みずいらず
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| 夫婦生活を続けていれば、一度は「あるある」と感じるであろう夫婦間の問題を描いた短編小説集です。 「バカの壁」を書かれた養老孟司さんがその著書の中で「結婚は頭が病に罹るからするもので、冷静に考えると、最も不合理なものだ。」というようなことを書かれています。 かく言う先生も、結婚生活を50年以上続けておられるのですから、先生もこの頭の病が治っておられないようです。 私もかれこれ30年以上も婚姻関係を続けているのだから、私の頭の病も治っていないようです。 こんなことを思いながら前半の8作品を読むと、今となっては懐かしくてほっこりした気分にさせてくれました。 そして、最後の9作品目「シングル」を読むと、ラストは読者それぞれが色々な思いを抱くことになるでしょう。 結婚されている方もそうでない方も、新婚の方も長く連れ添ってきた方も、夫婦仲が良いかたもそうでない方も、夫婦ってこんなもんかなあと共感できる温かい作品だと思います。 そして、最後の「シングル」のラストを味わってください。 | ||||
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| 短編で読みやすいです。 いつ誰に起こってもおかしくない家庭での問題9話。 染井さんの心理描写は繊細で、うるっとしてしまうセリフもチラホラ。 当たり前になっている家族への感謝を気づかせてくれる作品です。 | ||||
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| 夫婦が主体の、9つの小話から成る小説です。 最後の「シングル」を除き、1~8話では、様々な環境の夫婦が、各家庭固有の悩みゆえに「私たちはもう一緒にやっていけないかも」と悲観的になってしまうシチュエーションから話は始まります。 今回の小話はどれも、一見「確かに、別れたほうがいいのかもね」とも思えなくもないつらい状況なのですが、最後に一筋の希望が見えるような、暖かな結末が待っています。 しかも、それぞれの小話には前の話の登場人物が一部、つながるような形で出てきていて、それもこの小説の面白いところです。 特に興味深いのは、最後、9話目にでてくる「シングル」という話。 ここだけは、夫婦の話ではなく、主人公が染谷和人という40歳の小説家。 なんというか、作者に状況が似ていて?? この本が書かれた経緯が想像できてしまう内容になっています。上手いなぁ。 染井為人さんの小説を読んだことのある方は分かると思いますが、そもそもこの方は普段は1冊にわたる長編を書いていますし、内容もどちらかというとダークな社会問題をベースにした殺人、脅迫、暴力などが描かれていることが多く、それを想定しながら読むと、今回は一体どうしたのだろう??と思わず首をひねってしまうかもしれません。 染井為人さんの小説はいままでどれもインパクトが強い内容でしたが、この本からは「イメチェン」のような印象を受けました。 内容も面白く、あっという間に読み終えてしまいました。 | ||||
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