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底惚れ
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底惚れの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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この著者の最高傑作の一つと思います。短編小説を長編小説に発展させた手腕に唸らせれました。山本周五郎、藤沢周平に並ぶ時代小説家と思いました。お勧めです! | ||||
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「底惚れ」を読んでいてずっと頭の中で違うジャンルの ことが浮かんでいてこれはそのジャンルに置き換えたら 面白いんじゃないかと思いながら読んでいました。 最後の台詞「そっとしとこうや」でこの展開と終わり方は、 読みながら思ってた落語みたいでまさにサゲの台詞のよう。 最近、「碁盤切り」という草彅剛さん主演の映画が公開 されましたが、この原作は「柳田格之進」という落語が 元になっていて逆に小説が落語になっても面白いかも... 出来ぬ相談ですが三代目志ん朝さんあたりが落語「底惚れ」 を演じたらさぞかしいい話しになったような気がします。 サゲもそうですが「底惚れ」も落語の演目名にピッタリです。 江戸時代の女郎屋の詳細な仕組みなどを少ない人物回しで テーマをブレさせず語り継ぐ筆力と展開の妙はさすがで、 「底惚れ」の向かう先は意外でまさに灯台下暗しでした。 | ||||
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青山文平の書く主人公のひとつのパターンとして、思索は饒舌この上ないのに、言葉にはその百分の一も出さない、というのがある。つまり主人公の内心を知るのは読者だけで、たいていそれはひとつのことをパラノイア的に思い詰めている。その常軌を逸した思い詰めぶりに共感あるいは羨望できるかどうかが好みの分かれ目となる。行動原理は「藩のため」「義のため」と作品によって様々だが、本書は「愛のため」(照れによって「恩のため」に置き換えているが)で、直球ど真ん中で攻めている。主人公含め4人が個人的な「愛」を至上として動く爽快な物語だ。タイトルは作者が複層的な意味を込めた「よし」でもよかった。読めて幸せな一冊だ。 | ||||
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ひとつの世界観を確立しているお話。 江戸言葉、良くは知らない自分だが、なかなかかっこいい。 まてよ、上方言葉でもなかなか行けるんじゃないかと思う。 一言でいうと、自分をわきまえるってことかな。 青山文平の本は、いくつか読んでいて、先日、やっと訪れた春に、を読んだばかりでした。 多彩ですね。 | ||||
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面白かったです。どんでん返しの結末で、笑っちゃいました。 一気に読みました。 | ||||
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これぞ大人の世界 最後にあっと言わせて 泣かせるくだりに 嬉しくやられる | ||||
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武家の下働きの男が、紆余曲折を経て遊女屋を開き増やしていく。 そんな話なのですが、店を開く目的をあきらかにしてブレずしっかり伝える、働く者にとってよい店にする、働くものから選ばれる店になるなど、今のビジネスの世界でも大切なことがしっかりと書かれています。 また、元武士で岡場所の辻番をしているひとかどの人物の 武士の一分とかで一杯でさ、その実、頭ん中空っぽだった。受け売りばっかで、てめえじゃあ一寸も考えてなかったのさ。 という言葉が身に染みました。 人は置かれた環境で世界が決まってしまい、その世界の常識に縛られてしまう。 しかし、ひょんなことでそこから出てしまうと、なぜあんなことを考え行動していたのか? と不思議に思うのです。 自分の生きている世界を変えるのは難しいですが、変えてみたいと思える言葉でした。 本を読むと、今自分が関心があるところに惹かれますね。 次に読むと、また違った気づきがあるかもしれません。 素晴らしい小説でした。 | ||||
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小生、いつも参考にさせて頂いている方々の様な気の利いたレビューは書けません。 でも作者には底惚れしています。 | ||||
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この本を読み始めた時に、あれ、これは前に読んだことがあるぞ、と思ったのだが、「江戸染まぬ」という同じ作者の短編集の中の同名の話を展開させてものであることに気づいた。私はそれを2020年12月23日に読んでいるが、その時の感想文には(私は読んだ本は記録している)、「旗本の手付きとなったが、子を残して里に戻される女と、それを故郷まで送り届ける男の話。表題の作品なのに、よく呑み込めなかった。」と、他の作品と比べてもあまり高くない評価の感想が残っていた。 作者は、私の評価を聞いたわけではないだろうに、この「江戸染まぬ」になにがしかの思い入れがあったのだろうか、前作では殺しておいた男を生き返らせて、こんどは前の作品と違って登場人物を生き生きと描いているのだった。私がこれを書いているのは赴任先の外国で、この本はKindleで読んだ。一方の「江戸染めぬ」は紙の本で読んだのでそれは自宅にある、よってその時の文体とこの本のそれとを比べられないのが残念だ。 この本は調子が良い、どういうことかというと、主人公にペラペラと喋らせて、これまでの青山氏の文体とは全く異なる書き方なのだ。それでいて飽きもせずに読めるのは、青山氏の力量と、忠実な時代背景にあると思う。今回の話の背景は江戸時代の廓である。当時の一般的な女郎宿は、六畳一間の部屋に三組も四組も床を敷いて衝立を立てただけなので、隣の目合い(まぐわい)の様子が聞こえるとか、女郎は一人の客につきっきりではなくて、二人の客の間を行ったり来たりしていた、とか、綿の入った木綿の布団などは高価で使っていなかった、など、その時代考証の成果を思いっきり述べて、ほほぅ〜、と言う感じで読むものを楽しませてくれた。 私の好みとすれば、重厚な武士世界を描いたものが好きだが、この本の場合は、青山氏の小説に取り組む変幻自在さを目の当たりにしたようで、これはこれで楽しめた。どのように落ち着かせるのかと思ったが、終着の記述も思いがけないものではあったものの、心地よく読み終えたものである。 | ||||
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