狙撃手の祈り
- サスペンス (354)
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1995年に実際に起きた、警察庁長官への狙撃事件を題材にして、楽器店の店主の青井圭一と、警視庁公安部の刑事である斉賀速人とが、交代で主人公になって話が進められます。青井はいわば一般人ですが、妻が雑誌記者でこの事件を取材したことなどがきっかけとなって、事件に巻き込まれていきます。 詳しいストーリーは省略しますが、わかりやすくテンポがある文章と、スピーディーな展開で、どんどん引き込まれました。その意味では、この作者の力量はすごいなと、本当に感心しました。 ただ、個人的には不満もないわけではありません。実はこの話の中でもまた、警察庁長官が狙撃されてしまうのですが、この事件は青井の方にはほとんど関係がなく、わざわざ入れる必要はなかったように思います(この点は、複数の方々もAmazonや他のレビューで言っておられました)。また、中ごろまでは無条件に面白かったのですが、あまりにも多くのことを盛り込みすぎていて、終わりの方ではいささか疲れてきました。それから、ネタバレ的になりますので詳しいことは差し控えますが、青井の妻が亡くなった経緯も、最後に一応判明するものの、ちょっと物足りませんでした。 このようなわけで、星1つ減点しようかとも思いましたが、作者の非凡な才能を評価して、5つとしました。 | ||||
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実在の未解決事件を題材にしたミステリーなので、現実の事件と齟齬はないか、加えたストーリーが「あえりえそうか」がポイントですかね。 秘密の暴露をしながらも人相が異なるNには仲間がいたのでは?という昔からあった説に、「仲間は誰なのか」を論点に、上手に「ありそうな話」に仕上げています。 齟齬があるとすれば、以下の3点。娯楽小説として目を瞑れる範囲ですかね。 いくら幼少で記憶がないとしても、頭部の手術を受けていればそれなりの痕は残るはずで、その傷が何なのか疑問を持たないはずはない。 事件にある種の必然性を持たせるための状況設定はなかなかレベルが高いが、そこまで追い詰められた人にしては、長野県での吐露はあまりにも不用意。 新旧の警察幹部狙撃事件のうち、創作した新しい狙撃事件が蛇足。 | ||||
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横山秀夫作品のような堅実さと重厚さがある。淡々とした文章の中に熱い感情が込められており、ページを捲る手が止まらなかった。警察小説が好きな方、公安と刑事部の複雑な関係もあるあるで、自分は好みです。 先の読めない展開も素晴らしかった。 | ||||
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1995年に起きた國松警察庁長官狙撃事件に喚起されて創作されたスリラー。ほぼ同じ顛末のプロローグがあって、北区東十条で楽器店を営む青井圭一が主人公。圭一の妻でフリーのジャーナリストでもある沙月のスクープ記事の内容説明に続き、圭一が沙月から離婚を切り出されます。そして、いくつかの家族の過去と現在が交錯して描写されながら作者が想定する「國松警察庁長官狙撃事件」のもう一つの真相が語られていきますが、最後までこの物語への反撥ばかりが先走り、とてもいい読書とはなり得ませんでした。 「オウム真理教」に関連したフィクションに於いては帚木蓬生による秀作「沙林 偽りの王国」(新潮社)が記憶に新しいところですが、本作についてはいくつかの不満がわだかまったまま読み終えたというのが正直な感想になります。 ①何故、現在、「國松警察庁長官狙撃事件」を取り上げることになったのか?未解決事件として作者の創作意欲がいかに掻き立てられたのか? ②パズラーを創るにあたって、複雑な人間関係と複雑なストーリーテリングを配することで面白いミステリが構築できると考えたのかどうか?ロジックは通っているかもしれませんが、要所要所での驚きは少ない。後出しの理由付けによって伏線を解き明かしているからかもしれません。 ③歴史的な事実をフィクションが凌駕できるとすれば、そこに読者の感情を刺激するような要素が必要であり、或いは少し過剰であったとしても新しい視点、新しい切り口があってしかるべきではないのか?そういったことを考えさせられることにもなりました。 謎解きもまた不満でした。銃器、海外での経緯に関するリアリティの不足。そもそも多くの登場人物から生身の人間の温もりを感じ取ることができたのかと言えば、私には感じ取ることはできませんでした。 ロジックを必要以上に重ね合わせながら語られる薄口の「狙撃手の祈り」でした。 □「狙撃手の祈り」(城山真一 文藝春秋) 2023/10/27。 | ||||
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