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出版禁止 ろろるの村滞在記(いやしの村滞在記)
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出版禁止 ろろるの村滞在記(いやしの村滞在記)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.68pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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良かった | ||||
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まず始めに注意です。 この商品の概要説明欄にも書かれていますが、本書「出版禁止 ろろるの村滞在記」は、2021年発売の「出版禁止 いやしの村滞在記」の改題版となります。 従って中身はいやしの村滞在記と同じです。 内容としては、呪いや儀式といった土着的な不気味さを醸し出しますが、個人的にはそこまで怖いとは感じませんでした。 それよりも話しの持って行き方がとにかく絶妙です。 ネタバレ防止のため詳細は伏せますが、非常によく練られた構成となっており、二度見することでより楽しめるし理解が深まる仕上がりとなっています。 伏線もしっかり回収されてすっきりですし、かつ読者に考えさせる余地もあるので考察好きな方にもオススメします。 また構成だけでなく随所に散りばめられた隠し要素的な、気づくと「あー!なるほど!」となるような仕掛けもありセンスの良さに感心しました。 | ||||
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よくある手法を使っているのだが、結末までそれに気づかない。ただし物語の始まりには必ずと言って良いほどに記述されるあることが、しばらく読み進めてもなかなか判明しないあたりに「何かあるな」と思うのだが、それがどのように絡繰りに絡んでくるのかがわからない以上、物語が要求するとおりに素直に読み進めるしかない。そして結局、読者は仕掛けに填まってしまうのだ。冒頭で明らかにされるのでこれはネタバレにはならないと思うのだが、本書は「呪い」をテーマにした物語である。そしてその「呪い」には生け贄が必要である。では一体誰が生け贄になるのか? すべての仕掛けはそこへと辿り着くだろう。その「呪い」も凝っているので、まるで民俗学の調査報告を読んでいるような気にさえなる。 | ||||
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. 三重との県境にある奈良の山間部に「いやしの村」と呼ばれる施設がある。人生に思い悩んだ人々が共同生活を送りながら、癒やしを得ていくことを謳っている場所だ。そこにルポライターが取材に訪れる。ライターはこの施設にまつわるある噂を耳にしていていた。それは「いやしの村」は恨みを呪いによって晴らしているというのだ。果たしてその噂は本当なのだろうか……。 ----------------- YouTubeチャンネル「ほんタメ」の「どんでんマニアが選ぶ、どんでん返しミステリ傑作3選」と題した回でMCのヨビノリたくみ氏が絶賛していたのがこの小説です。 氏の「最後にとんでもない違和感で終わるんです。うん? 何読んでいたの、今? みたいな。で、もう一回戻るとわかるみたいな」という何とも意味深長な紹介ぶりに引き込まれて、思わず手にしました。 49片に切り分けられたバラバラ死体だの、呪詛を生業とする古代のまじない師集団だの、自身の人生を壊した相手に対して強い怨嗟の気持ちを拭えない人々だのと、禍々しさこのうえない話が次々と出てきます。 オウム真理教事件や神戸連続児童殺傷事件、トリカブト殺人事件など実在する事件への言及があり、あの数々の忌まわしい事件の報道に同時代人として緊張感をもって接していた身としては、この小説にまとわりつく不吉さがいや増すというものです。 そしてこのルポライターの原稿が突如終わったかに思われる最終ページをめくった途端、そこに現れるある但し書きに、まずは事の次第が呑み込めず、大きな戸惑いを覚えることでしょう。そしてすぐに、ああ、件(くだん)のたくみ氏が言っていた「違和感」とはこれのことかと思い至ります。そしてその後を読み進んでこの小説の成り立ちを了解したあと、まさに物語を「もう一回戻」っていく〈確認作業〉へと突入していったのでした。 物語を読み直すと、確かに随所にヒントとなる描写が転がっていたことに気付かされ、自分の目の節穴ぶりに苦笑させられました。 ただ、巧妙な騙しの仕掛けにだけ感心して読者がこの小説を閉じるのは少々もったいない気がします。この物語は人間が生きていくうえで誰しも抱えざるを得ない負の感情を中心テーマに置いている点を見落としたくないところです。ある登場人物の次の言葉が胸にしみました。 「成功すればするほど、幸せになればなるほど、それに伴って、その人を妬み、恨みを抱くものの数も増加していく。人間である以上、誰しもが呪われる側にあり、呪う側にあるという宿命から逃れることは不可能なのである」(105頁) では私達はこの負の感情とどう折り合いをつけるべきかが重要な課題になります。そこで登場人物が持ち出すのは〈色即是空〉の思想です。このくだりは仏教徒である私にとっては何ともしっくり胃の腑に落ちたのでした。 ------------------- 私からも、読み終わった後に、思わず最初から読み返したくなったミステリ小説をいくつか紹介しておきます。 ◆歌野 晶午『 葉桜の季節に君を想うということ 』(文春文庫) :読んでいる最中には特段気に留めることもなく、せいぜい気取った書名だなという程度にしか思いが至らなかったのですが、タイトルにある「葉桜」の意味するところが最後に明かされて、書を閉じた後に自身の来し方と行く末に思いを馳せずにはいられませんでした。 私はどんな「葉桜」の季節を迎えるのだろうか。 書の中に自身の今の姿や今後の人生における指針を見出したとき、読書の楽しみはこの上もなく高まるものです。本書はまさにそんな喜びをいっとき与えてくれた愉快な書といえる一冊です。 ◆泡坂妻夫『 しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 』(新潮文庫) :230頁もの間、ある特殊なルールに縛られた状態で文章を紡いでいます。読み終わった後にそのルールが果たして完璧に遵守されているのかどうか、思わず冒頭から確かめていきました。 ◆中町 信『 模倣の殺意 』(創元推理文庫) :最後に待ち受けているのは、読者をあざ笑うかのような驚きの真相です。読者である私の思いこみによって、それまで物語が真相からは全く遠い姿を呈していたことに気づかされ、そのあざやかな騙しのテクニックに脱帽したというのが率直な感想です。 . | ||||
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どんでん返し系ミステリーって、私は結構読めちゃうんですよね。 「あ、これ、男っぽく見せてるけど実は女だな」とか「これ幻想・幻覚オチでしょ」みたいに。 そして、今回も、やたら反転を押してくるから、主人公が犯人とか知り合いが犯人とかの有名な反転どんでん返しでしょ、と高を括って読み始めた。 キノミヤ→反転するとヤミノキ→闇の木or病みの木。 虐待をでっち上げられた女性やパワハラ疑惑をかけられた元サラリーマンとか。 そして、「ははーん、分かった。これって実は本当にパワハラしてたってやつでしょ」などと得意気に推理していた私でしたが、ことごとく外してました(笑)。 全然違う、かすりもしてない! しかし、たくさん推理して外した私こそが、最もこの本を愉しんだ人だと思うから気にしない! 推理して大きく外れた時こそどんでん返しは面白い! ぜひ読んで、呪われた後、自分の力でゆっくりと呪いを解読しましょう! | ||||
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本は嵩張るので電子書籍で買うことが多い昨今 この本は絶対に単行本で現物を買ってほしい 言えるのはそれだけ | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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今回でシリーズ3作目ですが今までのものは読んでいたので、今作は読み始めから気になる箇所があると いろいろと想像をめぐらして今回はこんなパターンかな?などと予想して読み進めたのですが、見事に私の読みは外れました!とても面白かったです。一晩で読破しました。読んでいて、なんとなく感じる違和感が最後に解き明かされるのが癖になります!! | ||||
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これは奇妙な滞在記です。 村人の語りとストーリー展開がとても引き込まれます。 秋の夜長におすすめの一冊です。 | ||||
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*ネタバレあり* これまでの出版禁止シリーズは読み返したくなるが、読み返さなくてもなんとか謎が解明するかんじでしたが 今回は読み返し必須!!むしろ読み返しても、まだまだ謎が見えてくるばかりです。 放送禁止シリーズを見終わったあとに、再度最初から見返してしまうあの感覚をまさか書籍で味わえるとは思わず感動しました。 一冊全てを読み終えたあとに、表紙を捲ると…うわぁぁぁぁっという気持ちになります。 私たちは本を手に取った瞬間から、真実は全て目の前にあったのだと気付きゾッとしました。 放送禁止の「真実を積み上げることが…」のナレーションが頭の中に響きます。 | ||||
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出版禁止シリーズを再読していたらおりよく新刊が販売されたので拝読。 簡単にあらすじを。 辛い思いをした人たちが集まり自給自足の生活を送る「いやしの村」は呪いの村だという噂が絶えず、真相を探るべく潜入を行う。洗脳や宗教と言った胡散臭さを想像しながら過ごすも、牧歌的な暮らしに噂はあくまで噂だったと確信していく。。。 「事実を積み重ねることが必ずしも真実に結びつくとは限らない。」 このテーマの元、ルポや新聞記事、インタビューの程で物語は進行していき、客観的に描かれた事実の裏を読み解くのが本書の醍醐味。 そんな醍醐味を失わないためにも、未読の人はネタバレを検索したり、このレビューの続きを読んだりしないでください。 以下、ネタバレを含みます。そして、これは私個人の考察のためめちゃくちゃ外れている可能性があります。そういう読み方もあるかーって感じで捉えてください。 • 都築の目的 朔の死の理由を探るべくいやしの村に潜入した都築。しかしそれも表向きの目的で本当の目的は、自分の過去の殺人がいやしの村の中で暴露されていないか?であった。また万が一、暴露されていたとしても村や旦那が妄言を吐いていると記述して信憑性を薄めようとしていた。 • いやしの村の実態 呪いの力を信じる共同体。村人には恨む相手がおり、相手が死ぬことで自身が生まれ変わり村を卒業している。相手が死ぬのは呪いではなく、恨んでいる人を他の村人が殺しに行っている(交換殺人)。都築の滞在を心から歓迎していたのは「呪い」の生贄に必要な人材であるため。だから、彼が村をさるとみんな悲しいし、いると安心する。 • 100年に一度の儀式 儀式で生贄となったのは都築。彼はかつて青木朔を心から慕い、彼女のために殺人を犯していた。その殺人から今、村を訪れるまで全てが朔とその父による計画であった。儀式を通じて、朔と青木伊知郎は新たな村長となり、その後訪れる佐竹を迎えいれる。 今回はこれまでの出版禁止シリーズと比較して種明かしがかなり明快になった印象!アナグラムや文頭に隠されたメッセージや比喩で読者を欺いてきましたけど今回もとっておきのトリックが!読み始めた時に、本に必ずあるアレがないなーと違和感がありましたが、そういうことねと。。。 今回も最高の読書体験でした。ありがとうございました! | ||||
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