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青春とシリアルキラー



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【この小説が収録されている参考書籍】
青春とシリアルキラー

青春とシリアルキラーの評価: 3.50/5点 レビュー 4件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(5pt)

『青春とシリアルキラー』はエッセイか小説か?

「この本は、なんだかわからないうちに人生をしくじった僕と、その周辺について書いたものである。」と帯に書いてあり、じゃあ、僕(作者)のエッセイなのでは。と読み進めたが、それは、違うようで、僕(作者)は強く『青春とシリアルキラー』は小説だと言った。確かに、「小説用にわかりやすく作ったキャラ」などのような、ところどころ小説だと読み手に気づかせてくれるところがあったように思う。しかし、エッセイのように思えてしまうのは、自殺やコロナなど、現実に目を向かわせるようなことが書かれていて、人生の不安、鬱屈さ、もやもやした感じがうまく表現されていて、それに共感した人がいるからなのではないだろうか。私もそのひとりである。だが、読み進めていくと、これはエッセイではなく、小説なのだな。と少し、感じるようになっていった。(なぜ、そう感じたのかは上手く言葉で表せないが。)それを感じ取れるカギは、「本当にあったできごと」「真実より真実味」という言葉にあるのかもしれない。だからこそ、もう一度読み返してみようと思う。読み返すことで、『青春とシリアルキラー』が小説であるということをしっかりと感じ取れるようになるのでは期待している。
青春とシリアルキラーAmazon書評・レビュー:青春とシリアルキラーより
4834253562
No.1:
(4pt)

"ぼんやりとした不安"抱える中年男性へ

"この本は、なんだかわからないうちに人生をしくじった僕と、その周辺について書いたものである(中略)しくじった人生をいかに生きるか。僕が求めているのはそれだけだ"2022年発刊の本書は生きにくい中年男性に贈る限りなく私小説じみたメタフィクション。

個人的に著者の『転生! 太宰治』が面白かったのと、帯にひかれて手にとりました。

さて、そんな本書は1997年に神戸市須磨区で発生、犯人が当時14歳であったことから社会に驚きを与えた『神戸連続児童殺傷事件』を題材に、かって執筆した(本書巻末に収録されている)『ドグマ34』が出版社の判断でお蔵入りになった"小説家"『僕』のもとに『続きを書かないか?』と、当時の担当編集者『阿南さん』から連絡があったところから始まり【結婚して子供が出来、家も買った38歳】一見すると幸せなはずなのに、どこか自分を『社会不適合者』と感じ、自殺すら考えている"小説家"『僕』は結局、続きを書き始めるのですが。

まず、作中の中でも『エッセイやコラムと間違われる』と書かれてますが。本書はあくまで小説であり、フィクションなのですが。語り部たる"小説家"『僕』が、著者自身と【あまりにも同一人物に見えてしまい】なんとも言葉にしにくい不思議な読み心地でした。(太宰治的な作風を狙った?)

一方で、38歳で玉川上水に飛び込んだ太宰治、また35歳で『ぼんやりとした不安』で自殺した芥川龍之介でなくても、本書での小説家『僕』。中年男性が抱える【挫折感、生きづらさ】は世代の近い私には【感覚的に共感できる】のですが。しかし今だと"非正規雇用のコロナ禍での失業、親の介護問題とかでもっと大変な人もいる!甘えるな!"とか、言葉にしてしまったら、おそらくは(外野から)【非難されるだろうこと】を、本書は代弁してくれている感じもして、何だか嬉しかった。

著者と同じく、かっての事件に大きな衝撃を受けた人、また漠然とした不安や挫折を抱える中年男性にオススメ。
青春とシリアルキラーAmazon書評・レビュー:青春とシリアルキラーより
4834253562

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