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甘美なる誘拐
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甘美なる誘拐の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.48pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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いつ誘拐するのだろう。とか、伏線だなぁと思いながら読み進めますが、中盤からは一気に。とても面白く読ませていただきました。 オススメ! | ||||
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この作品は、2021年第19回『このミステリーがすごい大賞』文庫グランプリ受賞作である。 ヤクザの下っ端の真二と悠人、土地と建物の売却を求められ嫌がらせを受ける自動車部品販売会社を営む植草浩一と娘の菜々美、違法行為で金を稼ぐ謎に包まれた宗教団体ニルヴァーナ、高利貸しの殺害事件、火焔瓶が投げ込まれタールをまき散らかされた組事務所など、前半は誘拐に関することが一切出てこない。『甘美なる誘拐』というタイトルは一体何なのかと疑問にさえ思ってしまう。 タイトルになっている誘拐の話は、半分を読み進めたところでようやく登場する。前半は、様々なエピソードが錯綜するが、後半一気に誘拐劇が進んでいく。 前半で登場した一見全く関係がないように思われる個々の出来事が、最後にはすべてが線でつながり予想もつかない結末をむかえることになる。 主人公の真二と悠人のふたりをはじめ、登場するヤクザたちが犯罪者でありながら、どことなく人間くささがあり憎めないキャラクターに描かれているのが面白い。最後はちょっぴり心温まる終わり方で、読み終えた後に何かしらの安堵感と爽快感を覚える作品になっている。 | ||||
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※以下の内容には【ネタバレ】が含まれる可能性があります ミステリーとは違いますし,コンゲームとまでもいきませんが,身代金強奪をはじめ, 目の前の誘拐計画の本当の狙いなど,中心となる誘拐パートはまずまずの読み応えです. 一方で,複数の出来事と人物を並行させる展開は,大きな混乱とまではなりませんが, あちらこちらと,序盤からずっと散らかって映り,パートによっては物足りないことも. とはいえ,接点をチラつかせながらも,なかなかそれらが繋がる先までは見抜かせず, 「やはり」と「そっちか」が入り混じる,事態の決着にはおおむね満足をさせられます. 身もふたもないこと言えば,犯罪ですし,直接ではないにせよ殺人事件も起きるため, 『甘美』という言葉や,ハッピエンド風の幕引きに,違和感を覚えるかも知れませんが, 最初から最後まで軽快で,重苦しさを感じさせない割り切りが良かったのではと思います. | ||||
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後半の後半で怒涛のごとく伏線回収と種明かしをするので展開が急過ぎて私にはついていくのが大変でした。 また、伏線をすべて回収しきれていないように思えた部分があることが残念でした。 しかし、読んでいて思わずニヤッとしてしまったほどコミカルな会話やエピソードに惹き付けられて退屈することなく一気に読み進めることができました。所々に挿入されているちょっとしたエピソードが伏線となったり、場面の転換と時系列が大きく前後する構成による混乱が心地よかったです。明かされたトリックは心理的要素も利用されていて痺れるものでした。 私には、ミステリーとして詰めにちょっぴり残念に思う部分もあったけど、総じて大いに楽しめた作品でした。 なお、本作は「このミステリーがすごい!」大賞受賞作そのものではなく新設された「文庫グランプリ」作品です。 | ||||
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ヤクザの下っ端2人がメインであるが、立ち退きを迫られて嫌がらせを受けている部品会社、宗教法人の孫娘の誘拐が別々に展開する中で最後にはそれぞれが上手く収拾していく。 正直誘拐に関しては設定は甘々なので、ここで違和感を持つような読者だと楽しめないとは思う。 ただメインの2人のキャラが良くテンポよく展開していくのと先の展開が予想付かない広がりを持たせ、細かいことを気にしなければエンタメとして楽しめる。 人物描写が上手いので、これからもキャラを生かした作品を期待できる。 | ||||
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このミス大賞なので読んでみました ややつじつま合わせ感はなくもない 本なんてそんなもんだといえば それまでですが 叙述的なミスディレクションというか なんというか 私はややフラストレーションのような もやもやした気持ちが… Iの悲劇が好きなら好きなんじゃないかな | ||||
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サクッと読めました。最後にどんでん返し、おもしろかった。 | ||||
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ヤクザ未満の真ニと悠人のコミカルな掛け合いと物語の思わね展開に引き込まれて一気に読み進むことができました。また、結末は「そんな夢の様な話ってある〜?」と思いながらもコロナ禍での鬱々とした気分を吹き飛ばしてくれる楽しいものでした。 | ||||
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ノワールな展開なのに実に軽快でコミカルな仕上げになっている。 エンタメのミステリー小説でおもしろい。 エネルギッシュな爽快さがある。 読み進めるほどにストーリーに巧妙さを感じる。 加えて、大いにインテリジェンス性を感じる。 たまに時系列の順番を入れ替えているところは斬新さがある。 こんだけ伏線の風呂敷を広げてラストはいったいどうなるのかが興味津々に。 これはシリーズ化が期待できそうで、楽しみにしている。 | ||||
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ラストのドンデン返し。作者に見事に騙されました。ポール・ニューマンにロバート・レッドフォード。ラストの世界観はまるであのコンゲームの名作映画。 映画では、ポール・ニューマンが詐欺師を集めて偽の芝居を打つ。この作戦は上手くいくのだろうかと観客はハラハラさせられながら見守ります。結果、悪者を見事に騙し切る。しかし、そこで映画は終わらない。本当のラストシーンでは観客も見事に騙されて、えーっ、そうだったのかとなります。 さて、映画ではなく「甘美なる誘拐」について触れると、これはページターナーものです。この先、どうなるのだろうと興味を惹かれながらついついページを繰ってしまいます。 詐欺に引っかかってしまった親娘はこの先どうなるのだろう、老人の殺人事件はどうだ、これらがどのように絡んでくるのだろうと物語がトントンと進み、そして誘拐作戦が始まります。ネタバレになるので詳しくは書けませんがこの計画は見事に決まります。身代金の回収は見どころの一つ。でも、中途半端な終わり方だと、そう思っていたところに鮮やかなラストシーン。 細かく見ていくと物語に多少の傷はあるものの、スピード感でそんな事を気にさせずに一気に最後まで読ませ切るのは作者の才能だと思います。 | ||||
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基本的には麦山組の"ヤクザ見習い"の信二と悠人の二人組を主人公とした極道小説なのだが、題名が「甘美なる誘拐」とある通り、「誘拐」"も"扱っているという新機軸の誘拐ミステリ。この他、紅龍組という麦山組の対抗組織をバックに持つ<ニルヴァーナ>という新興宗教団体(経済ヤクザの兄貴分の荒木田に命令されて二人組は教祖の孫娘を誘拐するハメになる)の存在、二人組が現場に出くわした金貸しの稲村の殺害事件(二人組も借金していたため、警察・荒木田双方から疑われる)の犯人探し及び現場から消え去った「甘美なる誘拐(<The sweet kidnapping>)」という洋書を模倣した小説の謎、地上げのために麦山組から追い込みを駆けられる自動車部品販売会社の浩一と奈々美の父娘の登場理由の謎、荒木田に買わされた当選ロト・クジを掠め取ろうとする二人組の画策、荒木田の真の狙い等、ガジェット満載の小説である。また、舞台となる市には麦山組のレジェンドで今では堅気となっていて荒木田も正面切っては頭が上がらない、その名も"ケンさん"という昔気質の蕎麦屋が住んで居るという風に遊び心も満載である。 二人組(性格別けも良く出来ている)の会話を中心として物語がテンポ良くユーモア・タッチで進行する展開は黒川博行氏のコンビ物を思わせる。そして、物語が何処へ向かって行くかを分らせない全体構成が巧み。上述したガジェットは途中まで一見脈絡なく配置されている様に見えるからである。まず、それらのガジェットを最終的に全て回収する作者の手腕に感心した。そして、後半は「誘拐」に焦点を絞った攻防戦が描かれるのだが、特に、「誘拐」という行為に対して新しい意味付けを行なった点が光り印象に残った。 更に何と言っても、特筆すべきは全体をコンゲームで覆っている点で、これにはカタルシスを覚えた。「『極道小説』+『誘拐ミステリ』」をコンゲームで覆い尽くした新機軸の傑作だと思った。 | ||||
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例年の大賞作とくらべて遜色ないというより、上まわっていると思う。まず誘拐の構造が前代未聞。似ている話が思い出せない。誘拐ものなのだが、誘拐そのものをひとつの道具に使って別の物語を仕立てている。ここが高く評価される。面白い着想だ。 そして小説としてのまとまり、人物の書き分けがうまい。端役も生き生きと描かれている。文章もなめらかで上手い。 | ||||
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