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狙撃手の祈り
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狙撃手の祈りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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1995年に起きた國松警察庁長官狙撃事件に喚起されて創作されたスリラー。ほぼ同じ顛末のプロローグがあって、北区東十条で楽器店を営む青井圭一が主人公。圭一の妻でフリーのジャーナリストでもある沙月のスクープ記事の内容説明に続き、圭一が沙月から離婚を切り出されます。そして、いくつかの家族の過去と現在が交錯して描写されながら作者が想定する「國松警察庁長官狙撃事件」のもう一つの真相が語られていきますが、最後までこの物語への反撥ばかりが先走り、とてもいい読書とはなり得ませんでした。 「オウム真理教」に関連したフィクションに於いては帚木蓬生による秀作「沙林 偽りの王国」(新潮社)が記憶に新しいところですが、本作についてはいくつかの不満がわだかまったまま読み終えたというのが正直な感想になります。 ①何故、現在、「國松警察庁長官狙撃事件」を取り上げることになったのか?未解決事件として作者の創作意欲がいかに掻き立てられたのか? ②パズラーを創るにあたって、複雑な人間関係と複雑なストーリーテリングを配することで面白いミステリが構築できると考えたのかどうか?ロジックは通っているかもしれませんが、要所要所での驚きは少ない。後出しの理由付けによって伏線を解き明かしているからかもしれません。 ③歴史的な事実をフィクションが凌駕できるとすれば、そこに読者の感情を刺激するような要素が必要であり、或いは少し過剰であったとしても新しい視点、新しい切り口があってしかるべきではないのか?そういったことを考えさせられることにもなりました。 謎解きもまた不満でした。銃器、海外での経緯に関するリアリティの不足。そもそも多くの登場人物から生身の人間の温もりを感じ取ることができたのかと言えば、私には感じ取ることはできませんでした。 ロジックを必要以上に重ね合わせながら語られる薄口の「狙撃手の祈り」でした。 □「狙撃手の祈り」(城山真一 文藝春秋) 2023/10/27。 | ||||
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