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海神
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海神の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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まぁ好きな作家の一人なので、余り言いたくは無いが、処々、描写や設定、表現に無理が有りました。ネタバレ有ります。先ず、金塊は海の底から海岸に打ち上がらないでしょう。そして、最後の纏め方に難が有り、少し強引に終わらせた感が有りました。残念です。 | ||||
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金塊と言われるほどの重量のものは、それそのものよりも相当大きなアタッシュケースに入れられ圧倒的な浮力を得ていないければ、海流に流されたりしないし、文中にもあるとおり一度海底に沈んでいたとしたら、その沈んだ状態からどのようにして流れ着くような浮力を得ることができたのでしょうか。人知を超えた力が働いたよ、的な感動エピソードとしては相当な無理があります。金塊って言ってるけど2キロ(2011年ごろの地金価格で¥4,500/gとして900万円相当)ぐらいのものが、すっごい大きなアタッシュケースにぽこんと入っていて完全防水だったので流れつく、これなら納得できますが、そうなるとすぐ発見されるはずではないのかと、それが気になって、どうしても入り込めないところは否めませんでした。 しかしながら、実際の事件をモチーフにしているだけあってリアリティがあり、一気に読ませる力があり、実際の災害を描いているだけに賛否は分かれると思いますが、大きな教訓であると思いました。世の中、弱みにつけこんで信じられないようなことをしでかしてくる人がいるのは事実。大体公金的なもので詐欺をしたり、思考力が低下した状態に漬け込むのが特徴です。オレオレ詐欺もそうですが、真っ当な勝負ではない、まっすぐは当たってこない。弱い人に漬け込む所業を小説として書いて何が面白いの?という矜持が昭和の推理小説家にはあったように感じていますが、現代は犯罪に至る強い動機として戦争や貧しさ等を背景にできなくなってきているので、こういう人に漬け込む犯罪は確かに非常なリアリティを持って迫ってきます。 こういう無自覚な悪人がいることを私たちは忘れてはなりません。災害にあって困っている人たちや幼い子供を食い物にすることなど人間にできるのか?という通常の人の感覚とはかけ離れたところに彼らはいるのです。それを忘れてはいけない。 無知の知を本質的に理解できるのが賢人だけであるのの対局で、彼らは悪が何かを本当には理解していないのだと思います。悪に無自覚なのです。つまり、悪いとわかっているけど何らかの目的のためにやっている、というわけではなくて、そもそも悪いと思っていない。それが法に触れるから犯罪だと分かっているだけで、「悪」とは何かについて無自覚なのです。だから信じられないような所業ができるのです。そういう人がいることを忘れてはなりません。 | ||||
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岩手沿岸中部からフェリーで5分の島が舞台。 ”3・11は永遠に許すことのできない暗黒の日なのだ”と語る。 冒頭から凄まじい光景が迫る。 東日本大震災の直後、その2年後、そして10年後。 その切り返していくプロットは実に巧妙。 NPO法人代表の復興支援金の横領疑惑にミステリが。 | ||||
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東北大震災の際の宮古沖の有人小島を舞台にした復興支援金詐欺が メインテーマだが、構成(目次)が震災直後の日々と約10年後の日々の 出来事が互い違いに10節ずつ出てくるので、10年後の話を読むと震災直後の 話の展開が見えてしまう。つまり、大雑把に言えば2節以降の震災直後の日々の内容は 結果がわかったスポーツの試合を録画で見ている印象になってしまう。 しかも震災直後の内容が細かい話が多く、10年後の展開を早く知りたくて殆ど 飛ばし読みにした。 やはり、震災直後の内容は前半にまとめて(しかも多少簡潔にして)、10年後の展開は後半に まとめるべきだったと思う。 | ||||
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東日本大震災で被災した島に復興のプロが来て復興を助けるが、色々と裏がある話です。現実の中にフィクションが融合します。登場人物の方言もリアルで、実話に基づく心霊現象も起こります。題名の海神は、意味深いです。 | ||||
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染井為人は先の読めないストーリー展開とスピーディーさでグイグイ読み進められる。 未来を感じさせる来未のラストは秀逸。涙が出た。 アナザーストーリーも見たい。 | ||||
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本作の最後にはフィクションと明記されていますので、これはあくまで、タイトル含めレビュアーの推認に基づく意見とお考えください。 本作は岩手県内にあるされる架空の島で起こった巨大な震災復興にまつわる不正が大きなテーマとなります。話は、復興を担ったNPOが復興資金を横領していたのではないかという場面から始まり、複数の登場人物の視点と時間を行き来し、展開していきます。 東日本大震災は多くの人を悲しませましたが、それに付け込んで私腹を肥やそうとする悪党が私欲を膨張させてやがては破滅するまでが非常に巧みに描かれています。 この作品最大の悪党「遠田」モデルは、岩手県山田町で事件を起こした旭川のNPOの元代表に着想があると推認できます。 →高校生の時の水難救助のエピソードや体格等の描写が本人と共通しています。また、実際に起こった内容と、本文内の事件内容の多くも一致か類似しています。ただ、作品中ではより非道な行いをする人物として描かれているので、モデルとして明示はしなかったかもしれません。 実際の作品もスピーディーかつスリリングでおすすめですが、事件そのものが気になってしまって、その後当時のネット記事や動画をあさることになってしまいました。 それくらいこの作品がリアリティのある魅力的なものだからかもしれません。 | ||||
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時系列がバラバラで読みづらい。なかなか読み進められなかった。没入感を求めていたので自分には合わなかった。 | ||||
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東日本大震災で被災した天ノ島のための復興支援金が不正に使い込まれているという疑惑が発生する中、様々な当事者たちの思いが錯綜していくミステリ。 震災後の2011年、少しずつ復興が進んだ2年後の2013年、震災から10年後で現在の2021年と3つの時間軸で、天ノ島出身で記者の菊池一朗、東京からボランティアで来た椎名姫乃、天ノ島で育ち元助産師で養護施設の臨時職員をしている堤佳代、この三人の視点から物語が展開されていく。 遠田、小宮山、江村といったNPO団体と名乗る男たちがどんなことをしてきたのか、過去や未来の状況を描きながら徐々に明らかになっていくのだが、震災の凄惨さや絶望感がこれでもかというくらい描かれており、その支援金の使い道をめぐって天ノ島の住民たちの怒りが爆発する様子が印象的だった。 どんな真実が隠されているのか楽しみに読み進めたが、正直「え?これで終わり?」という内容だったので拍子抜けしてしまった。 特にこれといった驚きの展開もなかったし、読後感もいまひとつだった。 本書で描かれていない2014年~2020年の姫乃や江村、菊池たちがどんな風に暮らしていて、どんな気持ちで2021年を迎えたのか、その心情も描いてほしかった。 | ||||
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東日本大震災の描写はいくつもの文献からと筆者の生の目で見た光景から目頭を熱くさせてくれた。今日は亡くなった人達が生きたかった明日なんだと改めて強く感じた。 実際の事件を元に物語は描かれており、時空の行き来がある構成もわかりやすく良かった。また、こんな悪い奴がいたのかと、憤りを感じるとともに、こいつにとっては自分が正義だと感じていたんだろうなと思う。立ち振る舞いや演説で、民衆をコントロール(洗脳)していったが、自分自身も知らないうちに悪い己にコントロールされてしまっていたのだろうか。肩を持つわけではないが、そんなことしかできない可哀想な奴でもある。 「震える天秤」のときも感じたが最後が怒涛の展開で、これで終わり!?と感じでしまった。もう少し、何かを感じさせてくれる最後が良かった。 こんだけのものを書ける染井さん、是非、もっと社会の闇に目を向けた、社会派ミステリーを期待したい。次回作、期待して待ちます。 | ||||
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