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(アンソロジー)
神様の罠
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神様の罠の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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王道ミステリーや、コロナ禍をテーマにしたアンソロジーです。 有栖川さんの「推理研vsパズル研」 パズル研から提示された問題をあれじゃない、これじゃないと妙なプライドを持って学生らで頭を抱えていて、いかにも大学生ぽくてクスッとしました。 また、問題自体にストーリー性を創ってみよう。とナゾナゾに齟齬や矛盾を作らないように物語を創り上げるというのは他のどの小説でも見たことがなく、新鮮で面白かったです。 辻村さんの「2020のロマンス詐欺」 コロナ禍をテーマとした小説や物語をこれまでも読んできましたが、ずば抜けてこの話が1番好きです。 上京して一歩も部屋から出れず人と関わらない大学生の寂しさ、自営業の両親への申し訳ないといういたたまれないという気持ち。そこに詐欺のバイトという複雑な形で関われる唯一の美紀子という女性。 展開がどう転ぶのか分からず一気読みでした。 | ||||
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書店で見かけて米澤穂信と芦沢央の名前に惹かれて購入。 個々の短編で面白さに差を感じたものの、全体的には満足。 以下ネタバレこみの感想。 乾くるみ『夫の余命』 イニシエーションラブの印象しかない乾くるみ氏だが、この短編も事実を知ってから読み返すと台詞の意味がガラッと変わる。面白い。 米澤穂信『崖の下』 満足。 ひとつケチをつけると、最初に行方不明になって最後まで発見されなかった青年にも、捜査をミスリードするような何らかの役割があったらよかったのに。 芦沢央『投了図』 短編で「身近な人が凶悪犯かもしれないサスペンス」を書くのは難しかったのでは。 大山誠一郎『孤独な容疑者』 トリックを見破ったわけでもないのに、なぜか全然驚きがなかった。あ、そう、て感じ。なぜだろう。 有栖川有栖『推理研VSパズル研』 論理パズルの解法ではなく、非現実的な設定の方に合理的解釈を挑むというひねり。学生の馬鹿馬鹿しい議論という雰囲気が好きで面白く読めた。 辻村深月『2020年のロマンス詐欺』 孤独と経済的困窮のなかで犯罪行為に取り込まれていく大学生。読んでるこちらが息苦しくなるほどだった。最後は安直なハッピーエンドだが、一方でほっとしている自分がいる。 | ||||
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ミステリー界隈でよくある、アンソロジー(短編集)という形式。ミステリー短編集は、ときに旧作を含んでも組まれる様だが、今回のものは6編中、少なくとも4編は、新作か、2020年以降の作品である事が確認出来る点で、お奨め。 辻村深月作品がある事に惹かれて購入したが、辻村作品がトリで、長さ(短編集で、これを重要度評価の基準としてはいけない事は理解してるが)も全体の30%ほどあり、満足出来た。 以下、ネタバレを含んでの短評。 乾くるみ『夫の余命』 ☆☆☆☆ 本短編集最大の衝撃作。私は、この作品を論理的に解釈する事が出来ないままになっている。叙述の全てをそのままあった事(事実)と想定してはいけないのだが、どこを操作すれば、合理的な解釈になるのか。もし、ここに合理的な解釈が成り立たないとしたら、これは不条理小説と云うジャンルになる訳だが…。 文藝春秋『オール讀物』2020年7月号に掲載された作品で、本短編集が初出ではないものの、本への初めての収録。第74回(2021年)日本推理作家協会賞(短編部門)候補作品。 米澤穂信『崖の下』 ☆☆ 私は、ツララによる事故死や殺人の可能性も考えたが、一応合理的な推理が展開され、終結する。が、開放骨折と云うものは、そうポッキリ折れるとは限らないんだが…(笑)、まあ、折れたって設定ですね。現実ならば当然 事実確認しておくべき事項で、作中一切触れられてもしない事項が、複数あるのが、気になります。 芦沢央『投了図』 ☆☆☆☆☆ コロナ禍の下での不公平や、やるせなさを描いた、本短編集最大の感動作。無駄なものが少なく、全体が緊密に繋がっている。 大山誠一郎『孤独な容疑者』 ☆☆ 上の米澤作品もそうですが、ミステリー小説って、超人的なキャラクターを設定しがちなんですね(笑)。仕掛けや、どんでん返しのお好きな人には、本短編集最大のお奨め。 有栖川有栖『推理研VSパズル研』 ☆ 宣伝文で新作と明記。私は、有栖川有栖と云う名をよく目にする割に、私にとっては恐らく、これが初めての読了作品か、2~3作目。ここでも超人的な推理力を持つキャラって出て来ますが、極めて理屈っぽいウダウダ話。きっと、いつものパターンかと…。 辻村深月『2020年のロマンス詐欺』 ☆☆☆☆ コロナ禍での特殊詐欺の末端アルバイトを描いた作品。本短編集最長の作品(=最大の文字量)。丁寧な叙述で、「実際にあり得る、あっておかしくない展開」を描く。私にとって新鮮な驚きだったのは、特殊詐欺の末端アルバイトがどうやって、リクルートされて行くのか、の一つの巧妙なパターン(特に、このコロナ禍での状況では、「特殊詐欺の末端アルバイトに追い込まれて行く」とも言える、やるせない事情)を知る事が出来たかも知れないところ。 | ||||
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