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【この小説が収録されている参考書籍】
英雄〈上〉 (新潮文庫)
英雄〈下〉 (新潮文庫)

英雄の評価: 4.00/5点 レビュー 2件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt
Created with Highcharts 5.0.100件0.00%0件0.00%0件0.00%2件100.00%0件0.00%得点得点☆1☆2☆3☆4☆5


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(4pt)

滾り立つ正義感が嬉しい原点回帰作品!

フリーマントルのキャラクターには若さはまずない。その代わり、毎度と言っていいほど必ず見られるポイントは、百戦錬磨の権謀術策、派閥争い、騙し合い。大なり小なりの腹の探り合い。化かし合い。はったり、罠、組織のなかでのサバイバル。そうした人間界の業(ごう)ともいうべき静かで神経質な組織内闘争に、一方で起こる国際的事件が絡んで、ミクロ&マクロのシームレスな葛藤こそが、泥濘のように粘っこく執拗に纏わりつくように描写されてゆく。  本書は米露それぞれの捜査官を主人公に据えてのダニーロフ&カウリー・シリーズ第二作。遠い国に暮らす二人の捜査官たちが、それぞれの国で抱える殺人を繋ぐ巨大なシステムのギアのような存在を演じて奮戦する物語だ。  かくも執拗に人間臭いドラマでありながら、フリーマントルが飽くまで描き続けるのは、実は単純明快なヒーロー話でもある。 チャーリー・マフィンはぎりぎりのところで、いつもヒーローをものにしてゆく天才であったと思う。風采が上がらないだけにその能力の高さに関しては遠慮のない記述でチャーリーをべた誉めしてゆくのがフリーマントルのやり口である。 こちらのシリーズでも、米露の二人の英雄たちは、重く引きずる日常を抱えながら、最後にはひたすら闘いに身を投じ、何よりも互いを案じるほど優しく、滾り立つ正義感のやり場に身を焦がす。 チェチェン、そして遠くシチリアを繋ぐマフィアン・ネットワークを壊滅させるために身の危険を侵し、恐怖に震えながら敵陣に乗り込んでゆくダニーロフは、その外見とは裏腹にやっぱり随分と英雄っぽく見える。 起死回生の挽回に賭ける二人の捜査官の、マフィアどもとの知恵比べは、少し錯綜して難しい部分もあるけれど、十分に練られたプロットの妙を感じさせるし、何よりもこの作家最初の傑作『消されかけた男』に通じる知略の痛快を思い起こさせる。組織に属しながらも結局は個人の能力で切り抜けてゆく男たちを書かせると、フリーマントルの右に出る者はいない。原点回帰みたいな作品だったので、ちょっと嬉しくなった。
英雄〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:英雄〈上〉 (新潮文庫)より
4102165371
No.1:
(4pt)

アイロニカルな結末にマフィンの影を見た

 言わずと知れたダニーロフ&カウリー・シリーズ第2弾であります。『猟鬼』を読んでない方は読む資格がないと敢えて申し上げておこう。なんせストーリーは前作のしがらみ引き摺ったまま解決されなかった不倫問題(^_^;)も持ち越したままだし、底辺を流れる重苦しさの中身を知っててこのシリーズ追っかけてるファンの特権とも言えるでありましょう。ロシアとアメリカゆえ、外交という大いなる壁が立ちはだかるのは当然の展開。二人の間の連係プレーの妙が異なる国家システムの間隙を縫ってロシアの暗黒面に切り入って暴き出す巨悪の存在が警察小説を超えた面白さを醸し出す。政治絡みの大風呂敷はちと遠慮したい部分もあったりして、苦笑気味に読んだのもまた事実(^_^;)。捜査対象が個の犯罪者からグレードアッ!プしたのはいいけれど、あれよあれよと事件が上の方まで行っちゃうと、おいおい待ってよと呼び止めたくなる展開には、ちょいと閉口四辺形でありますぞ(^_^;)。 フリーマントルの著書にある『CIA』と『KGB』を読めば分かるでしょうけれど、こういう得意ジャンルに踏み込んだらこの人の筆先鋭く解剖していく作業がメインになってしまい、巨悪の下で蠢く個の犯罪者の肖像の掘り下げが十分ではなかった感もある。なんせ登場人物が多すぎて、読む方だって消化しきれないんだもの。今回はダニーロフ夫妻を縦軸に、彼らの色恋沙汰と犯罪対象が微妙に絡み合う綱渡りの展開にハラハラしつつも迎えたある悲劇的な結末。さすがチャーリー・マフィン・シリーズの作家らしいアイロニカルな手駒の配置ではあるね。まだ衊¦‹ぬ第3作でのダニーロフの神経が均衡を保って行かれるのか心配だったりする。ま、ラストの復讐戦での手練手管を見れば杞憂に終わりそうですけれど…(^_^;)。 このシリーズには珍しく冒険アクション的なシーン満載で、フリーマントルにしてはサービス度高いです。副主人公的活躍でやや影が薄かったカウリーも、モスクワでの物語に比重が掛かるゆえ致し方ないか。毎回米ソ両国を巻き込んだ題材を練り上げてダニーロフとカウリーをどう絡ませるか、本当に頭を捻らなくてはいけないシリーズになってしまったけれど、マフィンと二本立てで今後も健筆を揮って頂きたいものである。これだけ面白い英国仕込みの大人の小説を描ける作家を今失うわけにはいかないからねえ。次回作はカウリーがメインで展開する順番ですが、さて如何?
英雄〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:英雄〈上〉 (新潮文庫)より
4102165371

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