』なんだろうか?」といよいよ目を白黒させる羽目に。

観念論めいた問答が好きという人も世の中にはいる事を否定するものでは無いし、どうしても抽象的な論議を交わす場面が避けられないという作品もあるのだろうけど野崎まどがこういった世界に旅立ってしまうとは思ってもみなかった。

メディアワークス文庫で発表していた諸作品や「バビロン」のイメージで手に取ったら相当に頭を抱えそうな作品。野崎まどの進むべき方向ってこれだったのかなあ、これで良いんだろうか、と読み終わって不安になってきた事だけは申し上げない訳にはいかないだろう。
小説 Amazon書評・レビュー: 小説より
4065373263