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昨日星を探した言い訳



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【この小説が収録されている参考書籍】
昨日星を探した言い訳
昨日星を探した言い訳 (角川文庫)

昨日星を探した言い訳の評価: 4.06/5点 レビュー 33件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.06pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全33件 21~33 2/2ページ
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No.13:
(5pt)

青春

読み終えて、この不思議な読後感にため息をついた。
美しい、人が文学の中で憧れを抱くような学園の中で出会う少年と少女。
二人の関係をどう言い表したものか。
ライバルか、共犯者か、親友か……恋人ではない。そこが美しい。
片方はかなり早い段階から恋をしていて、もう片方はいつから恋だったのだろう。考えてみれば、はじめから片方の存在を知っていたほうが先に恋に類するものを抱いていたのではないか。
そんなことを考えてしまう。
読んだ人のみにわかる言い方をしたが、この本に関しては内容を明かすことは許されない気がするし、たとえおおむねのあらすじを語ったとしても、この細やかな描写を自分の目で読んだうえで得られる読後感は、あらすじを知るだけでは決して得られないものだろう。

一部、ファンタジックな設定が取り入れられた小説だ。
なので、その点では受け入れられる人とそうでない人がいるだろうし、その設定によって、少なくとも日本において実写化は難しいのではないかと思える。そこにホッとした。
この文章を読んで、この話の内容を知ってほしいと思う。

実は私は「いなくなれ、群青」はあまり肌に合わなかった。
読みはしたが、どうも合わなかった。

でも、この本はまず、表紙カバーのイラストの美しさに惹かれた。これならいけるかも…とふと思ったら、自分で思わなかったほどにのめりこんだ。
こんな意識の変化を経たならば、「いなくなれ、群青」をもう一度読んでみることもできるのではないか、と思った。

学園の設定、雰囲気に恩田陸の「麦の海に沈む果実」の世界を思い出した。あの学園よりはもっと、学生が学生らしい世界ではあるけれど。考えてみれば、恒例行事も夜のピクニックと少し似ている。

あの世界をもっと青春寄りに、恋愛的に、繊細に描いたもののように思える。
恩田陸の名前を引き合いに出したからとて、比較をしたいわけではない。ただ、あの本が好きな人はこれも好きではないかと思った、と言いたいだけだ。
いい小説を読んだと思った。
昨日星を探した言い訳Amazon書評・レビュー:昨日星を探した言い訳より
4041097797
No.12:
(5pt)

読みごたえのあるストーリー

まだ読み始めたばかりですが表紙の絵に魅了を感じ注文しました。
著者の方や他の作品は全く知らずに読みました。声変わりを気にするところや努力を努力と感じない等
学生時代を思い出し共感する事が冒頭からあり作品の世界感にスッと入りこめました。
400ページを超える作品なので読み進めるのが楽しみです。
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No.11:
(4pt)

差別とは何か。

複数の人物、時間軸から
多角的に差別とは何かを捉えた作品。
ボリュームこそありますが、
文体は軽いので
普段本もあまり読まない若い人、活字が苦手な人にも
読みやすいと思います。
参考にして頂ければ幸いです。
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No.10:
(5pt)

あまりにも青臭く純粋で、切なく心に響く

ラノベのサクラダリセットがヒットした著者の作品として軽い気持ちで読み始めましたのがとんだ嬉しい誤算でした。最新刊の本書、誰でも経験のある青春の、純粋な切ない恋心を表現し切った本作に脱帽です。近年の著書をこれから読み漁ろうと思います。
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No.9:
(4pt)

ボリュームたっぷりな長編小説

私は普段、小説はほとんど読みません。主に実用書を読んでいます。今回、何処かで聞いた事がある作家さんの名前だったので読ませて頂きました。

文章は穏やかで平坦、変わった表現や擬音は使っていおらず、読みやすい文章です。小説の舞台は学園物で、中心人物は同学年の男女、小説の流れと共にそれぞれのパートに切り替わります。小説の舞台設定や登場人物への心理描写がきめ細かく、それが自分にとっては少し冗長的に感じました。しかしこれがこの作家さんの持ち味だと思います。

自分は良い年のおっさんのせいか、学校生活から久しく離れており、小説の主人公達に感情移入があまり出来ませんでした。さらに「目」というキーワードがどのようなドラマを作るのか待ちつつも読み進めましたが、これといって特別なドラマは起こりませんでした。自分は最後まで読めず途中で断念しました。
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No.8:
(4pt)

ラノベ調の文体&テーマで、重めのテーマに挑んだ学園モノ♪

まず書籍体裁は、挿絵はおろか後書きも無い、活字の海に満たされた440頁程の単行本ですが、カバーは【浮雲 宇一】のカラーイラストで綺麗に飾られています。

その内容は、表紙が示す通りに学生時代の一幕を描いた作品ですが、幕間に後の回顧録の様な演出を挟み「あの頃は青かった」的な誇張を加えてあります。
登場人物も、少し癖のある言動の男女を主人公に据えてあり「生徒会」とか「学園行事」と言うイベントも織り込んであり、少し娯楽要素を高めれば「ライトノベル」に傾きそうな感じです。

一方のメインテーマはやや重めとされ、作者特有の作風なのか「引き延ばし」感も要所にあり、終盤に行くに連れて、文学寄りな挑戦の痕跡が見て取れます。
勿論、各種伏線も挟まれているのですが、そこまでミステリーな展開では無く、割と軽く読み切れる一冊です。

総じて、カバーイラストの煌びやかさに反して、極めて現実的な世界で語られる学園モノですが、中高生が読む事は想定していないであろう小説と感じ、その嗜好性に沿った需要なら高評価に届くかと思います。
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No.7:
(5pt)

一貫してロマンチスト

河野さんの作品は「サクラダリセット」が角川スニーカー文庫で発刊されていた頃から読んでいます。
(当時、私は中学生でした)

その頃から河野さんの作品には他の作家にはない独特の味があって、新刊を読む度に打ち震えるほど感動してきました。
そうそう、そうなんだよ、私が求めている言葉を、どうしてそう的確に書けるんだ……!、と。

このテイスト、なんなんだろうと思っていましたが、今作を読んでこの感情に訴えかける筆力の根源がどこにあるのか、少し理解できた気がしました。

結局、河野さんって、デビュー時から一貫してずっとロマンチストだったんですね。
小説家って多かれ少なかれ皆どこかロマンチストだと思うんですが、河野さんは、「すごくロマンチスト」です。

我々読者は、この理想主義的なところに救われて、癖になって、読むのをやめられない訳です。

そして、今作についてですが、普段からロマンチストの河野さんが遂に「恋愛」というカテゴリに手を出されました。

どうなるかは読んでいただきたいのでネタバレはしませんが、河野さんの味がよく出ていました。

忙しない毎日を忘れることができました。
河野さん、いつもありがとうございます。
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No.6:
(5pt)

自分の価値観の座標を問われる名作

サンキュータツオさんの書評を読んで購入。作家の名前は書店でよく見かけていたが、「私には若すぎるかも」と思って手にしたことがなかった。
しかしこの作品、青春恋愛小説という甘いオブラートに包まれたなかなかの劇薬だった。
物語の本質は、世代なんて関係ない、むしろ世代差さえ包括する真理だ。
読後、きっと誰かと語り合いたくなるだろうし、自分と周囲の持つ価値観についてじっくりと考えてしまうだろう。
もう『昨日星を探した言い訳』を読む前の自分には戻れない。
読者の思考に見事なフィルターをもたらす可能性があり、良い意味で要注意な名作。
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No.5:
(4pt)

冒頭のトランシーバーが仕事をするまでの長い長い前振りを楽しむ

こういう小説を読んで楽しめる、あるいは感情移入ができる年齢というのは意外に広いかもしれない。両親はいないが恵まれた養親に育てられた少女とまずは良家というべき家庭に育った少年が名門の全寮制中高一貫校でであう。
少女は転入してきた挨拶で将来は総理大臣を目指すと宣言する。少年は鬱屈を抱えながら彼女と近づいていき歩調をそろえ始める。
周りの大人たちは穏やかで話を聞いてくれてよく助言を与えてくれる。しかし自我を形作りつつある少女と少年にとってはそれが正しいとか、よりよいとかではなく、独り言と変わらぬものに聞こえる。それが変わり始める過程を描いた作品です。
二人の視点から描かれるのでそれぞれが主人公です。ただ、少女と少年のモノローグの雰囲気が似通っているのと同じ場面を二つの視点で眺める形なのでたまに混同してしまう。このくらいの年齢の少女は特に性別を超えた言葉遣いをすることがある。それがリアルに描かれているとはいえる。
二人ともかなり頑固なところがあるので、すれ違いがひどいが感情には素直なのが救いだろう。それが冒頭のトランシーバーを何年たっても手元で大事にしていることからもわかる。それで実のところはこの話は終わっているのだ。そこに至るまでの長い長い前置きを楽しむ趣向といってもよい。
生徒会選挙や学校行事、それに少女の心の大きなピースを形作る亡き養父の書いたシナリオが物語を動かしていきます。いつもさざ波が立っているような文章です。大きな波乱はないが読みながら心をざわつかせる。10代で読めば等身大、40代で読めば中高生に戻って自分の子供たちの目線を思い出し、老齢で読めば人生の通過点がこんな美しいものならと回顧に浸ることができるだろう。
ただ、物語の設定に差別問題や貧困などの社会問題を織り込んでいる割には特段それが生きているというわけではない。優しく静かな物語には深い闇は似つかわしくないのか、それらはベールに包まれている。おそらくは亡き養父のシナリオを引き立たせるための配慮だろうと思うが、設定が過剰な嫌いはある。
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No.4:
(4pt)

この手の小説は好みが分かれそうです

まずネタバレを防ぐために抽象的な表現のコメントになることはお許しいただきたい。この本は長編青春恋愛小説です。しかし、よくありがちな軟派な恋愛小説とは大いに異なります。世界を変えようとする少女と人類の完全な平等にこだわる少年の出会いから別れ・再開を描いたものです。その背景には差別・抑圧・不条理・理不尽と呼ばれるものが登場します。それを乗り越えた2人に感動的な結末が訪れます。本書の途中で出てくる文章があります。「勇気はチョコレートに似ている。甘いだけではない。苦味も混じっている。」この小説で繰り広げられる恋愛もチョコレートに近いのではないでしょうか。倫理的側面にも触れる恋愛小説は好みは分かれそうですが、著者河野裕のファンであれば是非一読したい1冊ではあるでしょう。
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No.3:
(5pt)

恋愛の先にある、祈りと、希望

『いなくなれ、群青』などで知られる河野裕氏の
初の単行本小説である本作は、少年少女の青春と恋愛、そして決別を描いており、
これまでの氏の小説のファンなら、読んで絶対に後悔しない作品だ。
帯の謳い文句どおり、氏の最高傑作かもしれない。

が、本作がそこだけにとどまらない深さを内包する。
誰かの言葉を借りれば「深くておいしい」小説である。
「おいしい」のは、胸がきゅんきゅんする主人公たちの恋愛の部分だとして、
「深い」のはどこか。表面的には「差別」を扱っている部分だが、
掘り下げると、法哲学の正義論をごく自然に物語内で昇華している点に行き着く。
しかも、映画『ダークナイト』とは全く異なる創造性で。

「無知のヴェール」に覆われた状態(個々人が自分の持つ財産や才能、運などが
全く不明な状態)で、人々は平等で公正な社会秩序を作ることを選択するのか?
というロールズ「正義論」の大テーマに対する、日本社会としてのひとつの回答、
というよりもむしろ、祈りを伴う希望、のようなものが、この物語では語られている。

軽めの話だと思って読み始めたら深くてびっくり、でも読後感は極めて爽やか、
そして3日経っても、台詞が体内に残っている、という稀有な小説。
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No.2:
(5pt)

イルカの星のラブレター

全寮制の中高一貫校である制道院学園の中等部二年である坂口孝文は、編入してきた茅森良子と出会う。そして3年ほど同じ時間を過ごし、8年間断絶する。この物語は、理解しようとした結果として決定的にすれ違う過程を描くものであり、すれ違ったゆえに間違いに気づく物語でもある。

 作者は、最近5年くらいの中で個人的に最も注目している作家であり、言葉に対して誠実であろうとしている作家であると感じている。そして、その人をその人たらしめる精神的な支柱や、それが失われ、あるいは取り戻される様など、言葉で伝わりにくいことを言葉で表現しようとしている様に感じている。
 その表現のために、あるいはエンタメ的なことのためにかも知れないが、これまでの作品では特別な力が用意されていた。それは、3日間巻き戻す超能力だったり、魔法だったり、死者との対話だったり、同じ時間を繰り返す空間だったりした。しかし本作には、そういった特別な力は用意されていない。当たり前に時間が経過し、そしてそれは戻らない。しかしその進み方は、人によってちょっと違うのかもしれない。

 人と人の関係を進めるのは、基本的には対話だ。そして対話には、言葉を使うしかない。一方で、言葉が相手に伝えてくれるものは不正確かもしれない。でも、その不正確さを補うにも、結局、言葉を使うしかない。二人が顔を合わせている間は。
 しかし、顔を合わせていない間にも時間は進む。時間が進めば深まる理解もきっとある。それが、本書のプロローグであり、エピローグなのだろう。
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No.1:
(2pt)

色々と考えさせられる作品

物語は緑色の瞳を持った転校生、茅森良子と自分の声にコンプレックスを持ち寡黙になった坂口孝文の2人の視点を交互にそして主に3つの時間軸を前後しながら物語は紡がれます。海外ドラマなんかでわりとよくある手法ですね

この作品はとてもメッセージ性の強い作品で作中では差別を1つのテーマとして扱い、差別される側の人間を緑の目の人間と表現しています。そして全体を通して正しい事とは何か…という事を哲学的に複数の登場人物の視点で表現された考えさせられる作品です。

とても深い作品なので若者にとって考え方の1つの指針となり得る作品かもしれませんが、大風呂敷を広げすぎてしまいうまくまとめる事ができずに仕上がってしまった感じがあり、第一部までなら読み物としてそこそこ面白く読めるのですが、終盤はとっ散らかっている感じを受けました。淡々と物語が進みそして終わる。

物語全体を通して登場人物に命が吹き込まれている感じがあまりないのが原因かな…例えば読者層を中高生として強く意識したのかもしれませんが年齢設定に無理がある。また思考的な描写に比べ、心理的な描写や背景が不足してる様にも感じました。扱っているテーマは深く考えさせられる物なのに登場人物が生きてない、ただそこに登場し台詞を言わされてるだけという感じで、少なくとも私はこの物語を最後まで読んでも読後になんの余韻もなかったです。

ある意味非常に勿体ないなと思いました。
読み進めるにつれ残念な気持ちが募ってくる、この本こそがイルカの唄だった。
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4041097797

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