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ブラックウェルに憧れて 四人の女性医師
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ブラックウェルに憧れて 四人の女性医師の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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小説では以下の五人が登場するけど、共通点としては ・男性医師の多くが取得する専門医など、キャリアアップに興味なし ・当直、夜中の呼び出し、重症対応、救急救命、僻地勤務などの、社会に必要だけどツラい仕事はしない ・自分を反省せず、他責性が強い ・基本的な医学知識の欠如 ・医学研究や論文に興味なし(教授の城之内が、かろうじて学会発表する程度) 同業者から見れば「やはり女性減点は必要悪だった」と思わせるような女医群像でした。ちなみに、著者自身も専門医/博士号は取らず、老人病院で小説が書けるレベルのマッタリ勤務のようですね。こういう卒業生が多かったせいか、東海大医学部の社会人編入制度は「3年次から40名」→「1年次から10名」と大幅縮小されました。以下、各々の女医についての問題点 眼科医仁美:生理休暇をしょっちゅう取ったら後輩男性が仕事で抜擢され、「大学病院は女を捨てないと認められない」と嘆き、同僚に生理休暇をカバーしてもらった感謝の念は全くなし フリー内科医早紀:検診会場に遅刻して男性事務員に注意され、検診中に一人の患者と話し込んだら「遅い」と男性上司に注意され、「男社会の壁」を嘆く エスコートドクター恵子:旅行に同行中の患者が脱水になり空港で点滴するが「地方空港は設備がショボい」と嘆く…一対一管理なのだから、患者が倒れる前に経口での補水を促すべき NICUチーフ恵子:500gの未熟児が産まれたら(しかも帝王切開にしていない!)、まず点滴を取って気管内挿管はしない!!…蘇生のABCを知らず、人工呼吸器を扱えず、こんなチーフの居るNICUがあれば障害児だらけになってしまうだろう 女性教授城之内:全く研究活動しない、かろうじて学会発表する程度、男子医学生に「タナボタ教授」と呼ばれて、「男のジェラシーは怖い」と嘆く | ||||
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解剖で細い、白い神経を切らずに剝離するのが難しかった。単位を落としたら医者になれないと思いました。 | ||||
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日本社会の問題点が表現されています。性差・男中心、それによる政治政策 | ||||
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女性医師の苦境は決して大げさではなく、現実として起こっている問題をふんだんに盛り込んで、医療現場の中身を訴えつつも、選ぶ道はひとつではないことを自分自身で考える医師たちにはエールを送らずにはいられない。そんな中堅女性医師を育てた女性教授の定年そして男女医学生への贈る言葉…胸に刺さりました。こんなかっこいい女性になりたい! | ||||
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NHKで拝見してお人柄に惹かれてファンになりました。 | ||||
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大学時代あえて見えないふり、気づかないふりをしていた男女医学部生ギャップがヒリヒリと思い出されて、息苦しさを感じながらも一気に読んでしまいました。 古くさい男性中心の職業集団のなかでも、医学と医療への消えない情熱が5人の女性の人生を輝かせています。 いま医学部生の半数は女性になりつつありますが、女性教授は1割に過ぎません。 この本が古くさく、共感できない内容になる日は遠そうです。 | ||||
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著者の作品を読むのは4作目です。映画にもなり有名ないのちの停車場、サイレント・ブレス、ディアペイシェントも各々大変面白かったですが、本作には、他作品にはない感動があります。男女差別をなくしていかなくてはいけない、切実に共感しました。 | ||||
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あっと言う間に読了。 | ||||
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医療の現場でも、男尊女卑? | ||||
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現在、医学部6年生の女子学生です。 私が3年生のくらいの時、入試差別問題がニュースで盛り上がっていました。 高校生の時、医学部のパンフレットに書いてある男女比をみて、(7体3くらいの男女比でとっているんだな)とわかっていましたし、差別が嫌なら女子医大を受ければいいと思っていました。そもそも、女子差別ではなく文部科学省の役人の息子が裏口入学したのが問題だったんじゃないのかな?と思います。 私もこの本の4人の様に解剖学実習は出席番号で分けられ、たまたま女子4人班でした。うまく表現できませんが、解剖の期間、ずっと4人の空気は険悪で、一致した意見は「もう解剖学を女子4人ではやりたくない」ということでした。解剖のときから雰囲気が悪く、1度もご飯などは行ったことはありません。なのでこの本の4人を見がとても羨ましかったです。医学部では実習で5年生でも3〜4人班に分けられるのですが、学年でアンケートを取り、男女の比が班で均等になるように配慮してもらいました。「いつも決まり通りに全て平等」ではなく、柔軟に対応すれば良いと考えています。 5人の女医さんの医師として、人間としての生き方がすごく忠実に描かれていて、忠実すぎて読んでいて泣いてしまいました。これから私の歩む道は辛く悔しい思いがとても多いのだと再自覚させられました。女の子が結婚して専業主婦になっても世間では暖かく受け入れられるのに、女性が専業主夫と結婚すると「ひも」と呼ばれる。嫌な世界です。女医の成功とはなんなのか。永遠に考えますが、女医は一部の「スーパー女医」を除き、幸せになれないのだな、、と悲しくなります。 これから世界が男性の権利も、女性の権利も守られ、誰かを犠牲にすることなく、全員で幸せに向かえるようになれば良いなと思っています。 | ||||
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未だに男女差別が激しい医学界の現状を、女性教授&医師として現場で働くかつての教え子4人の姿を通して描く作品です。 未だに、ここまで男女差別があるのか……と驚きましたが、自身の職場を省みると係長以上の管理職に女性はいないので、変わらないなと思った次第です。 ただ、他の作品で『女性受刑者よりも男性受刑者の方が圧倒的に多い』という記事を読んで調べたら、3年前のデータで受刑者の男女比は女性が1割以下だったので、 このデータだけで考えると、女性を幹部にした方が社会はもっと平和になるのに……と思いますけどね。 今作では社会で奮闘する女性医師たちの姿を通して、同じ状況で奮闘する女性へのエールを描いてるようにも感じて、そこが良かったです。 性差と仕事についても考えさせてくれる作品で、今作をきっかけに少しでも仕事の男女差別がなくなると良いなと願うばかりでした。 | ||||
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楽しく興味深く読みました 白内障の手術が点眼のみの麻酔だと知らんかった。てっきり、「眼球に注射」だと思い込んでいた 将来、白内障の手術する事になる時の「恐怖」が一つ軽減された…けど「見える」のはやっぱ怖いか… 絵心の全くない自分には「スケッチ」の出来ってのは、絵が上手いか下手かに左右される気がしていたんだが、そうでもないんかな?物の形を写し取る能力といわゆる画力というのは別なんだろうか? 人の骨を粉砕すると茶碗1杯?これは良い事を知った。それなら粉砕しちゃえば「燃えるゴミ」で出せるやん! ↑かねてより、自分は墓はいらないから、遺骨はゴミ扱いで良いんだが、人骨ゴミに出したら遺族が咎められるだろうし…の、逡巡クリア! と、とりとめない事に思考を飛ばしながら読んだ で、本題。 「男女のバランス」。 男女混合チームがあるのに、男のみチーム・女のみチームが出来ると「何で?」と当り前に思う どっちかが不足してるなら、仕方ない。と思う ↑はもうどうしようもなく染みついた感覚でもある それでもって、学力レベルで「女子のが優秀」となって、医学生が女子ばかりになったと想定したら「不安」になる。ついでに勝手なイメージだと「皮膚科、眼科、精神科は増えるだろうが、外科や救急のなり手はいるのか」の危機感にかられる ブラックウェルは素晴らしい先駆者で、この方を排除しようとした男社会は狭量だと思う 同時に、ブラックウェルは生涯独身で医業に邁進し、自分の子を産もうとか、家庭を作ろうとか、そういう事を並び立たせようと、無茶な事はしなかった(養女は貰ったけど)とも思う。 「薬で生理を止めて、女を捨てれば認められるなんて、おかしいじゃないですか」 おかしい。確かにすごくおかしい。挙句の果てに「ケチャマン」などという卑しい言葉を発する輩には猛然と掴み掛りたい その一方で、 自分が頼りにしている主治医が「産休・育休の為」に休んだら、口では祝福するが「これだから女はなあ…」と思うだろう。能力が同じであれば、誰でもOK。ではないから。ある程度の期間診て貰って、相手の「操縦法」を習得し、信頼すら構築されたトコで「担当医変更」と言われると「また初めっからやり直しか…」と力が抜ける 医師にも個人の生活がある。それはもちろん分かっている 男性医師に異動がない訳ではないし、転職されてしまう場合もある が、異動転職での担当替えと、産休育休での担当替えでは虚脱・落胆感が全く違う 男性医師でも、それこそ育休取る場合もあるだろう が、まだまだ絶対的に、男性の方が「後方支援(この言葉は余り好かないが「内助の功」とも言う)」は受けやすい 患者の勝手な言い分だと、「医業を一番に置いて欲しい」。女性は自分の子が出来ると、それ迄どれ程真摯に邁進していても、優先順位が…変わる 結婚しても、子供が出来ても、男は「今までの生活を変えない」タイプは多い(←意識低いタイプとも言う)。患者の身としては正直「有難い」。しかし女は違う 「医者は軍隊と同じなんです」と、長く医業を家業として続けていらっしゃる医師の言葉を思い出した …駄目だ。自分は「どっち派」なのか決められない 「倫理的に正しい」のと「実際どうか」は「当たった女医さん個人」がどうなのか、で都度ころころ変わってしまうのが自分だろう と、思った | ||||
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本書は、自身も医師である作家が、先達に捧げものをするような、祈りに満ちた長編です。 英国生まれのエリザベス・ブラックウェル(1821-1910)は、アメリカで女性として初めて医学校を卒業し、英国で初めて正式に医師登録された女性です。近代看護教育の母として知られるフローレンス・ナイチンゲールとも交遊があり、英国で共に女子医学校を設立するなど、女性に対する教育の普及と、権利向上におおいに貢献した人物です。現在(2020年7月)、NHKで連続ドラマ化され放映中の『ディア・ペイシェント』をはじめ、多くの女医を描いてきた作家にとって、ひときわ思い入れの強い作品でしょう。 作中、重要な鍵を握るのは1998年、「中央医科大学」の解剖学教室で行われた、実習を伴う解剖学概論の講義です。医学部二年生にとって、初めて経験する本格的な基礎医学系実習を指導するのは、城之内泰子先生。同大学で女性として初めて教授になった人物です。有志によって託された貴重な献体を、学生たちは四人一組になって解剖してゆきます。城之内先生が純粋に成績順で割り振りをした結果、偶然にも、女性ばかりの班ができました。後に、表彰されるほど優秀な成績を収めて卒業し、医師となっていった四人の女性――長谷川仁美、坂東早紀、椎名涼子、安蘭恵子の二十年後の姿を、作家は描いてゆきます。皆、40歳の大台に乗り、医師として15年余りのキャリアを積んでいますが、思い描いてきた初心は風前の灯のピンチです。そう、日本特有の〝ガラスの〟ならぬ鋼鉄製の天井が彼女たちの前に厳然と立ちはだかっているのです。 「心身に障害のない、日本人の、男性医師――それこそが医局員の標準であって、初めから女性医師は規格外の存在なのか。自分たちは、女というだけで欠陥を抱えているのだろうか。」 母校の大学附属病院所属の眼科医・長谷川はこう心の内を表現しています。白内障手術のスペシャリストと認められながら、オペチームのリーダーの地位を目前で後輩男性にかっさらわれたと長谷川は強く憤りますが、そもそも彼女は上司たちの構想には入っていなかったのでした。ただ、「女というだけで」。 結婚や出産、子育て、介護、そしてキャリア――「女には欲望がないというファンタジーのような世界観は、いい加減終わりにしてもらいたい」と、椎名は言います。静かに、静かに怒る著者は、何より、未来の女性に向けて、本書を届けたいと願ったはずです。それぞれ長編にしてもいいぐらい、リアルでアイデアにキレのある四人の物語を受け止めた先には、驚くべき真実が読者を待ち受けています。コロナ禍で奮闘する医療従事者に感謝するのは当然として、作家はさらにその先を見つめているのです。 | ||||
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