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滅びの前のシャングリラ



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【この小説が収録されている参考書籍】
滅びの前のシャングリラ (単行本)

滅びの前のシャングリラの評価: 4.16/5点 レビュー 75件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.16pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全61件 41~60 3/4ページ
No.21:
(4pt)

ずっと救いを求めて読み続けましたが…。

最初から最後までハラハラさせられて、数時間で読み切ってしまいました。

内容としては、私的にはですが、もう少し希望を持たせるラストにして欲しかったです。
終末物なので、希望も何もあったもんじゃないかもしれませんが、フィクションの世界においてはありなんじゃないかな…と。
気になったことは、藤森さんの妹の名前のひどさや、dv男のことを愛しているお母さんのことがちょっと理解できなかったです…(お母さんは好きですよ)。
1番感情移入できたのは、Locoさんの孤独さ
でした。幸せって何なのでしょうね。
滅びの前のシャングリラ (単行本)Amazon書評・レビュー:滅びの前のシャングリラ (単行本)より
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No.20:
(5pt)

1か月後の滅びを宣告された中、自分の居場所を探す「うまく生きられなかった人」の群像。

「メメント・モリ=死を意識して良きよ」という言葉は些か使い古された感があるけれども、俗世間に塗れて生きる凡俗には中々厳しかったりする。なんなら自分自身の死なんて遥か遠いものだと意識の外に放り出しているのが精神的には健康的な状態ではないかと思ったりもする。死へのタイムリミットなんて意識するのは末期のがん患者ぐらいのものではないだろうか……

そんな感じで死を意識の外に放り出しているのが普通の世間の在り様なのだけれども、それじゃ誰もが自分自身の死を意識せざるを得ない社会ってどんなもんだろう?それこそ全人類が一斉に「お前らあと一か月で全員死ぬからね」と宣告されてしまったら社会はどんな様相を迎えるのだろうか?

世間から外れてしまった存在を追いかけ続ける作家・凪良ゆうの新作はそんな「全人類余命1ヶ月」宣言がなされた社会を4人の人物の視点から描いたSF風連作短編劇。

舞台となるのは現代日本。世間を騒がしているのはテロを目論んでいると思しき新興宗教団体ぐらいというそれなりに平和な時代を誰もが過ごしている中、ある日突然「推定10㎞サイズの小惑星が1か月後の午後15時に地球に激突する」「何年も全世界を挙げて小惑星の軌道変更を試みたがどうにもならなかった」という、いわば「全人類余命一か月」宣言がなされて社会は一気に騒然となるが……

一読して驚いたのは「凪良ゆうって、いわゆる『普通の人々』を主役に据えても話作れちゃうんだ」という点。凪良ゆう作品の主人公と言ったら亡き夫の幽霊が自分だけに見えてる女性だったり、奔放すぎる親に育てられて世間の枠に収まらない自由を渇望する女性だったりと「これは確かに『一般的世間』は狭苦しく感じるだろうな」といった感じのキャラクターの持ち主が多かったという印象なのだけれども、本作を構成する各章の主人公は、なんというかえらく「普通」なのである。

高校でいじめを受け続ける日々を耐え忍び、屈辱的なパシリ扱いの中で一人の少女に思いを寄せるおデブな少年。
頭が回らん分腕っ節だけを頼まれてヤクザの舎弟としてコキ使われてきた挙句ヒットマンにされたチンピラ中年。
若い頃に行きずりの様な関係で授かった小さな命を学歴も無いまま必死で働きながら育て続けたシングルマザー。

作者の過去作と比較すれば驚くぐらいに「普通」というか「ちょこっとだけ道を踏み外してしまったどこにでもいる人々」である事が一目瞭然。当然ながら全員自分の人生を「最低だ」と思いながら生きているのだけど、その「最低だけど、こんなもんだ」とウンザリしながら生きている人生があと一か月で終わりとなったらどうするか?本作の主題はそこにある。

昨年本屋大賞を受賞した「流浪の月」も少女時代に自分を「誘拐」してくれた男性を自分の「居場所」として追い求める女性の姿を描いた作品だったが、本作においても「居場所探し」が主題となっている点は変わりがない。ただ、その「居場所」が割と俗っぽいというか普通の人なら誰でも手に入って、何の価値も感じていないであろう「家族」なのだから面白い。

本作は第一章の主人公を務める男子高校生が、クラスメイトで良家のお嬢様である女の子が滅びが迫るというのに口にした「現代の歌姫Locoのライブがあるから東京に行きたい」という願いを何とか叶えてあげたいと頼まれてもいないのにナイトを務めようとしてしゃしゃり出る所から話が動き始める。治安が崩壊していく中、広島から東京へと向かう途上でお嬢さまが養女である事が判明。東京には彼女の真の両親がいると聞かされるのだけど、腕っぷしにはまるで自信の無い少年はお嬢さまを守ろうとして大ピンチに。そこに颯爽と現れた救いの手は……という感じで進むのだけど話が進む程に最初は高校生カップルだけだった筈の旅が「疑似家族」の様な様相を呈してくるのである。

滅びが宣告されて社会が「弱肉強食」といった感じの原始の状態へと崩壊していく中で、元々どこかが崩壊した家庭に生まれ育った人々が暖かな家庭を手に入れていく、というのは何とも皮肉というかパンチが効いている。ヤクザに危ない仕事を頼まれながら人を殴り、遂には殺めてしまう様なトンデモ人生を送って来たチンピラの人生は極端であるにしても、シングルマザーが「あたしたちは、なんで、まっすぐに生きられないんだろう」と嘆く様に後悔を抱えながら生きてきた人々が77億人総「メメント・モリ」の状態に追いやられた挙句、偶然の積み重なりとはいえ漸く「自分が本当に欲してきた物が何であったか」に気付かされるのだから本当に皮肉と言う他無い。

疑似的なものではあれ、彼らが手に入れた「家庭」がどう足掻いても1ヶ月足らずで終わってしまうという事を念頭に置くと余計に人生の儚さが引き立つ。逆に言えば人間はこれぐらい極端な状況に追いやられないと自分自身の人生という限られた時間の意味に向き合おうとしないのだ、と言われているに等しい。人生は嫌々ながらも引き受けている時間を過ごしている中であっという間に過ぎ去り「自分が本当に欲した物」に気付く前に終わってしまうのだと突き付けられる様な思いがした。

この主題は最終章で描かれる、ある歌姫の半生にも反映されている。大阪のガラの悪い町で生まれ育ちロックを愛する地元の仲間と下手っぴなバンドを組んでいた彼女が芸能界に声を掛けられたは良いが、使い捨てのアイドルに転落し、底辺をはいずり回る羽目になる序盤もヒドい話ではある。だが、本当に悲惨なのはそんな彼女が大物プロデューサーと出会った事により「歌姫Loco」へと仕立て上げられていく栄華の道を突き進む中で大切な物をボロボロと捨てていく羽目になり人生のどん詰まりへと追いやられていく過程の方かと。

大阪で生まれた一人の少女が地の言葉を捨てさせられ、標準語で話す事を強制されて人工物へと置き換えられていく様な、芸能ロボットへと作り変えられていく過程もグロテスクではあるのだが、地元に置いてきたかつてのバンド仲間や、果ては家族とも疎遠になってゆき、最後は「新しいロボット」へと目が向いたプロデューサーにまで捨てられそうになる顛末は目を覆わしめるものがある。

話の方はそんな彼女が捨てた筈のものに救われる様が描かれるのだけど、世界が滅びるのを前に捨てる事を強いられた大阪弁という地の言葉に代表される「本当の私」を構成するパーツを一つ一つ取り戻し、本来の自分の人生を取り戻していく様はちょっと手塚治虫の「どろろ」を思い出す部分もある。しかし彼女が取り戻した物も結局は目の前に迫った小惑星激突という無慈悲な現実の前には消えていくしかない儚さを孕んでいるのである。

「本当に欲しいもの」「心安らげる居場所」という従来の作品でも掘り下げられてきた凪良ゆうのテーマを描きながらも、ギリギリになるまで大切な物に向き合えない人間の愚かしさや、欲しいものが手に入ったと思ったら死ぬしかないという世界の残酷さをこれ以上なく浮き彫りにするのは中々に新鮮な味わいであった。どこかしら「やけっぱち」というか最後のお祭りを楽しむ様なドタバタ感も含めて、作者がまた新たな境地を切り開いた事を実感させてくれる。

これまでは安易な共感を許さない鋭く尖った人物造形で読ませてきた凪良ゆうだけど、「どこにでもいる普通の人々」を特殊な状況に置いて「私の居場所」に向き合わせるという手法に切り替えた事によってより読み易い方向へと作風の舵を切ったなと思わされた一冊。これから凪良ゆうの世界に触れられるという方には「最初の一冊」として手を付けられるのに適しているかも。
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No.19:
(5pt)

人間に必要なものの本質

二日で一気読みしました。寝不足です。絶望と希望、希望と絶望。凪良ゆうさんの作品は流浪の月以来二作目。長文なのに読みやすく登場人物の感情描写が緻密でその場にいるような気分になります。最近は読書していなかったので改めて読書はいいなと思わせてくれる作品でした。まさに滅びの前のシャングリラでした。
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No.18:
(4pt)

崩れ行く世界と個の再生を描く、連作短編4編

1ヶ月後に小惑星が衝突。破滅する世界と修復する家族、崩壊する世界と自分を取り戻す歌姫。崩れ行く世界と個の再生を描く、連作短編4編。
「シャングリラ」17歳情けない息子目線で、とある事情でライブを目指す美少女幼馴染に付き添って、「パーフェクトワールド」40歳ヤクザな父目線で、母との再会。息子のピンチを救い、「エルドラド」40歳タフな母目線で、”最後のとき、わたしの隣には惚れた男と子供たち”。
「いまわのきわ」29歳すべてを手に入れた歌姫目線、衝突の日のライブで”命を謳うのだ”。
終末モノの秀作。
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No.17:
(5pt)

久しぶりの本で・・・

普段漫画くらいしか読まない私です。
過去にハリーポッターを1冊と、ケータイ恋愛小説にハマって10冊程。急にプツンと気持ちが切れて読むのをやめてしまうくらいの飽き性が、とにかく読み進めたくてたまらない一冊と出会えました。
隙間時間で読んでいたので半月ほど掛かりましたが、終わりを想像して、期待と、絶望と、何が待っているのか、、、色々な意味で興奮してしまう物語でした。
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No.16:
(5pt)

【ほんとはみんなたいして幸せではなく…】

初版限定のスピンオフも合わせて、1日で読みました。やっぱりおもしろい!!!
今の世界の状況にも似ていますよね。
そのせいか、現実と虚構の世界が混沌としているような感じになりました。

『一ヶ月後に小惑星が衝突して地球が滅亡する。』
この一ヶ月後というのがポイントですよね。
最期の日、絶望するのではなくある意味『幸せ』を感じ、『希望』を抱く人々の姿にはとても感動しました。
こんな腐った世の中で、なんとなく諦観しながら生きている人々が、いざ人生最期の時を迎えるときになって自分の幸せや願いを見つけていくなんて皮肉な話ですが、的を得ているような…
失わないと気づけないんですよね。

あー、こんなに素敵なお話を読めるなんて感謝です。
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No.15:
(5pt)

もしもこんな事がおきたらと考える

一か月後に小惑星が地球に激突し人類が滅びるという状況下、人が考え行動し変化していく様を、高校生、チンピラ、母親、アーティストの四人の視点から語られる。

願いが叶ったはずなのに、或いはやっと手にしたものなのに、世界が終ってしまうという絶望の中に希望を見出していく人々の姿が何とも切なくつらい。
王道ともいえる設定で各章の話の繋がりもオーソドックスなのに、登場人物達の造りや心理描写が巧みで、挟まれるエピソードも素直に心に入るため、読んでいて胸にグッとくるものがありました。
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No.14:
(5pt)

世界の終わりに救われるのならハッピーエンドでしょ

愛が世界を救わなかったけど、世界の終わりが愛を救った話
これをハッピーエンドととるかバッドエンドととるかは人それぞれだと思うのでみんなに読んで欲しい
明日世界が滅びればいいのにと願わなかった人なんていないと思ってるけど、それが本当になったらと考えるのは不謹慎だけど楽しいよね
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No.13:
(5pt)

満たされた幸せとは。

「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」というシチュエーション。
そんななかで、ひとが考え、ひとが取る行動とは何か。
そして、そんななかで、満たされた幸せとは何かを追求していく。
”シャングリラ”、すなわちユートピア。
理想的な世界を問いかけてくる。
あるものはいじめ、貧困というマイナスから。
あるものは暴力三昧の反社会的生活というマイナスから。
あるものは上流家庭のお嬢様育ちなのに心が満たされないものから。
あるものは地位と名誉とものに満たされた頂点に立つものから。
「最後に、子供の好きなとこに連れてきてくれるんやから」
普通に、家族で日常を過ごすことは、この上ない幸せなんや。
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No.12:
(5pt)

怖かった〜(; ;)

「1ヶ月後に隕石が落ちて人類滅亡」っていうちょっとバカみたいな設定が、ほんとにリアルで怖すぎた。
今年5月ごろ、コロナ禍のありえない世の中で実際に感じた絶望感のおかげで物語の中のモブな人たちへの共感が深くて、登場人物たちの強さとか弱さとか魅力がより感じられる気がする!
さすが凪良大先生。ほんと天才。
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No.11:
(5pt)

ありきたりな設定.だからこそ実力が試される.

「世界が終わる前に何をするか」というのは良くある設定だ.世界の荒廃,暴力からなる世界になるのは目に見えている.

著者は,その極限の状況になった時に,人と人とのつながりを描く.心が本当に求めているものは何か.それは,過去の経験上,日常では目をそむけたくなるようなものかもしれない.だから心の奥底に押し込んでいる.登場人物それぞれが,極限の状況下だからこそ,自分の心が本当に自分の理由で求めていたものに気づかされる.

日々の忙しさに,大切なものを忘れている人は多いと思う.どこか心の中で悶々としたものがあるのではないだろうか.その答えの見つけかたを教えてくれる一冊.
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No.10:
(5pt)

読みやすかった!

読みやすかったです。

なんでもないようなレビューですが、
作品の中、広島の学生がメインでいます。
けれど、広島弁は使われていません。

広島県民としては、『広島=ガッツリ広島弁』を使う作品をたまに見かけます。
けれど、若者は小説やドラマほど広島弁を使いません。例えば、『ワレがゆーたんじゃろーが』みたいな。現実は『そっちがそう言ったんでしょう?』と言う子が多いです。

だから、変に広島弁を使われていないのが個人的にわかってらっしゃるのかなー…と嬉しくなりました。
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No.9:
(5pt)

『他人から見て納得できる、できないは関係ない』

一行目からの衝撃。
心を掴まれました。この先どうなるのか続きが気になる。。。

本作は、友樹、信士、静香、そしてー…もう一人の視点から描かれる話。

それぞれがこれまでどのように生きてきたのか、どんな思いを持っているのか、これからどのように生きるのか。それぞれの章に詰まっています。

いつ死ぬかわからないのが人生。1ヶ月後に自分が死ぬとなったら自分は何をするだろう。。。
でもやはりいつ死ぬかわからないからこそ毎日を大事にしたい。死ぬ時がわかってしまった4人の姿を見て、自分のこれからの生き方を考えました。
毎日全力投球。後悔なくは生きられないかとしれないけど、今ある当たり前のものを大切にして、周りの人を大切にして、生きていきたいと思いました。自分が大切と思うものを大切にする。他人の意見は関係ない。

個人的には、初回限定でついてくる、スピンオフ『イスパハン』までが一つの作品。
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No.8:
(5pt)

様々な愛のどれかに触れ合っている事は素晴らしいと思わせる名作!

Twitterで話題沸騰だった、隕石で地球滅亡寸前の状況を描いた作品。

壮大なSFかと思って期待したら、希望を無くした人たちの温かな繋がり作品で、予想とは違うけど良い作品でして、作者の本屋大賞作よりも良かった(^-^*)/
本屋大賞を争った『線は、僕を描く』(現状、今年1番)は超えてないけど、それでも良作で、読後の短編エピソード小冊子が初回限定で付いてるのも良いアイデア♪

恋愛・家族愛・人間愛。様々な愛のどれかに触れ合っている事は素晴らしいと思わせる名作!
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No.7:
(5pt)

幸せとは

地球滅亡まであと一ヶ月、
誰とどこでどの様に過ごすか、
周りには幸せに見えても、必ずしもそうではない事も多々ある。

それを各々の物語になぞらえて、語られている。
自分に置き換えたとき、どうするのであろうか。

スピンオフの冊子が物語をさらに深いものに昇華してくれました。
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No.6:
(5pt)

生と死の狭間で見つけた4つの幸せの物語

果てしない世界観に圧倒された。

「流浪の月」で本屋大賞を受賞した著者による受賞後、初めての作品である。

隕石落下を前に荒れ狂う世の中で、4人の人物に焦点を当て物語が描かれる。

生と死の狭間で取る4人の行動の裏には様々な感情が入り混じり、それぞれの視点で物語が描かれることで内容に深みを増していく。

私にはコロナ禍の今だからこそ、世の中に「本当の幸せとは何か」「愛することは何か」を提起しているように感じた。

文章力と世界観は群を抜いている。

ぜひ、主人公を自分に置き換えて、一読いただきたい作品である。
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No.5:
(5pt)

限界を見た時の人間関係

一気に読みました。

書き出し、そして後半に行くにつれこれは途中で読むのをやめてはいけないと思うほどの作品でした。

人類への余命宣告の理由はともかく、それに伴う人々の葛藤や倫理や秩序が崩れていくざまや、人間の本性やそれを取り巻く環境の裏表など、これを無様な人の姿と見るのか、それでも絆が確かにそこにあると見るのか意見はわかれそうです。

多方面からの人々のつながりに感動しました。

今の社会に、そしてこれからの人々に、いざ自分がこの立場ならどうするのか問われているようにもおもいます。

とても素晴らしい作品だと思いました。
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No.4:
(4pt)

世界が終わる前の

「流浪の月」読了時にも感じたことですが、著者の表現力、心理描写力は卓抜しています。細かな情景描写力も素晴らしく、全てのシーンが映像として浮かんできます。
ただ、一方でところどころリアリティに疑問を覚えてしまい、物語への没入を妨げられる点も……。
先行レビュアーの方も書かれていたことですが、物語のキーであるヒロインが「東京へ行く」理由が弱すぎる……。
小惑星の衝突が判明し、世界が大混乱し、暴動や略奪が起こるのが分かっているのに、「憧れの歌姫のライブのため」(それは表向きの理由ではあるのですが、本当の理由もどうも弱い)、東京に行くかなあ。
繊細な少女の心理として分からないでもないですが、それならもっと切羽詰まった描写を積み重ねて欲しかった。
それから、ヒロインの妹の名前です。
ヒロインの両親は愛情深く、良識的な人物であることが描写されています。そんな両親が、妹にあんな名前を付けますかね?この名前もキーポイントになるだけに疑問を覚えました。

他にも街の描写とか(世界の終末前なのに、どうにも緊迫感が漂ってこない。あんな時期までガソリンがあるかなあ。歌姫の章だけ物語が浮いていて、どうにも感情移入しにくい等)、気になることはあるのですが、生き生きとしたキャラクターと文章力で一気に読ませる筆力はすごい。
とにかく気になる作家さんであることは間違いないので、次作も買います!
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4120053407
No.3:
(5pt)

個人的に本屋大賞作品超え

傑作だと思った。
著者の文芸作品を好きで読んでいたが、基本的にどれも社会的に弱い人に対する救いというものがテーマとして描かれているように思う。それは今回も一貫しているのだが、雰囲気がまるで違う。
暴力のシーンも、人が死ぬ悲惨なシーンも真に迫るように登場する。
荒っぽいヤクザの男の視点も迫力満点に描き切る。
それを経由しての、著者の真骨頂である人と人との繋がりを描く場面は永遠に読んでいたくなるような安心感があり、最後の章の視点人物、何よりラストシーンには言葉を失った。
著者の持ち味をしっかり読ませる安心感、今まで見たことのない著者の新たな実力、その両方を堪能した。
個人的に満足度は流浪の月を超えた。
また、初回限定の短編を読むとさらにこの本が愛おしくなる。今後は付かず、文庫化時にも読めないらしいので、購入を迷っている方は早急に手に入れることをおすすめしたい。
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No.2:
(4pt)

引きずる読了感

1ヶ月後に地球が滅亡。このストーリーを知った時、
オーストラリア映画『ファイナル・アワーズ』を思い出した。
あの映画は滅亡までの1日を描いたものだが、この作品は1ヶ月。
どちらも、地球の崩壊と社会の混乱を描きながら、
その中で人間としてどう生きるのかをテーマとしていて、面白い。
この作品では登場する4人の人間模様をフォーカスし話が進んでいく。
正直、本当に滅亡とかになったら、もっと悲惨で、それどころではないと思う場面もあったり、
そもそもJKの美少女が、安易に東京行きたいとか、その設定に無理やり感を感じて、
最初は話にのめり込めなかった。
でも、4人が交差し始める所から、最後は一体どうなるのかと、
ワクワク感が止まらなくなり、一気に読了した。
最後は少なからず4人+1人は救われたという、
滅亡するのにおかしな話だが、希望があるのだ。
読了後は、本当に滅亡してしまった後のことまで考え、
また、登場人物全てのあの瞬間の感情がリアルに思い起こされてきて、
引きずる作品である。
それなのに何度でも読み返したい中毒性も持ち合わせている不思議な作品でもある。
星を一つ減らしたのは、
ストーリー展開に重きを置いた結果だと思うが(その展開がまた面白いのでこれはこれでいいのだが)、
凪良ゆうの作品には常に、心にドスンと衝撃がくるような刺激的な文章表現があるのだが、
今回私的には、それが薄かった。
しかし、面白い表現は散りばめられていて、やはり彼女の文章表現のセンスは秀逸で好きだ。
この作家、本当にただものではないと思う。
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4120053407

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