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海神
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海神の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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| 3.11の間際に読み終えたので、現状と照らし合わせいろいろと思うところがある作品でした。 | ||||
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| 東日本大震災を題材にした作品ということもあり単純に「面白かった」とは言いづらいのですが、事実に基づいた重いテーマを扱いつつ、エンタメとして成立し、前向きな気持ちになれるという良作でした。「3.11を死なせてはならない」という後書きも心に響きました。 参考文献にあった「記者は何を見たのか 3.11東日本大震災」も読んでみたいと思いました。 | ||||
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| 震災の復興の中で、実際にあった復興支援金を詐欺するNPO法人をモデルにした作品である。 最初は、復興の救世主のように登場したカリスマ性を持った遠田。しかし、行っていることやっていることは、でたらめ。人を100人近く雇うことは、地域の活性化が生まれるが、補助金頼みの運営では先が見えている。リーダーである遠田は、復興にどのような事業が必要で、それが持続的可能な事業にするには、どうすればいいかというアイデアはない。また、そのような事業が、この小説の中に退治されていないところが、残念だ。自分のための善意を装ったものの暴走が主題である。 千田来未は、三陸沖の天ノ島で、2011年3月11日に生まれた。母親は来未を産んだ時に死んだ。そして時がたち、10歳の誕生日を迎えたのだった。海岸にいた来未は、銀色の鞄が海の中にあるのを見つけ、拾い上げた。その中には、金塊があったのだ。大きな話題となる。その金塊は、誰のものか? 天ノ島生まれの菊池一朗は、東北大学経済学部を出て、「今日新聞社」に入り、郷里である天ノ島を管轄にふくむ、宮古通信部に赴任した。1年が経とうとして、2011年3月11日の東日本大震災にあったのだ。「地震が来たら津波が来る」と一朗は漁師の父親から聞かされていた。 天ノ島復興支援隊のウォーターヒューマンが、行政から請け負っていた業務は、遺体捜査隊、救援物質の管理、防犯パトロール、仮設住宅の配膳、観光復興のための人材育成、災害対応支援要員の育成、ボランティアセンターの運営だった。緊急雇用創出創出事業として、予算2年間で、約12億円だった。そこで働く、職員は100名近くだった。そのリーダーが、遠田だった。その遠田に、支援金横領疑惑が持ち上がった。そして、雇われていた従業員が突然解雇を言い渡された。ウォーターヒューマンは、破産手続きに入った。支援金横領疑惑を起こす前は、みんなから尊敬されていた。震災復興の救世主だった。 物語は、2011年、2013年、2021年と時間がずれていく。 椎名姫乃は、学生の時に、ボランティアで天ノ島にきた。その大震災での死体なども見て、その悲惨さを目の当たりにしていた。そして、大学を休学して、さらにボランティアに従事する。そして、天ノ島復興支援隊の遠田の仕事を手伝うようになる。また、江村とも、親しくなっていく。姫乃は、江村におにぎりを作ってやる。遠田に対して、尊敬の念が深まっていく。 姫乃は、なぜ震災ボランティアを志願したのか?姫乃は「人助けしたい」と思っていた。 姫乃は、なぜ遠田のいうことを指示通りに行うのか?というのが、よくわからず。 菊池一朗は、遠田の経歴を探り、北海道にいる遠田の離婚した妻と話はできるようになった。遠田は、川で溺れた少年を救った。その少年が、江村だった。江村の母親は死んだ。そのため、江村を遠田の家に連れて、生活させた。遠田と江村の主従の関係が明らかになる。遠田は、川で溺れていた人を救ったことで、人を救うことに自分の生きる道を見つけ出した。菊池一朗は、遠田が、なぜ横領したのかということも、調べていた。 菊池一朗は、江村の教師の有賀先生から、江村はアレキシサイミア、失感情症だと聞かされた。アレキシサイミアは、自閉スペクトラム、アスペルガー症候群や注意欠如・多動性障害とは違っている。アレキシサイミアは、感情を認識したり、言葉で表現したりすることが困難な人をいう。表情に出ない。自閉スペクトラム症は、発達障害の一つで、コミュニケーションがうまくできない。アスペルガー症候群は、かつて自閉スペクトラム症の一タイプとして診断されていた概念。表面上は一見問題なく会話できるが、対人関係でのミスコミュニケーションや、特定のこだわりが強く出ることで、社会生活での困難を抱えることがある。江村が、アレキシサイミアであることが重要なポイントとなる。 遠田は、江村を精神的に支配し、遠田に楯突くものを江村に処理させる。遠田は、放漫経営で、贅沢を尽くす。それに、姫乃が巻き込まれる。たまたま重要な話をしているときに、姫乃がいて、監禁し、江村に殺すように指示するが、初めて江村はその命令に従わない。遠田は、そのことに驚く、そして。 姫乃は、従順であったが、最後には「あなたは人間のクズだ」と遠田に言うことができた。 人間の中にある心の闇、常に人の責任にする遠田。それに心酔している江村。姫乃に好意を持つことで、変化していく江村。初めて、自分から涙を流す。やっと、自分が人間として、生きていく道をはっきりと自覚する江村。海神(わだつみ)が、船をゆり動かす。小説らしい小説。 | ||||
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| 賛否両論ありそうな展開ですが、面白くて一気読みできました。震災に対する人間の無力さ、そのキズにつけ込む人間の恐ろしさ、必見です。 | ||||
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| 本作は、東日本大震災という未曽有の災害を背景に、 復興への祈りと犠牲者への深い寄り添いを濃密に描き出している。 一方で、作品がもう一つのテーマとして据えているのは、 災害の裏に潜む「闇」――組織や集団による悪行である。 作中に登場する「災害は金になる」という一節。 この言葉は、残念ながら人間の本質の一側面を鋭く突いている。 表面上は復興を唱えながら、 その裏側で欲望に取り憑かれた者たちが、 災厄の隙間を突いて暗躍する。 人間心理には善と悪の両面が存在する。 悪を利用した善はほとんど存在しないが、善を利用した悪は常に存在する。 この冷徹な現実が、物語全体に陰影を与えている。 悪事を業とする者に良心を説いても、 それは馬の耳に念仏に等しい。 震災直後、社会全体が脅威的な自然の力を前に、 冷静な判断力を失っていた。 その混乱の中で、人間の良心を欠いた者たちが、 金品強奪、詐欺、横領、性加害といった悪行に手を染める。 こうした行動は到底理解しがたく、 読者として、また一人の人間として、 悪に染まる者を排除したいという衝動に駆られる。 本書は、この社会の暗部を徹底的に掘り下げる濃密な物語である。 そして、その描写は単なる告発に留まらず、 「我々自身はどうあるべきか」を静かに問うている。 最後に、本書が強く訴える重要な視点がある。 「人を信用するか否かは、言葉ではなく行動で判断すべきである。」 何に対して怒りを覚えるか、何を許すか。 それはその人の人生観そのものを映し出す鏡である。 また、著者は物語の終盤に、重く静かな示唆を遺している。 死は二度訪れる。 一度は肉体が滅びるとき。 もう一度は、記憶の中から消え去るとき。 我々は、この「二度目の死」を許してはならない。 風化を防ぎ、語り継ぐ―― 私たちは伝承者であるべきだ。 | ||||
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| 東日本大震災の津波で家も何もかも流されていく映像は何度か見ましたが、人の姿は殆ど写っていなかったと思います。実際はたくさんの人が流されて亡くなったのですから、あまりに見るに耐えない光景だったと想像します。この作品は本当の姿を伝えたいと作家が思って描いたのだと思いました。方言がよりリアルで素晴らしい。 | ||||
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| 正直、内容はディープで、軽い気持ちで読み通せる話ではありません。 それでも、夢中で読む手が止まりませんでした。 それぞれの登場人物たちに、震災当時の記憶が重なりました。 ラストは特に止まらず、涙を我慢できませんでした。 染井為人さんの作品はいくつか読みましたが、どちらかというとエンタメ感の強い作家さんだと思っていたので、こんな魂の籠った作品も書くのかと驚きました。 心から、みなさんにお勧めします。 | ||||
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| 大災害が発生する中で皆が必死に復興を願い活動している中でも、悪いやつは居るんだな、特に人々が悲しみに耐えている中で何とも思わないで悪いことが出来る悪人は物語の中でも亡くなって良かったと思いいました。いろんな人間模様が語られて夢中で読む事ができました。 | ||||
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| 流石です。一気に引き込まれました。 難しい社会派の題材をこんなに、自然に読み込ませ、1人1人の人物に感情移入していく。そんな作品です。他の作品もそうですが、本当に丁寧に人を書かれています。どうしようもない現実とちょっぴりの救いのある事実が愛おしい。 | ||||
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| 3.11の描写があまりにリアルで、 当時学生で関西にいて遠いところの話にどこか感じていた自分でさえ、本当に読むのに体力がいったから きっと被災した方は読むのが苦しいと思う それくらい包み隠さずリアルの描写があって、 人の心を持たない悪魔のような人間を描いてる。 地獄のような描写の中でわずかな希望もあって、 本当にこういうことはあるんだろうなと思いながらもまっすぐ前を向いて肩を組んで立ち上がる島のみんなに本当に幸せになってほしいと思った 人間って一体何なのかと改めて考えさせられる | ||||
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| 震災の描写、登場人物の息づかいまでも伝わってきました。 ただ、姫がいつの時点でまた島に戻ってきて住んでいるのか、江村と遠田との関係も最後まではっきり分からないままだったのが後味が悪さを少し残しています。 | ||||
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| 岩手沿岸中部からフェリーで5分の島が舞台。 ”3・11は永遠に許すことのできない暗黒の日なのだ”と語る。 冒頭から凄まじい光景が迫る。 東日本大震災の直後、その2年後、そして10年後。 その切り返していくプロットは実に巧妙。 NPO法人代表の復興支援金の横領疑惑にミステリが。 | ||||
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| 東日本大震災で被災した島に復興のプロが来て復興を助けるが、色々と裏がある話です。現実の中にフィクションが融合します。登場人物の方言もリアルで、実話に基づく心霊現象も起こります。題名の海神は、意味深いです。 | ||||
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| 染井為人は先の読めないストーリー展開とスピーディーさでグイグイ読み進められる。 未来を感じさせる来未のラストは秀逸。涙が出た。 アナザーストーリーも見たい。 | ||||
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| 本作の最後にはフィクションと明記されていますので、これはあくまで、タイトル含めレビュアーの推認に基づく意見とお考えください。 本作は岩手県内にあるされる架空の島で起こった巨大な震災復興にまつわる不正が大きなテーマとなります。話は、復興を担ったNPOが復興資金を横領していたのではないかという場面から始まり、複数の登場人物の視点と時間を行き来し、展開していきます。 東日本大震災は多くの人を悲しませましたが、それに付け込んで私腹を肥やそうとする悪党が私欲を膨張させてやがては破滅するまでが非常に巧みに描かれています。 この作品最大の悪党「遠田」モデルは、岩手県山田町で事件を起こした旭川のNPOの元代表に着想があると推認できます。 →高校生の時の水難救助のエピソードや体格等の描写が本人と共通しています。また、実際に起こった内容と、本文内の事件内容の多くも一致か類似しています。ただ、作品中ではより非道な行いをする人物として描かれているので、モデルとして明示はしなかったかもしれません。 実際の作品もスピーディーかつスリリングでおすすめですが、事件そのものが気になってしまって、その後当時のネット記事や動画をあさることになってしまいました。 それくらいこの作品がリアリティのある魅力的なものだからかもしれません。 | ||||
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| 東日本大震災の描写はいくつもの文献からと筆者の生の目で見た光景から目頭を熱くさせてくれた。今日は亡くなった人達が生きたかった明日なんだと改めて強く感じた。 実際の事件を元に物語は描かれており、時空の行き来がある構成もわかりやすく良かった。また、こんな悪い奴がいたのかと、憤りを感じるとともに、こいつにとっては自分が正義だと感じていたんだろうなと思う。立ち振る舞いや演説で、民衆をコントロール(洗脳)していったが、自分自身も知らないうちに悪い己にコントロールされてしまっていたのだろうか。肩を持つわけではないが、そんなことしかできない可哀想な奴でもある。 「震える天秤」のときも感じたが最後が怒涛の展開で、これで終わり!?と感じでしまった。もう少し、何かを感じさせてくれる最後が良かった。 こんだけのものを書ける染井さん、是非、もっと社会の闇に目を向けた、社会派ミステリーを期待したい。次回作、期待して待ちます。 | ||||
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