■スポンサードリンク


無明: 警視庁強行犯係・樋口顕



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
無明 警視庁強行犯係・樋口顕

無明: 警視庁強行犯係・樋口顕の評価: 4.35/5点 レビュー 20件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.35pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

事件そのものは設定が甘い

今野敏の作品はほぼ全て読んでいる。多作家で有り警察モノシリーズも多数手掛けているので、正直に言うと樋口顕ってどのシリーズだったっけ?と考えながら読み進めていった。

樋口のもとに馴染みの記者が樋口の担当では無いある事件について、自分が手に入れた情報をもとに疑義を伝える。高校生が死亡した案件で、所轄署は自殺と断定。しかし両親は納得せず、その記者も疑問を感じている。更に再捜査を願う両親に所轄署の刑事が恫喝したという話しも出てくる。

別の場所で発生した二人が殺害された事件に樋口班が駆り出されるが、上司の天童の判断により、樋口と樋口班の藤本が別働という形で千住署で起きた高校生死亡の案件に取り組む事となる。

さて本作のレビューは、いや本作のレビューもと言うべきか、今野敏の警察モノはレビューが難しい。警察モノだけでも多数のシリーズが有る為に、STシリーズの様な現実離れしたシリーズや、安積班シリーズはすぐにわかるが、それ以外はパターンが似通っている為に「どれだっけ?」と思いながら読み進めていくことになる。

パターンが似通っていると言うのは、
 ・自分に自信が無い、または自分が相手に信頼されたりする理由がわかっていない。
 ・しかし部下は主人公に絶大な信頼を置いている。
 ・警察内部の別の部署に、主人公の味方となる人物がいる。
 ・同様に、警察内部に主人公を快く思っていない人物がいる。
 ・事件の発生とともに家庭内でも何かの事件が起こり、結末は両方ともうまく解決していく。
といったところ。

本作も、上司の天童からは信頼されて別働を命じられるが、その上の理事官からは命令違反として厳しく対応される。少年犯罪に慣れない主人公だが、味方である氏家が都合よく少年犯罪担当に戻ることになり、助言を得る。一方、家庭内では娘が現在勤めている会社を辞職し、やりたい職に就きたいと言う希望を言い出す。

本作で気になった点は、事件そのものに主眼を置いていないせいか、事件の動機や所轄署の対応などに疑問が残る点。え?そんな事で?と大人が考える様な理由で少年は重犯罪に走る事は理解出来るが、本作は殺意に全く重点を置いていない為に、なぜ殺害に至ったかがわからない。もっと加害者と被害者の間のトラブルをより深刻なモノにすれば良かったと感じる。
また、今回主人公の敵役となる刑事。今野敏の警察小説を読み慣れた人なら、所轄署に帳場が立つと年末の忘年会予算が無くなるという地の文を良く読むと思うが、殺人事件にするより自殺にした方が署の予算や手間は相当省けるのは理解出来る。しかしその辺りの描写が無いために、なぜ所轄署の黒幕が自殺にしたのかが、今野敏の警察小説を読み慣れていないと理解出来ない。
また、樋口の味方となる同じ係長職の氏家。本書にも沢山警察組織の上下関係について書かれているが、なぜ氏家が二歳年上である樋口に対して「おまえ」という言い方をするのかが気になった。

最後に三つ。主人公と部下が自殺とされた生徒の学校を訪問した際の帰り道、副校長と校長の対応について、部下の藤本は「そうとうのタヌキですね」と答える。表現が古臭いし、部下の藤本世代が使う言葉でも無いだろう。
また、前後の描写が無かった為に違和感を感じたのが、主人公と妻が家でビールで乾杯をした際の妻の科白。時代劇がかった科白を言うのだが、唐突に出てきたので違和感しか残らなかった。
娘の再就職に関しても、余りにもご都合主義で適当過ぎる。

今野作品のファンなので厳しいレビューとなるが、半分まで読み進んだのが金曜日だったので、後半半分は夜更かしして一気に読んでしまった。なので読み進めさせる力量は十分にある作品ではある。
無明 警視庁強行犯係・樋口顕Amazon書評・レビュー:無明 警視庁強行犯係・樋口顕より
4344039319
No.1:
(3pt)

今野敏さんの無明

気に入ったけれど、波乱万丈というわけでもなく、いつも道理の展開に安定感はあるものの、いまいち物足りなさを感じましたね。
無明 警視庁強行犯係・樋口顕Amazon書評・レビュー:無明 警視庁強行犯係・樋口顕より
4344039319

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!