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ひとつ灯せ 大江戸怪奇譚
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ひとつ灯せ 大江戸怪奇譚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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この作家は時代小説を量産しているくせに、細かい言葉の時代考証が出鱈目。 厄介・説明(坪内逍遙の造語)、緊張(森鴎外の造語)、姿勢・苦手(夏目漱石の造語)、理由(山縣有朋の造語)、雰囲気(北原白秋の造語)、心配(河竹黙阿弥の造語)、興味津々(加藤周一の造語)、時間潰し(坪内逍遙の造語)、助平根性(里見弴の造語)、協力(明治元年の造語)、連絡(末広鉄腸の造語)、原因(西周の造語)、肝試し(柏原兵三の造語)など、江戸時代にない言葉のオンパレード。 | ||||
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百物語を語るような時代小説はいくつか読みました。この本も髪結い伊佐治シリーズで知った宇江佐さんが怪談話をどのように書かれるのかと楽しみに手に取りました。読んでいると、主人公の世慣れなさ等にちょっといらいらと。でも読み終わると、とても満足。怖いのは怪奇現象ではなく、そんなお話にとりつかれた人それぞれの行く末かと思わされました。 | ||||
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内容が大変に読み応えあり良かったです。人間の心に響く内容で作者宇江佐様の作品を、いままで読まなかったので、これからは出来る限り作品を見つけて読みたいと思っています。 心理的作品です。 | ||||
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伊佐次捕物余話を筆頭に人情物語が多い宇江佐真理さんの 異色とも言えるホラーものです。 他の方もおっしゃられている様にどうして各々が 百物語のメンバーになったのかという説明が省略されていて 少々、その点だけ不完全燃焼感が残りました。 人生50年と言われた江戸時代、悪霊に憑りつかれ生死をさ迷った 大店の隠居・清兵衛(53歳)が主人公です。 最初はあまり霊とかではなく人の怨念みたいなものが霊的現象(妄想)を 生み出している話が多くあまり怖いという感じはありませんでしたが、 中盤からラストにかけてだんだん、じわじわ怖くなっていきます。 終わり方も切ないというかやり切れないというか…、 主人公・清兵衛も死への恐怖がなくなった…とあるのだから、 もうたぶん死期が近いのでしょう。。。 現代は江戸時代とは違い、科学万能の時代ですが いつの世にも理屈や数学では割り切れない話はたくさんある…、 そう考えさせられた一冊です。 この手の時代小説の第一人者は宮部みゆきさんですが 宇江佐真理さんにももっと人間の心の闇、醜さ、怖さ、 ホラーのジャンルを書いていただきたいと思いました。 | ||||
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経済的に余裕のある人たちが、月に1度集まり、ホントにあった恐い話をする物語。 ホントにあったと言っても、そこは小説なので、全部創作だとは思うのだが。 小心者にとっては、ホントの出来事か作り話かと言うことはまったく問題にならず、恐いものは恐いのだ。 そして、ぼくはこれを夜に読み始め、さらに恐い思いをして、眠れなくなり、とうとう一晩で読み終えてしまったのだ。 だから、自分は気が小さいという自覚のある人は、真っ昼間、人のいるところで読むことをお勧めする! | ||||
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宇江佐さんのいつものほのぼの節を期待して手に取っただけに、このうら寂しいエンディングが切なかった。 死を恐れる平野屋が、この世の怪異になれるためにと加わった、怪奇談の会。 職業も立場も年齢もそれぞれ、息の合うメンバーに巡り会えたと喜んだのつかの間‥ 予想通りの結末、ではないけれど、十分に寂しく切ない話だった。 秋の夜にはよい話、でも、寂しすぎて年配の方には勧めません。 | ||||
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百物語を題材にした連作集。 時代物でホラータッチと言えば、第一人者は宮部みゆきさん。 どうしてもそちらの作風と比べてしまいます。 ところが本作は宮部タッチとずいぶん異なります。 結末に短篇連作集としては意外な落ちをもってきたところがすごいです。 宮部みゆきは絶対にこういう結末にしないのです。 池波正太郎風とでも言える、乾いた終わり方です。 怪談噺が続くのですが、 それぞれの話に人間の機微が感じられて、 どれも目を逸らさせない完成度です。 後半になると気楽な怪談の会にぞくっとした気配が漂いだすあたりが、 個別のエピソードより怖いと思います。 ひとつひとつのエピソードにとどまらず、 全体として怪談になっている。 こんな怪談もあるんだという、よい見本です。 | ||||
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宇江佐真理。耳慣れない人もいるかもしれないが、オール讀物新人賞など複数受賞、直木賞候補にもなったことがある。時代小説作家。捕物帖が多いが、本作は夏向きの怪談。暑い季節を涼しく過ごせそうだ。短編八作だが、一冊でひとつの話と読むことも可。 江戸の世に、百物語という催しがひそかに流行した。百の蝋燭を立て、参加者が怖い話を終えるたびにひとつ消し、百消えると何かが起こる、という趣向だ。本作の登場人物たちは、自分の体験か、人伝に聞いたことだけを話さなければならない、というルールを設けた。作り話は御法度。興味本位で、むやみに怖がらせる人を寄せつけないようにしているのだ。いきおい、語られるのは、怖いというより不思議なものが多い。おもしろいのは、その不思議な出来事について、会員同士で、原因や解決策を冷静に議論し合うところである。実は、人間の心が生み出した幻影だったり、悪辣なものが仕組んだわなだったりと、事の真相が判明していく。メンバーの中には同心もいたりして、推理小説の要素も多分にある。 怖いのが苦手な人もこれなら大丈夫。といいつつ、あとからじわっと怖くなったりする。 | ||||
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息子に家業を譲り隠居した清兵衛を襲ったのは、死の恐怖だった。そんな清兵衛を見て、 友人の勘助はある集まりに清兵衛を誘った。本当にあった怖い話を語り合う「話の会」に 顔を出すうちに、やがて奇妙なできごとが起こり始める・・・。8つの作品を収録。 読んでいてじわじわと怖さが迫ってくる感じがした。話の会に参加する者たちは、それが 本当なのか、または人の心の弱さが作り出す幻想なのか、判断できないまま語り手の話に 耳を傾けている。だが、理屈では説明しきれない奇怪なできごとが次々に起こってくる。 読み手までもが、不思議な世界に引きずり込まれてしまう。「この話、作者はどう収める つもりなのか?」背中がゾクゾクするような感覚を味わいながら読み進めた。だが、待って いたのは本当に意外なラストだった。「怨念」「たたり」そんなことは信じたくないが、 その存在を完全に否定できないで恐れおののいている自分がいる・・・。少々、いやな 余韻が残る作品だった。 | ||||
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宇佐江さんの本は初めてだが、非常に面白い。 読み始めは百物語の変形だが、次第に参加者の人間関係のドロドロが怖さの伏線となり、最後はどうしてこのような終幕になるのか、と言う筋書きである。詳細は書けないいが、この終幕のため続編はどうなるの、書いて欲しいのに、と思う。 | ||||
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人情を描きたかったのか? それとも怪談なのか? どちらも中途半端な気がしてしまった。 何より話がストレートすぎ、ひねりに乏しい。 さらりとした文章は綺麗で読みやすいのだが。 | ||||
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日本には大昔、おそらく平安時代頃からコワイお話を持ち寄って皆で語り合う百物語と呼ばれた、いわばコワイお話パーティのような習慣がありました。ロウソク(正しくは行燈)を100本、ずっと向うの座敷に灯しておき、集まった人達はこちらの暗い座敷にすわり、それぞれ一人一話コワイお話が終わると向うの座敷まで暗い中を這っていってロウソクを1本消してくるルールですが、決して百話目は話さないことになっています。それは百話目が終わり最後のロウソクが消されると、本当に物の怪があらわれて怪奇現象が起きてしまうといわれているからです。 「ひとつ灯せ」もこの習慣を踏まえた作品でコワイお話が8篇綴られています。どの篇も宇江佐さんお得意の江戸庶民の生活が生き生きと描かれており、読んでいる私達も江戸時代へタイムスリップしてしまっているような気になります。あの頃のことですからおそらく夜7時ともなれば街中、漆黒の闇に閉ざされ、テレビの音ひとつ聞こえるわけではありません。私達にとって妖怪は想像上のイメージですが、あの頃は本当に、一つ目小僧や、傘一本足などのお化けが跳梁跋扈していたのでしょう。本作の中でも人に恋をしてしまった女狐の哀しいエピソードが紹介されていますが、当時の狐や狸は人をだますことができたのだと思います。 その時代に誘われるまま、本作の八話を読みますと、なんといっても宇江佐さんの手によるものですから、血なまぐさい残虐なお話はひとつもなく、それでいて読み終わるとじんわりと世の中には摩訶不思議なことがあるものだとゾーとする仕立てになっています。8篇それぞれの怖さがありますが、私には最後の「長のお別れ」が一番印象的でした。百物語の百話目が語られてしまった結末をみたような気になります。(ロングバージョンのレビューは [...]のレジャー→エンタメでどうぞ) | ||||
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宇江佐真理のファンでもこの作品はやや首をかしげたくなる出来だ。 宮部みゆきを意識したわけでは無いとは思うのだが、ホラーと時代小説 の組み合わせにしては、ホラーの部分がお粗末で面白く無い。また、話 の会の面々も、最後までなぜこのような会に参加しているかという説明 が無く人間関係の争いも子供じみている。 ただ、最終話を読み終わってからこの小説全体がひとつの怪談話だった のかもしれないと感じた。 | ||||
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