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(短編集)
艶書
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艶書の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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以前から、山本周五郎の本を愛読しております。 一方、 現今の世相をみると、日本人としての誇りや矜持を見失なつている事例が多いことを痛感します。 | ||||
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やはり山本周五郎の作品は間違いなく最高です | ||||
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山本周五郎『艶書』は短編小説集である。だだら団兵衛、槍術年代記、本所霙河岸、金作行状記、憎いあん畜生、城を守る者、五月雨日記、宵闇の義賊、艶書は時代小説。可笑記、花咲かぬリラは現代小説である。 表題作の「艶書」は宝暦事件の頃の武家の物語である。タイトルから色っぽい話を連想するが、そうではない。他の短編もストイックな武士の生き方を描くものが多い。どこの藩かは不明であるが、林田の温泉に湯治に行かせたいという話が出てくる(258頁)。林田温泉と言えば鹿児島の霧島温泉がある。文明崩壊後の日本を描く田村由美の漫画『BASARA』にも林田温泉は登場する。しかし、林田温泉は1929年(昭和4年)に林田産業交通の創始者林田熊一が開発したもので江戸時代に存在しなかった。 最初の「だだら団兵衛」は武士が主君の命で移動中に山賊に襲われる展開が「山だち問答」と共通する。主人公の山賊への態度も同じである。「山だち問答」は孤立を怖れない侍のストイックな生き方が前面に出る。明治の立身出世主義や戦後昭和の右肩上がりの経済成長のアンチテーゼとなる思想である。これに対して「だだら団兵衛」は娯楽小説に仕上がっている。それでも立身出世を求めない点で著者の精神が込められている。 「宵闇の義賊」は義賊とされる鼠小僧治郎吉を捕らえる側から描いた作品である。盗んだ金の大半は自己の遊興に使い、一部を貧者にばらまくことで義賊と持て囃される欺瞞を指摘する。一方で鼠小僧治郎吉を捕らえる方法は卑怯である。正面からでは鼠小僧治郎吉に敵わないと言っているようなものである。それでも組織を背景にせず、一人で戦っている点で現代日本の警察権力のような卑怯さはない。 時代小説は江戸時代のものが多いが、「城を守る者」は戦国時代、上杉謙信の家中の話である。後方の重要性を指摘する。旧日本軍の後方軽視への批判になる。 | ||||
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栄花物語,もみの木は残った、そして、この短編集と読んだ、周期的に周五郎を読みたくなる。中でも、表題の艶書と宵闇の義賊が良い、読み込ませる。 | ||||
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全ての短編が読み応えある作品なのですが、表題作の艶書がとりわけ素晴らしかったです。 恋心を持つ幼なじみの男女が紆余曲折を経て最後は結ばれる物語なのですが、困難を乗り越えて幸せが訪れるという周五郎作品の醍醐味がぎゅっと詰まった短編となっています。 他では男同士の友情を描いた槍術年代記がお勧め。爽やかなラストが心地良いです。 | ||||
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近頃感じることの少なくなった「人情の機微」に触れることが出来る珠玉の短篇集。通勤電車の殺伐さの中しっとりした心持ちになれます。iPhoneで読みましたが文字を最大にして苦もなく読めます。 | ||||
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山本周五郎の作品は、どれも人の生き方を 肯定する優しさとその裏腹の辛さを描いていると 感じます。 この本の表題作「艶書」も主人公・出三郎が、宵節句の宴で、 袂に入れられた恋文の出し主に気付かずに、自分の想い人の 存在を辿るのに、8年の年月を要したもの。 廻り道をしてから、実る愛と人の心の機微を見事に描ききっている傑作 です。 その他、奉公先で身籠り、男から捨てられ、生まれてくる子の不幸を 思うあまり、身籠った子と共に、川に身を投げた小夜を助けた 主人公・伊兵衛。生まれた子の為に絶望から立ち直る小夜を見て、 その愛の深さに心打たれ、伊兵衛は、自ら小夜と子と共に生きる 決意を選ぶ「五月雨日記」も人間愛に満ちています。 心が温かくなりたいと思ったならば、是非この本を手に取って下さい。 | ||||
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人間関係や組織の中でのコンフリクトは、 チョッとした行き違いから始まって、 心や動機を疑うところまでいくということは ありふれた ことかもしれませんが、 状況が不利でも、人を信じる、 また 信じられるに足る人であるよう努めたい、 と思わせてくれます。 この点、著者が懐疑的でないのは、 まわりの暖かい援助者に対する感謝と、 人ひとりの存在は小さいものだと 自覚しているからなのかもしれません。 似ているようで、そうではない、 それぞれの主人公に 飽きない短編です。 | ||||
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周五郎の作品のレビューを書こうと決意し、 小学館短篇シリーズ5作を投稿しました。 新潮文庫21冊を手元に揃え、うち16冊読破、 順々にレビューを増やそうと企んでいます。 たった今「艶書」の艶書を読み終えたばかりです。 興奮冷めやらぬ間に気持を文字に変換します。 武家の3男以下に生まれるとは不運な境遇だと 時代小説を周五郎でデビューした私は初めて知りました。 この「艶書」の主人公もまさしくソレでした。 部屋住みが故に愛する女性とも一緒になれないのです。 (最後はハッピーエンドの運びとなるのですがね。) 解説にこうありました。 「人生には迂遠なようにみえても、 そのための時間が必要な場合があり、 それに耐える根気が必要なのだ、 と作者は説いているごとくである。」 冒頭から感傷的な気分を引きずりながらの読書、 しかし七重と出三郎との想いが結ばれたとたん がぜん勇気が湧いてきて…私もと思ったのでした。 ネームの「恋文」からも察して下されば幸いです。 周五郎を数十冊読んできたのですが、 結構「恋物語」も書かれていますので、 そっち方面中心のレビューを今後も書きます。 周五郎の女体の表現はいやらしさとは無縁です。 言葉が重ねられる度に理想が膨らんでいくのです。 それぞれの年代の女性像を上手く捉えているのです。 ナゼか私には匂いが感じられるような気がしてきます。 女性には分らない、男性だから感じる甘い香りとでも 言うのでしょうか、女だから気付かなかったニオイです。 言葉が線を描き…文章で立体となる…想像が姿を現す…、 周五郎の女体が、あなたの頭の中で作り上げられるのです。 | ||||
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