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(アンソロジー)
神様の罠
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神様の罠の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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amazon商品紹介より以下、 人気作家6人の新作ミステリーがいきなり文庫で登場! 現在のミステリー界をリードする6人の作家による豪華すぎるアンソロジー。 最愛のひととの別れ、過去がふいに招く破綻、思いがけず露呈するほころび、 知的遊戯の結実、そして、コロナ禍でくるった当たり前の日常……。 読み解き方も楽しみ方も六人六様の、文庫オリジナルの超絶おすすめ本です。 【収録作品】 乾くるみ『夫の余命』 余命わずかと知りながら、愛を誓ったふたりは…… 米澤穂信『崖の下』 スキー場で遭難した4人。1人が他殺体で見つかり…… 芦沢央『投了図』 地元でタイトル戦が開かれる。将棋ファンの夫は…… 大山誠一郎『孤独な容疑者』 23年前、私はある男を殺したのだ…… 有栖川有栖『推理研VSパズル研』 江神二郎シリーズ待望の新作! 辻村深月『2020年のロマンス詐欺』 大学生になったけれど、コロナ禍で…… * どれも面白かったし最後のロマンス詐欺の話はコロナ禍でという状況での話で結構好きになりそうだった。 短編だったからか素っ気ない感じはした。だから☆3つなのかな。 | ||||
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王道ミステリーや、コロナ禍をテーマにしたアンソロジーです。 有栖川さんの「推理研vsパズル研」 パズル研から提示された問題をあれじゃない、これじゃないと妙なプライドを持って学生らで頭を抱えていて、いかにも大学生ぽくてクスッとしました。 また、問題自体にストーリー性を創ってみよう。とナゾナゾに齟齬や矛盾を作らないように物語を創り上げるというのは他のどの小説でも見たことがなく、新鮮で面白かったです。 辻村さんの「2020のロマンス詐欺」 コロナ禍をテーマとした小説や物語をこれまでも読んできましたが、ずば抜けてこの話が1番好きです。 上京して一歩も部屋から出れず人と関わらない大学生の寂しさ、自営業の両親への申し訳ないといういたたまれないという気持ち。そこに詐欺のバイトという複雑な形で関われる唯一の美紀子という女性。 展開がどう転ぶのか分からず一気読みでした。 | ||||
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人気作家6人による、確かに豪華なアンソロジーで、文春文庫オリジナルだそうです。 当然ながら、それぞれの作家の特色を活かした作品になっていて、ミステリー好きなら米澤穂信氏や大山誠一郎氏が一番好みに合うかなと思います。 | ||||
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6人のミステリ作家がそれぞれ書いた短編集アンソロジー。 コロナ禍の状況をそのまま描いていたものもあったし、全く関係ないシチュエーションのものもあった。 6つの作品の関連性は全くなく、それぞれ独立したものとして読める。それでもミステリ作家らしく、それぞれちょっとした仕掛けがあって楽しめた。 とはいえ、ミステリ小説としては、全体的にちょっと物足りなかった。 個人的には、有栖川有栖『推理研VSパズル研』、辻村深月『2020年のロマンス詐欺』が好きだった。 『推理研VSパズル研』は、同じ大学の推理研とパズル研がたまたま同じ居酒屋で遭遇し、パズル研が推理研に問題を出し、それを推理研で考えることになる話。たんに問題を解くだけでなく、なぜその問題の状況になったのか、その背景を推理する展開が想像力豊かで楽しかった。でも、部長の江神の推理力は飛び抜けすぎだったが。 『2020年のロマンス詐欺』 大学入学のため山形から状況した耀太は、コロナ禍で大学が休講、緊急事態宣言も出て孤独な時間を過ごすが、幼馴染から誘われた怪しいバイトに参加する話。まあ振り込み詐欺系だとはすぐに分かるのだが、後半のもう何がなんだかという急展開がよかった。読後感もよく、6つの中では一番好きだった。 | ||||
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書店で見かけて米澤穂信と芦沢央の名前に惹かれて購入。 個々の短編で面白さに差を感じたものの、全体的には満足。 以下ネタバレこみの感想。 乾くるみ『夫の余命』 イニシエーションラブの印象しかない乾くるみ氏だが、この短編も事実を知ってから読み返すと台詞の意味がガラッと変わる。面白い。 米澤穂信『崖の下』 満足。 ひとつケチをつけると、最初に行方不明になって最後まで発見されなかった青年にも、捜査をミスリードするような何らかの役割があったらよかったのに。 芦沢央『投了図』 短編で「身近な人が凶悪犯かもしれないサスペンス」を書くのは難しかったのでは。 大山誠一郎『孤独な容疑者』 トリックを見破ったわけでもないのに、なぜか全然驚きがなかった。あ、そう、て感じ。なぜだろう。 有栖川有栖『推理研VSパズル研』 論理パズルの解法ではなく、非現実的な設定の方に合理的解釈を挑むというひねり。学生の馬鹿馬鹿しい議論という雰囲気が好きで面白く読めた。 辻村深月『2020年のロマンス詐欺』 孤独と経済的困窮のなかで犯罪行為に取り込まれていく大学生。読んでるこちらが息苦しくなるほどだった。最後は安直なハッピーエンドだが、一方でほっとしている自分がいる。 | ||||
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乾くるみ氏「夫の余命」、米澤穂信氏「崖の下」、芦沢央氏「投了図」、大山誠一郎氏「孤独な容疑者」、有栖川有栖氏「推理研vsパズル研」及び辻村深月氏「2020年のロマンス詐欺」6つの短編から構成される豪華(?)競演陣に依る短篇ミステリ・アンソロジー。 「夫の余命」は、作者の常で"書き方"だけでミステリとなると勘違いしている愚作。特に、本編では日付を明記している辺り、悪評高いバリンジャー「消された時間」を想起させ、作者のお里が知れる。「崖の下」は、雪山で遭難した複数名中の殺人を扱った短編で「"血液が混入している"消えた凶器」の謎がテーマだが、人間関係を中心とする全体の創りがシッカリしている上に、伏線を上手く回収している佳作(特に、「***」というヒントが巧妙)。「投了図」は、新型コロナのために廃業寸前の古本屋を営む元奨励会員の夫を、妻が自粛警察ではないかと疑うという短編だが、単なる人情譚で何処がミステリなのか皆目不明。読者にある程度の「観る将」を要求する姿勢も手前勝手過ぎる。「孤独な容疑者」は、作者得意のアリバイ・トリックと見せ掛けて、「***」という犯人の狂気を浮き彫りにした着想が光るが、アリバイ・トリックを期待するファンにとってはやや肩透かしの感を免れない。「推理研vsパズル研」は、クイーン好きらしい作者らしい短編でアリスも江神も登場するが、マリアの心情を除けば、全編机上の空論で"遊び"だけが目立つ稚拙な出来。「2020年のロマンス詐欺」もコロナ禍を扱った短編で、そのためにバイト先が見つからない経済的窮状にある大学の新入生が主人公。主人公がSNSを使った特殊詐欺、果ては傷害事件に巻き込まれて行く顛末をDV、アカウント成り済まし等の社会問題を織り込みながら、最後まで芥川「藪の中」の様な雰囲気を醸し出していて、大きな仕掛けこそ無いものの読ませる。 結局、ミステリという冠なしに通用する米澤氏と辻村氏の短編だけが水準以上という玉石混淆のブレ幅が大き過ぎる拙劣なアンソロジー。通常のミステリ・ファンにはお薦め出来ないアンソロジーだと思った。 | ||||
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ミステリー界隈でよくある、アンソロジー(短編集)という形式。ミステリー短編集は、ときに旧作を含んでも組まれる様だが、今回のものは6編中、少なくとも4編は、新作か、2020年以降の作品である事が確認出来る点で、お奨め。 辻村深月作品がある事に惹かれて購入したが、辻村作品がトリで、長さ(短編集で、これを重要度評価の基準としてはいけない事は理解してるが)も全体の30%ほどあり、満足出来た。 以下、ネタバレを含んでの短評。 乾くるみ『夫の余命』 ☆☆☆☆ 本短編集最大の衝撃作。私は、この作品を論理的に解釈する事が出来ないままになっている。叙述の全てをそのままあった事(事実)と想定してはいけないのだが、どこを操作すれば、合理的な解釈になるのか。もし、ここに合理的な解釈が成り立たないとしたら、これは不条理小説と云うジャンルになる訳だが…。 文藝春秋『オール讀物』2020年7月号に掲載された作品で、本短編集が初出ではないものの、本への初めての収録。第74回(2021年)日本推理作家協会賞(短編部門)候補作品。 米澤穂信『崖の下』 ☆☆ 私は、ツララによる事故死や殺人の可能性も考えたが、一応合理的な推理が展開され、終結する。が、開放骨折と云うものは、そうポッキリ折れるとは限らないんだが…(笑)、まあ、折れたって設定ですね。現実ならば当然 事実確認しておくべき事項で、作中一切触れられてもしない事項が、複数あるのが、気になります。 芦沢央『投了図』 ☆☆☆☆☆ コロナ禍の下での不公平や、やるせなさを描いた、本短編集最大の感動作。無駄なものが少なく、全体が緊密に繋がっている。 大山誠一郎『孤独な容疑者』 ☆☆ 上の米澤作品もそうですが、ミステリー小説って、超人的なキャラクターを設定しがちなんですね(笑)。仕掛けや、どんでん返しのお好きな人には、本短編集最大のお奨め。 有栖川有栖『推理研VSパズル研』 ☆ 宣伝文で新作と明記。私は、有栖川有栖と云う名をよく目にする割に、私にとっては恐らく、これが初めての読了作品か、2~3作目。ここでも超人的な推理力を持つキャラって出て来ますが、極めて理屈っぽいウダウダ話。きっと、いつものパターンかと…。 辻村深月『2020年のロマンス詐欺』 ☆☆☆☆ コロナ禍での特殊詐欺の末端アルバイトを描いた作品。本短編集最長の作品(=最大の文字量)。丁寧な叙述で、「実際にあり得る、あっておかしくない展開」を描く。私にとって新鮮な驚きだったのは、特殊詐欺の末端アルバイトがどうやって、リクルートされて行くのか、の一つの巧妙なパターン(特に、このコロナ禍での状況では、「特殊詐欺の末端アルバイトに追い込まれて行く」とも言える、やるせない事情)を知る事が出来たかも知れないところ。 | ||||
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