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ミン・スーが犯した幾千もの罪
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ミン・スーが犯した幾千もの罪の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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昔の旅の過酷さはわかる | ||||
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「ミン・スーが犯した幾千もの罪 "The Thousand Crimes of Ming Tsu"」(トム・リン 集英社文庫)を読み終えました。 ユニオン・パシフィック鉄道。ユタ準州からネヴァダを経由、シェラ・ネヴァダ山脈を越えてカリフォルニアへ。 主人公は中国系アメリカ人のミン・スー。彼は人を殺しても良心の呵責に苛まれることがなくなっています。どういう経緯があったのか?読む前は、2019/8月に読んだ「ひとり旅立つ少年よ」(ボストン・テラン)のような物語なのかと想像していましたが違っていました。その夥しい数の<暴力>を除いて。 彼は、予知能力を持つとされる老人「預言者」を伴い、(奇跡を起こす?)奇術ショーの一座の用心棒の如き役割を兼務しながら、或る目的を持ってカリフォルニアへと向かいます。「座長」という名の座長、炎女・ヘイゼル、腹話術師・ハンター、刺青の異教徒・プロテウス、メキシコ人・ゴメス、ナヴァホ族・ノタと共に。その血塗られた西へ西へと向かう正真正銘のロード・ウェスタン。しかしながら、硝煙に咽び、炎が舞い、多くの血が流されるミン・スーによるその「復讐譚」は、善悪という名のシェラ・ネヴァダを超え、一人また一人と殺めていくその殺戮のシークエンスによってより残酷に美しく色彩を増していくようにすら思えます。何故なら「現在も繰り返し実行される過去。儀式。習慣。ほんとうの記憶は、心には触れることのできない場所に記録される」(p.143)から。 よって、すべてが終わった後に幾千もの罪を犯したミン・スーの心は決して触れることのできなかった場所へと向かいます。暴力に満ち満ちた物語がリリシズムを湛えて終わるのかどうか? もし映画化するとしたら、スコセッシでも構いませんが、奇跡を起こすフェデリコ・フェリー二が天上から降りてきてメガホンを取ってほしい。 | ||||
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