■スポンサードリンク
残月記
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
残月記の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.22pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 1~20 1/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
遅ればせながら本書を読みました。ありえない世界をそうは思わせないように、卓越した文章力で紡いでいきます。奥泉光の芥川賞受賞作「石の来歴」を彷彿とさせる、すばらしい作品に久しぶりに出会いました。著者は想像力を感動に繋ぐことができる稀有の才能の持ち主だと思います。★★★★★以外の点数をつける人の見方が理解できません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この小説は長編として書いた方がよい ぜひお願いします | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とても重厚なSFファンタジーです。 生きづらい社会の中を逞しく生きる姿がとてもリアルに描かれています。 月の裏側を見てみたい、と思う一冊です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
月にまつわる3つのお話し ・月がひっくり返ったら、別人と入れ替わっちゃったので元?妻をストーキング ・枕の下に石を置いて寝たら、世紀末的な月世界に行ったり来たりで救世主 ・月見たら超人になる病気になって、政府主催の闇地下闘技場でバトルしてたら恋しちゃいました キャラや設定、世界観の作りこみが凄い 細かい 子供時代、親友との別れのエピソードがあった こちら的には、大人になってから悲しい再会するんだろうな、と思ってたが 出ない キャラを語るうえで深みが出たが・・・ 伏線じゃない こう言うエピソードを入れるってことは、 こうなるだろうなって言う予想を外していく その世界観なのに そこにスポットを当てて そう言う話しになってくんだとビックリでおもしろい | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作品は出色の出来! 素晴らしいイマジネーション。 しかしながらアマゾンの梱包は最低です。 もう二度と書籍は絶対アマゾンでは買わないと決めました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
1年前に買ったものだが、収録3編中の1編だけ読み、残りは積ん読していた。 その間に本書は吉川英治文学新人賞と日本SF大賞をW受賞(史上初)する快挙を成し遂げていた。それを知って、あわてて残りを読んだというしだいである。 月にまつわる、3編のダークファンタジーないしSFを収めている。 3編とも傑作だが、中編といってよい長さの表題作がとくにすごい。狼男伝説をベースにしつつ、近未来日本のドス黒い偽史を緻密に構築し、その土台の上に、感染症「月昂」に侵された者たちの壮大な悲劇が展開される。 感染症「月昂」にまつわる設定の一部は、ハンセン病の悲しい歴史を下敷きにしているのだろう。と同時に、コロナ禍のメタファーであるようにも感じられる。 だが、本作が『小説推理』に短期連載されたのは2019年で、コロナ禍の前なのだ。作家の想像力が生み出した予見的な作品といえよう。 相変わらず素晴らしい文章を書く作家である。とくに比喩表現。メモしておきたいような卓抜な比喩が随所にある。 デビュー作『増大派に告ぐ』に度肝を抜かれてから14年。寡作でマニアックな作家であった小田雅久仁が、ついに複数の賞に輝き、脚光を浴びたかと感慨深い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
月をテーマにした3作品、それぞれに個性があって不思議な物語。ストーリーや書き方が粗削りな所があるが、今後を期待できる作家さんだと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
"あなたらが見あげるまるいうすい銀箔な骨まで凍えきった月の死骸だ骨がらだ われらの月は生きている息づいている脈動している 夜の心臓のようにわれらの心臓の母のように"2021年発刊の本書は月をテーマに三作の異世界が収録された良作。 個人的にはディストピア小説好きということもあって本書を手にとりました。 さて、そんな本書は著者9年ぶりの著作にして2022年本屋大賞第7位、第43回吉川英治文学新人賞、第43回日本SF大賞受賞、23年『SFが読みたい!』国内篇第3位と評価も高い一冊で。 研究者として不遇な半生を送ってきた男がようやく社会的安定や知名度、そして家族というささやかな幸福を得るも【怪しげな満月の日に全て奪われてしまう】どこか純文学的な短編『そして月がふりかえる』月の風景が表面に浮かぶ石を枕の下に入れて眠ると【異世界としての月に連れていかれてしまう】女性を描いた短編『月景石』そして表題作の独裁者に支配された近未来日本、人々を震撼させている感染症・月昂に冒されつつも【剣闘士として戦い続ける】青年を描いた中編『残月記』の三作が収録されているのですが。 エンタメ度の高さでは中でもやはり表題作の『残月記』が面白く。ディストピアSFとして映像化してほしい。と脳裏にラッセルクロウ主演の『グラディエーター』日本版?的イメージを浮かべながら楽しませていただきました。 また『そして月がふりかえる』も、あまり救いのない話ですが。それまで堅実に生きてきても、魔が刺したとしか思えない【一瞬で社会から弾かれてしまう】現代日本社会にしがみついて生きる1人として、何とも隠喩的な作品だな。と、じわじわと。 幻想的な短編好き、現代日本的ディストピアSF好きな方にオススメ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
迅速・丁寧なご対応ありがとうございました。 次回もよろしくお願いします。 ありがとうございました | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
短編2と中編1の構成。一気に読みました。3作とも、質が高く並々ならぬ筆力。最近では一番の面白さです。このような作品は時間をかけて達成するのでしょうが、早く次作を期待したい。この様な作品を毎年発表する事は困難な事でしょうが、期待して待ちます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
月×ファンタジーは相性が良い。この作品もその例。一話、二話、三話はそれぞれ独立した物語だが、いずれも、月をテーマに重層的な場面設定になっていて不思議かつ儚さがある。 三話めの『残月記』では主人公、冬牙が母や一人の女性を思う気持ちが、透明で輝きのある細い月の明かりのようであり、冬牙が思う女性が月そのものとも思える。 作者が描く重層的で不思議な世界はファンタジーながら、読者自身が抜け出すことのできない今の世界にも大いに通じるところがある。読み応えがあった。 月のきれいな夜に読むには、ちょっと重い? ……読み終えると、月がより冴えて見えるかも。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今まで出会った事のない衝撃的な小説でした。読み応えのある、久しぶりに出会えた感動でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
月をモチーフにした作品が三篇収録されている。どれも一気に異世界に連れていかれる作品。異世界といっても日常をリアルに感じさせるのだが、実は現実ではありえない設定の世界が描かれている。「そして月がふりかえる」はまさに並行世界に迷い込んだ男の話。「月景石」は月を舞台にイシダキが月の御神木のようなものを救う話。表題作の「残月記」は月昂という病気に罹患した男女の物語。狼男と狼女が切ない恋をする話。どれも面白かった。ゆっくりと小説の世界に浸りながら読むと日常のような非日常を感じられる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
3篇の中ではやはり表題作が一番面白い。闘剣士の過酷な運命は映画「グラディエーター」そのままだが、ラストは映画のような爽快感はない。それだけに主人公の純愛に年甲斐もなく惹かれてしまった。 独裁者・下條は、モデル?となった某政治家の顔が浮かんで来て読んでる間可笑しくて仕方なかった。バカ息子がたくさんいるところなんかそのまんまだよ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
残月記が悲惨で悲しいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトル話が、突き抜けていて、この話単体で、映画化しそうと思った。ディティールがすごい。独裁者下條のダンディズム感とか、日村のキャラとか、現実史と重ね合わせてくる数々の事件やいかにもありそうな人物設定。悲壮感溢れる話が、進行していき、ラスト近辺では、静かに慟哭がせまる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
月がテーマの3作品。 どの異世界も、現実の世界からほんのちょっとズレたところに存在するかのようにリアルだ。 現実よりもむしろ過酷でふわふわしたところが一切ない。歯を食いしばって読み進めなくてはならないシーンもあるくらいだ。希望がない。 そんな果てしない暗闇に、一筋の美しい光。その切ないほどに美しいきらめきを手繰るように読み進んだ。 ページが少なくなるほどに輝きがスパークするような、読了するのがもったいないと感じる一冊だった。 この作者の作品で唯一濡れ場があり正面から愛を描いた、ロマンティックで少しエロスも感じられる作品。 本に雄と雌があるのだとしたら、この本は女性性を超越した女神だと思う。孤高で冷徹、深い愛。 装丁も素晴らしい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読みやすい。すぐ読んでしまった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
月を主題としながら、人智を越えた異世界に生きる主人公たちを描く3つの中編小説から成る一冊です。 ◇「そして月がふりかえる」 :大槻高志は都内の私立大学の社会学部教授で何冊かのベストセラー新書も出している。妻の詩織、幼い二人の子(泰介と美緒)の4人家族だ。今日もささやかな贅沢として家族4人で外食に出かけている。高志が食事の途中でトイレに立って戻ってくると、家族を含めて店内の客全員が、窓の外の月を見上げた状態で静止していた。しばらくその状態が続いた後、急に動きを取り戻した詩織は高志に向かって「あなたは誰?」と言う……。 幻想と恐怖の世界へと紛れ込んだ男が、懸命に妻と子供たちの心を取り戻そうとする話です。リチャード・マシスンの『蒸発』(『 激突! 』(ハヤカワ文庫 NV 37)所収)や、『機械仕掛けの神』(『 機械仕掛けの神―黄金の50年代SF傑作選 』(ソノラマ文庫 海外シリーズ 3)所収)のように、ある日突然、昨日までの自分とは別の存在として認識され始める恐ろしさが主人公を襲う物語といえます。地に足のついた生活を送っていたはずなのに、その自らの足元が揺らいでしまい、とめどないめまいに苦しめられるのです。その恐怖たるや凄まじく、特に高志は功成り名を遂げるまでに苦労の道のりがあっただけに、また妻とは長い交際の思い出の果てに結ばれただけに、積み上げてきたそれらすべてを奪い去られた絶望感が大きいのです。 しかし、最後に高志の携帯電話に大量のメールが送られてきて、それが彼を襲った不条理のある種の理屈づけをしていますが、それは必要なかったのではないかという気がします。妻が自分を他人として扱う不条理劇に(SF的には)明確な落ちをつけたくなったのでしょうが、高志に仲間の存在を気づかせることになって、ある種の安堵感を主人公――と読者――に与えてしまった気がします。恐怖が薄らぐ思いがして惜しい気がしました。 ◇「月景石」 :澄香の叔母・桂子は20代で客死したが、生前、石を集めるのが趣味で、澄香にもひとつの小さな石が形見となった残された。その石を枕の下に入れて寝ると悪夢を見ると脅かされたことがある。大人になり、今は斎藤という男と同棲している澄香は、石を枕の下に入れて寝てみる……。 現実世界と夢の世界で澄香という主人公が二つの人生を生きる様が描かれます。村上春樹の『 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 』ばりの幻想世界が構築されるのかと思いましたが、現実世界で発生するのは隣人の少女がある日を境にふっとその存在を消してしまうささやかともいえる不思議な事象です。ただし、その一方、夢の世界で澄香は全くの異界で名前も変えて危機的状況を生きる自分を見つけます。その夢と現実の間の跳躍が、やがてひとつになったときに起こる結末の壮大でめくるめく展開には、めまいを感じます。 ◇「残月記」 :月昂(げっこう)という感染症罹患者は、満月を中心とする明月記になると常人には及びもつかないほど気力体力が充実し、旺盛な創作意欲を発揮する場合がある。とはいえ、感染が判明した者は政府によって隔離され、療養所で短い一生を終えることを宿命づけられていた。母も感染者だった宇野冬芽(とうが)は自らも感染し、延命薬を得るかわりに闘士として生きることを求められる。それは独裁的権勢を振るう首相・下條拓が創めた大衆娯楽だった……。 時は2050年代。日本列島を統治した独裁政権下で、業病のような扱いを受ける病に罹患して社会の周縁者として生きることを強いられた主人公が戦いと愛に生きる幻想の物語です。古代ローマ帝国のような舞台設定でありながら、インターネット技術が高度に発達してSNSや動画共有などは当たり前の社会風景となっています。そしてその時代の顛末を、22世紀に入って歴史書として編纂した体裁をとっていて、「残月記(=The Book of the Morning Moon)」の名が想起させるように、聖書における言い伝えといった趣があります。 重層的に構築された苛烈で異様な世界において、主人公の冬芽は社会制度に翻弄され、一度たりとも気の抜けない生活を迫られます。その緊張感の中で唯一の慰めとなるのが、国家的娼婦ともいえる女・瑠香です。エピローグ的展開を見せる最終盤の瑠香と冬芽の出来事を読むと、この「残月記」は、伝奇小説的装いを保ちながら、多分に恋愛小説でもあり、と同時に政治的物語でもある、という大変奇特な作品といえます。 -------------- 表題作を読みながら、ふと次のSF小説を思い返していました。 ◆クリフォード D.シマック『 都市 』 (ハヤカワ文庫 SF 205) :シマックのこの『都市』はポスト・ヒューマン時代の地球を引き継いだ犬類に向けて編まれた古事記あるいは地球書紀とも呼ぶべき書物です。全部で8つの短編から構成されていて、人間の存在を忘れてしまった1万年後の犬類にとって、人類史はもはや科学的な歴史書というよりは、神話あるいは伝奇書の雰囲気を漂わせています。 . | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み始めは、純文学的エンターテイメント。あるときから、がらりとファンタジーに変わる。で、そのままものすごく濃厚なファンタジーとなって、最後までめりめりと月の世界へと引きずり込まれ、読み終えてみると、ずしんと胸の奥に重く熱いものがのこされる。読み応えあり。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!